閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第三章 そんな…どうして、ここに?

いい天気の道をため息を吐きながら歩く人が一人

 

 

それは春花だった

 

 

「はぁ~。バイトって、難しいのね」

 

 

春花は困った顔でため息をつきながら隠れ家に向かっている最中だった

 

 

なぜ、彼女はこうもため息をつくのか、それは彼女が仕事中に余計なことをしてしまうのが原因だった

 

 

飲食店では客に対して過激で接客には絶対使わないようないかがしいことを言ったり

 

 

病院では看護師として病人の人に自分の調合した特製の薬を与えたがために元気を取り戻して退院させてしまったなど

 

 

仕事場で様々なトラブルを起こしてしまったがために一銭も稼げなかったのである

 

 

「みんなになんて言おうかしら?…っていうか光牙くんが黙ってないわよね?」

 

 

思い出すだけで春花の体に震えが走る

 

 

何しろ抜忍になってから光牙はまるでおかん状態、仕事をしながら休みは詠とともに、または詠が仕事に行っている間は財布などの管理をしたり、炊事、洗濯、掃除など、自分でさえ思うほどの「理想の旦那」という言葉がよく似合うほどになっているため

 

 

一銭も稼げなかったとしれば何時間もの説教が待っているだろう

 

 

そう考えるとため息が止まらなかった

 

 

「はぁ…憂鬱だわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春花はアジトにたどり着いたと同時にみんなに声をかけた

 

 

「ただいま~…って、あら?」

 

 

アジトに帰るやいなや、春花が武器を手に出かける準備をしていることに気づいた

 

 

様子からして何やらただならぬ雰囲気だということは一目瞭然だった

 

 

それを見た春花の心は弾んでいた

 

 

どんなに危険でもバイトのそれに比べたら楽しいものだ

 

 

なにより、今なら光牙も準備に集中してるだろうから黙ってればバレないと春花は浮き足立ちながらみんなのもとに駆け寄った

 

 

「みんなどうしちゃったの~?そんなに慌てて?」

 

 

「あぁ、春花か。実は半蔵学院が何者かの襲撃を受けているらしい」

 

 

かけより自分たちがなぜこんなことをしてるか尋ねる春花に光牙が代表して答えた

 

 

「まぁ、それは大変。じゃあ助けにいかなきゃね」

 

 

「どっ、どうしてそういう話になるんだ!?」

 

 

春花の発言に驚いた焔が会話に入る

 

 

「焔ちゃんは心配じゃないの?」

 

 

「心配などしていない。あいつらは簡単にやられたりはしないからな…大丈夫に決まってるさ」

 

 

「ふっ、…そうだな。あいつらの強さは俺たちが一番よく知ってる。だろ焔?」

 

 

「あっ、あぁ!そうだな!」

 

 

口ではああ言ってるものの、不安そうな顔をする焔に光牙はフォロー気味に尋ねると焔も元気を取り戻したように答えた

 

 

そう、あの戦いを通して半蔵学院の連中は強いことを知っている彼らだからこそ言える言葉だった

 

 

「で、これからどうするの?」

 

 

「なにはともあれ話しの真意を確かめるためにも、まずは半蔵学院に行かなければならない、そう言うわけで春花、お前も準備しろ」

 

 

「わかったわ」

 

 

光牙の指示を聞き、春花も準備を始める

 

 

そして春花が準備を整え終えるのを確認し、一同は半蔵学院へと向かうのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし半蔵学院に到着した光牙たちが見たものは

 

 

 

ボロボロにやられた半蔵学院のみんなだった

 

 

「これは…半蔵のみんなが…やられてる…」

 

 

「なんてことなの…」

 

 

この状況はあまりにも衝撃的だった

 

 

「っ!…飛鳥!」

 

 

焔は目の前に倒れた飛鳥に気づき、彼女を抱き上げる

 

 

「飛鳥、飛鳥!しっかりしろ!?」

 

 

「うぅぅ…焔、ちゃん?…それに蛇女のみんなも…?」

 

 

飛鳥はボロボロな状態で弱々しい声をあげている

 

 

「なさけないぞ飛鳥、私以外のやつになられるなんて!」

 

 

「やられてなんかないよ…私たちは…まだやれるよ……」

 

 

焔の言葉を否定するも、やはり今のボロボロな状態で戦うなど無茶にもほどがあった

 

 

その時、ふと光牙はあることに気づいた

 

 

「飛鳥、佐介はどこだ?ここにはお前たちだけのようだが?」

 

 

