閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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蛇女子学園編スピンオフ作品です


いざ、蝶と呼ばれる忍たれ!

蛇女の一件以来、全員揃って抜忍となった光牙たちは

 

とある商店街にきていた

 

あれからみな目的を探していろいろ渡っている最中だった

 

そんな時だった

 

「っ、この気配はまさか!?」

 

突然の気配を察知し振り向いた先には

 

「よく無事でいたな。さすが私の教え子たちだ。見事なものだ」

 

「鈴音!?」

 

「「「「「鈴音先生!?」」」」」

 

高いとこから光牙たちを見下ろす鈴音の姿が

 

あの戦い開始以降姿をみなかったが生きていてれくれたことに安堵するも

 

同時に危険視もしていた

 

なにせ今。自分たちは抜忍であり、蛇女から見ればそれは処刑の対象なのだから

 

「鈴音、お前がなぜここに?俺たちを処刑しに来たのか?」

 

「……だとしたら?」

 

その言葉を聞いた瞬間全員が戦闘態勢をとる

 

「ふっ、そう来なくてはな」

 

そう言うと登っていた場所から一気に降りてきた

 

「私とお前たちはもはや教師と生徒の関係ではない。ゆえに私はお前たちを一流の忍と認め、全力でお前たちと対峙する。それから私のことは「鈴音」ではなくこれからは「凛」と呼べ」

 

鈴音、元い凛はそう言うともっていた自分の愛用の武器である巨大な手裏剣を両手に持って構える

 

「みんな、気を付けろ。あいつは…凛は並みの相手じゃない、手を抜けば死ぬぞ!」

 

その光牙の言葉に全員が頷く

 

なにしろ相手は自分たちに忍を教えてくれたあの凛なのだから

 

「(凛を相手にするとなると武器なしでは厳しい。こうなればあのモードになるしか…)」

 

光牙が思い悩んでいると

 

「光牙くん!」

 

「春花?」

 

突然、春花が光牙に声をかけてきた

 

「なんだ春花?」

 

「焔ちゃんから事情は聞いてたから蛇女を抜ける時にこっそり持ってきておいたの。受け取って」

 

春花が徐ろに差し出した布を捲ってみるとそこには両端に鋭い刃のついた弓が

 

しかもやたら高性能っぽい感じの

 

「春花、これはいったい?」

 

「私が作った武器よ。って言ってもあなた専用と言っても過言じゃないけど」

 

照れくさそうにいう春花の言葉を聞いて武器を手に取る

 

「力を込めてみて」

 

「あぁ…っ!」

 

言われるがままに力を込めてみると

 

 

ヴォォォン!!

 

 

「っ!?」

 

銃を手に取ると弓についているラインに光牙の力が注がれ、刃の部分が光る

 

「これは….?」

 

「私からあなたへの愛のプ・レ・ゼ・ン・ト♪ってとこかしらね?」

 

「ふっ、春花、今以上にお前が最高だと思ったことはないぞ!」

 

「褒めてくれてありがとう~」

 

春花に礼を述べるとほかの武器たちも携帯し戦闘準備は完了した

 

「準備が出来たようだな。では行くぞ!いざ、蝶と呼ばれる忍たれ!お前たちも全力でかかってこい!」

 

「あぁ!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

その言葉を合図に

 

迫り来る凛を迎え撃とうと焔、詠、日影の近距離タイプが向かっていき

 

光牙、未来は後方より援護、春花はさらにその後ろで司令塔として約割を果たす

 

「でぇぇぇい!!」

 

「行きますわ!!」

 

「いてもうたれ!!」

 

「ふっ!」

 

焔たち三人が凛に連携攻撃を仕掛けるもそれをよんでいたかのようにかわすと

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

「「ぐぁぁぁぁぁ!!!」」

 

「きゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

手裏剣を巧みに操り、焔たちを吹き飛ばした

 

「今だ未来!!」

 

「うん!!」

 

隙をついて光牙が春花からもらった弓のトリガーを引き絞り、エネルギーをチャージするとともに矢を放つ。未来も傘から銃弾を撃っていく

 

「ふっ、たぁぁぁぁ!!」

 

しかしそれを諸共せず手裏剣を回転させながら凛は攻撃を防ぐ

 

「まずいわね。光牙くん。詠ちゃんとポジションチェンジよ!」

 

「わかった。詠。交代だ!」

 

「了解ですわ!」

 

春花の指示によって光牙が近距離、詠が遠距離にポジションを替えた

 

「大丈夫か二人とも!」

 

「おっおう!」

 

「わしなら平気や」

 

かけより立つのを手助けし終えると

 

「光牙くん、銃についてるスイッチを押してみて!」

 

「スイッチ…これか?」

 

