閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第二章 俺の聖剣が勝つか? 私の炎月花が勝つか?

焔紅蓮竜隊の隠れ家近くには広い場所があり滝がながれている。なんとも綺麗な場所である

 

ここは光牙や焔たちが抜忍となってから修行の場として使っているところ

 

「……」

 

その場にて光牙は真・粒子変化(ネオ・フォトランス)を行い、強化された姿に転身した

 

 

ちなみにいつのころかこの姿を目の当たりにした紅蓮竜隊からこの姿は「竜聖の光牙」と呼ばれるようになっていた

 

 

目を瞑ったまま滝の方を向きながら精神を研ぎ澄ませていた

 

そよ風が吹き、木々をゆらす

 

一枚の木葉がひらひらと舞いながら川に向かって落ちてきた

 

 

…チャポン

 

 

「っ!!」

 

 

シャキィィィィィィィン!!!

 

 

木葉が川に落ちた瞬間、光牙が右手のクラウソラスを振るい、手刀の斬撃を飛ばす

 

斬撃によって水しぶきが飛び交う

 

「…」

 

それを見た光牙は不満そうな顔で自身の右手を見つめる

 

 

「この(聖剣)のおかげで俺は怨櫓血(オロチ)からあいつらを救うことができた。しかし、今のままではダメだ。この程度では聖剣とは名ばかり、これしきの剣ではほど遠い。真に聖剣と呼ぶにはまだ及ばない…この右手に宿る聖剣は今よりもさらに鋭くなる。俺の心求める限り」

 

そう言いながら右手を強く握り締めた

 

 

光牙もまた転身を解き、滝を見つめていた

 

 

そんな時だった

 

「ん?そこにいるのは光牙か?」

 

「…焔」

 

修行中の彼の元に焔が寄ってきた

 

「お前も修行に来てたのか、感心するぞ。あいつらも少しは光牙を見習うべきだと思うな。うんうん」

 

何やら焔が1人でに話だし、1人でに頷き納得していた

 

「また逃げられたのか?」

 

「そうなんだよ。まったくあいつらと来たら」プンスカ

 

なぜか自分が修行の相手をしてくれと頼もうとすると直前までいるのにちょっと目を離せば忽然と消えていたというありさまだった

 

「もう頼れるのは光牙のみだ。頼む修行の相手になってくれ!」

 

土下座するほど必死にお願いをする焔を見て軽く息を吐くと

 

「いいだろう。付き合ってやる」

 

「本当か!?やった~!さすが光牙だ話しのわかるやつだ~♪」

 

「おっ、おいくっつくな」

 

焔に密着され若干困った顔をする光牙だった

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで勝負を始めるにあたり、二人は距離をとって光牙は弓を、焔は六爪を構える

 

「そういえばお前とこうして勝負するのは久しぶりだな」

 

「ふっ。そうだったな」

 

「しかし、私とてあの頃とは比べられないほど強くなった。今ならお前を倒せる気がしてならないぜ!」

 

「そう簡単にいくかな!」

 

焔が先に仕掛け、光牙は矢を放つ

 

六爪で矢を叩き落すかのように切り裂きながら前進し続ける

 

「ふっ!」

 

「っ?」

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

「っち!」

 

振りおろしてきた六爪を弓で受け止めた

 

「グッ…」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

以前なら簡単に受け止められたのに、今の焔の力は受け止めるのがやっとなほどだった

 

「っ!」

 

 

カキィィン!

 

 

なんとかつばぜり合いから抜け出し距離をとる

 

そしてふと気づくと両手に痺れを感じていた

 

自分にこれほどまでのプレッシャーを与えるとは

 

「…ふっ、強くなったものだな焔よ」

 

「へっ、私とて日々成長しているんだ。お前に手も足も出なかったあの頃とは違うんだ!」

 

「そうか、嬉しい限りだ!」

 

互いに再びぶつかり合う

 

斬撃と斬撃の応酬

 

強くなり、一歩も引かない攻防に二人の心は高まっていった

 

「「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」」

 

息を切らすほどの激戦を繰り広げる

 

「…光牙。私から提案がある」

 

「提案?」

 

「お互い、奥の手を使って戦わないか?」

 

「…ほう」

 

奥の手を使う、それはつまり竜剣士の力と紅蓮の力で勝負するというものだった

 

「あの時は怨櫓血(オロチ)を倒すために一緒に戦ったが、あの姿のお前を見て思ってたんだ。いつかあの姿のお前と戦ってみたいって」

 

「ふっ、奇遇だな。俺も同じことを考えていた」

 

「そうか…ならやるか?」

 

「あぁ…望むところだ」

 

両者ともにやる気満々だった

 

「ならば……っ!!」スゥ…シャキン

 

 

ブォォォォォォォォォォ!!!!!

