ベルの姉が「才禍の怪物」なのは間違っていない   作:イルイル

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難産だったので時間空きました。


第21話 裏怪物祭(モンスターフィリア)

 ある日オラリオにいる神々に招待状が届いた。全員とはいかないが大抵の有力な神々に。その送り主が何かと話題に挙がる「彼女(マリーベル)」だと言うのだから娯楽好きの神々は皆が飛びついた。

 

「ここって廃墟みたいになっていた教会だろ?前よりでかくなっているみたいだが…こんな所で何すんのかね?」

 

建て直された教会は周りの土地もヘファイストスから買い上げたことにより以前のものよりかなり大きい。ほぼ全壊状態だったので、どうせなら、と、大幅に装いを変えた大きな物が建て直されたのだ。

何分古い建物だったので図面も存在しなく、完璧な形での修復は難しかったので、マリーが一から図面を引き直し好みのものに変えられたのだ。

とはいえ、「教会」という枠組みから大きく逸脱するものではなく、豪華さを感じさせながらも決して下品なものでなく、見事なバランス感覚から、アルフィアや神々でも納得のいく出来になっている。

ホームには入れたくないが【ヘスティア・ファミリア】として何かしらのイベントを行いたい時の会場として使うわけである。ホームから離れた所にも大きな物件を建てて所有していることとか、

やっていることか既に大手のソレだが、【ヘスティア・ファミリア】の所有物というより彼女個人の所有物である。ちなみに申請して費用も払えば他所のファミリアや一般人でも使用出来る。

地下室への入口は知っていなきゃ絶対無理レベルで偽装されている。

 

 そこに入ると机の上に置かれた水晶から出た光が壁に投射され、ダンジョンと思われる場所の映像が映っている。

マリーがフェルズの眼晶(オクルス)を参考に開発した、配信用の水晶である。【親水晶】で取り込んだ映像と音声を複数ある【子水晶】に送り出す技術である。

「それって【神の鏡】で良いんじゃね?」と言われそうだが、「出来そうだから作ってみた」というだけの話である。「神の力」に頼りっぱというのもなんか腹が立ったので。

何より主導権はこちらにあるので、自身の意志でハブりたい神を選べるというのが素晴らしい。正式な名称は決まっていないが仲間たちは勝手に【マリスタル】とか呼んでいる。

別にそれでも構わないのだが、自分で紹介するのはちょっと恥ずかしい。ちなみに今日【ヘスティア・ファミリア】と懇意にしてるファミリアには【子水晶】が配られている。

下位の団員が周って使い方を説明していき、投射するのに向いている壁がないファミリアは、白地のシーツ等を張らせてそこに投射しているのだ。

ちなみにヘルメスに依頼してゼウスやヘラにも届けられている。教会にはフレイヤも招かれているがディオニュソスは招かれていない。

そして眷属は1人だけOKになっているので彼女はオッタルを引き連れている。ロキは黄昏の館で眷属たちと鑑賞している。ちなみに豊穣の女主人等の一部の場所にも例外的に配られている。

ギルド内部にも配られている。不意にマリーが映像内に現れ喋りだす。

 

「こんにちはー多くの神様方に少数の人間たちと()()()()の皆様ー何かと話題になりがちな【ヘスティア・ファミリア】の【怪物姫(モンスター・プリンセス)】マリーベル・クラネルです」

 

「あ、この水晶による配信技術は、私の完全なオリジナル、というわけでなく、『ある素晴らしい魔道具職人』の発明品を参考にして作った、亜流のものなのでまだまだ広める気はありません。

『神の鏡のパクリじゃん』とか言われたら事実でもムカつきますからね、私は結構本気で黒竜(トカゲモドキ)をぶっ殺すための準備を進めているのですが、

現時点の私はいくら最速であろうとレベル5に成り立ての小娘でしかありません。なので分かり易い成果をこれから見せていこうとこのような場を用意させていただいた次第であります。

今日は私と弟のベル・クラネルがタッグを組んで、私達が従えることに成功したレベル7クラスのモンスターとの模擬戦を見せていこうかと思っています。

「彼」は非常に賢いので、ウチのベルとよく戦いたがるのですが「待った」が出来る偉い子です。それでは『彼』に来てもらいましょう。ミノタウロスの超特殊個体、個体名『アステリオス』君ですっ!」

 

「なんだ散々引っ張っておいてミノタウロスかよ」と思った神々だったが、ソレが映された瞬間静寂に包まれた。

映像越しにでも伝わってくる圧迫感(プレッシャー)すぐに「レベル7」がハッタリでないということも伝わった。

 

