閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第五章 こいつ、嫌な感じがする

半蔵学院にて光牙を取り戻さんと雅緋が襲いかかった

 

 

焔が応戦する

 

 

さらにそこに新蛇女の増援が到着し

 

 

詠たちもそれに応戦するべく戦いを始めた

 

 

そんな中、屋上からボロボロの状態で落ちてきた佐介に駆け寄った際に同じく屋上から降り立つ男に驚く

 

 

彼曰く、彼は自分の後釜として蛇女子学園に特別転入し

 

 

雅緋達とともにここを襲撃し、佐介をこんなにボロボロにしたのも彼だという

 

 

それを聞いた瞬間、納得の行かない光牙はその真意を探るべく

 

 

後釜である蒼馬に戦いを挑むのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

「いくぞ!」

 

 

蒼馬よりも先に光牙が仕掛けた

 

 

トリガーを引き、放つとともに無数の矢が蒼馬に襲いかかった

 

 

「っ」

 

 

光牙の放った矢の数に驚き、距離をとろうとするも

 

 

ドバァァァァァァァン!

 

 

「ぬっ、っ!?」

 

 

地面に刺さった矢が爆発し、その衝撃で吹き飛ばされる

 

 

「くっ…!」

 

 

しかし、蒼馬は身軽な動きで受けみをとり、距離をとった

 

 

「(…こいつの受けみをとった時の鮮やかさ、見事なものだな)」

 

 

光牙は蒼馬の無駄のない動きからそう感じ取った

 

 

「やるな。ならば俺も容赦はせぬ、忍、転身…」

 

 

 

《TransFormation》

 

 

 

 

変身が完了すると蒼馬の左半身には青い装甲が纏わられていた

 

 

「っ!?」

 

 

その光景に光牙は驚きを隠せない様子だった

 

 

「…いくぞ!!!」

 

 

蒼馬が襲いかかった

 

 

「くっ!」

 

 

光牙はそれをかわしていき

 

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

 

弓で蒼馬の攻撃を弾いた

 

 

「っち」

 

 

蒼馬は一旦距離をとる

 

 

それを見ていた光牙は内心思っていた

 

 

「(あいつの転身姿はなんだ?)」

 

 

今までに見たことのないタイプの転身を使う蒼魔に光牙は目を疑う

 

 

そんな風に考えていると次の瞬間

 

 

「はあぁぁぁぁ!!!」

 

 

「っ!?」

 

 

蒼馬がいきなり飛びかかり光牙に攻撃をしかけてきた

 

 

「ふぅぅぅん!!!!」

 

 

「くっ!?」

 

 

その突進を弓を盾にしながら押しとどめ

 

 

つばぜり合い状態になった

 

 

「ぐっ……!」

 

 

「ふぅぅぅぅん!」

 

 

しかし、純粋な力比べでは蒼馬に武があるようで徐々に全身に力を込めて光牙を押し始めた

 

 

「っ、なんという馬鹿力……!?」

 

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

 

「ぬあっ!?」

 

 

少し押されたところで蒼馬が力いっぱいに弾き、つばぜり合いを解く

 

 

その反動で光牙はぐらついた

 

 

「っ!」

 

 

光牙は驚きつつも後ろにステップしながらそのまま矢を構えて放つ

 

 

矢は放たれた瞬間拡散した

 

 

「っ!?…ぬっ!?」

 

 

拡散した矢は地面に突き刺さった瞬間爆発していき

 

 

避ける暇もなく爆発の嵐を浴びた

 

 

「どうだ?少しは効いたか?」

 

 

光牙は爆煙の中にいる蒼馬に語りかける

 

 

そして煙が晴れた時、そこには衣服の一部が燃えて消え去ってはいるも

 

 

ほぼ無傷の蒼馬が立っていた

 

 

「ふん。やはりあの程度では大した痛手ではないか」

 

 

「…こしゃくなっ!」

 

 

 

少しムッとした表情を浮かべた瞬間、蒼馬が反撃に出る

 

 

息もつけないほどの連続攻撃をしてくる

 

 

「っ、そこだ!」

 

 

「なに!?…ぐあぁぁぁぁ!!」

 

 

そして動きをとらえた蒼馬が鋼鉄のように硬くした右手で光牙を殴りつける

 

 

「ぐっ、ぐぅぅぅ…!?」

 

 

打ちこまれた箇所を抑えながら立ち上がる光牙だが

 

 

 

バシュン!

