「ごめんください。竜騎様、いらっしゃいませんか?」
2本の黒く細めのリボンを付けた水色の長髪の少女、“豊川祥子”が竜騎のアジトにやって来た。
『あ、豊川様。こんにちは』
「あら、ドラゾーさん。こんにちは。竜騎様はどちらにいらっしゃいますか?」
『マイロードでしたら、ガレージへいらっしゃいます』
「そうですの、ではガレージへ伺わせてもらいますわ」
『ご案内します』
祥子はドラゾーにガレージまで案内してもらう。
☆
「う~~ん……もう少し研磨しようかな?」
『マイロード、豊川様がいらしてます』
「ん? あ、サーちゃんだ。どうしたの?」
「こんにちは竜騎様! 実は……相談したいことがございまして」
「相談? 立ち話も何だし、リビングでお茶出すから」
「あ、ありがとうございます……////」
祥子は照れながらも竜騎に着いて行く。
「どうぞ、紅茶で良かったかな?」
「はい、ありがとうございます。早速いただきますわ」
祥子は竜騎が淹れた紅茶を一口飲む。
「それでサーちゃん、相談って何?」
「あ、はい……実は……わ、わたくしに……」
「ん~?」
「わ、わた……わたくしの……コーチになっていただけませんか?」
「コーチ? バンドの?」
祥子は顔を赤くして俯きながら竜騎に頼む。
『マイロード~~』
「どうしたの?」
『八幡様が修理依頼にいらしてます』
「海鈴……!?」
「あぁ、ウミミーね。あがってもらって」
「お邪魔します」
「あらま、もう上がって来ちゃった」
ドラゾーに言う前にすでに当の本人がリビングへ入って来た。
「すみません、修理の依頼の前に竜騎さんに早く会いたくなりましたので」
「そ、そうなんだ……」
「それに、今日はバンド練習もオフなので一緒に……何で豊川さんが居るんですか?」
「そ、それはわたくしの台詞ですわ! 今日は竜騎様と二人き……ではなく、お願いをしに来たと言うのに!」
「サーちゃん……今なにか言い掛けなかった……?」
「気のせいですわ♪」
「…………」
祥子の圧の掛かったスマイルに何も言えない竜騎だった。
「確かに用事とは伺ってましたが……はっ!? まさか……本当は抜け駆けして竜騎さんを独り占めしようとしてたんですね!?」
「貴女と一緒にしないでください! わたくしは竜騎様に専属コーチになって欲しいとお願いしに来たのですわ!!」
「専属……!? やはり抜け駆けじゃないですか!」
(えぇ……何この言い争い? 同じバンドメンバーなのに、それぞれの目的を忘れてるよぉ……)
「「竜騎様(さん)!!」」
「え、何……?」
二人が竜騎に顔を近付け詰め寄る。
「竜騎さん、私の方が良いですよね……! 私の方が豊川さんより信用できますよね!?」
「え、ちょ……ウミミー……?」
「竜騎様、海鈴よりわたくしの様に上品な方が良いですわよね?」
「サーちゃんまで……」
「「さぁ竜騎様(さん)!!」」
「えっと……前にも言ったんだけど、俺……彼女持ちだから」
「「…………関係ありません(わ)!!」」
「えぇぇぇぇぇぇぇ――!?」
祥子と海鈴の返答によって竜騎が思ってた展開とは予想外となった。
「お相手が居たとしても、竜騎様の隣を狙う方は多いと伺ってますわ! だとしたらわたくしも堂々と勝ち取るまでですわ!!」
「そうです、私にもチャンスはあるではありませんか! 私だけを見てください! もっと私を信用してください!!」
「…………」
「キリがありませんわ……!」
「そうですね、どちらが竜騎さんに相応しいかハッキリさせましょう」
「ちょっとぉ~~……本来の目的は~~?」
「それよりも今は、どちらが竜騎様に相応しいのかが大事なのです!」
「少し待っててください」
「…………」
竜騎はしばらく二人の取り合いを見ることしか出来なかった。
FIN
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
バンドリは久しぶりです、そしてAve Mujicaの二人を先に出しました……IFルートとして。
次回も機会があればよろしくお願いします!