閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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Kouga Dragon of the soul 8

光牙たちが山土と戦闘を繰り広げている一方

 

 

詠とともに貧民街を訪れていた愛花が突如として現れた山土の仲間によって連れ去らわれてしまった

 

 

連れ去られた愛花が目を覚ましたのは何処かもわからぬ見知らぬ場所だった

 

 

否応なくこんなところに連れてかれてしまい困惑する愛花だったが

 

 

直後、彼女に語りかける声が聞こえ、愛花が視線を向けてみる

 

 

その先には立派な玉座に座す見目麗しいほどの絶世の美女「神威」がいた

 

 

神威は愛花に自分が愛花を救う手助けをしたいと申し出をし

 

 

愛花に介入をほのめかす、そんな中

 

 

遅れてやってきた風那が山土を連れ帰ったとともに事の顛末を伝える

 

 

すると神威は途端に険しい表情を浮かべ、それを見た愛花は恐怖を覚えた

 

 

 

 

 

 

⦅玉座の間⦆

 

 

 

今、ここは張りつめられた空気に支配されていた

 

 

その理由は風那から報告を受けた神威が失態を犯した山土に冷たくそれでいてどこか威圧を感じさせる顔を浮かべていたからだ

 

 

彼女のその表情を見たこの場のだれもが冷や汗を流す。もちろんそれは愛花も同じだった

 

 

「山土、風那の言ってることは本当なのかしら?」

 

 

「あ、やっ…お、俺は…」

 

 

神威が質問するも歯切れの悪い言い方をする山土の態度にさらにむっとなった顔を浮かべる

 

 

「どうやら本当のようね…」スッ

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

「残念だわ。少しは期待していたのにね」

 

 

「なっ!?ちょ、まっ!?」アセアセ

 

 

刹那、神威が右手の甲を見せるように顔のところまでもっていこうとする仕草をする

 

 

それを見た瞬間、部下である3人は驚愕し、山土に至っては顔を青ざめる

 

 

まるでとてつもない恐怖に駆られるかの如く

 

 

山土が慌ててそれを止めようとするも時すでに遅し

 

 

彼女が手を山土に向けた次の瞬間だった

 

 

 

ギュィィィィィン!!

 

 

 

突如、山土の足元に円陣が発生する

 

 

「ぐぅぅぅ、がぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

 

「っ!?」

 

 

円の中に閉じ込められた山土が苦しみ出す

 

 

数秒もたたずして山土に異変が起こり、体からなにか得体のしれないものが抜け出始めていく

 

 

「ギギ…ク、カカ…お、おゆ…るじ…おねが…」

 

 

苦しみ藻掻き、次第に息も声も弱々しいものになっていく

 

 

「ダメよ…使えない子には。要はないの」ギュッ

 

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

 

冷たい目で山土に言い放った神威は突き出していた手をぎゅっと握りしめる

 

 

すると山土の身体から抜け出したものが完全に彼から抜き取られた

 

 

身体からそれが抜き取られた瞬間、山土はその場に倒れた

 

 

「だ、大丈夫ですか!!」

 

 

一部始終を見ていた愛花が駆けつける

 

 

しかし愛花は気づいてしまう

 

 

「し、死んでる…」アセアセ

 

 

もう既に山土は息絶えていたことを

 

 

愛花が驚いているのを他所に神威は山土から抜き取った力を自らに取り組む

 

 

「ふぅ…」

 

 

一連の業を終え、一息つく

 

 

「さて、愛花ちゃん。ごめんなさいね、話しが少しそれちゃったわね。続きを話しましょうか」

 

 

まるで何事もなかったかのように神威は愛花に話しかける

 

 

「…して」

 

 

「ん?」

 

 

「どうして、こんな酷いことをしたんですか?」

 

 

山土を看取った後、愛花は神威に向き直る

 

 

しかしその表情は明らかに彼女に対する敵意をむき出しにしていた

 

 

「何がとは?」

 

 

何を言っているのか分からないと言った顔で神威が愛花に問う

 

 

「とぼけないでください。この人のことです!どうして、どうしてこの人を殺したんですか!」

 

 

神威に対して愛花は怒り心頭の様子で声を荒げた

 

 

「ガキが、マスターに向かってなんて口の利き方を!」

 

