抵抗する紫苑をやむなく重力操作の術で拘束した淡雪《あわゆき》が雪泉達に狙いを定める
「皆さん気を付けてください、相手は相当の手練れです!」
すかさず雪泉は身構えると皆に警戒を呼び掛ける
「承知!」
「分かりました!」
「OK!」
「うん!」
雪泉の声に応じるように他の全員も一斉に身構える
「戦う気になるのは結構だけどあなたたち程度じゃ私には勝てはしないわ」
そんな雪泉達に対して淡雪《あわゆき》は無意味な事だと吐き捨てる
「例えそうだとしても私達は戦います。紫苑を助ける為に――っ!」
「「「「――っ!」」」」
次の瞬間、雪泉が飛び出すと共に他の四人もそれを追うように突っ込んでいった
「無駄な事を」
自分に向かってくるのを見た淡雪《あわゆき》がそれを迎え撃つように身構える
「ふっ!やぁっ!!」ピシュシュシュン!
十分な間合いを詰めるや雪泉が先制攻撃を仕掛ける
雪泉が氷塊を周囲に作り上げ、それを淡雪《あわゆき》へと飛ばした
「くだらないわね…――っ!」パチン!
氷塊が迫りくる中、淡雪《あわゆき》はそちらに向けて指を鳴らす
すると何もない場所から火の手が上がり、氷塊達を瞬く間に溶かしてしまった
「なっ!?」
「……この程度かしら?」
「くぅっ!?」
それなりに勢いを込めて放ったにも関わらず、それをいとも簡単にあしらう淡雪《あわゆき》に驚愕し、焦りを感じる
「たぁああああああ!!」
「ふぅううううん!!」
「――っ!」
次の瞬間、夜桜と叢が淡雪《あわゆき》に特攻し、攻撃を仕掛ける
「接近戦で追い詰める!」
「わしら2人の連携、隙は与えさせません!」
夜桜と叢はそう豪語するとともに淡雪《あわゆき》に怒涛の連撃を仕掛けていく
「この程度で粋がらないでほしいわねっ!」ギュン!
だがその最中、淡雪《あわゆき》は2人からの応酬を受けているにも関わらず、僅かな隙を突くように印を結んだ
ドドォォォォン!ガキィイイイン!
「「なっ!?」」
すると突如として地面が盛り上がり、地中に埋まっていた岩石が夜桜と叢の前に出現し
それが盾の役割を果たして夜桜と叢の攻撃を防いでしまう
「これでも食らって大人しくしていることね――っ!!」
2人が絶句している中、淡雪《あわゆき》が次なる手を繰り出す
「――っ!!」ビュゥゥゥ!!
両手をピンと伸ばすと手の先から風のエネルギー弾を発生させる
「ふん!!」
パシュゥウウウウン!!
淡雪《あわゆき》は生成したその風のエネルギー弾を盛り上がった岩めがけて放った
ボン!ボシュゥゥゥウウン!!
次の瞬間、放たれた風のエネルギー弾が岩石に命中し、それを粉々に破壊する
ブバババババババ!!
「きゃあぁああっ!?」
「うぁあああああ!?」
破壊された事により粉砕された岩の破片が夜桜と叢にダメージを与え、そのまま後方へと吹き飛ばす
「夜桜ちゃん!?」
「むらっち!?」
岩の破片の直撃によって倒れてしまった2人に美野里と四季が声を荒げながら驚く
すると次はあなた達よと言わんばかりに淡雪《あわゆき》が美野里と四季に視線を向ける
「よくも夜桜ちゃんたちをやったな~!みのり、もう怒っちゃったよ!」
「あたしもだよ美野里ちん、今度はあたしたちが相手だよ!みんなの敵取ってやるんだから!」
それに触発されてか美野里と四季が淡雪《あわゆき》に向かっていく
「ふぅんっ!!」ぴょん
「――っ?」
淡雪《あわゆき》に突撃する中、先に飛び出したのは美野里のほうだった
ある程度の距離まで到達するや美野里は淡雪《あわゆき》の目の前で勢いよく宙へと飛び上がる
「お料理お料理~っ!!」
宙へと舞った美野里は自身が手に持つバケツの中から大きなフライパンを取り出す
更にバケツから追加で大きなパンケーキをフライパンに落とす
「ぽん、ぽん!はぁい!」
フライパンに乗ったパンケーキを美野里が勢いよく跳ね上げる
するとその直後、淡雪《あわゆき》の周りに影が出来る
その原因は彼女目掛けて落ちてくる美野里のパンケーキによる物だった
落下するパンケーキが彼女を押し潰そうとする
「――っ!!」ギュゥゥン!!