「あれは…まさか…」

 

「オッタル?」

 

「いえ…気のせいかと…」

 

 ダンジョンの中層のある異端児(ゼノス)達の隠れ里の1つ。今日のために見繕った丈夫そう、かつ、広く戦う場所が取れる所だ。

ここではベル・クラネルが息を整えていた。今日の趣旨は理解っている。異端児(ゼノス)を地上に周知させることの一環だ。最も強い「彼」の有用性を示して、「彼」を従えている【ヘスティア・ファミリア】の有用性も示し、協力者を増やしていく計画だ。

但し勝負そのものは真剣だ。「異端児(ゼノス)」そのものの暴露は時期尚早というのが共通認識だ。【ヘスティア・ファミリア】の上に立つ自分たちが無様を晒してしまったら何の意味もない、

というかここで負けてしまったら「自分たちが従えている」という言葉に説得力が無くなってしまう。(まあアルフィアという鬼札(ジョーカー)もいるのだが調教(テイム)など彼女らしかぬ行為だろう)

何より1人の男として負けたくない。最強の姉が自身を相棒として認めてくれたというのなら全力で応えねばならない。

 

 少し前の会話と自身らに生えた最初のスキルを思い出す。

最後の英雄達(ラストヒーローズ)】【「黒色モンスター」、「巨大モンスター」「竜種」との戦闘時における全能力の高補正。「マリーベル・クラネル」との共闘時取得経験値、全能力の小補正。複数当て嵌る場合は効果は更に増す。】

姉も最初に同じ名前の同じようなスキルが生えた。正直かなり嬉しかった。かつて義母と3人で交わした約束、あえて話題に出すことも今までなかったが、あの時のことは、確かに姉にとっても大切なものになっていたのだ。

それに「彼」は確かに黒い。三大クエストの討伐対象は全て黒かったという話だが、「彼」もそれに当て嵌まる。「彼」が「絶対討伐しなくてはならない人類の敵」とはとても思えないが…

姉に「使える物全て使わなきゃ2人がかりでも絶対に届かない」と言われていたので存分に利用するつもりだ。

更に姉は自身の体躯の倍以上大きい相手に強くなれるスキルまであるらしい。自分が言えた口ではないがスキルも魔法にも恵まれ過ぎだろう。

そんな思考を打ち切る、姉からの言葉がかかる。

 

「さあ行くわよっベルッ今日は【アポロン】のような雑魚とは違う本物の強敵よっ」

 

 今日のために、ベルもレベル4に上げてきた。

流石にレベル3と5のコンビではアンバランス過ぎるということで頑張ったのだ。新たに開発した必殺技でゴライアスの単独討伐に成功しランクアップを果たしたのだ。

4と5ならまだバランスは取れているが、それでも7クラスに挑むのには少し心許ないが…

一応簡単な作戦は立てている。とは言っても本当に簡単な程度だ。基本ベルが前衛で私が後衛、場合によっては入れ替わって私が前衛になり、ベルが後ろで【アルゴノゥト】をチャージするくらいのものである。

相手からの攻撃は徹底的に私がカットする。【ジェノス・アンジェラス】はまず使わない。ベルが先に倒された場合、回復魔法を何度でもかけるつもりだ。

 マリーが先に戦いの場へ趣き【親水晶】に話しかけている。そうして丁度いい見繕っていた岩の上に水晶を置く。両刃斧(ラビュリス)を片手に持ったアステリオスが万全の態勢で待ち構えている。

 

「さて…この場ではもう言葉はいらないわね…」

 

ほぼ有り得ないが何かしら余計な横槍が入った時のためにおばさまにも来てもらっている。そのついでに審判も担ってもらっている。といっても始まりの合図と決着の判断くらいしか役目はないだろうが。

師匠(せんせい)にもこっそり隠れて待機してもらっている。私が回復出来ない状況になった時のためだ。そうはならないように気を付けるが…ベルも追いついてきた。珍しい、野性味のある笑みを浮かべている。

彼我の距離は20(メドル)程度。私達のレベルなら数歩で詰められる距離だ。アステリオスも凄絶な笑みを浮かべている。私とベルが並んで共にアステリオスと向き合う。

他の団員達はホームで、異端児(ゼノス)達は別のルームで、水晶を通して眺めている。

 

「さて…準備は出来ているなっ!?始めっ!」

 

