閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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Sion the LIGHT&DARKNEES 9

 

 

月閃女学館の寮前は騒然としていた紫苑の前にはあの零体として自分の前に姿を見せたあの女と他二人の女がいた

 

 

「さぁ菊冦(きく)。帰りましょう、本来のあなたの居場所に」

 

 

誘うように手を差し出し、にこやかに語り掛ける

 

 

「悪いけど僕は菊冦(きく)じゃない。それにそんな誘いに乗るほど僕は軽くはない…っ」

 

 

誘いを蹴ると共に懐から巻物を取り出す

 

 

「正気?」

 

 

「あぁ、正気だよ…忍、転身!!」

 

 

3人を前に紫苑は毅然とした態度で新しい巻物を掲げ叫ぶ

 

 

巻物が紫苑を包み込み、その身に忍装束を纏わせる

 

 

「(よかった。元の姿だ…っ!)」

 

 

自身の姿を見て白の巻物を使ったことで本来の姿であると安心したとともに改めて相手を定めた

 

 

「無意味なことを…っ」キョロ

 

 

「「っ…」」コクン

 

 

雪泉似の女性がアイコンタクトをすると左右に立っていた2人が前に出るとともに戦闘態勢を整える

 

 

双方とも構えを取ったまま数秒の沈黙が流れる

 

 

「ひひっ…はあっ!」

 

 

「ふっ!」

 

 

先に沈黙を破ったのは2人のほうだった

 

 

勢いよく駆け出し、紫苑に迫ってくるのだ

 

 

「(直線的だ。ここは遠距離から牽制して隙を作るに徹しよう)」

 

 

紫苑は考えをまとめると身構える

 

 

「ふぅぅん!」

 

 

いつものように力を使おうと力み声を上げる

 

 

「…えっ?」

 

 

しかし紫苑は次の瞬間に違和感を感じた

 

 

「「はあっ!!」」

 

 

「っ!?」

 

 

されど考える余裕を与えるような相手ではなく、仕掛けてきた二人の攻撃をギリギリかわす

 

 

「(危なかった)」

 

 

回避行動をとるのがあと少し遅かったらダメージは免れなかっただろう

 

 

「(…もう一度試してみよう)」

 

 

先ほどの違和感の原因が何なのかをもう一度確認するため、紫苑は再び構え、力を込める

 

 

だが、そうしたにもかかわらず結果はさっきとまるで変わらなかった

 

 

「(ま、間違いない。術が使えなくなってる!?)」アセアセ

 

 

二回目で紫苑は理解した

 

 

今の自分は術が発動できないということを

 

 

理屈こそわからないが現に今も術を発動させたくてもまったくだせないのだから

 

 

「(術が使えないのは正直キツイ…でも、やりようはある!)」

 

 

だが紫苑はこの状況を前に冷静にとらえ、どうすべきかを考える

 

 

「はあっ!!」

 

 

「ふぅぅぅぅん!!」

 

 

2人が同時に仕掛けてきた

 

 

「ふっ、はあっ!」

 

 

刹那、それに対し紫苑は敵の攻撃をいなすとともにその軌道を曲げる

 

 

「なにっ!?ぼへっ!?」

 

 

「うぶい!?」

 

 

紫苑によって軌道を晒された2人は標的を失い、互いに顔を激突させる

 

 

「「〜〜っ!?!?」」

 

 

「あら、意外とやるのね?」

 

 

互いに頭を打ち付けて痛みに悶絶する2人を一見しながら視線を紫苑の方に向き直す

 

 

ただただやられて終わるだけのショーかと思ったら意外な反撃を見せたものだと感心した様子を見せていた

 

 

「(よし、敵は怯んでいる。一気に畳み掛ける!)」

 

 

すかさず紫苑は術の代わりに懐から苦無を手にする

 

 

「っ!」

 

 

そしてその苦無で2人に斬りかかろうとする

 

 

「…っ」パチン

 

 

紫苑が斬りかかろうとする直前、夜泉が指を鳴らした

 

 

「「っ」」シュイン!

 

 

「っ!?」

 

 

刹那、紫苑が驚いた様子で攻撃を中断する

 

 

なぜなら先ほどまで紫苑の視界に映っていた2人の姿が別の姿に変わったからだ

 

 

しかもそれは月閃女学館の生徒だったのだから

 

 

「ど、どういうことだ?」アセアセ

 

 

目の前で起きている事態に紫苑は困惑する

 

 

「~っ、戦闘の最中に考え事とは、いい度胸ですね!」

 

 

「お返しだ!」

 

 

「っ!?」

 

 

次の瞬間、2人の姿が先ほどの姿に戻るとともに紫苑に襲い掛かる

 

 

敵への意識がおろそかになってしまったが故に反撃を許してしまった

 

 

仕掛けてきた攻撃を数発ほど紫苑は回避する

 

 

「っ、はぁぁっ!」

 

 

「ぐっ!?」

 

 

しかし何度目かの蹴りこみに回避が間に合わなかったため、咄嗟に防御の姿勢をとり

 

 

