ベルの姉が「才禍の怪物」なのは間違っていない   作:イルイル

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どうも10連休勢です^^;


第42話 報復戦争2 次鋒戦 「轟雷一閃」

「取り敢えず一勝、ですね…」

 

「途中の戦闘の大半は確かに速すぎて何やってるか理解んなかったけど最後の方は魔法使ってたやろぉ?4つ以上使えるんやないか?あのベルは…」

 

酔っ払っている風に見せてしっかり見るべきものは見ていたわけだ。本当に油断ならない(ヒト)だ。まあフィンさんやリヴェリアさんも見ているから仮に完全に酔い潰れても大した問題はないのだろうが。

 

「ええ…そう思っていただいて結構です…」

 

「くぅう()()かいな!少し前まではウチのリヴェリアとレフィーヤだけの特権だったのに!マリーたんに続いて!」

 

一応リューさんやフィルヴィスのことはこの場にいるフレイヤに漏らさないでくれる程度には配慮してくれてるらしい。

あの2人も普通に4つ以上使えるからな…特に口止めしてなかったからかあの2人は大まかにだが自分たちの第3魔法をリヴェリアさんに説明してしまったのである。

まあ知られたところで対策出来るような魔法(モノ)でもないから仮にフレイヤに漏らされても構わないんだけど。

リューさんの魔法がどういった性質(モノ)かは店で鑑賞していたはずのフレイヤにも筒抜けだろうし。どうせ【ロキ】との戦争遊戯(ウォーゲーム)の後には向こう側でも共有される情報だし。

しかしたった1発の魔力暴発(イグニス・ファトゥス)だけで倒れるとは情けない。獣人は頑丈(タフ)そうなイメージあるのに猫人(キャット・ピープル)はそうでもないようだ。

まあ矮躯(チビ)だしな。こんなモノか。油断せずにベルがチャージに入っていたことはポイント高いが…ベートさんならもっと根性見せただろうに不甲斐ない。やはりどんな戦闘スタイルでも【耐久】と【敏捷】は上げておくべきだな。

私も上げるのに色々工夫しているのだ。自傷するのはアレだし、モンスター相手に攻撃わざと食らうのは危険だし…レヴィス相手にわざと回避せずに素手(ステゴロ)で殴り合ったりしているのだ。

さて次鋒戦か。フレイヤに常の余裕そうな笑みはない。ベルの勇姿は見れたけど自分の眷属が敗けたことは不満、という複雑そうな顔だ。

まあ決め手は手札を伏せていた上での搦め手だったが、長年この街のトップ層にいた【女神の戦車(ヴァナ・フレイア)】の土俵で互角以上に渡り合い、倒したのだ。

もう誰もベルの実力を疑う者は居まい。皆が理解出来たはずだ。「決して【覇王(わたし)】の付属物(オマケ)でも添え物でもなく、地上の希望足り得る存在」なのだと。

 

「マリーたん、アーシェスたんと【黒妖の魔剣(ダインスレイヴ)】の対決は、どう見るんや?」

 

「そうですね…恐らく数字上のアビリティと経験もほぼ互角、勝負を分けるのはスキルと魔法、それと装備…というありきたりのことしか言えませんが…」

 

ヘグニの主武装が呪道具(カースウェポン)というのは分かっていたのでその気になれば今の私なら徹底的に対策出来(メタをはれ)た。

最強という座に胡座をかいて敵なしだと思い込んでいたからか情報がいくらでも集まる。まあアーシェスに「真っ向から勝ってみます」と言われ充分勝算はありそうだったので、そのまま行かせた。

 

【フレイヤ】側、控室では…

 

「はあ…」

 

黒妖の魔剣(ダインスレイヴ)】こと、ヘグニ・ラグナールは溜め息を吐いていた。なんでこんなことになっちゃったのかなーと。ヘグニは、というか幹部達は下位団員達ほど

自分達の「最強」という看板を盲信していない。強者としての自覚と矜持くらいはあるが。【暗黒期】には自分も含めて闇派閥(イヴィルス)の幹部格に散々苦しめられたのだし、

当時は最強と疑っていなかったオッタルも【ゼウス】の残党に一度は敗れているのだ。しかもその【ゼウス】の後継者達が今回の敵なのだ。彼らに復讐(リベンジ)の意図はなく、