おばさまの宣言で戦いの火蓋が切って落とされる。待ちきれないとばかりに猛っていたアステリオスがドスドス音を立てて正面から突っ込んでくる。

レベル7のスペックで前衛のベルに瞬時に詰め寄り、薙ぎ払おうとする。直撃すればいかにレベル4とて即死するだろう。だが、そうはさせない。

 

「モォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!」

 

福音(ゴスペル)!」

 

「ヴムンッ!?」

 

範囲を絞って威力を上げた、収束した【サタナス・ヴェーリオン】がアステリオスの、その振ろうとした右腕に斧を巻き込んで当たる。そして大幅に勢いを減衰させたそれを避けたベルが懐に入り斬りつける。

 

「ハァッ!ファイアボルトッ!」

 

ついでとばかりに魔法で追い討ちもかける。しかしレベル差の関係でかすり傷しか負わせられない。アステリオスは少し面食らっている。おばさまと何回か模擬戦をしているので、私のまるで違う使い方に驚いたのだろう。

おばさまの前では真似されないようあえてこの使い方はしたことない。まあこの人なら1度見れば数回の試射で完璧にコピーされそうだが。現役時代は体調の関係であまり研究の類はしなかったのだろう。

「身内にまでどつくノリで無駄撃ちしまくるくらいならもっと研究しておけ」と思わなくもないが。まあ基本ドレスだから足撃ちまでは真似されないだろう。

 格上がもう殆どいないから研究する必要があまりないというのもあるのだろうが。基本相手の全身を巻き込む大雑把な使い方しかしない。だから昔は周囲を巻き込んだ物損が多かったのだろうが…

おばさま(レベル7)の出力なら、それでもアステリオスに通用するのだろうが、私が同じような使い方していたら、ほんの一瞬の足止めにしかならなくなる。

だがこの使い方なら確実に通用する。右腕を執拗に狙い続ける。ベルはなるべく正面から受けないようにスピードでかき回しながら、ダメージを蓄積させていっている。

ベルはサポートありきとはいえよく戦っているが、致命的なダメージは負わないまでも、体力が、何より精神力の(マインドではない)消耗が激しい。

消耗が無視出来ないレベルとなってきたら私も前に出る。魔法を込めなくとも素でアダマンタイトも斬れる刀だ。レベル7クラスとて無視出来ない。

後ろからの援護なしにベル単独でだとすぐに前線も崩れるだろうが、私も前に出れば別だ。並行詠唱しながら前線に加わる。

 

「【【覇王】の名のもとに命ず。───【ディア・フラーテル】!」

 

鈍っていたベルの動きが戻る。体力や細かな傷は治っても、気力までは回復しない。よく彼と斬り結んで保つものだ。

回復したら私はすぐに後ろに下がる。現状この形が一番安定する。

アステリオスの右腕が段々と使い物にならなくなっていき、左腕を振る予兆が見えた瞬間に前に出て刀で斬りつける。素肌の部分ならスパスパ斬れる。

やがて両腕共に使い物にならなくなると、その長い角を前面に出して突進してくる。こうなってくると駆け引きも何もない。というか腕が使えなくても全然弱くなっている気がしない。

 

「ヴモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

 

もう私とかベルとか関係なしにどちらかに狙いを絞らずに突撃してくる。

 

「【アルクス・レイ】!」

 

「【アロ・ゼヒュロス】!」

 

広域殲滅魔法以外は殆ど出し惜しみなしで使っている。

 

「ベル!()()やるわよ!半分で充分だから!」

 

 ベルは面食らっていた。まさかあの技を…!?既に【オーバーロード】の詠唱を始めている。

ベルが開発した【聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)】、【ファイアボルト】を【アルゴノゥト】で収束した斬撃を放つ必殺技。

本来はフルチャージの1分で放つ技だが今回は流石に過剰だ。

 

今回使うのはフルチャージで直撃させればレベル9クラスの耐久特化型(タンク)でも一撃でオトせると他ならぬ義母からお墨付きを頂いた、合体技だ。まあそんな冒険者今までに存在していないのだが。

アステリオスの突撃を躱しながら防戦していたマリーが合流して、ヘスティア・ナイフに触れる。「【()()()()()()()】!」。マリーの【ファイアボルト】がヘスティア・ナイフに流し込まれる。

撃ち込む形でナイフに魔法を込めようとするとベルの腕が消し飛び兼ねないので直接触れて流し込まれる。【ファイアボルト】に最適化されてきたナイフだからこそ出来る裏技らしい。