 

 

 

「があぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

それすら許さないと言わんばかりに再び光牙に打撃を打ち込んだ

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 

「ふっ!」

 

 

 

バシュン!

 

 

 

蒼馬が三度目の打撃を打とうとする

 

 

「…舐めるなよ!」シュン

 

 

しかし光牙もやられてばかりではなかった

 

 

光弾が当たる直前、なんと光牙の姿がその場から一瞬にして消えた

 

 

「なに?「はあぁぁっ!!」っ!?」

 

 

「だぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

ザシュン!

 

 

 

「ぐっ…っち!!?」

 

 

蒼馬が気づいた時には既に間合いに入られ、斬撃を放たれていた

 

 

咄嗟に反撃しようとするもそれをも見透かし光牙が攻撃を繰り出す

 

 

「ふっはぁぁぁぁ!!!」

 

 

「っ!?」

 

 

それにより動きが鈍った隙に腹に蹴りを入れる

 

 

「ぬぅぅぅん!!」

 

 

反撃をする蒼馬だったが

 

 

「」シュン

 

 

「っ!?」

 

 

再び先ほど使った技を使い、一瞬で蒼馬視界から消えた

 

 

「はぁぁぁぁ!!!」シュン

 

 

「っ!」

 

 

しかし、あろう事か蒼馬が光速で動く光牙の二度目の攻撃をは寸止めで防ぐ

 

 

「なに!?」

 

 

「せい!」

 

 

「ぐっ!?」

 

 

驚きの顔をしている隙に背負い投げの要領で投げ飛ばす

 

 

だが、光牙はすぐさま受け身を取りながら体制を立て直す

 

 

「まだまだ!」シュン

 

 

光牙は蒼馬が自分の技をかわしたことに納得できずもう一度技を使用する

 

 

「………っ!」

 

 

「っ!?」

 

 

しかし、今度はギリギリではなくほぼ正確に光牙をとらえた

 

 

光牙はなんとか攻撃をかいくぐり、距離をとる

 

 

「(そんな、この短時間で俺の抜き足をよんだというのか?)」

 

 

この事実に光牙はさらに驚きを隠せなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、つばぜり合い中で光牙たちの様子を見ていた雅緋は驚いていた

 

 

「なっ、なんだあの技?光牙のやつ、いつの間にあんな移動技を?」

 

 

少なくとも自分が知る光牙の技にあんな技はなかった

 

 

「驚いているようだな、わかるぜその気持ち」

 

 

「なにっ?」

 

 

驚く雅緋に焔は語りかける

 

 

「私もあの技を見た時はすんごい驚いたもんだ」

 

 

「なんなんだあの技は?」

 

 

「なんでもあれは「抜き足」と言って特殊な呼吸法と歩法の合わせ技なんだと」

 

 

「…光牙」

 

 

 

 

 

 

 

 

にらみ合いながら様子を伺う両者だったが

 

 

ここで光牙が口を開き、蒼馬に対する疑問をぶつけた

 

 

「貴様、なにものなんだ?」

 

 

「…俺は何者でもない。俺はただの兵士だ」

 

 

「なに…?」

 

 

「与えられた任務を遂行する。それ以外に俺の存在する意味などない」

 

 

蒼馬は語る

 

 

自分は人の形をしたものだと言いはった

 

 

「(こいつ…)」

 

 

光牙はそんな蒼馬の姿からかつての自分を連想させた

 

 

「ふっ、はぁぁ!!!」

 

 

話しを終えると蒼馬は再び光牙に向かって走っていく

 

 

そしてまたつばぜり合いへと持ち込まれた

 

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「っ!」

 

 

 

斬撃を繰り出す光牙に対して蒼馬は体術で迎え撃った

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

「ふぅ…ふぅ…ふぅ…ふぅ…」

 

 

両者ともに戦いが長引くにつれて息が荒くなっていった

 

 

「(このままでは拉致があかないな…ならば!)」

 

 

「っ?」

 

 

「貴様はこいつで仕留める」

 

 

光牙は意を決して構えをとる

 

 

真・粒子変化(ネオ・フォトランス)!」

 

 

叫ぶとともに粒子が光牙を包み込み、振り払うとともに光牙は輝光士モードに転身した

 

 

「その姿はなんだ?」

 

 

「これか?…俺の切り札だ」

 

 

「っ?」

 

 

「さぁ、行くぞ!」

 

 

構えるとともに光牙は気を高める

 

