閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第二十章 ここは…俺は…

覇王光竜こと白の力、聖剣クラウソラスによって見事佐介を打ち倒し勝利を手にした光牙だったが

 

感知及びそこに現れた飛鳥から仲間たちが消えてしまったことを知らされ苦悶の表情を浮かべていた時、奴は現れた

 

「excellent、実に見事な勝利でしたよ光牙」

 

「道元。貴様、蛇女がこんなことになっていたのに何処にいた!!」

 

ここの管理者でありながら蛇女がこんな状況だったにも関わらず何もしなかった道元に光牙は怒りを露わにする

 

「ふふふ、そう怒るな。私もいろいろ準備で忙しかったものでね」

 

「準備…だと?」

 

「そう、怨櫓血(オロチ)の復活というね!」

 

「「「!?」」」

 

道元の言った言葉に光牙たちは驚きを隠せなかった

 

「どういうことだ道元!説明しろ!」

 

「いいでしょう。教えてあげましょう」

 

そう言うと道元はある巻き物を広げる

 

巻物には、禍々しい化け物の事が書かれていた

 

その化け物こそ道元が語っていた怨櫓血(オロチ)であった

 

はるか昔し、戦国の時代から、この城に巣食っていたらしい

 

つまりこの城自体が怨櫓血(オロチ)なのだ

 

「この怨櫓血(オロチ)の復活こそ私の長年の夢、そして野望を叶える第一歩なのだよ」

 

道元は怨櫓血(オロチ)を復活させてその強大な力を我が物にしようとしていたのだ

 

怨櫓血(オロチ)を復活させるにはいくつか条件があってね 一つは2本の超秘伝忍法書。そしてもう一つは忍として優秀な少女の身体...」

 

「つまり、焔たちは怨櫓血(オロチ)復活に利用されたのか!?」

 

「他人事ではないよ光牙、君は怨櫓血(オロチ)を強化、制御するための器なのだから」

 

「俺が…器?」

 

道元の話しを聞いて光牙は小首を傾げる

 

「そう君は最初から怨櫓血(オロチ)の支配を万全のものとするために選ばれた器なのだよ。これより私の力でその身に怨櫓血(オロチ)を封印し、そうして君は私の人形となり、我が命令を忠実にこなす完璧な戦闘兵器となるのだよ!」

 

怨櫓血(オロチ)を体内に取り込めば自我を壊すことは避けられないだろう

 

「そんなの願い下げだ!」

 

【そうじゃ!主さまには既にわしがおる。勝手に余計なものを入れるでない!!】

 

これには光牙と白も否定した

 

「なぜ拒むのかね?怨櫓血(オロチ)を取り込めば究極の力を手に入れるのだぞ?素晴らしい事ではないか!強大な力を手にし最強の忍として君臨できるのだぞ!」

 

もっともらしいことをいう道元だったが光牙たちの思いは違った

 

「そんな究極などまやかしにすぎない!本当の強さとは自身で掴むものだ!」

 

強い思いを胸に道元の言葉を光牙は否定する

 

「君がなんと言おうと君の運命は決まっている。忍法、軛の術!」

 

道元が印を結ぶと術を発動する

 

「っ!?」

 

「この術でお前を操り、お前を怨櫓血(オロチ)の器にする!」

 

「うわあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「光牙くん!?」

 

軛の術が発動し、光牙が苦しみ出す

 

「はははははははは!これで我が野望が実現するのだ!!」

 

怨櫓血(オロチ)復活まであと少し、道元は嬉しさのあまり笑い声をあげる

 

「……なんてな」ニヤ

 

「「「っ!?」」」

 

しかしそれは一転して余裕そうな表情を浮かべた光牙の顔で崩れ去る

 

「なっ、なぜだ!?軛の術は発動しているはずなのになぜ自由に動ける!?」

 

「バカめ、この程度の術にかかる俺ではない。蛇女に来た時に貴様にこの術をかけられた後、気づかれないよう術を消していたのさ。まぁ、それに気づかずに貴様は俺がまだ術にかかってると思っていたようだがな」

 

「おのれ~光牙ぁぁ!!この私を欺くとはくやっしぃ~!許せん許せん!」ジタバタジタバタ

 

光牙にしてやられたと知ると道元は悔しそうにじだんだをふむ

 

「こうなればもう一つの手だ!」

 

道元が新たな印を結ぶ

 

すると光牙の足元に奇妙な陣が

 

「なんだこれは?」

 

「器には出来なかったが、かくなる上は貴様を怨櫓血(オロチ)の肉体に吸収させ、怨櫓血(オロチ)により強大な力を与えるのだ!」

 

「ぐっ!?意識が飛びそうだ…」グヌヌ

 

「はははは!!さぁ、怨櫓血(オロチ)の力の一部となれ光牙!!」

 

じわりじわりと意識が薄れていき体も透け始めていく

 

「貴様の…好きにはさせん!!!」シュン

 

「なっ!?」

 

「クラウ、ソラスゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」

 

 

ジャキイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィン

 

 

「ぐあっ……ばっ、バカなぁぁぁぁぁぁ…!?」

 

意識がなくなりそうだった光牙が力を振り絞ってだした手刀によって道元は真っ二つに切り裂かれた

 

「グッ…!?」

 

「光牙くん!?」

 

道元は倒したが、どうやらタダでは済まさないのは同じだったようで先ほど発動したこの術は術者が死んでも溶けないものだったらしい

 

それによって光牙の体がさらにすけていく

 

「さす、け…」

 

「うん。なに?」

 

「すまないが……あとを、頼む…俺が吸収されると同時に怨櫓血(オロチ)が蘇る。…お前たちの手で怨櫓血(オロチ)を、なんとしても倒してくれ……」

 

「うん。約束するよ、怨櫓血(オロチ)は絶対に僕たちが止めてみせる!!」

 

佐介は光牙に約束した絶対に破らない誓いを

 

それを聞いて光牙は安心した

 

「任せたぞ……佐介…」

 

地上のことを託す光牙はサムズアップを送る

 

すると光牙の体は佐介たちの前から消えていった

 

「光牙くん…」泣

 

「佐介くん…」なでなで

 

光牙が消えたことに涙を流す佐介を飛鳥が優しく撫でる

 

その時だった

 

 

 

【ゲエィウォォォォォォォォォォ!!!!!!】

 

 

 

凄まじい咆哮とともについに怨櫓血(オロチ)が蘇ったのだ

 

怨櫓血(オロチ)…!」グヌヌ

 

蘇った怨櫓血(オロチ)に佐介は怒りを露にする

 

「「「「佐介、飛鳥(くん)(さん)(ちゃん)!!」」」」

 

「「っ?」」

 

そんな佐介と飛鳥のもとに仲間たちが駆けつけてきた

 

「みなさん。無事だったんですね」

 

「はい…しかし詠さんたちが」

 

「はい、みんなあの怪物の中にいます」

 

佐介が指さす場所には怨櫓血(オロチ)

 

「みなさん。力を貸してください、僕たちの力でこの地上をあの化け物から守るんです!!」

 

怨櫓血(オロチ)を倒す。その佐介の言葉に全員が賛同した

 

「行きますよみなさん!!」

 

佐介のあとに続いて半蔵の忍たちが怨櫓血(オロチ)に戦いを挑むのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、光牙は…

 

 

 

「…ううん。ここは?」

 

 

 

怨櫓血(オロチ)に吸収され怨櫓血(オロチ)の体内に取り込まれていた

 

 

 

そこには異様な光景が広がっているのだった…

 

 

 


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