愛花を救うべく敵のアジトを訪れた光牙たち
その先で待ち受けていた刺客の竜の力を操る者たちが立ちはだかる
一刻も早く先に行かすために2人ずつその場に残り、交戦を開始していく
苦戦を強いられてつつも持ち前のコンビネーションを駆使して各自これを撃破した
皆の協力によって愛花がいるであろう上階へ向かう光牙と焔もまた最後の1人である
火竜の力を操る火歌と交戦していた
灼熱の炎を使い自分たちを追い詰める火歌に苦戦を強いられ、剰え焔に至っては自慢の六爪を片方使い物にできなくされてしまった
だが、これ以上の時間の経過を良しとしない光牙が強化形態へと転身し、勝負に出る
負けじと火歌も全力で挑もうとするも光牙の繰り出した手刀には敵わず、その場に成す術もなく倒れるのだった
立ちはだかった火歌を倒した光牙と焔は最上階に続く階段を上り、そして目的の場所へとたどり着く
「光牙?」
「あぁ…行くぞ」
扉の前に立つと光牙と焔は互いに頷き合うと同時に身構える
「「っ!」」バッ!
次の瞬間、2人は勢いよくドアを蹴破る
「愛花!」
「助けに来たぞ!」
すかさず目の前にいるであろう愛花に2人は呼びかける
「「っ!?」」
しかし視線を向けた先の光景に光牙と焔は絶句する
「うぅぅ、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
「愛花!?」
「し、ししょ~…うぅぅ?!」
目の前には苦しそうな声をあげている愛花の姿があったのだから
「あら、あなたたちは」
最中、愛花を苦しめている元凶ともいえるマスターと呼ばれる女性が光牙たちに気づいた様子を見せていた
「貴様、貴様が親玉か!」
「ふふっ、だとしたらどうするというのかしら?」
「愛花を離せ!うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
これ以上、愛花を苦しめるのをやめさせようと焔が突っ込んだ
二刀を握ったほうの手で斬りかかる
「やれやれ…」
刹那、マスターが状況を見て愛花の拘束を解いた
同時に拘束から解放された愛花が力なくその場に倒れこむ
「良くも愛花を許さん!」
「ふっ!」
それと同時に焔がマスターに切り込む
だがマスターは軽快な身のこなしでこれを回避し、デスクの後ろに着地する
「はあっ!」
「そんな子供だまし!ふぅん!」
着地するやマスターはデスクを蹴り飛ばしてきた
対する焔もこれを二爪一刀で粉々に切り刻んだ
「くそが、小賢しい真似を!」
「あら口が悪い子ね~?」
「こんの!」
イラつく自身に煽るような言葉を投げかけるマスターに焔はさらに怒りを募らせる
「愛花、愛花、しっかりしろ!」
一方光牙は焔がマスターを相手にしている間に愛花に語り掛ける
「う、うぅぅ…し、ししょー」
「愛花…よかった。もう大丈夫だぞ」
意識を取り戻したことに安どの表情を光牙は見せる
「し、ししょー…」
「ん?なんだ?」
「…にげて」
「…えっ?」
一瞬、光牙は愛花の言っていることの意味が解らなかった
だがその直後だった
「~っ!!」
「っ!?」
なんといきなり愛花が光牙にむけて至近距離で雷波を繰り出したのだ
慌てて光牙が後方に下がる
「お、おい愛花、何をしているんだ!?」
状況に気づいた焔も声をかける
「愛花、どうしたんだ!」
「ぐ、ぐぅぅ…うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
直後、愛花の身体をすさまじい雷のエネルギーが包み込む
「こ、これは!」
驚く光牙を他所に雷に飲み込まれた愛花が次に姿を見せると
その姿は変わっていた
今光牙と焔の前に立つ愛花の姿は以前見せた大人になった姿だった
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
「あ、愛花?」
恐る恐る近づこうとした時だった
「っ、うぅぅぅっ!!」
