仲間たちのおかげで最上階にへとやってきた光牙と焔だったが
そこで待ち受けていたのはマスターから仕打ちを受けている愛花の姿
2人はすかさず助けに入るも、既になんらかの洗脳を受け、自身の意思とは関係なく光牙たちを襲ってきた
しかし光牙の手によって洗脳は解け、3人はマスターに敵視を向ける
先手を打つべく挑む焔だったが、油断を突かれて一撃を受けてしまい意識を失う
続けざまに光牙が仕掛けるも山土から奪ったとされる地竜の力によって愛花共々拘束されてしまう
光牙と愛花が動けないこのタイミングを見計らい、マスターは自身の計画の最終段階を指導する
ビルを丸ごと取り囲む巨大な円陣を作り上げた
円陣ができるや意識を失っている火歌たちから竜の魂が抜け出し、マスターの元に集まろうとしているのだった
ギュィィィィィン!!!
発生した円陣が不気味に怪しい輝きを放つ
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「ぬっ、うぅぅぅぅぅ!?」
さらにはそれにより光牙と愛花の悲痛の叫び声が響き渡っていた
「(おいおいおい、どうなっているんだ?気を失っている間に何が?)」
気を失っていた知らぬ間に状況はとんでもないことになっていることに焔は困惑していた
するとその直後だった
突如として彼女の元に何やら靄のようなものが飛んできた
何事かと恐る恐るみ折ると靄の先端に竜の顔らしきものが浮かび上がっていた
そして少しの間様子を伺っていると竜の顔を浮かばせた靄がマスターに吸収されていく
「いい、いいわ。その調子よ!力が、体に力が漲るのを感じるわ!」
靄を吸収する度にマスターは狂ったように笑みを浮かべる
「もっと、もっとよ!…次はあなたたちの番よ!」
マスターがそう言い放つと陣の光がさらに不気味に輝く
「あぁぁぁぁぁ!?」
「ぬぅぅっ、ぐぅぅぅ!?」
光牙と愛花の悲痛の叫びがそれに好悪するように強まっていた
するとその時だった
愛花の体から次第に力の源が抜け出ようとしていた
「あ、愛花…気をしっかり持て!」
「し、ししょ…〜っ!!」
意識が飛びそうになるのを必死に耐え、力を奪い取られまいと必死に抵抗する
《『ひ、人のことを心配している余裕があるのかお前様よ!』》
「(お前か!?)」
最中、光の竜が光牙に話しかけてきた
声色からしても彼女にも影響が出ていることは明らかだった
《『お前様、どうにかできんのか!このままではお前様もわしもやばいんだぞ!?』》
「(わかっている。わかっているが身動きが取れない状況ではどうにもできん!?)」
まずい状況の中、身動きが取れない以上はdどうにもできなかった
「ふふふ、無駄な抵抗はやめなさい。あなたたちに残っている選択肢は私の糧として全てを差し出すことのみなのよ」
力の高まりに酔いしれながらマスターは抵抗できずの光牙と愛花に言い放った
さらにその言葉に好悪するように必死に漏れないよう抑え込んでいる2人の竜の力が徐々に吸い取られ始めていた
「し、ししょー…も、もう…」
「あ、愛花!?」
辛抱していた愛花も力を吸われて抵抗力が弱まりだしていた
このままでは竜の力を抜き取られて死んでしまうという最悪の状況に追いやられてしまった
「ふふふふふっ」
その様子を見てマスターは悪い笑みをこぼしていた
万事休すに追い込まれていたその時だった
不意に黄河の視線に映る影が
「っ?」
その気配にマスターも気づいた瞬間だった
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「なにっ!?」
「てやぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぐ、ぐぅぅぅぅぅ!?」ドドォォォン!
予期せぬ攻撃によって対処が間に合わなかったマスターが壁に叩きつけられた
「お、おまえは!」
自分に不意打ちを食らわせた者を見てマスターのみならず光牙たちも驚いた
彼女を吹き飛ばしたのは炎月花を抜き、「紅蓮」へと転身した焔だったのだ
怒りを見せるマスター他所に焔の視線は光牙と愛花のほうへと向けられる
「う、うぅぅぅ…」
「ほむ…ら…」
「光牙、愛花!くそっ、早くなんとかしなきゃ!?」
マスターを吹っ飛ばしたはいいが肝心の2人がピンチである
なんとかして助けなければと焔は考えを巡らせる
最中、唯一思いついた作戦が脳裏をよぎる
考えている暇はないと2人を見て焔はすかさず行動に出る
「お前ら、ちょっと手荒だがこの状況を打破するためだ!勘弁してくれよ!」
「ほむら…まさか!?」
そういうと焔は炎月花を握りしめ、刀身に力を込める
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
勢いよく炎月花を円の中心に突き刺した瞬間、沸き起こる炎が部屋の中を包み込んだ
ボバァァァァァァァァァン!!!
最上階が炎上し、大爆発を起こした
部屋の中を覆いつくしていた爆煙が透き通った窓側から吹く風によって消えていくとともに状況が見え始めた
「…けほっけほっ、ちょっと火力調整間違えたかな?」
煙の中から現れた焔がむせた様子で咳払いしていた
するとそんな焔の元に歩み寄る人影が
振り返ると煙の奥から光牙に肩を借りながら歩み寄る愛花が
「おぉ、光牙、愛花。無事だったんだ。いや~よかった」
やってきた光牙と愛花の姿を見て焔は安堵の笑みを浮かべていた
「…んの」
「ん?」
「ボケがぁぁ!」バシン!