 

 

焔が背中に背負った七本目の太刀を抜いた瞬間、凄まじい力が焔を包み、焔の黒い髪と瞳を炎を思わせるような真紅の色に染め上げる

 

これが焔の力を解放した姿、紅蓮の焔である

 

「さぁ、こっちは準備OKだぞ。お前も早く力を解放しろ!」

 

愛刀である七本目の太刀『炎月花』を光牙に向け、力の解放を急かす

 

「いいだろう。いくぞ焔、これからが本番だ!真・粒子変化(ネオ・フォトランス)!!」

 

高らかに叫んだ瞬間、光が光牙にあつまり包み込んだ

 

そして光を払い現れたのは竜剣士の姿となった光牙だった

 

「いくぞ光牙、私の『炎月花』とお前の聖剣。どちらが強いか勝負だ!!」

 

「よかろう!」

 

『炎月花』を構える焔、聖剣とかした手刀を構える光牙

 

そして…!

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!!!」

 

二人の刄がぶつかり合う

 

「はぁぁ、秘伝忍法・クラウソラス!!」

 

 

ジャキイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!!

 

 

「なんの!秘伝忍法・魁!!」

 

 

ザシュザシュ…ザシュゥゥゥゥン!!!!

 

 

互相に技と技とのぶつかり合いが続く

 

「うりゃぁぁぁぁ!!!」

 

「させるか!!」

 

「ぐっ、かあぁぁぁ!!?」

 

空中から攻めてくる焔に対し、クラウソラスを連続で振るいそれを阻止する

 

「はあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「っ、ぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 

降り立った隙をついて光牙が焔にクラウソラスを振るい、斬りかかる

 

それを間一髪、『炎月花』で受け止める

 

「っ、ぬぇい!!」

 

「ぐっ、がはっ!?」

 

つばぜり合いの最中、光牙の腹に蹴りをはなつ

 

「せえぇぇぇぇい!!」

 

「ぬあぁぁぁ!!!」

 

その瞬間、ぐらついた光牙に焔が渾身の一撃をはなった

 

それによって光牙を吹き飛ばした

 

「っ!はぁぁぁぁ!!」

 

「なっ!?うわあぁぁぁぁぁ!!!」

 

だが、転んでもタダでは起きないと言わんばかりに光牙が左手に力をため、光弾を乱射し焔を攻撃した

 

しかし光牙もまた吹き飛ばされた衝撃で岩壁に激突し崩れるように倒れた

 

「グッ…ぐぅぅぅぅぅぅぅぅ」

 

「まだ、まだだ…」

 

互いに傷ついた体を立ち上がらせるとともに、次の一撃でこの勝負に終止符をうつと決めた

 

「研ぎ澄ませ刄、唸れ聖剣!!」

 

「燃え上がれ私の魂よ。この刀に私の全てを込める!」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

自身のもてる力を高めあう光牙と焔

 

「いくぞ!!」

 

「おう!!」

 

「これで最後だ!!喰らえ、クラウソラス!!!!!」

 

「負けるか!!受けよ『炎月花』の真紅の斬撃を!!!」

 

両者互いに斬撃を放つ

 

 

ジャキイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!

 

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」」

 

光牙と焔の斬撃が激突する

 

凄まじい力同士がぶつかり合う

 

そしてその刹那…!!!

 

 

 

ドバァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!

 

 

 

二つの力の衝突によって大爆発が起こった

 

「なになに何が起こったの!?」

 

「あらあら、すごいことになってるわね」

 

「また派手にやったもんやね?」

 

「けほ、けほっ。…おっ、お二人とも大丈夫ですか~!?」

 

爆発に気づいた未来たちが駆けつけてみると

 

あたりは煙が充満していた

 

そして煙が晴れるとそこには互いに変身が解け、気絶している二人の姿が

 

「まったく、この子たちったらはしゃぎ過ぎなんだから」

 

春花が二人を見て呆れ顔を向ける

 

「まっ、まぁ~大事には至ってないようですしとりあえず運びましょうか」

 

「そうだね。日影も春花さまも手伝って~」

 

「ほ~い」

 

「はいはい」

 

こうして光牙と焔の対決は引き分けに終わり、その後、目を覚ました二人を待っていたのは春花からのお説教だった

 


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