あの後…ベルがアイシャさんを下し認めさせて、春姫をファミリアに迎えた。
多少なりとも事情を
騒がしいのは苦手なおばさまは序盤だけですぐ自室に篭ってしまったが私が作った料理を持っていったら笑顔を見せてくれた。ちなみに私のおじさま仕込の料理の腕は凄く良い。ベル達の弁当は基本私が作っているのだ。
「マリーは良い嫁になれるな!」とか言うもんだから、
春姫の
彼女自身は「皆さんの力になりたい」とダンジョンに潜ることも乗り気なのだが、いかんせん鈍臭すぎる。
完全な補助に徹するにしても、何かと物騒なこの街で自衛も出来ないようでは先が思いやられる。
常に護衛を割くのは勿体ないし、周りから怪しまれる。と言うことで、タケミカヅチ様に頼んで護身術程度でもいいからと鍛えてもらっている。
モンスターを積極的に倒せとまでは言わないからせめて仲間が到着するまでは自衛出来るくらいにはなって欲しいのだ。仮にも獣人なら本当に運動神経0ということはあるまい。
ちなみに武術の才能がありそうな下位団員はタケミカヅチ様に師事してもらっている。月謝は私持ちだ。借りだと思うのなら成長してからその内返してくれればいい。
春姫も少しずつマシになってきたら
一応は
そのまま黒竜に挑むことも出来たかもしれない。まあ現状最善の運用法は私にかけてレベル6にすることか。あれから私も基礎アビリティオール4桁に到達したのでレベル5になった。第一級になったことにより名実ともに冒険者の中の上澄みだ。
それに基礎アビリティは画期的な方法で伸ばせるようになったのだ。【オーバーロード】でコピった
魔法制御の訓練になるし、勝手に【魔力】も【器用】も【耐久】も上がるし、動き回れば【敏捷】【力】も上がる。動き回りながら周囲を巻き込まないようにするのは、私をして、かなり難しかった。
【オーバーロード】は起動時の魔力がデカいだけでそちらの魔力も【フツミノタマ】の方に回せるし、発動後はそこまで大して魔力は消費しない。なのでそうそう
長時間持続できるわけだ。自身より使いこなしている私を見て
ちなみにおばさまやベルにもかけて鍛錬したり、そのまま身体能力が落ちているのでタケミカヅチ様と立ち会ったりもしている。
【フレイヤ】の方はヘルメスとアスフィ先輩が集めた
流石に対外的な問題があるので、お咎めなしとはいかなかったようだが、本来課せられるはずだったであろう
ある程度の罰金だけで済んだらしい。対外的には「イシュタル・ファミリアが
ヘディンはかなり喜んでいたらしい。まあ
私の「眷属を慮れ」という言葉が少し効いたらしい。普段かなり迷惑かけている自覚があるからか。勝手な行動をする
我らが
そして私は中層…13階層をうろついてある武器のテストをしていた。いつだったかおばさまに「何故武器の扱いも凄く上手いのに決まった武器持たないのか」と聞いたことがあった。
その答えは「武器戦闘における『切り札』を使うと必ず武器が壊れてしまって勿体ないから数打ちの安物か敵から奪った物しか使わない」というものだった。
対外的な切り札は【ジェノス・アンジェラス】の方が有名だし、使った敵対者はみな死亡しているので、知っている者はゼウス・ヘラの極少数だけというソレは
武器に【サタナス・ヴェーリオン】を纏うという単純なモノである。言われてみれば不思議であった。普段素手の打撃に魔法を纏わせるような
何故武器には使わないのか。使えば「ほぼなんでも斬れる」代わりに確実に武器が壊れてしまうとのこと…原理としては自身の身体までなら魔力が通しやすく纏い易いが、自身の身体から離れると途端に制御しにくくなり、
無理に通そうとするとそこで武器が壊れてしまうとのこと。炎や冷気、雷と違って”音”はそれ自体が空気の振動で物理的な干渉力が強い属性だ。そのため物に伝えようとするとコントロールが他の属性よりも難しくなるのだろう、と。
だから私は
あの時に奴を確実に仕留めるために使ったアレだ。お陰で結構お気に入りだった刀、【