「さすけ、くんなら…まだ屋上で戦ってる…はず」

 

 

ここにいないのはそのためかと飛鳥の言葉に光牙は納得した

 

 

「それで飛鳥、お前たちをやったのは誰なんだ?」

 

 

半蔵学院を襲い、彼女たちをここまでにしたやつの正体を問うていると

 

 

「そいつをやったのは私だ」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

「この…声は…?」プルプル

 

 

突然、声が聞こえ焔たちは振り向き、光牙は聞き覚えのある声であることに驚きつつ振り向いた先には

 

 

白髪の髪の女性がいた

 

 

「あっ、あなたは…?」

 

 

「秘立蛇女子学園3年、雅緋、選抜メンバーの筆頭だ」

 

 

「ほう、つまり私のあと…がま?」

 

 

雅緋に声を掛けようとした焔の口が雅緋をまじまじと見た瞬間、止まる

 

 

それは焔だけではなく紅蓮竜隊全員がである

 

 

何しろ雅緋の顔が髪の色を除けば…

 

 

 

 

 

 

 

 

光牙と瓜二つだったからだ

 

 

 

 

 

 

 

そしてそのことを問おうと光牙に目線を向けると光牙は驚いた顔をしていた

 

 

「こ、光牙?どうしたんだ?」

 

 

「どういうことだ?……なぜ……なぜここに……姉さん…」ガクガク

 

 

「「「「「フェ!?」」」」」

 

 

光牙の口から発せられた「姉」という単語に紅蓮竜隊は驚いた

 

 

「久しぶりだな。光牙…」

 

 

すると先ほどまで得物を狩ろうとする捕食者のような目を焔たちに向けていた雅緋が光牙に目を向けるやいなやうってかわり、優しげな顔と声で語りかける

 

 

「いったいどういうことだ?姉さんはずっと病院にいたはずなのに……どうして?」プルプル

 

 

我が目に映る光景が信じられないと言わんばかりに光牙は驚いている

 

 

「いろいろあったが、記憶を取り戻したんだ。すまなかったな光牙、お前には迷惑をかけた」

 

 

「記憶が…戻った……」

 

 

光牙にとって姉である雅緋がもとの姉に戻ったことは素直に嬉しかった

 

 

そんな中、先ほどまで優しい笑みを浮かべていた雅緋だったが今度は真剣な眼差しを向けて光牙に語りかける

 

 

「…光牙、単刀直入に言う。私はお前を連れ戻しにきたんだ」

 

 

「えっ?」

 

 

「元々、半蔵学院を襲ったのも抜忍たちとお前をここに呼び寄せるためにしたことだ。…さぁ光牙、私と一緒に帰ろう…大丈夫。お前が蛇女に戻れるように父さんも説得した」

 

 

「父さん…」

 

 

父の名が出た瞬間、光牙は浮かない顔をする

 

 

「心配するな、私がそばにいる。私がお前を守る…さぁ、こっちに来るんだ」

 

 

「姉さん…すまない、俺は一緒にいけない。今尚、蛇女には闇を感じる。だからこそ、今蛇女に戻るわけには行かない」

 

 

雅緋は手を差し伸べるも、光牙は首を横に振り、それを拒む

 

 

「光牙、目を覚ますんだお前はそいつらに誑かされてるんだ!戻ってくるんだ!そいつらはお前を惑わす権化だ!」

 

 

「違う…違うよ姉さん!」

 

 

焔たちを悪く言う雅緋に光牙は反論する

 

 

「こいつらは俺を惑わす権化なんかじゃない!…こいつらは姉さんを救うことしか頭に無く、誰とも関わろうとしなかった俺に接してくれた。仲間だと言ってくれた…こいつらのおかげで今の俺はここにいる。そんな俺の仲間たちを侮辱するのは例え姉さんでも許さない!」

 

 

「光牙…」

 

 

自分たちをそこまで思ってくれていたことが焔たちは嬉しかった

 

 

しかし、それを聞いた雅緋は体をびくつかせる

 

 

「…そうか…わかったよ光牙…そいつらのせいなんだな」

 

 

「姉さん?」

 

 

「私の光牙が変わってしまったのは貴様のせいだ!!…許さない、もはや貴様らは一人として生かして置かぬ!この場で私が引導を渡し、そして力ずくでも光牙を取り戻してやる!覚悟しろ!!」

 

 

「違う、違うんだ姉さん!!」

 

 

光牙の説得もきかず、殺意をむき出しにし雅緋が襲いかかるのだった

 

 

 

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