相馬が街に遊びに出かけ、用事も早々に蛇女に戻ろうと帰り道を行く最中に見知らぬ男に声をかけられた
会話の中、男が人気雑誌を手がける会社の社員の一人であること
ちょっとした不注意が原因で次の雑誌を飾るはずだったデータをお釈迦にしてしまったことを教えてきた
必死のお願いに絆され、相馬はその件を承諾し、彼に連れられて事務所に向かう
そこで偶然にも編集長の女性と鉢合わせになり、彼女の口から女の子の代理を見つけたとの報告を受ける
意図せずして条件は満たされ、相馬は2人に案内されるままに客室に通された
だがここで相馬は激しく驚くことになる
なにせ編集長が見つけてきたというその女の子というのがまさかの楓だったのだから
客室に案内された相馬はそこで楓と鉢合わせるという事態に襲われる
相馬も楓も驚いたように顔を見合わせる
「お待たせしたわね楓ちゃん。ちょうどいいタイミングで木下君がこの子…えっと?」
「相馬くんです」
「そう、で、この相馬くんを連れてきてくれたみたいだからいきなりで迷惑かけるけど改めて協力してくれる?」
編集長が丁寧に断りを入れるも2人は互いを見あってそれどころじゃない様子だった
この様子を見ていた編集長と木下もキョトンとする
「「あっ」」
「あっ?」
「「…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
「「っ!?」」
刹那、2人そろって互いを指さし大声を張り上げる
「ななななななななな、なんであんたがここにいんのよ!?」
「んなのはこっちのせりふだっつぅの!?」
「私は編集長さんに頼まれたからで!」
「俺も同じだっての!」
互いになぜここにいるのかなどの言い争いに発展する
「はぁ~いそこまで!ちょっと静かにしてくれないかしら!」
ヒートアップしている2人の言い争いを編集長が割って入ることで止める
「まったくもう…ところで、今の口ぶりから察するに、あなたたち知り合いなの?」
「えっ?…あっあぁ、その…昔からの腐れ縁っていうか~」
「なんていうか…幼なじみというか~」
自分たちの関係を聞かれて気まずそうに2人はそう答えた
「あらそうなの?まぁ、なんて偶然なのかしら?まさかたまたま連れてきた二人が幼なじみだったなんてね」
「えぇ、ほんとすごいですよ編集長!」
相馬と楓が幼なじみだと知るや演技がよさそうなことを2人は語っていた
「私の見立てでは2人は互いの気心も熟知している様子ね。…よし、そうと決まれば!2人とも早速協力してもらうわよ!」
「「はっ、はぁ?」」
何か妙にテンションを上げる編集長と木下の様子に2人は困惑するのだった
場所は変わってここは女子更衣室。楓は編集長にここに案内された
「さぁ楓ちゃん。ここにある衣装を使ってね」
「はっ、はい。わかりました」
言われるがままに楓が服の定めを行う
「(うわ~。さすが有名雑誌に載せるためとはいえいろんな服があるな~?どれもこれもすごく素敵)」
楓は一つ一つ服を手に取って見てそんなことを内心呟く
「(で、でもいいのかな本当に?成り行きで引き受けちゃったけど私なんかで?)」
同時に自分への自信のなさからか不安を感じていた
「楓ちゃん、決めたかしら?」
「あっ、いえその…ちょ、ちょっとどれにしようか迷っちゃってて」汗
もたもたしているうちに編集長から声をかけられてしまいアタフタした様子を見せる
「…うふっ、自分に自信がないって顔してるわね?」
そんな楓を見て編集長が彼女の心境を察したように問いかける
「ふぇっ?い、いやそんな」アセアセ
「誤魔化さなくても大丈夫よ。あなたの気持ちわからなくないわ。誰しも最初は戸惑ったりするものよ…でも大丈夫、今まで私が選んで来た人たちにハズレな人なんていなかったわ。私の直感って結構すごいんだから♪」
「…ぷふっ、なんですかその意味わからない自身w?」
「疑ってるわね~?でも本当なのよ?これのおかげで私は今この役職についてるんだから♪」
根拠のない当てずっぽうとも言えるようなことを呟きながらの編集長に励ましの言葉を受け取った楓はそのおかげで緊張の糸がいくらか和らいだように思えるのだった
そこから少し前、撮影場所ではすでに最初の服に着替え終わって楓が来るのを待っている相馬と木下がいた
「う~ん、こういうの着なれないから気恥ずかし気がするな?」
撮影場所ではタキシードに身を包んだ相馬の姿があった
相馬は着なれないタキシードの服に違和感が否めない様子だった
「大丈夫ですよ相馬くん、気にせずによろしくお願いしますね」
「えっ、えぇ、はい」
木下が自分なりのエールで相馬に励ましの言葉を贈る
「それにしても驚いたよ。まさか僕の連れてきた相馬くんと編集長が連れ来た楓さんが知り合いだったんだったなんてね」
「(俺もびっくりだったよ!)」
木下のその台詞に対して相馬が激しくツッコミを入れた
「(くそ~、なんでこんなことに)」
こんな結果になると思っていなかった相馬は複雑な思いを抱いていた
「木下く~ん、相馬く~ん、お待たせ~!」
「「っ?」」
そんなやり取りをしている中、こっちに向かって手を振ってきている編集長がいた
「編集長、首尾のほどは?」
「もうばっちりよ。見てみなさい!」
「……っ?」
刹那、相馬はわが目を疑った。そこには青いドレスに身を包んだ楓の姿があった
皆の視線が恥ずかしいのかそわそわとしている様子だった
「おぉ!いいですね編集長!」
「ねっ、やっぱり私の目に狂いはなかったわ♪」
編集長は得意げそうにそう発言する
「さぁて、時間も押してるしさっさと始めちゃいましょう!二人ともよろしくよろしくね!」
「「は、はい」」アタフタ
こうして編集長と木下のサポートのもと、様々な写真撮影が行われ、無事に雑誌の締め切りに間に合ったとのことで2人は彼女たちの期待に沿うことができたのだった
…だが
「相馬、これはどういうことなんだ?なんでお前がこの雑誌に載ってるんだ?」
「なんであんたがこの雑誌に載せられてるのよ?」
「うんうん、両奈ちゃんも知りた~い♪」
「い、いいだろ別に!つうかみんなよ///!」
後日その雑誌を買った雅緋たちから問い詰められたりと散々だった
しかし、中でも相馬が一番恥ずかしいと思ったのはとある一枚の写真だったのだから
「くそ~!あの二人め!寄りにもよってこの写真をピックアップしやがって~!!」