私が一般的な力と重さで斬る直剣ではなく、速さと技で斬るという極東の刀を選んだ理由もそれだ。”ソレ”が実現すれば力など殆どいらないからである。
タケミカヅチ様の出身地からいって最も刀の造詣が深いと言う理由もあったが…武神で武芸百般であるタケミカヅチ様なら一般的な直剣による剣術も誰よりも上手く教えられる。
「なんでも斬れる剣」実現したら確かに強いだろうが、魔法頼りな時点で邪道もいいところだろう。だから私は自らを「剣士」と称することは絶対にない。
武人の誇りなど持ち合わせていない私であるが「そういうもの」を大事にする人間も多くいる、ということは理解っている。これが
エルフでもほぼ有り得ないレベルで魔法の才に恵まれている私が進むべき道は「魔法剣士」か「魔導士」だろう。レフィーヤに「あれほどの剣の腕があって何故『魔導士』を自称するのか」と聞かれたことがあるが、
「魔法以外の全てがオマケ」「他は魔法を活かすためのサブ」と答えた。嘘ではない、本音だ。「あらゆる物を斬る剣」も結局は魔法を最大限活かした結果、実現するモノだ。剣の腕を鍛えとかないと宝の持ち腐れになるので
鍛えていたというわけだ。刀剣術はかなり高いレベルにはなってきたから、最近はタケミカヅチ様には素手や槍などの別の武器術を教わることが多い。現時点での私はあくまで「魔導士」だ。並行詠唱をかなり高いレベルで身につけ豊富な手札を持つ私は
”そちら”なら今でも胸を張って名乗れるのだ。「魔法剣士」を名乗る時がくるとすれば「理想の武器」を作れた時だろう。邪道過ぎてタケミカヅチ様にはあまり知られたくないのだが。
私も、もう第一級なので、そろそろ自重なしに本気の武器第一等級武装と呼べる自分用の武器を作ってみようと思ったのだ。
ヘファイストス様が作ったヘスティア・ナイフ…アレと同じようなモノを作ってもらえば実現するかもしれない。「ヘスティア様の眷属なら誰でも使える」というアレだが、
勿論基本はベル専用なので持ち主と共に成長するという性質でどんどんベルの力に最適化されていっている。今の私が今のアレを使っても碌な結果にならないだろう。
それに私の才能を知ったヘファイストス様に「いつか私を驚かせる武器を作って、そうすればナイフ代も負けてあげる」と言われてそれに乗ってしまったのだ。
本来なら2億ヴァリスのところを5000万ヴァリスにしてもらった。破格だろう。それに殆どヘスティア様のお陰とは言え
その恩返しではないがその「課題」を達成しようと思ったのだ。私に特に期待している部分は恐らく「神秘」だろう。クノッソスで拾った
アレは神秘持ちが作った武器だろう。私が今回作ったのは自分専用の武器ではなく汎用的な武器だ。自分専用の武器を見せて認めてもらえるか判んなかったから先に作ったのだ。
私のスキル【
それの効果を武器に落とし込めた。銘はそのまま【ライフスティーラー】である。試作品ということで汎用的な直剣だ。殆ど
鍛冶向けの種族がドワーフ、神秘に紐付く魔法向けの種族がエルフだとすると、その両方に長けた人物は少ないのだろう。そう考えると魔法を一種しか持たないのに世界的にも名高い
アスフィ先輩は天才だ。本当にヘルメスなぞには勿体ない。だから今自前のスキルを封印して武器の性能だけで試し斬りしまくっていたのだが…
それとあるスキルの実験もしている。私のスキルには「
そうして今まさに殺そうとしたアルミラージとヘルハウンドが…腹を向けて転がっている。「服従のポーズ」というやつだろうか。
「なあにお前たち…命乞いしているの?」
「キュウゥゥゥ…」
「クウゥゥゥン…」
腹を撫でたら可愛らしい声を上げる。
オスのアルミラージの名前は「アベル」にしてメスのヘルハウンドは「クロ」にした。弁当を分けたらより一層懐かれた。草食と肉食かと思っていたらモンスターだからなんでもイケるらしい。
高周波ブレード的なアレ。
漫画で偶に出てくる滅茶苦茶斬れる振動する刃物。
修行法はサイヤ人が好きなアレ。
ベル君のアルフィアの呼び方
-
おばさん
-
お義母さん