敬愛する主(フレイヤ)のやらかしがそもそもの原因らしいが。オッタルも戦後に言っていたのだ。

「【本気】ではあっても自分(こちら)を絶対に倒すという【全力】の気迫や殺意が感じられなかった。自分は経験値(エクセリア)を託され、自分達は道を譲られただけなのだろう」と。

 

この戦いの前にも

 

「奴らは既に【ゼウス・ヘラ】にも匹敵する、向こうの3番手(フィルヴィス)は確実に自分より強い、アルフリッグ達は敗れるだろう、自分も最善は尽くすがあのマリーベルには勝てないだろう」とも。

「同じレベル8でも既に奴は元ゼウス団長(マキシム)より恐らく強い。だからファミリアとしての敗北は覚悟しておいてくれ」と。

 

普段「脳筋」と罵られてはいるが、奴の戦闘勘と、強さについては一定の信用は幹部達全員が置いていた。

オッタルを責めることなど出来るはずもない。ずっと歳上の自分も奴より弱いのだ。だがそれより更に歳下の連中の台頭はどういうことだ。

しかも唯一の大切な身内(アーシェス)を加えて、敵対してくるなど予想出来るはずもない。

預けられた先は故郷(ヒャズニング)よりずっと良い場所のはずだった。血筋の関係で大切にされていたはずだし、

忘れていたわけではないのだが、それなりに良い暮らしをしていると思っていたのだ。

まさか外であそこまでの実力者になってこの街で敵として再会するとは…

 

「アレンは敗けたようだぞ…」

 

「まあ(アーニャ)の居ないアイツなんてそんなモンでしょ、彼は既に僕らが敗けてもおかしくない程度には強い」

 

「その言い方は我らにも返ってくるのだがな…しかし身内を、特に大事にするあの女が最大の敵で、奴の弟にあのアレンが倒されるというのも最大の皮肉だな」

 

「やはり身内を大事にしない奴らはダメだな。お前ら2人は大丈夫か?」

 

ヘディンが話しかけてきたが、アルフリッグが繋ぎこちらにも皮肉を飛ばしてくる。

 

「ああ、お前ら4人に関しては『身内だけで固まった貧弱でしょうもない連携頼りの蟻共』って言っていたぞ」

 

それはそれとして「ただレベルが高いだけの個の集団なんて潰すのは容易い」とも言っていたのだが。

 

「やはりあの女は宿敵か…」

 

「絶対殺す…!」

 

「潰そう潰そう」

 

戦争遊戯(ウォーゲーム)後は覚悟しておけよ…!」

 

「お前らじゃ蹴散らされるだけだから止めておけ…」

 

「というか随分とマリーベル(あのこ)と話しているみたいじゃん」

 

「お…裏切りか?」

 

「処す?処す??」

 

「まあフレイヤ様を罵っていたことには私も思うところもあるが、それについてはあの方自身も反省しているみたいだしな…遠からず力を付けるのは判り切っていたから個人的に繋がりを作っておいたのだ」

 

それに(おも)に罵られているのはオッタルの方だし…「それ以下の自分達はなんなんだ」という話にもなるが。最初に会った(レベル2)の頃のままなら身の程知らずの戯言で終わっただろうが、今の奴にはそれを言えるだけの資格がある。

ただでさえ【ロキ】との仲も悪いのに、遠からず台頭してくると判っている冒険者との仲は良好にしておく必要があると思ったのだ。最低でもこちらに矛先が向かない程度には、と。

まあオッタルが最初から嫌われていたのと、初期の頃からのちょっかいを全て勘付かれていたため、結局ファミリアごと思いっきり嫌われてしまったのだが。その後の尾行も不味かったのだろう。

 実は【フレイヤ・ファミリア】でマリーからの評価が高いのはダントツでヘディンだった。頭が良いという長所はバカばっかりの冒険者の中ではそれだけで価値があるし、何より遠距離に強い、という点が良い。

前線を支える前衛タイプはともかく、後衛の遠距離タイプなら、多少力不足であったとしても独断専行する程のバカでもない限りは足手まといになる可能性は低いからだ。

才能を考えれば8以上を目指して欲しいという程度の期待はされている。それに人形のような他の狂神者(イエスマン)共と違って自分の頭で考えて、例え一時は神意に背くことになっても、

主のためのより良い未来を考えて動くことの出来る忠誠心を評価していた。オッタルも近いスタンスなのかもしれないが、いかんせん彼はバカなので、ヘディンのように自分で物を考えて一時であろうとも命令に背くような動きなど出来るはずもない。