 

「はぁぁぁ!」

 

 

「っ!…ぐうぅぅっ!」

 

 

光牙が右手を振りかぶり、そのまま斬撃を飛ばす

 

 

蒼馬はとっさに身体を硬化させるも、パワーアップした光牙の攻撃で後ろに大きく後退させられた

 

 

「こ、これほどとは…っ」グヌヌ

 

 

「まだまだ!」

 

 

「っ!?」

 

 

「はぁぁぁ!」

 

 

光牙は聖剣の手刀で蒼馬をゴリ押ししながら攻め立てる

 

 

それから勢い付いたのか蒼馬をどんどんと押して行く

 

 

「ふっ!」

 

 

「ぐふっ!?」

 

 

「せりゃぁ!」

 

 

「ぬあっ!?」

 

 

隙をついた光牙が膝蹴りを蒼馬の腹に命中させ、怯んだ隙に後ろ蹴りをかまし蒼馬を吹き飛ばした

 

 

蒼馬はそれらの攻撃でよれよれになりながらも立ち上がる

 

 

「決める!」

 

 

それを好機と見た光牙はさらに加速し勢いよく手刀を構えるとともに飛び上がる

 

 

「終わりだぁぁぁぁ!!!」

 

 

光牙の手刀が蒼馬に決まろうとした

 

 

 

 

 

だが、その時

 

 

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

 

「なっ?何!?」

 

 

光牙の全身全霊の手刀を蒼馬は片手で受け止めた

 

 

「図に…なるなっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

そして蒼馬は、光牙が驚いている隙に腕を振り絞る

 

 

バンカー状の部位を構え渾身の一撃を振るう

 

 

「ふぉぉぉぉ!!!」

 

 

ドスゥゥン!

 

 

「あっ……っぶはっ!?」

 

 

思わぬ出来事と重い一撃、それにより、光牙はそのままその場に膝をついて倒れた

 

 

「どうした?さっきまでの勢いはどこへ行った?」

 

 

「まだ…まだ…俺はやれ…っ!?」

 

 

立ち上がろうとした光牙だったが、突然胸が激しく痛み出した

 

 

「こ、これは…っ!?」

 

 

その痛みの苦しさでその場に倒れこむ

 

 

「な、なんだ…この痛みは!?」グヌヌ

 

 

あまりの苦しみに悶絶する光牙に蒼馬が近づく

 

 

 

「…ここまでのようだな。ならばとどめを刺させてもらう」

 

 

 

 

光牙にとどめを刺さんと蒼馬が拳を振り上げたその時だった

 

 

 

ピピピピピピピピ

 

 

 

「っこれは?」

 

 

しかけようとした時、左手につけていた装置から音が鳴り響く

 

 

キョトンとする光牙を尻目に悟ったように動きをやめ

 

 

蒼馬が転身を解除しもとの姿に戻った

 

 

「なんの…真似、だ?」

 

 

「今回はここまでのようだ。…お前たち撤退するぞ」

 

 

そう言うと蒼馬は雅緋たちに声をかける

 

 

「なんだと!?そんなことできるか!見ろ!光牙が苦しんでるではないか!?私は光牙を連れて帰らねば気がすまぬ!!」

 

 

蒼馬の言うことを聞こうとしない雅緋(口には出してないが紫も)

 

 

「これは命令だ。直ちに戻れという上からのな」

 

 

尚も蒼馬が説得していると雅緋の元に日影と戦っていた忌夢が自ら身を引いて雅緋のもとに駆けつけた

 

 

「雅緋、気持ちはわかるけど上からの命令を無視しすぎると僕らの立場が危うくなる。そうなれば本末転倒だよ」

 

 

「…くそっ!…わかった。今日のところはここまでだ。だが次こそは絶対に光牙を連れ戻す……それまで待っていてくれ光牙」

 

 

「…姉さん」

 

 

そう言い終えると雅緋、両備、両奈が去っていき、紫も忌夢に連れ出されるような形でその場から消え去っていった

 

 

「次会う時までせいぜい残りの時間を愉しむんだな」

 

 

そう言うと蒼馬も雅緋たちの後を追うように去っていった

 

 

そしてそれとともに光牙も輝光士モードがきれた

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 

「光牙、大丈夫か!?」

 

 

「…ほむ、ら…」

 

 

「おい光牙!しっかりしろ光牙!?」

 

 

光牙は焔に抱き抱えられながら気を失うのであった


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