この広域殲滅に使うような化け物みたいな魔力を収束して増幅して斬撃を放つのだ。レベル3の時は無理だったが4になったらなんとかコントロール出来るようになった。

(マリー)が前線で引き付けている間にチャージをする。指示通りフルチャージの1分の半分、30秒のチャージを済ませる。

「本来の力量的にはまだ無理だろうが姉弟だからこその相性の良さもあるのだろう」とのことだ。凄まじい勢いで猛る炎雷の大剣を構える。最初は3(メドル)くらいだったのがチャージで10(メドル)にまで伸びた。

前線では(マリー)がアステリオスを押し留めている。【オーバーロード】の【ファイアボルト】は既に彼女の制御下を離れているので、自由に動いている。

角の付いた頭をぶんぶん振り回しているのを捌いている。そして突進してくるアステリオスをマリーが躱しそのままベルの方にも突っ込んでくる。

 

「ブモオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

 

 

「【聖火の英斬・改(ネオ・アルゴ・ウェスタァ)】!」

 

その瞬間凄まじい光の奔流が生まれる。瞬間的にはレベル8にも届く炎雷がアステリオスの上半身を消し飛ばしてしまった。ちなみにフルチャージだった場合はレベル9にも届き全身を消し飛ばしていただろう。

 

「あっ」

 

───その後はなんやかんやドタバタしながらも中継映像を一時的に切り、待機していたフェルズの【ディア・オルフェウス】でアステリオスを蘇生させ、事なきを得た。

【幸運】持ちが2人いる場で失敗するはずもない。そして映像と音声を戻し、復活したアステリオスの様子も見せ、「もしダンジョンで彼を見かけても絶対手出しをしないように」と、

念押しをして、締めた。ヘスティア・ファミリアのエンブレムの付いた腕輪も嵌めているので分かり易い。中層以下に潜れる有力なファミリアの主神は大体呼ばれているので、映像を見ていなかった冒険者達にもしっかりと周知されるだろう。

ちなみに今回のイベントは「裏怪物祭(モンスターフィリア)・闘牛祭第0回」とされ、今後半年に1回の頻度で行われていくことになる。

参加者や形式は毎回替わるが、当然メインのアステリオスとベルは皆勤賞になる。正式な第1回をこの半年後に、第2回を来年の怪物祭(モンスターフィリア)の時期に合わせ、裏で続けていくつもりだ。

いつかは表舞台で地上の会場で堂々と戦り合えるようになるかもしれない。尚ゼウスは涙を流しながら大笑いしていたという。

 興奮したロキ・ファミリアの面々、(特にティオナ)はダンジョンに突っ込んで、マリー達に会いに行こうとしたが「正確な場所が判らないだろう」と冷静なツッコミを受け一旦制止した。

一方アイズは複雑だった。あの牡牛が強いのは認めるが、動物の延長線上のようでほぼ愛玩動物(ペット)だったあの2匹と違ってアレは、紛うことなきモンスターだろう。しかも序盤は技や駆け引きもしていたような…?

お気に入りの2人(ベルとマリー)がそのモンスターと戦いの時は死闘を繰り広げていたのに終わった後は仲良さそうにしていたのだ。

一目あのモンスターを見て実力も凡そ測れた際は「助けに行かなくちゃ!」と駆け出そうとしてリヴェリアに止められたりもしたが…全員が本当に楽しそうに戦っていたのだ。

能力はともかく中身は戦いに向かないと思っていたベルまでもが。自身の焦燥は見当違いも甚だしかった。マリーが「そういう娘」だというのはゴライアスの時に理解っている。

 

「追いつかれたかもな…」

 

ぼそりとリヴェリアが言う。正直幹部陣はなるべく考えないようにしていたことだ。ティオナは本気で忘れていたが。「マリーが今回のでレベル6にランクアップしたかもしれない」ということだ。

リヴェリアにとってはある意味待ち望んでいた時でもある。どうせなら自身もレベル7になった後で、もっと後の時期に伝授させたかったが…いずれどこかで追いつかれることそのものはもうとうに受入れている。

普通は魔法の使い方のアドバイスや汎用的な技術は教えられても自身の魔法そのものを伝授させることなど不可能なのだ。

だからレフィーヤには特別目をかけ厳しくしているのだが…彼女も今回のでもう【オーバーロード】を隠しておくつもりもないということも判ったし、それだけの地盤が固まったと判断したのだろう。