そんな背景もあって(はた)から見たらそんな狂神者(イエスマン)共とオッタルも大差ないのだが。違いの理解るヘディンはオッタルには襟を開いて協力して【ランクアップ】を狙うような道もあったはずなのだが…

ここにきてそのあたりのことを振り返りも反省も出来ないのが彼らが【フレイヤ・ファミリア(どうしようもないれんちゅう)】である所以(ゆえん)だが。

今回はマリーの温情で失う物も少ない戦いになったが、これが「主神の首を賭けて」という条件だったらどうなっていただろうか───

マリーは正直「連中の扱い面倒すぎるし、もう私らと異端児(ゼノス)と【ロキ】だけで充分じゃね?」と思い始めてる。「後はもうオッタルとヘディンとヘイズあたりだけでいいかな」とも。

 

「裏切りか…最初は『フレイヤ様のためになるならそれも』と考えていたが…今となっては何をしても結果は変わらんだろう。フレイヤ様も言っていただろう『せいぜい楽しめ』と。裏を返せば『もう結果は変わらんから好きにしろ』ということだ。

万に一つ我らが勝てて奴らを手に入れていたとしてもそれがあの方にとって良い結果になっていたとも思えん。

そもそも奴らがレベル2の時に私が『フレイヤ様の今のお気に入りの2人は近い内に台頭してきて最悪の場合敵対されるから、念の為早めにレベルを上げられるように動け』と忠告はしただろう。

それを貴様らは余裕ぶって『戯言だ』と切って捨てていたな?その結果が今の試合だ」

 

ちなみに真っ先に切って捨てていたのはガリバー兄弟達とアレンである。オッタルは超人的な勘で近いことを思っていたし、ヘグニはアビリティもあんまり上がらなくなってきてたし、

「そろそろランクアップしたいなー」くらいには思っていたのだ。まあヘディンも流石にここまで早く自分達を(おびや)かすことになるとは思っていなかったのだが。

2敗がほぼ確定しているので、自分達レベル6の幹部達は1つも落とせないのが前提だったのに、いきなりアレンが敗けてしまった。そうなるとここからの勝負はいかに傷を浅くするか、

という戦いだ。何より妹に舐められっぱなしというのは腹が立つ。フレイヤが既に気にしていない以上、最早ファミリアの看板なぞどうでも良かったが、せめて一矢報いるのは自分でありたいと各々が考えていた。

 

「さてと…気が重いけど…行ってくるよ…」

 

まあ【暗黒期】の時の戦いと違って「絶対に敗けられない戦い」とかでもないからそういった意味では気が楽なのだが。一応はこんな自分でもかつての兄貴分としての面子や沽券があるのだ。

同族(ダークエルフ)と戦うのは【暗黒期】以来か…いや、アレと一緒にしては流石にアーシェスに失礼か。殺した後でも思い出したくもない奴らと彼女を一緒にはしたくない。というか自分も奴と同一視されたら素の方でもキレる自信がある。

 

使()()()()()()?」

 

「『自分の言葉で話せ』って説教されちゃったからね…これ以上失望されたくないし…何より、僕自身で向き合うべき問題でしょ。」

 

「お前…」

 

大抵の嫌なコトは【もう1人】に押し付けて逃げるこの男が…思いがけない成長にヘディンは少しこのダメダメな相棒を見直した。

 

そうして闘技場の中心で2人は向き合った。

 

「逃げずにきちんと【自分】で赴いて向き合ったことは褒めてやる…」

 

(うわあ判っちゃいたけどメチャクチャ塩…)

 

「『誰だお前?』とか『話し方気持ち悪い』とか言われちゃ流石にね…」

 

「当たり前だ、ただの従兄妹だというのに神々に私まで変な喋り方を期待されている身にもなってみろ。最近はマリー様の威光のお陰で余計なちょっかいは減ったが…」

 

「でも、いいn…「”元”だ!丁度いい!過去の汚点としてこの場で斬り捨てて下らない因縁に決着を着けてやる!」

 

「それでは始めっ!」

 

試合前の前口上として様子を見ていた【ガネーシャ】の審判が開始の合図を出す。ヘディンの主武装【ヴィクティム・アビス】は自身の体力と引き換えに「斬撃範囲を拡張する』という効果を持つ呪剣(カースウェポン)だが…

 

「斬撃範囲を広げる剣だったか、それは!フンッ格下(ザコ)狩りだけ捗りそうな、せこい剣だな!」

 

