竜化した男の猛攻に苦戦を強いられる光牙だったが
それを救うべくして現れた焔と春花の加勢によって盤面は再び変わり
3人の反撃が始まり、連携を駆使して男(竜化)を翻弄し
隙を見せたその瞬間、光牙の放った輝迅が男(竜化)めがけて飛んでいくのだった
ビュィィィン!
【「ッ!?」】
「っ!」
光牙の放った輝迅が光速の速度で男に向かっていく
避けようにも隙を突かれた身動きする時間すらなかった
【「グッ!?ヌゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」】
せめてもの抵抗とばかりに両手をクロスさせ、直撃した攻撃と衝撃を堪える
【「コ、コンナモノ!?コ、コンナ…モ、ノ!?」】
必死に押し返そうとするも輝迅の力に押し負けていく
【「ヌゥゥ、アァァァァァァ!?」】
ボバァァァァァァン!!!
光に包み込まれた瞬間、大爆発が発生した
爆発によって大きな噴煙が空高くに舞い上がる
「…ふぅ」
「やったな光牙」
「さすがだわ」
男(竜化)が光に飲まれて爆発し手から少しして光牙の元に焔と春花が駆け寄ってきた
2人は敵を倒すことができたなどと喜んでいたが、ふと光牙の目に煙の中から立ち上がる人影が
「…お前たち、勝利を確信するのはまだ早いようだ」
「「っ?」」
光牙のその言葉によって一気に険しい表情を浮かべ光牙と同じ場所に目を送る
すると風で扇がれた煙の中からこちらをにらみつけるがんこう眼光が
「なんて奴だ。パワーアップした光牙の輝迅を受けてもまだ立つのか!?」
まだ終わってないことに何をつけながら六爪を身構える
「焔ちゃん落ち着きなさい、それに見て」
「っ?」
春花が指摘し、恐る恐る見るとそこにいたのは竜化が解け、元の人の姿となった男がいた
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
息を荒くしており、どうやらダメージは必死の様子だった
「…こっ、このカス共が」グヌヌ
自分をここまでコケにした光牙たちに怒りを見せるも、既に男の体はボロボロで立ってることすら苦しい限りだった
「その状態でまだやるというのか?」
「あっ、当たり前だ!こ、ここまでコケにされて、黙ってられるか!っ、ぬぅぅぅぅぅ!」ゴォォォ
「「「っ?」」」
男は再び気を練り始め、竜化を試みようとする
「バカな真似はよせ!そんな体で力を高めたらどうなると思ってる!」
「うるせぇ!お前らは是が非でも俺の手で殺さなきゃ気が済まない!」
光牙たちを殺すことにとらわれ、それ以外は二の次だというかのように力を高めていく
「俺を舐め腐ったこと、後悔しやがれ!」
そう言い放ち力が頂点に達しようとした時だった
ビュオォォォォォ!!!
「「「「っ?」」」」
突如、男から放たれているのとは別の強風が発生し、それによって周囲を覆っていた風圧が収まった
何が起こったのかと呆気にとられる光牙たち
最初こそ男がまだ何かをしようとしたのかと思ったが、当の男も予想外の顔を浮かべていた
ではこの風はいったいなんだ?
押し寄せる疑問に頭を悩ませる光牙達だったが以外にもその答えはすぐに判明した
「そこまでよ。山土」
「っ!?」
困惑する光牙達を他所にどこからか声が聞こえる
その声に男が反応したことからここでようやく男の名が山土であることが判明し
さらにその直後、電柱の上に旋風が巻き起こった次の瞬間
先ほどまで何もなかった電柱の上に佇む1人の女性の姿があった
「誰だ?」
「よくは分からないけど、一つ言えるのだとしたら」
「新手である可能性は十分にあるといったところだろうな?」
このタイミングで出現し男の名を知っている
そこから導かれる光牙達の答えは満場一致していた
「2人とも油断するな。新手の奴はどんな奴かも分からない、それに披露したこの状況下で奴らを同時に相手にするのは骨が折れるだろうからな」
「あぁ、わかってる!」
「気を引き締めなきゃね」
敵にこちらの現状を悟らせないためにも多少、見栄をはりつつも相手の出方を伺う
その様子を相手の女性が軽くチラ見をしていた
「何のつもりだ風那!もう少しで奴らを殺れたのに!」
「落ち着きなさいよバカ。殺ってどうすんのよ?頭に血が上りすぎて目的忘れてんじゃないわよね?」
「ぬぅ…」グヌヌ
自分の邪魔をした風那と呼ばれる女性に山土が怒鳴りを利かせるも
逆に山土は風那にあれやこれや言われて言い負かされて言葉を失ってしまう
「まったく、あんたのつまらないこだわりのせいで我らがマスターの計画が狂ったらどうするつもりなの?」
「あっ、いや…その……」
「しかも、こともあろうに竜化までしておいてこんな無様を晒す…これはただでは済まないわね」
「ぐっ、ちょ、ちょっと油断しただけだ!本気を出せばあんなやつ」
山土は見事に風那の話術にからめとられ、反論もただの苦し言い訳にしか聞こえない
「ともかくここは一旦退くわよ」
「退くだと?いいのかよまだあいつを捕まえてないんだぞ!?」
「問題ないわ…既に”1匹”は捕まえたのだから」
「…っち、わかったよ」
納得こそしてないが彼らを指揮していると思われる者からの命令なのだといわれたことで渋々それを承諾する
そうしてこの場から去ろうとしていた
「待て!」
しかし、そうはさせじと光牙が2人を呼び止め、その声を聴いた2人が歩みを止めて光牙達を見る
「答えろ、貴様らの首領はなぜ俺を必要としている?何のために?」
「そうね。あえて言うのなら、この世界に安定と平和を作る。それこそがあの方の目的よ」
「平和だと?」
「えぇ、この世から醜い争いをすべて消し去り、あの方の描く秩序の元私たちの選ばれた力を持った者たちが人々に平和をもたらす。そのためにあの方は我々を集め、その為に力をコントロールする知恵を授けてくださったのよ。すべてはあの方が築く新たな世界発展のために!」
誇らしげに女性はそう唱えるも、光牙達にはやはり胡散臭い気がしてならなかった
「今ならまだ間に合うわ。どうかしら私たちとともに来ない?」
女性はそういって手を差し出すも光牙は微動だにせずただ2人をにらみ据える
「そう、それがあなたの答えってわけね。了解したわ、でも覚えておきなさい今回はこれで引くけど、こうなった以上は次は本気で行くことになるでしょうね。その時は我々全員で力ずくであなたを連れていくから。せいぜい意を洗って待ってなさい」
「っ」
その捨て台詞を残した瞬間、2人を風が包み込み、数秒後風が止むと2人の姿は消えていた
光牙たちはただただ2人の消えた場所を呆然と眺めるのだった