蹴りの一撃を受けた紫苑は地面を削りながら後方に飛ばされる

 

 

だが攻撃はまだ終わってはいなかった

 

 

「ふっ!」

 

 

「なっ!?」

 

 

もう1人が追撃のためにもう懐にまで接近していたのだから

 

 

「ふぅぅん!」

 

 

「ぐっ!?うわぁぁ!?」

 

 

体格に似合わないその金剛力の一撃が紫苑を壁へと吹き飛ばし、叩きつける

 

 

激突と同時に吐血し、力なく地面に倒れ込む

 

 

「ぶふっ…ぐふっ…〜〜っ!」

 

 

痛みに苦しむ体に鞭打たせながら紫苑はなんとか立ち上がる

 

 

しかしその身は既に満身創痍になりつつあった

 

 

「さ、さっきのはいったい!?」

 

 

苦しみに悶えつつも紫苑は先ほどの出来事について疑問を抱いていた

 

 

「何が何だかわからないって顔してるわね。教えてあげるわ。昼間の時、闇を制御しきれなかったあなたに真白が光を施したでしょ?でもね、それによって真白が施した結界の効力が弱まったの、まだ完全ではないけどおかげであの時は私しか送れなかった思念をこの子たちにも施し、さらには操った者の肉体を私たち自身に変えることも可能になったのよ…こんな風にね」

 

 

不敵に笑いながら夜泉は自身の顔を手で追おうとすぐにその手をどかす

 

 

するとその顔は夜泉の顔ではなく2人同様に月閃の生徒に変わる

 

 

「なっ…」アセアセ

 

 

紫苑は絶句した

 

 

今の彼女たちの体はあくまで仮であり、本来の持ち主はこの学館の生徒だと知り

 

 

真実を知ってしまった以上、紫苑にはもう抵抗する意志は残っていなかった

 

 

「……無様ね」

 

 

その場に跪く紫苑を目にしながら夜泉が再び顔を覆うとその顔は夜泉本来の顔に戻る

 

 

 

「今のあなたではどう頑張っても私たちに勝つことは不可能よ。これでわかったかしら?」

 

 

「くっ…」

 

 

今の自分には勝ち目はないと断言する彼女のそに言葉を聞いて紫苑は何も言い返す言葉が出なかった

 

 

「今のあなたはかつての闇の力を取り戻したことによって真白があなたに施した光という脆弱な力が再び解き放たれた闇の力を抑えようとしているせいで力を引き起こすことができなくなっているのよ。つまり今のあなたは何においても中途半端な存在だということよ」

 

 

「っ!?」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、紫苑は絶句る

 

 

今の自分の力が出せない理由は自身の意思に関係なく開放してしまった闇の浸食を食い止めようと反発しあっているせいで紫苑は力を使うことができないのだという

 

 

「「ふっ!!」」

 

 

「っ!?」

 

 

理由を知り、意気消沈仕掛けている紫苑に2人が再び仕掛けてきた

 

 

話しに気を取られてしまったが故に回避行動が間に合わない

 

 

「はあっ!」

 

 

「がっ!?」

 

 

「どっせーい!」

 

 

「うわぁぁっ!?」

 

 

2人の容赦のない二発の攻撃によって紫苑は再び吹き飛ばされる

 

 

「うっ、…うぅ…」

 

 

なんとか立ちあがろうにも既にダメージによって気力が失われてしまっていた

 

 

「本当に無様だわ。こんなのかつてのあなたが見たらなんていうかしらね?本来のあなたならば私たちを束に相手しても勝っていたわ。にも関わらず私たちが入れ物を使っているとわかった途端にこの為体、光なんてくだらないもよにうつつを抜かすからそんなにも弱くなってしまうのよ」

 

 

「くぅっ…」

 

 

「やはりあなたに光は似合わない、あなたに必要なのは”闇”なのよ」

 

 

光を宿している自分は弱いと彼女は語り、闇を宿していたころのほうが強かったと告げる

 

 

「いいことを教えてあげる。もうすぐ私たちを閉じ込めている結界が消滅するわ」

 

 

「なっ…なんだって?」

 

 

「真白があなたに残る力を授けたせいで結界を維持できるだけの力がなくなってきてるのよ」

 

 

真白が自分を助けてくれたことがトリガーとなって彼女たちの封印が解かれようとしていると知り紫苑は絶句する

 

 

「結界が消滅した暁には私たちはこの力をもって生きとし生ける者たちを一人残さず闇に染め上げる。かつて頓挫してしまった私たちの計画を再び成し遂げるのよ」

 

 

封印が解け、自由となった暁に彼女たちが思い描く野望を聞いて紫苑は危機感を覚えた

 

 

「あら…っ?」

 

 

するとそんな中、夜泉たちの身体に異変が起こる

 

 

「…時間切れみたいね。菊冦(きく)、一先ず私たちは戻るわ。待っているわよ私の…愛しい菊冦」

 

 

そういうと夜泉たちの思念が消える

 

 

同時に操られていた月閃の生徒たちがその場に倒れる

 

 

紫苑はただただその光景を呆然と見てることしかできなかった…

 

 

 

 

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