蛇女子学園での戦いから数日が経った相馬(蒼馬)の物語りです
道元の報復によって再び崩壊寸前にまで追いやられた蛇女子学園
そんな蛇女子学園を1人…いな、1つの身に2つの心をもつ少年、相馬が救った
紅蓮竜隊の光牙と五分に渡り合う強さ、そして蛇女子学園を救ったことで今まで蒼馬はおろか相馬を軽視していた生徒たちの彼らに対する認識はガラリと変わり
今では光牙に負けず劣らずの実力者として無視できぬ存在へとなっていった
あの騒動から数日の月日が流れ、学園は未だ復旧が行われている中でもその中ではいつもの日々が戻ってきていた
ところどころで生徒たちは立派な悪忍を目指すべく、修行に活気が溢れていた
「やー!」シャキン!
「ふっ!はぁっ!」シュシュシュ!
「…はっ!」ドロン!
演習所では生徒たちがそれぞれの自主トレに励んでいた
「…すっかり調子戻ったって感じだな?」
『あぁ、この前の事件がまるで嘘に思えてくるな』
そんな様子を坂の上で座り込みながら眺める相馬達がいた
会話に花を咲かせている間も生徒たちは訓練に明け暮れていた
「しっかし、来る日も来る日も修行に明け暮れて…大変だよな~」
相馬が修行に明け暮れる彼女たちの姿になにか思うところがあった
『忍の道は険しいものだ、みな懸命に一人前の忍となろうとしているのさ』
「ふ~ん。そういうもんなのか……ちょっと前の俺だったら理解できずにただろうな」
少し前までは忍の世界とは無縁の一般人だった自分が紆余曲折を経て忍として、蛇女の選抜メンバーの1人としてここにいる
人生何が起こるかわからないなと思わずにはいられないと内心思う相馬だった
「でもまぁ、あの事件のおかげで俺らも自由に動けるようになったし、おまけに学園の俺たちの評価もガラリと変わって。みんな俺たちの事認めるようになったしな…きっとこれからは俺の強さに魅入られた生徒たちが俺たちのことを尊敬の眼差しで見て学園を歩くたんびに黄色い視線と声援が飛ぶに違いない!女子学園でウハウハな学園生活…くぅ~!もういい事づくしだなおい!」
相馬はやっと落ち着いて楽しい学校の生活をおくれるという期待に胸膨らませていた
「あ、あの相馬先輩!」
すると背後から声が聞こえ振り返るとそこには1人の女子生徒がいた
「(まさか早々にキターー!先輩って言うからしてきっと後輩ちゃんだろうな。おおよそ俺に憧れた生徒が俺に声をかけに来たに違いない!…よし、ここはかっこよく決めてやるぜ!)」
『(…というようなことを考えてる顔だなあれは)』
自分のファンになった女の子かも知れないと相馬はいいところを見せつけようと内心呟き、それを感じ取っていた蒼馬が呆れた様子の顔を浮かべていた
「あの~先輩?」
「おっと、すまんすまん、ちょっとぼーっとしちゃっててね。俺に何か用かなお嬢さん(決まった~♪)」キラーン
相馬は少しかっこつけた素振りで声のする方を向く
……だが視界に入ったのは武器を手にもった大税の生徒たちだった
「……へぇ?」
思わず目が点になる
「先輩!私たちこの前の先輩の勇姿を目の当たりにしてからというものずっと死合いたいと思っておりました!是非お相手お願いします!」
「「「「お願いします!」」」」シャキーン
「笑顔でいうセリフじゃないよねそれ!?」
満遍の笑みを浮かべて武器をちらつかせる生徒たちに相馬は突っ込みをいれた
「さぁみんな行くわよ!」
「「「「おーー!!」」」」
「「「「ふんがぁぁぁぁ!!!」」」」
「ぎゃぁぁぁ!!来ないでぇぇぇぇぇぇ!!!???」ダダダダダダ!!
押し寄せる生徒たちから慌てて逃げ出す相馬だった
蛇女子学園 忍部屋
…ガタン!
「「「「「っ?」」」」」
「まったく、お前というやつは…謝って済むなら忍びなど必要なかろう」
忍部屋の扉が開いた瞬間、部屋にいた雅緋たちの視線が一斉に向く
扉の向こうには1人ブツブツと呟きながら少しボロボロの姿の蒼馬が立っていた
なにやらとても不機嫌そうな顔を浮かべながら
「あらおかえり蒼馬、どうしたのよそんなにボロっちくなって?」
「いやなに、さっきまで襲ってきた生徒たちの相手をしていただけだ」イライライラ
そういうと近くにあったタオルで汚れを拭き取る
「そうなの?」
「ソウにも困ったものだ。生徒たちから逃げ出したと思ったらいきなり俺に変わって丸投げしよってからに」
困ったような顔を浮かべながら蒼馬はぼそっと呟いた
「あらあら、相馬くんは相変わらずだね~」
不機嫌の原因が相馬にあると指摘され彼を知る彼女たちは苦い顔をする
「まったく、学園を救ってちょっとは逞しくなったと思っていたのに…ここぞという時には頼もしいのにそれ以外はチキンなところは相変わらずか…どうして同じ顔と肉体であるはずなのにこうも違うのだろうか」
「ボクもそう思うよ、生真面目過ぎな蒼馬とは対象にぐうたらな相馬、本当、こんなに正反対なのかと思うと考え深いとこがあるよ」
『誰がチキンじゃ誰が!てかオメェらボロクソ言ってくれやがって!』
「いや、言われても仕方ないと思うぞ?」
呆れた物言いで自分をチキン呼ばわりする忌夢と雅緋に異議申立する相馬だったが逆にそれを蒼馬に突っ込まれてしまうのだった
「ふぅ…っ?」
「…」ソワソワ
蒼馬が一息つこうとソファーに横たわっていると不意に視線を感じ振り返るとそこには柱の影からこちらを覗き見る紫がいた
「っ!…っ!」タタタタ
「あっ……」
自分が振り向いたことに気づいたと同時に怖いものから逃げ出すかのように別の場所に移動するのだった
「あれあれ~?…蒼馬くん、まだ紫ちゃんとはうまくいけてないの?」
「…あぁ、そのようなんだ」ショボン
こちらを見ながら怖いものを見ているような視線、あの時と変わらぬ視線
学園のみんなが蒼馬たちを仲間と認める中、ただ1人、彼女のみが今も蒼馬たちと距離をおいていた
初めて出会った時から今の今まで彼女に接しようとしてもその度に怖がられて先のように逃げられてしまうのがお約束になっていた
「……」
「すまない、妹も悪気があるわけじゃないと思うんだが何分気難しいから」
「気にしてはいない…無理もないことは十分に承知している」
せっかく仲間と認められていてもそれが全員でないのであればそれは真の意味ではない
そのことを考えるとどうにもやるせない気持ちに襲われるものがあった
「(…こういう時はどうすればいいのだろうか?)」
彼女に自分を仲間として認めてもらえる術はないのかと蒼馬は蒼馬なりに一生懸命考えるのだった
この話を書いていくうちになんとなく蒼馬くんと紫のこのギクシャクした関係がロウきゅーぶの愛梨とそのお兄ちゃんの関係に似てるな〜って気がしてならませんわw