例え他所と抗争になったとしてもあんなもの知っていても対策しようがないのだ。というか詳細を知っていれば無駄に警戒せざるを得ず、詠唱から何が飛んでくるかも判断出来ない。

義母の魔法を「対人特化」と蔑んでいた割には、本人固有の魔法もしっかり対人特攻になっているのがなんとも言えない。見せ札としても有効で、【オーバーロード】が周知されても戦いでマイナスになることはない。

せいぜいレフィーヤと同じように「魔法大国(アルテナ)に目をつけられそう」ということくらいか。彼女は最後に「ファミリアの危機や、オラリオ、世界の危機が迫った時は躊躇なく彼の力を使います」とも宣言した。

ロキ・ファミリアは皆して「え、アレ闇派閥(イヴィルス)にぶつけんの?俺たちと共闘すんの!?」という顔になった。

 

「と言うか上半身吹き飛んでいたのに後で何故か治っていた…あの個体がとんでもない再生能力の持ち主なのか、前に見せた以上のとてつもない回復魔法があるのか…どっちだろうね?」

 

「さぁなぁーいずれにせよ本当面白い子やわマリーたんは…」

 

「まあ『使える物はモンスターですら使う』って考えは僕も嫌いじゃないけどねアレがミノタウロスとはとても思えないんだけど…」

 

「『黒竜を殺す』もいよいよ冗談に聞こえなくなってきたやなあ、もしマリーたんが『私に従いなさい』とか言ってきたらフィンはどうするんや?」

 

「さあね、状況次第だろうけど…まずは懇意にしている僕らより【フレイヤ】の方を従えようとするんじゃないかな…いずれにせよどこかで1回くらいは戦争遊戯(ウォーゲーム)することになるかもね…」

 

「三大ファミリアになりそう」という見込みも見当違いではないだろう。本来は充分凄いのに姉がヤバ過ぎてこれまではオマケ扱いされていた(ベル・クラネル)も今回で力を示した。

表向きの第一級が3人になるであろう派閥、しかも他にどれだけの戦力を隠し持っているか判らない得体の知れなさもある。戦争遊戯(ウォーゲーム)まではまだいいが、ガチの戦争は絶対にやりたくないな。

ある程度の戦力が予想できる【フレイヤ】よりよっぽど怖い。

皆の手前声に出して言えないが恐らく自分達、特に自分は見極められている最中なのだろう。闇派閥(イヴィルス)との戦いを通して。自分達の上に立つ器を持っているのか、人類の総指揮官に相応しいのか否か。

単純な戦力としては個々人の多くが認められている。ロキ(ウチ)も恐らく【フレイヤ】も。才能の塊のような彼女が、ラウルにも一定の評価をしているのは意外だった。

 オッタルに対しては「あの程度で『最強』とか笑わせますね、そのうち蹴落としてやります」と、やたら厳しい評価だったが。アルフィアのことを直接よく知っている彼女からすればオッタルですらいずれ越えられる踏み台でしかないのであろう。

そして越えた後は、それなりに有用な駒の1つ程度に落とされるのだろう。「今のままでは自分達の上に立つことなど断じて認めない」という態度がありありだった。

自分は頭脳は認められているので恐らく参謀あたりか。オッタルよりはマシでも総指揮官とは偉い差である。

せいぜい彼女にまで失望されないようにまずはレベル7にならなきゃな…




聖火の英斬・改(ネオ・アルゴ・ウェスタ)】…元のが火炎大地斬だとしたらミナデインで放つギガストラッシュみたいなもの。バーン様も異魔神(イマジン)も倒せそう。
ちなみに【アロ・ゼヒュロス】はヒュアキントスからボコボコに腫れ上がった顔面の治療と引き換えにコピった。

 アステリオスが最初からベル君無視してマリーちゃんを狙い続ければ勝ち目はありました。
でもアステリオス君からすれば運命の相手(ベルくん)がすぐ傍にいるのに無視出来るはずもなく…お陰でマリーちゃんは格上が相手だったのに結構やりたい放題で好きに動けました。
そしてアステリオス君にとってもマリーちゃんは実力的に無視出来る相手なわけがないので…どちらにも集中しきれずに、ベル君への想いを利用され、踏みにじられてしまい勝ちを譲ってしまいました。
ここらへんは対人戦がまだまだ未熟な彼の数少ない弱点。おのれマリーベル!なんて酷い奴なんだ!

ベル君のアルフィアの呼び方

  • おばさん
  • お義母さん
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