紫と仲良くしたいと蒼馬が考えを巡らせる中、突如学園内で事件が発生した
傀儡部の生徒たちが作った最新型の傀儡が不注意によって暴走してしまい学園を荒らしまくっていたのだ
暴れまくる傀儡を止めるべく3つの組みに分かれ、生徒と学園を守るべく蒼馬たちは行動を開始した
「ふん!はっ!!」バキュンバキュン!
ギギィィィ!?
迫り来る傀儡を跳ね除けながら蒼馬は標的のもとに向かう
そんな彼の後ろを少し距離を開けながら紫が追っていた
やはり先の戦う姿を見てから近寄りがたいと言うかのような態度を取っていた
彼女がそうしているのを見えなくても蒼馬はそれに気づいていた
しかし今は事態を打破することを優先し、余計なことは考えないようにしていた
そうこうしてるうちに標的との距離はどんどんと狭まり、ようやく現場近くにまでやってきた
「っ!」
「やあぁぁぁぁ!!」ガキィィィィン!
「てぇぇぇい!!」ブゥン!バコン!
「雅緋!忌夢!」
そこで蒼馬たちの視界に写ったのは自分たちよりも先に到着し、傀儡と戦闘を始めている雅緋たちがいた
さらにその近くでは2人を援護するように射撃を行う両備と両奈がいた
見た感じ、かなりの接戦のようであった
「だいぶ苦戦を強いられてるみたいだ…紫、俺は先に行かせてもらうぞ!」
「は…はい」アタフタ
「……っ!」バッ!!
紫にそう言い残し蒼馬は雅緋たちの加勢に加わる
「はっ!!」バキュンバキュン
「蒼馬!」
「遅くなった。ここからは俺も参加するぞ」
「全くだよ。ボクたちがどれだけ大変な思いしたと思ってるんだ。遅れた分きっちり働けよな!」
忌夢から非肉を言われながらも蒼馬も戦いに加わる
傀儡もまた蒼馬を見るなり新たな排除対象と認識し、攻撃を仕掛けてきた
両手の指先からマシンガンを連射し、広範囲に弾幕を張る
それを見た選抜メンバーたちが瓦礫の後ろに隠れて攻撃を防ぐ
「こう弾幕を貼られちゃ迂闊に近づけない!」
「焦るな。バルカンの射撃時間は短い、時期に弾が切れる。攻撃が止んだ瞬間に仕掛けよう」
「あぁ、わかった!」
蒼馬の提案を聞き入れ、傀儡の弾切れを今か今かと待った
するとカチャカチャと言う音が鳴り出した
「よし、やつは弾切れだ。一気に行くぞ!」
「「「「「っ!」」」」」
バルカン攻撃がこないことを察知した蒼馬たちが反撃を開始する
「両備、両奈!」
「了解!」
「任せて~♪」
瞬時に蒼馬、両備、両奈が三方向に傀儡を囲んだと同時に一斉射撃を繰り出した
弾幕の雨あられに傀儡は為すすべもなかった
「今だ!」
「あぁ。任せろ!」
「行くぞ紫!ボクたちも同時攻撃だ!」
「う…うん」
3人が動きを止めている隙きに3人が上から攻めにかかる
「やあっ!!」
ザシュン!
先んじて攻撃を繰り出したのは雅緋、彼女の斬撃が傀儡の装甲に傷を付ける
「ていやぁぁぁ!!」
ダンダン!ゴォォン!
そこへ忌夢の棒による打撃が続けざまに繰り出された
強烈な二つの強撃をくらったことで傀儡の身体が大きくぐらついた
「いける!」
「決めろ紫!」
「う…うん!」
忌夢の期待を裏切らないためにも成し遂げてみせると意気込んだ紫が構え、今まさに攻撃をくりだそうとした時だった
グポーン!
「っ!やばい、根暗!」
「っ?」
両備が気づき、それを紫に伝えようと声を荒げたが、一歩遅かった
刹那、よろめいた傀儡が一転して反撃してきた
「危ない!」
「避けろ紫!」
バチィィン!
「きゃあっ!?」
「紫!?」
「ぐっ!?…うっぅぅ!」
思わぬ行動を目の当たりにし、対処が間に合わず、まるでハエを叩くかのごとく紫は叩き落され、そのまま地面に激突した
皆が彼女の心配をするのも束の間、傀儡が叩きつけられた紫を踏みつぶそうと足をあげる
「やばい!逃げるんだ紫!?」
妹が危ないと忌夢は無我夢中で彼女に逃げるように呼びかける
紫も逃げようと身体を起こそうとする
だがその瞬間、腰あたりに電流のような痛みが走りズキズキと痛み出した
先ほどの攻撃によって地面に叩きつけられた際にひどく腰を打ってしまったのだ
すぐに立つことができないほどに
しかしそんなことは傀儡には関係ないこと、無慈悲にも紫を踏みつぶそうとする
そして直後、ついに振り上げた足を紫目掛けて突き出した
「やめろぉぉぉぉぉ!紫ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「っ!?」
ドゴォォォォォン!!!!