「えっ!?」
「うそっ!?」
しかし淡雪《あわゆき》はそれに冷静に対処し、紫苑に施した重力を操る術を今度は斥力として発動させる
パンケーキは淡雪《あわゆき》に落下する事なくただただ彼女の頭上に浮かび上がっているのみとなってしまう
「…――ふん!!」
ボォオオオオオ!!
淡雪《あわゆき》は空いているもう片方の手から炎を展開し、パンケーキに向かって放つ
舞い上がった火柱がパンケーキを飲み込んでしまう
直後、火柱が搔き消えた先にはそれによって焼け焦げてしまった美野里のパンケーキがあった
ひゅ~っと一凛の風が吹くと黒焦げになったパンケーキは灰化、消滅してしまった
「そっ、そんな…みのりのパンケーキがぁ~」
自分の作ったパンケーキが見るも無残に朽ち果ててしまった様子に美野里は愕然としていた
「――っ!!」シュン!
「へぇっ!?」
「みのりちん危ない!?」
するとその時、美野里のその隙を突くようにして淡雪《あわゆき》が飛び込んできた
「はぁっ!!」ドォン!
「がはっ!?」ドサッ!
次の瞬間、
「み、みのりちん!?」
掌底を食らい、意識を失い、
美野里が倒れた事で
「よくも、みのりちんやみんなを!あたし、激おこぷんぷん丸だよ!」
仲間達をやられてしまった事で四季の怒りのボルテージは最高潮に達していた
「――っ!!」バッ!
身構えると共に勢いよく
「シキソクZEX!!」
そして四季は眷属たちを召喚し、万感の思いをこめ必殺の一撃を繰り出す
ギュォオオオオオオ!!
「はぁああああ!!」
「――っ!?」
ドバァアアアアン!!
次の瞬間、全力を込めた四季の技が
「や、やった?」
手応えを感じた四季が振り返ると煙に塗れた地面に横たわる
「うそっ!マジ!やった……やったよみんな!あたしみんなの敵を取ったよ!」
その光景を目にした四季が嬉しそうに飛び跳ねる
だが、その時だった
「―っ?」ピクッ
浮かれていた四季が背後に気配と悪寒を感じる
慌てながらに後ろを向こうとした直後だった
「――っ!」ガシッ!
「うわっ!?」
振り返りざまに首根っこを掴まれ、宙返りにされてしまう
何事かと思い、すかさず視線を向けると自分を鷲掴みにしていたのは倒したと思っていた
「うっ、ウソ!?なんで、だって!?」
状況が飲み込めずちらりと視線を向けると確かにそこには
にも関わらずどうして
倒れている
「ぶっ、分身!?」
「そうよ。あなたが倒したと思っていたのは私の分身に過ぎなかったってことよ」
やったと思ったのが分身だったと知らされ、四季が驚愕する
「くっ、まっまだだし!」
ならばと四季が鎌を振り下ろそうとする
「残念だけど……終わりよ」
ビリリリリリリリリリリリ!!!
次の瞬間、
「――~~っ!?」
四季がその攻撃で感電してしまった
やがて
そして黒焦げになった四季は力尽きたように
「所詮あなた達ではこの程度、私には勝てるはずもないのよ」
倒れる四季や他の面々に対して