ベルの姉が「才禍の怪物」なのは間違っていない   作:イルイル

28 / 56
オリジナルで原作キャラの身内を更に増やす暴挙。このままだとフレイヤ・ファミリアと因縁薄すぎるから、つい・・・
(ミコト)やヴェルフに成長補正スキルでも生えれば強化出来るんだけど…
リリが前世の才能の一端でも持っていればねえ…


第28話 期待の新人2(またもや中途採用)

 

アイズがアルフィアの特訓を受ける少し前の頃───

 

ある貴族の屋敷の地下にて~

 

 マリーとフェルズは【イケロス】に売り払われた異端児(ゼノス)奪還のために貴族の屋敷に2人だけで潜入していた。当然だが姿は透明だ。

余談だが、マリーは異端児(ゼノス)を救出しては金目の物を奪って火を点けるようなことを繰り返している。

証拠が残るようなマネは一切していない。捌きにくい物や足が付き易そうな物はヘルメスに任せている。彼女の無尽蔵とも思える私財の多さの理由の一端である。

だがそんなことを繰り返していてはいずれ警戒して私兵の他に特別な護衛を雇うような者も当然現れる。

「怪物趣味」はおおっぴらに言える娯楽ではないが、同じ貴族同士の中で「同好の友」というものもいる。

そのようなネットワークの中で噂が広まれば自ずと襲撃される条件も見えてくるものだ。

 

「構えろリュディ…侵入者だ」

 

「え…誰も居ないじゃないアーシェ」

 

「ボサッとするなとてつもない手練だぞ」

 

「へえ…気付けるんだ。第一級相手でもなかなか見破れないのに…貴女凄いわね?こんな仕事辞めてウチに来ない?」

 

気取られたことを把握したマリーが即座に姿を現す。

 

「!貴女はオラリオの冒険者か?」

 

「ええ、そうよ、しかし白妖精(ホワイトエルフ)黒妖精(ダークエルフ)のコンビとか珍しいわね、どこぞの【フレイヤ】を思い出させるわ…」

 

「!…貴女の所属は?」

 

「【ヘスティア・ファミリア】よ。」

 

「じゃあまさかっ世界最速記録保持者(レコードホルダー)の【静穏】のマリーベルさんっ!?」

 

「ええ、そのマリーベルよ」

 

「希望していた、今一番勢いのある【ヘスティア・ファミリア】よっ良かったわアーシェ受けなさいなっ」

 

マリーは半ば軽口を叩いただけだろうが、自分達でも勝ち目が薄いと判断した白妖精(ホワイトエルフ)のリュディスは全力で勧誘に乗っかることにした。

 

「マリーベルさんその誘い受けますけども条件が2つあります。是非こちらのリュディも一緒に、リュディは腕っぷしだけの私と違って凄く頭が良いんです」

 

「美しい友情ね。勿論そっちの娘もいいわよ。で、もう1つは?」

 

「この先の部屋に居る子を逃してあげて欲しいんです。見た目はモンスターだけど、中身はそのっ…人間としか思えなくて」

 

「あ、私達の目的はその子の救出だから頼むまでもないわよ」

 

「それと、まだ名乗っていなかったですね、私はリュディス・セルランドこっちの黒いのはアーシェス・ラグナールです」

 

「セルランドにラグナールってまさか…」

 

「ああそう言えば()()達有名なんでしたね…」

 

「私はヘグ(にい)の従妹で許嫁だったんです。リュディはヘディンさんの妹だけど子供の頃に故郷を見限って出奔したんです。私達の故郷は同じなんですけど一族同士が対立して長年争っていたんです。

私は血筋の関係で遠縁に預けられて避難させられてたんですけど…故郷が滅んだことを知ってから、1人気ままに旅してたんですけど、その途中でリュディと会って…」

 

「意外に気が合ってずっと2人で旅していたんです。それで『そろそろオラリオに行ってみよう』って流れになって、路銀が心許なかったからここの貴族の依頼受けたんですけど…」

 

「もぉーサイアクなんですよ!私達にまで色目使ってくるしあの好色ブタっ…」

 

「話は済んだかい、マリー?それより幸いまだ『お楽しみ前』だったようだが連れ出すには君の力が必要だ。」

 

奥の部屋に先行していた師匠(せんせい)が私を呼ぶ。呼ばれた部屋に辿り着くとそこには人魚(マーメイド)異端児(ゼノス)が水で満たされた水槽の中に居た。

 

「彼女は共同体には居なかった者らしい。ダンジョンで産まれてからすぐ奴らに捕まったようだ。」

 

「ああ、それなら無理にオラリオに連れて行かない方が良いかもしれませんね」

 

「私の名前はマリーベル…貴女の名前は?可愛い人魚さん」

 

「名前ハ…ないノっ…」

 

「取り敢えず貴女をここから連れ出してあげるわ、名前はその後に考えましょうか」

 

そして彼女を人間(ヒューマン)に変身させて連れ出す。

 

「それでリュディスのレベルは4くらいで、アーシェスはもしかして5?すっごいわね、外でどうやって?」

 

「は?5?」

 

師匠(せんせい)が呆然としているが私も正直同じ気持ちだ。

 

「私達以前はオラリオに拠点はあっても都市外での活動が多い【アルテミス・ファミリア】に所属していたんですけど…その時に遺跡に封印されていた古代のモンスターだっていうでっかいサソリのモンスターを天候を利用する

魔法で遺跡の天井をぶち抜いて倒しまして…アレはレベル7クラスはあったと思います。それ以前には、【竜の谷】から漏れてきたレベル4くらいのモンスター倒したり…」

 

「【アルテミス・ファミリア】!アルテミス様って言ったらヘスティア様の神友(しんゆう)じゃないっ面白い縁だわね」

 

