再び私の俺得作品を投稿させてもらいます
前に投降した「3つの銀」の後日談的なものなのでまだ見てない方はよければ見てください
では本編どうぞ
とある昼下がりの時刻
ガタンゴトン…ガタンゴトン…
線路を走る電車の音が線内に響き渡る
時間の割にはそんなに混んでるというわけではなく、むしろ少し空いているほどの感じだった
そんな線内の座椅子に腰かけているものが一人
…紫苑だった
椅子に腰かけながら電車の窓から外の景色をじ~っと眺めていた
「…もうすぐ着くかな?」
社内の案内ランプを確認しながら目的地がもうすぐだということを確認する
「…はぁ~」
不意にため息が零れる
「にしても楽しい集まりのはずなのに、罪悪感も感じてしまう。…素直に喜べないのが恨めしいよ」
困ったような顔を浮かべながら紫苑はそうつぶやく
さて、なぜ紫苑が一人、電車に乗っているのか?なぜため息をつくのか?
それには理由があった
遡ること五日前の出来事だった
≪5日前 月閃女学館≫
その日もいつものように月閃女学館では変わらぬ一日が送られていた
「…ふぅ、雪泉の入れてくれるお茶はいつ飲んでも美味しいよ」
「うふふっ、そういっていただけて私も入れた甲斐があったというものですよ」
緑座に座して持ち寄った茶と茶菓子を頂き、和やかな一時を過ごす2人にとっての至福の一時を十二分に満喫している最中だった
ブ~!ブ~!
「っ?」
「どうしました紫苑?」
「あぁ、ごめんね。スマフォから着信が来たみたい。誰だろう…あれ?」
着信音が鳴るスマフォを取り出し、電話してきたのが相手が誰なのかと思いつつ画面を見るとそこには「飛鳥 湊」と表示されていた
「湊さんから?」
「えっ?湊さんって確か前に私たちが行った学園で知り合ったあの?」
電話の送り主、それは少し前にあった他校との交流会で知り合った人物であり、紫苑はそこで仲良くなった経緯っがあった
不思議に思いつつも電話に出る
「はい、もしもし?」
『あっ、もしもし?えっと、紫苑さんでしょうか?』
電話が繋がり、通信先から懐かしい声が聞こえる。まさしく湊の声だ
「えぇ、そうですよ湊さん」
『お久しぶりです。お元気にしておられましたか?』
「それなりには、湊さんのほうは?」
『ボクの方も相変わらずですよ』
離すたびに学園での出会った時のことが蘇るようだった
「…ところで今日はまたどうしたんです?」
『あっ、いけないついうっかりしてしまいました。…実はですね。今週の土曜に知り合いを招いた集まりがあるんですけど、もしよかったら紫苑さんもお誘いしたいと思いまして、もちろんご予定がなければですが』
「集まり…ですか?今週の土曜日?」
湊の話しを聞いた紫苑はすかさず手帳を取り出し予定を確認する
「特にこれといった用事は特にないですけど…」
自身には予定はないが他のみんなのこともあるからと思い悩んで言ると
「紫苑、心配ありませんよ。せっかくのお誘いなのですから、皆さんには私から言っておきます」
「雪泉…ありがとう」
許可をくれたことに紫苑は感謝の思いを募らせる
「では私もまいります」
『ありがとうございます。では詳しい予定などは後々』
「はい。わかりました」
話しを終えた紫苑は電話を切った
「集まりかどんな感じになるのかな?」
「うふっ、楽しそうですね紫苑」
「そう?そう見える?」
自分ではあまりそんな感じはしない気がしていたのだがと紫苑は思っていた
「当日はどんな感じで……あっ」
「どうしたんですか紫苑?」
ウキウキしていたはずの塩焼きの顔が一気に青ざめる
「…雪泉、僕、初歩的なミスを忘れてたみたい」アセアセ
「初歩的なミス?」
「湊さんたちの集まりに参加するってことは、僕、女装していくってことだよね?」
「そうなりますよね?現に交流会で参加したわけですし?」
「」チ~ン
浮かれ気分ですっかり忘れていた紫苑に待ち受けていたのは惨い現実だった
という感じで後日、湊から詳しい場所や時間などが送られ今に至るのである
「はぁ…本当、つくづく僕は愚か者だよ。せっかく誘ってくれた湊さんの気持ちに付け込んでしまったような感じがして…あぁダメだ。また罪悪感が」アセアセ
女装して男であることを隠しているという罪の意識が紫苑を縛る
そんな時、電車のアナウンスが流れ、目的地がもうすぐだということを告げる
「(ここまで来てしまったからには仕方がない、今日僕がすべきことは誘ってくださった湊さんの思いを裏切ないこと、そして…僕が男だとばれないようにすること!)」
内に秘めた思いを決意する
同時に電車が駅に着き、ドアが開く
「よしっ!」
頑張って無事に楽しく集まりを終わらせて見せるという思いとともに紫苑は電車から出た
ターミナルから階段を上がり終えた紫苑はコージーコーナー付近にやってきた
「待ち合わせ場所はここだったよね?湊さんは…?」
湊から送られた待ち合わせ場所についた紫苑はあたりを見回す
「…あっ」
キョロキョロとあたりを見てすぐに紫苑は人込みの向こうにたたずむ見慣れた風貌の人影を見つける
「いたいた。湊さーん!…ってあれっ?」
駅を行きかう人込みをかき分け進んでいった先で紫苑が見たのは
自分を誘った湊と楽しそうに会話をしている複数の人物たちが
誰だろうと小首をかしげていると
「あっ、紫苑さん!」
「「「っ?」」」
紫苑に気が付いた湊が笑みを浮かべ、一方で他の3人は先の紫苑のようにキョトンとした顔を浮かべていた
「紫苑さんこちらです」
「あぁ、はい。遅れてしまって申し訳ございませんね」
「いえ、ボクらもつい先ほど到着したばかりですからお気になさらず」ニッコリ
「湊さん」
遅れてしまってかもと思い謝罪をする紫苑に対してまるで天使か女神に思えるほど輝に包まれた笑みをこぼす湊に紫苑は少しドキッとなってしまった
「あっ、あの~?」
「「っ?」」
「お話の腰を折って申し訳ありませんけど、湊さんこの方はいったいどなたなのですか?」
紫苑と湊が話をしている最中、先ほどまで湊と会話をしていたと3人のうちの1人が恐る恐る訪ねてきた
「あっ、これはすみませんでした。紹介が遅れてしまいましたね。皆さん、この方は紫苑さんといって以前交流会で知り合った方です」
「あぁ、前に聞いたあれの…なるほど、この方が話しに出てきた紫苑さんなのですね」
「はい、そうなんです」
湊と先ほど話しに割って入った1人が以前から知っているような素振りで会話をしていたが残りの二人はまだキョトンとしていた
「(ん?全員湊さんと知りあいってわけじゃないのかな?)」
この状況を見て紫苑は少し疑問を抱くのだった