「ふごっ!?」
一方で光牙のほうはなにやらプルプルと体を震わせ鷹と思ったら次の瞬間には焔に拳骨を食らわせていた
拳骨を食らったことで情けない声を上げながら頭にはたんこぶができていた
「いっ痛いなー!なにするんだよ光牙!」ジンジン
痛みに悶絶し出来たたんこぶを抑えながら焔は涙目で訴える
「何するんだはこっちのセリフだ!お前というやつは何をしでかすかと思ったらあんな技ぶちかましやがって下手したらただ事で済まなかったかもしれんのだぞ!」
「しょ、しょうがないだろう、あの場合あれくらいしかいい方法が思いつかなかったんだから!?」
「だからと言ってあそこまで無茶苦茶することはなかっただろうが!」
「まぁまぁ、ししょーも焔お姉さんも落ち着いて」汗
拳骨をくわえられ、涙目になる焔に光牙の容赦ない説教が始まる
なんとか愛花が仲裁に入ったおかげですぐに収まりを見せた
「…そうだ。奴は!」
ハッと我に帰ると共にマスターのいた方に視線を向ける
しかしそこにマスターの姿はなかった
「奴は?奴はどこに行った?」
光牙があたりを見回すもどこにも姿は見えない
「ははーん、さてはあいつめ私の技を食らって消し炭にでもなったのかな♪」
「こんな時に何を呑気なことを?」
「だってよ〜、やつもあの場にいたわけだし私の技を食らって無事ってこともないだろう?だから姿が見えないのはそういうことなんじゃないかな〜ってさ♪」
「まったく、この短絡者が」汗
この場から消えているマスターのことに対し焔が冗談交じりにいうものだから光牙も呆れ気味に頭を抱えていた
そんな一見和やかなやり取りが行われている時だった
ピキッ…ピキキキキ!!
「「「っ!?」」」
突如として円陣の時とはまた別な振動が響きわたる
「な、なんだ?」
秒を増すごとに揺れが強まりを増していく
ピキキキキキキキキ!
直後、床に大きな亀裂ができ始めていた
「…ししょー。もしかしてこれって?」
「あぁ間違いない、床が崩れる」
「なぁっ!?」
振動、揺れ、亀裂
これらを総合してみればこの建物が崩壊しかかっており、床が崩れかけているのがその証拠だと誰の目からしても明らかだった
そのことを読み取る光牙と愛花と焦った様子の焔という構図が出来上がっていた
「ど、どどどどどど、どうしてこんなことに!?」
「どうしても何も明らかにお前のやらかしが問題だろうが!」
「そ、そんなー!?」
建物が崩れている原因は言わずもがな焔が繰り出した技によって建物が損傷したことによる崩壊だった
「急ぐぞこのままでは俺たち全員崩落に巻き込まれる!」
「は、はい!」
「お、おう!」
とにも中にも崩壊するこの場から逃げることにした光牙たちは割れた窓から外に出た
するとそれと同時に床が崩落する
「な、何が起こったんですの!?」
「上のほうからよ」
ピキキキキ…ゴゴォォォン!!
「「「「っ!?」」」」
下の階で合流を果たしていた春花たちの頭上に崩落してきた瓦礫が降ってくる
間一髪全員が回避する
「もう何がどうなってるの誰か説明して!?」
「きっと上で何かあったのね?」
状況から春花が状況を推理する
《〈…るか、…こえ…か〉》
「っ」ピクッ
最中、通信機から声が聞こえる
「もしもし光牙くん。どうしたの?なにかあったの?」
すかさず通話機能をonにして春花が応答する
《〈春花か、すまないが悠長にしてる時間はない、早く逃げろ。このままじゃ危険だ!〉》
「え、えぇ。その様ね!?」
光牙からざっくりとだが事態を聞いて春花は納得した様子を見せる
「わ、わかったわ。でも光牙くんたちは大丈夫なの?」
《〈俺たちのほうは心配するな。すでに愛花も助けた。だから気にせずお前たちも非難してくれ!〉》
「了解……みんな、急いでこの建物から脱出するわ、急いで!」
通話を終了させた春花がすぐに他の皆に逃げるように促し、彼女たちはいち早く脱出することにした
その間にも崩落は進んでいき、春花たちはいち早く窓を突き破り、隣のビルの屋上に避難した
「ねぇ春花さま、さっきのは光牙からだったんでしょ?無事なの?」
「わからないわ。今の私たちにできるのは光牙くんたちの無事を祈ることだけよ」
崩れ落ちるビルを前に春花は心配そうにしている皆を宥める
「(…光牙くん。焔ちゃん、愛花ちゃん)」
かという春花もまた彼らが無事でいてくれることを信じていた
するとその最中だった
「あっ、見てください!」
詠が指差し叫ぶとそれに府令するかのように今まではどうにか原形をとどめていたビルの崩壊が一気に加速していった
音を立てて崩れるビルを見ていた一同に不安と焦りが見え始めようとした時だった
ビュイイィィィィィィィィン!
崩壊と火災の発生するビルの上を上る一閃の光が見えた
それは愛花と焔を抱えた光牙の姿だった
「光牙くん。それに焔ちゃんに愛花ちゃんも!」
「良かった。無事みたい」
「…みなさん。本当によかった」ウルウル
彼らの姿を見れて春花たちは一先ずの安堵の表情を浮かべるのだった