「ええ…アルテミス様には全く不満はなかったのですが、他の仲間達とは力の差が広がる一方で…仲自体は良かったし、皆良い人たちでしたよ?いい加減オラリオ内のファミリアに留まって『腰を据えて力を付けよう』ってことになって…

アルテミス様に『まず【ヘスティア・ファミリア】を受けるつもりです』って告げたら紹介状を書いて快く送り出してくれたのです。」

 

「へえ、これはとんでもない拾い物だったわね、2人とも即戦力だわ。よくアルテミス様は貴女達を手放したわね、子供を想って送り出してくれるなんて本当に神格者(じんかくしゃ)なのね」

 

アルテミス様を誉めると2人共嬉しそうにする。相当慕われていたようだ。そうして燃える屋敷を4人で後にした。師匠(せんせい)の正体には2人とも驚いていたが。

 そしてオラリオに戻る途中でメレンに寄った。人魚(マーメイド)の彼女は「メアリー」と名付けた。「マリィ」の流れを汲む形だ。そして善神とも言われているニョルズ様に異端児(ゼノス)全体のことも含めて懇切丁寧に説明していく。

理性的なところや、水中では第一級を上回る活躍が出来ることまで特にアピールした。

 

異端児(ゼノス)か…そのような者たちがいるとは、な…」

 

食人花(ヴィオラス)を利用するよりよっぽど健全でしょう?私の方もバックアップしていきますんで」

 

そうして、増えすぎている水棲モンスターをメアリーが間引きする役割と引き換えに、彼女に食事を提供し、また、彼女の存在の隠蔽に協力すること、特に欲深い人間から守ることを約束させた。

私のプレゼンテーションとメアリーの明るい人柄に惹かれたのか快く、受け入れてくれた。【ニョルズ・ファミリア】には海水の腐食に強い、オラリオではあまり需要のない槍等を卸していたので、

私に対する好感度も元々高い。まあ闇派閥(イヴィルス)と取引をして、食人花(ヴィオラス)を放すよりは抵抗もあるまい。

私も月1で様子を見に来る予定だ。その際に献血の要領で血液も貰っていく予定だ。

 

「マリーベル!皆ンナ!ありがとウ!まタ絶対ニ会いニ来てネ!」

 

「そのうち貴女の『お姉ちゃん』も連れてこれるように頑張ってみるから楽しみにしてて、ニョルズ様もよろしくお願いします!」

 

「おう、色々とありがとうなマリー!」

 

そうしてメレンを後にする一行だが…

 

「マリィをここに連れて来ることを以前から考えていたのか?マリー…」

 

「そうですね、基本陸に上がれないあの娘は寂しい時間を過ごしてることが多いでしょうし…メアリーの方が上手くやっていけるようだったら、こちらに連れてきます。

そのうち【ディアンケヒト】あたりは巻き込んでもいいかもしれませんね【マーメイドの生き血】を考えると…」

 

「それも良いかもしれないがあの老神が欲張って取りすぎないかが心配だ…」

 

「その時は私がブチのめすんで心配ないですよっ♪」

 

その後は2人は私達とは別口で正面からオラリオに入り、そのまま【ヘスティア・ファミリア】に改宗(コンバージョン)した。

美人エルフコンビだから目立つ。アルテミス様と私の推薦もあったことによりあっさり入団は決まった。

ちなみに私はウラノス様の働きかけで正規の手続きで外に出ていた。持つべきものはコネと権力である。

まあその代わりなんかあった時に、師匠(せんせい)だけじゃ足りないと判断された時は便利な戦力として投入されるのだろうが…

今のところ無茶振りされたことはない。

 そして2人の魔法は凄まじかった。本領を発揮出来るのは地上限定のようだが…

アーシェはパワー重視だが、速さも技術も高いレベルで纏まった、剛剣を扱う、才能は兄達と同等以上であろう、隙のない魔法剣士だ。

ちなみに2人共速攻魔法持ちだった。リュディは、速度重視の魔法剣士で純粋な戦闘力ではアーシェに劣るが、話してみるとフィンさん並みに頭が良さそうだった。成る程…ヘディンの妹というわけだ。

戦闘力もアーシェには劣るが高い、遠からず第一級に至るだろう。

 

「オラリオ外の数少ない第一級冒険者をスカウトしてくるなんて…どんだけ持っているんだろうね、マリー君は、また『例のスキル』かいっ?」

 

「成長すれば2人とも間違いなく黒竜にも使える戦力(カード)なんで…正直私もびっくりしていますわ」

 

「アルテミスかあ、地上ではまだ会えてないんだよなあ、久しぶりに会いたいなあ…」

 

「近々会えると思いますよ♪うふふ」

 

「「「?」」」

 

「タノモー」

 

ん?何か騒がしいな…

 

 




リュディス・セルランド
ヘディンの妹。(よわい)10の頃に故郷を見限り1人で脱出したトンデモお嬢様。見た目のイメージは陰実のアルファ。
才能はヘディンと同等以上。氷雪系最強(真)予定。ベル君がアイズより先に会っていたら間違いなく惚れていた。
愛称は「リュディ」実年齢6☓歳。最初は「リディス」にするつもりだったけど、既にある名前だった…(前ヘルメス・ファミリア団長)

アーシェス・ラグナール
ヘグニの従妹で許嫁。父の父が同じ。母親が実はダークエルフのハイエルフの血筋。崇められたくもないし、復権とか考えてないので、基本血筋は隠している。
モデルは某雷帝。才能はヘグニと同等以上。リュディスと同年齢。

ベル君のアルフィアの呼び方

  • おばさん
  • お義母さん
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。