 

愛花の態度にカッとなった腹心の1人が突っかかろうとする

 

 

「火歌、やめなさい」

 

 

「しかしマスター、このガキは!」

 

 

「…火歌?」

 

 

「うっ……申し訳、ございません」

 

 

火歌と呼ばれる男は神威の圧に負け、彼女に従い元の位置に戻る

 

 

その様子を見て神威は自分を凝視している愛花に向き直る

 

 

「どうしてそんな怖い顔をするのかしら?」

 

 

「…どうして?この人にこんな酷い仕打ちをしておいてそんな平然とした顔を浮かべるあなたに怒っているからです!」

 

 

神威に向かって愛花は彼女が山土にしたこの行為を咎める

 

 

「嫌なものを見せてしまったことについては申し訳ないと思っているわ。でもね愛花ちゃん。これは仕方ないことなのよ」

 

 

「仕方ない?これのどこが仕方ないって言うんですか!」

 

 

「これが彼と私が交わした契約なのだもの」

 

 

「契約?」

 

 

人の命を易々と奪った神威の言いぐさに怒りを覚える愛花だったが

 

 

その直後に神威から告げられた言葉の意味が理解できなかった

 

 

「そう、契約。山土のみならずそこにいる火歌たちも同じく私と契約を結んでいるの」

 

 

「どういうことですか?」

 

 

「愛花ちゃん。何事においても無償で何かを得られるなんてことはないでしょう?それと同じで私はこの子たちの中に眠る”竜”という強大なエネルギーを抑え込み、彼らに力として与えて上げたのよ」

 

 

神威が説明すると3人はその通りといった様子でうんうんと首を縦に振っていた

 

 

「おかげで彼らは竜に支配されるかもしれないという恐怖から解放され、並の者とは違う凄まじい力を得た。代わりとしてこの子たちは私と契約を結んだのよ。契約を破った者の代償は竜を抜き取ること。そして竜を抜かれたものは遅かれ早かれ死ぬの。これについてはあなたも知ってるかしら?」

 

 

「…はい、師匠が教えてくれました」

 

 

愛花は竜の力が暴走した事件の後、光牙から竜に関してのことを知らされていた

 

 

「とどのつまり山土は私の下した指示を忘れ、あなたのお仲間の竜を宿す者を殺そうとした。明らかな契約違反、故に彼は代償を支払った。自身の命というね」

 

 

「この人を擁護する訳ではありませんが、ただ一度の失敗だけでこんなことをするだなんてあんまりです!」

 

 

「それが契約というものよ。誓約を交わした以上は従うのは当たり前、契約を破るのはその者の自業自得でしかないわ」

 

 

「うっ…」

 

 

何も殺す必要はなかったのではと抗議する愛花に神威は冷たくそう言い放つ

 

 

「さて愛花ちゃん。そろそろ本題に入らせてもらうわ。あなたも彼らと同じく私と契約を結ばない?そうすればもう二度と竜の力が暴走することもないし、そのことで不安がることもない。私の力であなたを救ってあげるわよ」

 

 

話しを変えて神威が愛花に契約を持ち出す

 

 

「そんなの決まってます。お断りします!」

 

 

「っ…?」

 

 

「私にはあなたの力なんて必要ありません!自分のことは自分で何とかします。それに私にはししょーやみんながいます。あなたなんかに頼らなくたって私は平気です!」

 

 

愛花は神威の誘いを真っ向から蹴った

 

 

「これは随分と威勢がいいわね?穏便に済ませたかったんだけども…」パチン

 

 

「っ!!」バッ!

 

 

「きゃっ!?」

 

 

神威が指を鳴らした瞬間、火歌が飛び出し愛花を拘束する

 

 

「な、何をするんですか!?」

 

 

「ごめんなさいね。私、どうしてもあなたとあなたのお師匠さんを仲間にしたいの、だから…強引にでも私の物にしてあげるわ」

 

 

「っ!?」

 

 

邪悪な笑みをこぼし愛花に語りかける神威は火歌たちのいう救いの神など程遠く、まさに悪魔のようだった

 

 

「(…ししょー)」

 

 

恐怖に押しつぶされそうな愛花は心の中で光牙の名を呟くのだった

 

 

 

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