(見切られてる…!?初見で完璧な対応されるのは初めてだ)

 

アーシェスは拡張した範囲斬撃も凡そ見切っていた。「恐らく視覚に余り頼らないほうが良い」というマリーからの忠言(アドバイス)を受け、視覚以外の感覚を頼りに避けていた。

斬撃が見えない程度で喰らっていては【ヘスティア・ファミリア】ではやっていけない。レベル8以上のマリーだのアルフィアだのレヴィスだのの斬撃など視覚で捉えていては反応など無理だ。

格上と戦い続けていれば自然と回避技術も鍛えられる。自身の直感では遠からず団長(ベル)やリリは()()()()に行っちゃいそうだなーと告げていて気が気ではないのだ。

何年も停滞し続け下から追い縋られる重圧(プレッシャー)ともほぼ無縁であろうこんな男相手に立ち止まるわけにはいかないのだ。

最初は見えない部分の斬撃の大体の範囲を測っていたが、それも終えると剣で反撃し、打ち合うようになってくる。

 

地面から流れてくる電流が身体を伝い剣にも付与(エンチャント)されていく。無詠唱で。

アーシェスの第一魔法【サンダーボルト】は非常に使い勝手が良く、強力な魔法だった。

付与(エンチャント)から広域殲滅、範囲も自由自在でほぼどんな相手にも重宝するアイズの【風】なみにチート性能だ。

ベルが真っ先に模倣(コピー)したのも頷ける性能だ。彼自身が【雷】と相性が良いというのもあるのだが。

 

「やっぱり…あの人は…!」

 

「うん?どうしたんだい、アイズ?」

 

「素で()()()()()()って思っていたけど…間違いない、あの強力すぎる魔法は…!」

 

「はい、貴女と同じように精霊の関係者ですよ。アーシェスは。尤も何代か前のご先祖様までの話らしいですけど、ね」

 

アイズの眼は誤魔化せないと思ったマリーはあっさりゲロする。近くに居たロキとフレイヤ、ヘスティア以外の神には聞こえない程度の声だが。

 

「その(かた)がメチャクチャ()()()()()に気に入られていたらしくて、力やらなんやらいっぱい受け取った結果、彼女の一族は()()なったらしいです。結局その精霊は言動がかなりアレらしくて、

耐えきれず契約を切ってしまったらしいですが…」

 

だからかなり詳しいことを伝え聞いているアーシェスは他の同族(エルフ)のように精霊に対して変な幻想は持っていないし、全く敬わない。

 

「ほーん、しかしハイエルフなのに加え、精霊の関係者って…他のエルフにバレたらかなりヤバいことになるわな、マリーたん…」

 

「話が漏れていたと判断したら予告なし、戦争遊戯(ウォーゲーム)介さない奇襲でこの場の神々のファミリア潰しますからね?」

 

「ヒェッ」

 

「ロキ…神フレイヤも理解ってると思うけどこの話は…」

 

「ええ、勿論黙っているわよ?外野のせいであの子の輝きが陰るのは本意ではないし…」

 

「あの力は…もしかして地電流かい?」

 

「ええ、そうです、よく知ってましたね、私も雷神(ゼウス)に教わって知ったのに…ロキ様は雷神(トール)様でもないのに…」

 

「昔読んだ本に書いてあっただけだよ…トールというのは?」

 

「ああ、トールっちゅうのはウチやフレイヤと同郷の雷神や、降臨したって話は聞いとらんな」

 

「ええ、ロキの本当に数少ない神友(しんゆう)よね?」

 

「うっさいわ!と言うかマリーたんからなんでアイツの名前が出るんや」

 

「それは権能被りってことでジジイ(ゼウス)から名前は聞いてましたからね。タケミカヅチ様のこととかも最初に名前聞いたのはヘスティア様からじゃなく雷神(そっち)繋がりですよ」

 

「うへぇ、もしかしてゼウスが知っている神々は皆知っとるんかい?」

 

「はい、天峰(オリュンポス)の神々は勿論のこと、他所の神域の有力な神様、気を付けたほうが良い神やらは聞き出していますよ。『知は力なり』ですからね、それにファミリア選びには絶対役立つと思っていましたからね、

ロキ様の所は有力候補だったんですけどね、ベルを門前払いした時点で『縁はない』と思い、選択肢から切り捨てました。」

 

一瞬だけフィンから剣呑な気配が上がった。元団員のクソ門番を少し思い出したからだ。それはそれとしてマリーにフィンは感心した。幼い頃熱心に知識を身に着けていた頃の自分を思い出したからだ。