持ち手のところについているボタン型のスイッチを押すと銃口から光刃が出てきた

 

「なるほど、これは使える!」

 

再び構える二人とともに光牙も構える

 

「…先ほどの、見事な連携だった。私としては嬉しい限りだ!!」

 

「そうか、ならばもっと見せてやるぞ凛、俺たちの成長ぶりをな!!」

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

「せいやぁぁぁ!!!」

 

光刃と手裏剣がぶつかり、互いに攻防を繰り広げる

 

「っ!?」

 

「先生!」

 

「もろたで!!」

 

焔と日影が上空に舞い上がり、そのまま急降下して凛を狙う

 

それを危険と判断し凛は飛び上がり、かわす

 

「今よ二人とも!」

 

「はい!」

 

「今度こそ!!」

 

凛がそう来るのを待ちわびていたかのように武器をかまえ凛を狙う

 

「同じ手を二度も喰らうほど、私は甘くはない!喰らえ!!秘伝忍法・れっぷうだいしゃりん!!!」

 

「「「っ!?」」」

 

そう言うと凛は宙に浮いたまま手裏剣を連結、雷を纏った烈風を吹き出す

 

「「「きゃあぁぁぁぁぁ!!!!」」」

 

「詠、未来、春花!!」

 

竜巻きに巻き込まれ地面に叩きつけられた3人

 

「よそ見とは甘いぞ!」

 

「「っ!?」」

 

「秘伝忍法・りんこうまんげきょう!!」

 

再び手裏剣に雷を纏わせるとそれを蹴り飛ばしてきた

 

「うわあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「あっ、あかんてぇぇ!!」

 

手裏剣は二人を切り裂き、先ほどの3人同様地面に叩きつけた

 

「焔、日影!?…っ!!」

 

カキン!

 

「ほう、さすがにお前は一筋繩ではないな」

 

「くっ!」

 

凛の実力は本物だった

 

すでに焔たちはボロボロにされていた

 

「どうした?お前たちの力はその程度なのか?…私を失望させるのか?」

 

不満そうな表情で光牙たちに凛は問いただす

 

「ふん。なにをもう勝った気でいる?俺たちはまだ諦めてないぞ」

 

「っ…」

 

その光牙の言葉を口火に先ほどまでボロボロだった焔たちが立ち上がる

 

「そうだ。私たちが負ける時、それは私たちが死んだ時だ!」

 

「そう、だからこそわたくしたちはまだ負けてません!」

 

「まぁ、そう言うこっちゃな」

 

「あたしたちの全力はこれからだよ先生!!」

 

「勝手に終わりだなんて言わせないわよ~」

 

ぞくぞくと立ち上がり、凛に言い放つ焔たち

 

「俺もこいつらもこれまでの戦いで成長したんだ。もう出会った時のひ弱な存在じゃない!」

 

「お前たち…」

 

光牙の言葉、そして焔たちの表情がそれを物語っていた

 

「…やはり、お前たちは私の最高の教え子だ。……ならばそれを全力で私に伝えて見せろ!!お前たちの得たもの全てを私に見せてみろ!!」

 

「あぁ…そうさせてもらうぜ!いくぞみんな!!」

 

「「「「「おぉーーーー!!!」」」」」

 

 

 

 

互いに闘士を滾らせ、互いに相手に向かって駆け出す

 

 

 

 

「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

「「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」」」」」

 

 

 

思いをただ、言葉にではなく、おのが武器に込めて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いを終え、光牙たちは再び自分たちの居場所探しの旅を再開していた

 

勝敗はどうなったのかはわからない、しかしそれを物語るかのように6人の衣服などはボロボロとなり、体には傷や痣ができていた

 

ふと、その中で光牙は立ち止まり、後ろを振り返る

 

「……っ」

 

そして脳裏に凛が最後に残した言葉が浮かび上がる

 

『見事だ。さすが怨櫓血(オロチ)を倒しただけはある。…しかし、この先にお前たちをまつのは更なる苦難と困難の連続だ。抜け忍の道は…険しい。だが、己を信じ、もっと修業に励むがいい…』

 

『…はい、凛先生』

 

『“先生”はいらないと言ったはずだ…いや、呼びたければ呼んでも構わん。忘れるな、たとえ抜け忍になったとしてもお前達が私の生徒であったことに変わりはない。これからも見守らせてもらうぞ、お前たちの成長をな!!』

 

『凛……』

 

その凛の後ろ姿はとても凛々しく美しかった

 

「……またいつか会おう。凛」

 

「光牙~!何してんの~?早く行こ~!!」

 

「…あぁ、今行く!」

 

仲間たちの呼び声に答え、光牙は再び歩みだす

 

信じあう仲間たちとの苦難と困難、そして栄光と希望のロードを……

 


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