激しい音があたりに響き渡る
しかし、ここで不可解なことが起こっていた
「~~~っ……っ?」
踏みつぶそうと足を突き出されたのに紫は踏み潰されるどころかなんの痛みすらない、おかしいと思い恐る恐る目を見開いてみた
するとその先には
「ぬっ、ぬぅぅぅぅぅ!!!」ググググ
「そ、蒼馬…さん?」
自分を踏みつぶそうとする傀儡から身を盾にしてまで守ろうとする蒼馬の姿があった
「む、紫、大丈夫か?」
「は…はい」アタフタ
「…よかった」
「っ…」
紫の無事を確認した蒼馬は安堵する
しかし行動を妨害する蒼馬もろとも傀儡が踏みつぶそうと力を込めていく
「ぐっ、ぐぅぅ!」
負けじと蒼馬も押し返そうと力む、地面に足がめり込むほどに
「そ、蒼馬…さん」
「大丈夫だ。絶対に助ける!」
「ど、どうして…?」
自分はあんなに彼を怖がり、避けていたのに彼は今、必死に守ろうともがいている
紫はただその光景を目にするしかできなかった
「紫!」
「お、お姉ちゃん」
そこへ紫を助けだそうと忌夢が駆けつけた
「忌夢、早く紫を!」
「あぁ、わかった。さぁ紫」
ここから早く連れ出そうと忌夢が肩をかした
2人が無事に脱出したのを確認すると蒼馬は力を込める
「……っ、はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
全身に力を込めると渾身の力で傀儡を押し返し、そのまま吹き飛ばした
傀儡は大きく後方へと吹き飛ばされ、地面に倒れた
「チャンスよ!」
「一気に決めちゃえ~♪」
「そのつもりだ。…行くぞソウ!」
『あいよ!』
相馬との意思疎通をしたとともに二色色の巻物をセットする
「
そしてヴァイザーのスイッチを押すと、蒼馬の身体が赤と青の炎に包まれ
炎が払いのけられた瞬間、そこには2つの心と力を一つにした蒼馬が立っていた
「決めるぞ。ソウ」
『「OK!」』
左側を司る蒼馬が腕を突き出した瞬間、地面から炎が吹き出し、瞬時に消え去る
その最中、彼の手にはデュアルガンフレードが握られていた
即座にガンフレードをガンモードに切り替えるとともに右側を司る相馬は手にしていた巻物をガンフレードにセットした
二色の炎のエネルギーが銃口に集中していく
「「はぁぁぁ……はあっ!!」」
バキュゥゥゥゥゥゥン!
シュゥゥゥゥン!
ボバァァァァァン!!!
放たれたエネルギー弾の直撃弾を受けて傀儡は跡形もないほど粉々に消し飛んだ
同時にあの傀儡によって作られた傀儡たちも機能を停止し、この騒動は幕を閉じた
その後、事件の発端となった傀儡部の生徒たちは鈴音に連れて行かれみっちり説教を受け、罰としていろいろなことを課せられたとか
事件が終わり、蒼馬は一息つく
「蒼馬、ちょっといいか?」
「っ?」
するとそこへ忌夢と彼女に付き添われたような素振りでやってきた紫がいた
「どうしたんだ2人とも?」
「じつは紫がお前に一声言いたいことがあるらしいんだけど、どうにもソワソワしっぱなしだったからちょっと強引に連れてきたんだ。…ほら紫、いつまでもそんなウジウジしてないで言いたいことがあるならちゃんと直接言え」パン!
「ひゃん!?」
背中を押され紫はそのはずみで蒼馬の前に立つ
「あ、…あの、その……」
「っ?」
まだ何かもじもじとした仕草を見せていたが、蒼馬は黙って彼女の言葉を待つ
「さ、先ほどは…えっと…助けてくれて、ありがとうございました」
「そう畏まるな。気にすることはない」
お礼を述べ頭を下げる紫にそう言い聞かせる
「私…蒼馬さんを、誤解してました……初めてあったあの日から、あなたが何かをしでかすのかもしれないってずっと思ってたんです」
以前、両備と両奈が雅緋の命を狙おうと暗躍していたことをいち早く気づいていたこともあり、彼女の中で蒼馬も同じではないかと警戒しつづけていた
「…でも、あなたを疑ってばかりのこんな私を、あなたは身を挺して助けてくれました…だから、お礼と、謝罪を言いたかったんです」
助けてもらった感謝と罪悪感を載せた思いを蒼馬に語った
すると蒼馬はニコッとした顔を浮かべる
「気にすることはない。俺はただ守りたかったんだ。俺という存在を受け入れてくれた生徒たちを、この学園を……生まれた時から血に染まった汚れた俺に唯一できた俺の「居場所」を…な」
蒼馬のその言葉に紫と忌夢は心に何かを感じた
「…こんな俺だけど、仲間と認めてくれるか?」
少し不安そうになりながらも蒼馬は尋ねる
暫しの沈黙ののち、紫の顔から笑みが
「…蒼馬さん、なんだか少し似てる気がします」
「似てる?」
「光くんに…です♪」
そういうと紫はすっと腕を差し出し握手を求めた
少々呆気にとられるも彼女が認めてくれたことを嬉しく思いながらその握手に応じた
これにより蒼馬は真の意味で蛇女子学園の生徒たちから一員と認められたのだった