自身にも身近に親しい神が居ればそこから色んなことを学ぼうとしただろうし、自身とも被る行動パターンだ。アイズにも少しは見習って欲しいな…と視線を向けると、何かを察したのかわざとらしく視線を逸らす。

 

「それでアーシェスは地電流を利用することで自身の魔力の消費を抑えて強力な雷撃を扱うことが出来ます。魔法そのものの性質というより彼女自身の体質のようなものなので、

仮に彼女の魔法をコピーしても”そこ”までは無理でしょうね」

 

ちなみにダンジョン内でも普通に使えるスキルである。攻撃特化の魔法とスキル構成だが、非常に継戦能力が高い。

 

「『あれ』は剣にも仕掛けがあるんじゃないのかい?ベルのものも相当な業物だったし」

 

「まあそのへんは追々(おいおい)…ウチの傘下に収まってからですね」

 

アーシェスが雷を収束させて剣に纏い、3(メドル)にも達しそうな大剣に姿を変えたそれを本来の剣より遥か間合いの外から、ヘグニの全身を撫でるかのように巻き込んでいく。

 

「ハァッ!【雷の大剣(サンダーソード)】!」

 

「ガッ!?…」

 

「あ、やば…」

 

全身を黒焦げにしたヘグニが崩れ落ちる。マリーは既に察して詠唱しながら、走り出して、観客席を飛び降りた。

 

「勝者、アーシェス・ラグナール!」

 

審判により勝者が宣言されたと同時にマリーがヘグニの倒れた場所に辿り着く。

 

「【ディア・パナケイア】!】」

 

黒焦げだったヘグニの皮膚が再生され、元通りになっていく。灰は残っているが、その下から新たに再生されていく。

 

「お疲れ様です、試合前に魔力を使って良かったのですか?」

 

アミッド先輩が出てきてこちらを(ねぎら)う。

 

「別に…オッタル程度魔法なしでも勝てますし…これくらい【精癒】で回復出来る範囲ですよ、あれ以上遅れたら蘇生魔法切らざるを得なくなっていたかもしれないですし…」

 

「もう単体相手なら蘇生魔法抜きでも私以上ですね…もう私の魔法は使わないのですか?」

 

「単独相手ならあの方の魔法が一番効果が高いんですよ、先輩の魔法が明確に劣っているってわけじゃないので安心してください」

 

「複数相手ならこの後にコピーするであろう女神の黄金(ヴァナ・マルデル)の魔法が一番良いんじゃないですか?そうなったら私の魔法は用済みになったりしないですよね?」

 

膨れっ面のジト目でこちらを見てくる。可愛らしい人だ。

 

呪詛(カース)やら毒、麻痺やらにも高い効果を発揮する先輩の魔法を使わなくなることはありませんって」

 

「フン、マリー様の蘇生魔法なんて贅沢すぎる。もっと転がしておけば良かったのだ、この男は…」

 

「うう…」

 

妹分に完全敗北を喫した挙げ句にこの塩対応とは哀れすぎる…少しフォローしておこう。

 

「まあそう捨てたものじゃないですよ、少なくともアレンよりは使えそうですし…」

 

というかアレでも少し手加減していたのだろう。もっと真芯の部分でぶった切ってれば身体の大部分は消し飛んでいただろうし。




ベル君はマリーの【オーバロード】は使えません。仮に使えるようにしても自分の足で集めることになるかな…
原作で言及無いけどレフィーヤが【アストレア・レコード】使えるとは思えないし…
コピーのコピーは無理ということで。
ベル君が長文詠唱の魔法使いこなせるイメージ無いし、【フツミノタマ】とか使いこなせるとは思えないし…原作よりも団員充実しているからこそ活きる魔法ですが…
ベル君が使うのには、まあ【ウィル・オ・ウィスプ】くらいならいいかなって…普通にクソ強い魔法だとは思いますが。
アルフィアがいる時点で充分チート性能化してますけどね。ベル君が【アルクス・レイ】とか使い出したらレフィーヤが憤死しそうだし。まあそれはそれとしてフィルヴィスの魔法を使えるからどのみち憤死しますが。
雷の大剣(サンダーソード)はフェイトちゃんのプラズマザンバーや禁書のトールの溶断ブレードのイメージ。

ベル君のアルフィアの呼び方

  • おばさん
  • お義母さん
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