「「っ!?」」
大人の姿になった愛花が光牙と焔に襲い掛かる
「やめろ愛花!」
「どうしちまったんだ!」
訳も分からず2人は説明を求めた
「すみません、でも私の意思では止められないんです!?」
「なに!?」
「止められないってどういうことだ!?」
自分の意思では止められないと訴える愛花の言葉を聞いて光牙はすぐに原因であろう砲に視線を向ける
光牙が見た先には案の定不敵な笑みを浮かべているマスターの姿があった
「貴様!愛花に何をした!」
「大したことじゃないわ。ただお願いしただけその子にあなたとともに私の元に来るようにね」
怒りを孕んだ口調で問いただすとマスターから返ってきたのは斜め上の回答だった
「なに!?」
「私はあなたとその子を助けたいと訴えたのよ、でもその子ったらあまりにも聞き分けがないものだから少しばかし言うことを聞いてもらえるようにしようかと思ったの、もっともその途中にあなたたちが来て邪魔をするものだから中途半端な感じになってしまったけどね」
それが先の状況なのだとマスターは告げる
「物は言いようだな。結局は自分の思い通りにならなかったから操って言うことを聞かせようとしただけではないか!」
「なんだと、お願いが聞いてあきれるぞ!」
とどのつまりは交渉に応じなかったから無理やり支配下に置こうとしたのだということに光牙も焔も彼女が吐き気を催す邪悪だと改めて再認識する
事情を知った2人だったが、すぐに目の間の現実が彼らに迫る
「くっ…うぅぅ、こんな、こんなことしたくないのに…」
自由を奪われ、光牙たちと戦わないといけないこの状況に愛花は涙ながらに悲痛の声を訴える
「愛花…」
可愛そうだと思うように焔が心配そうな顔を浮かべる
光牙もまたどうするべきかを考えていた
《『おいお前さま、お前さまよ』》
「ん?」
するとその最中、光の竜が話しかけてきた
「(なんだ突然、今は取り込み中だ。後にしてくれないか?)」
《『ほう、そんなこと言っていいのかえ?見てられんと思ってせっかくあの小娘を助けられる方法を教えてやろうかと思ったのに』》
「(なんだと?その方法とはなんだ!)」
愛花を助ける方法があると聞いて光牙が光の竜に問う
《『ほう、これが俗にいう熱い掌返しというやつかの~?』》
「(くだらないこと言ってないでさっさといえ!)」
《『せっかちじゃの。簡単じゃ、あの小娘に触れろ』》
「(なに?)」
光の竜のその言葉に光牙はきょとんとした顔を浮かべる
「(触れるだけとはどういうことだ?)」
《『今のあ奴はあのいけ好かん女のせいで強制的に竜の力を引き出されてしまっているせいで本来の気の流れが乱れておる。じゃが幸い洗脳は完ぺきではないようじゃ。そこでわしの竜の力を流し込み小娘の中に入り込んだあの女の力をかき消す。そうすれば洗脳を解くことができる』》
操られた愛花を救う算段を光の竜が光牙にレクチャーする
「(だがなぜだ?なぜ俺にそんなことを教える?)」
《『なに別に大したことはない。ただわしもあの女が気に食わんだけじゃ』》
すると少し間をおいたのち、少しドスの聞いた口調で思いを告げる
「(…ふふっ)」
《『なんじゃ?何が可笑しい?』》
「(いや、ただ……同感だって思っただけだ!)」
どこか嬉しそうな顔で光牙は光の竜の思いに賛同した
「っ…」ピクッ
「光牙、どうしたんだぼーっとして?」
「いや、何でもない。」
意識を現実に戻した光牙は再び現状を確認する
目の前には未だ操られた愛花がこちらの出方を伺っていた
「くそ、どうすれば。このままじゃ」
「焔、下がってろ。ここは俺がやる」
「ん?光牙?」
考えが浮かばず困惑する焔に光牙は告げる
「任せろ
そしてすかさず光牙は強化形態に転身する
「ほう?」
光牙の変化した姿を見てマスターが興味深そうな顔を浮かべる
「…愛花」
「っ?」
「待ってろ。今助けてやるからな」
操られ、苦しんでいる愛花に光牙はそう囁くのだった