【フレイヤ】の「休暇」という名の冷却期間が終わった。それに伴い幹部達も集められた。
「さて、これからの大まかなプランを話しますが…まずレベル6の幹部達は基礎アビリティが成長限界に到達するまで鍛えたら順次バロールにソロ挑戦してもらいレベル7を目指してもらいます。
武器も私が作ったより良い物に更新していくので…このへんの方針はウチのレベル6達と変わらないですね」
「噂通りのイカれぶりだなオイ…」
「オッタルも『そのうちソロ討伐したい』って言っていたらしいじゃないですか、その程度出来なきゃレベル7という高みには相応しくありませんよ
復活までのインターバルさえ把握していれば好きな時に狩りに行けて上位の
「ちなみにアーニャさんにはそのうちアンフィス・バエナをソロで狩ってもらおうと思っています。それと…オッタル───貴方にはぴったりな特別な相手が居ます。
”彼”は私達の切り札の1つですが…今や大切な仲間の1人なのでみすみす餌として捧げる気はありません。なので命懸けの死闘の
「
「彼は既にレベル8上位クラス…単純な
「他ならぬ
オッタルが獰猛な笑みを浮かべる。マリーに刻まれた胸元の十字傷は敢えて残しておきいつかは彼女にも
ちなみにマリーとアルフィアは揃ってレベル9に到達した。表向き未発表の数々の製作物に加え、
鍛冶神の渾身の逸品を自身の作った刀でぶった斬ったというのだから、製作者と担い手がそれぞれ別々ならまだしも1人だけで実現させているのは確かな【偉業】だろう。
アルフィアはレヴィスとの死闘を制し、ランクアップした。【新人類】としての高い生命力とレベル9という
音よりも速く移動出来るレヴィスはアルフィアをして
そのまま押し切られて敗北した。ちなみにレヴィスの得物は【ウダイオスの黒剣】だった。
「あんなナマクラでアルフィアに勝てるわけがないだろう、私にも良い武器を作ってくれ」
とは戦闘後のレヴィスの言葉だったが…あのレベルの物を「ナマクラ」って…レベル8や9って本当にヤバいな…今は私もだけど。そんなこんなでレベル9が3人揃った【ヘスティア】は単独でオラリオの全戦力を相手取れる高みにまで到達してしまった。
【ロキ・フレイヤ】連合を相手取る意味も少なくなってしまった。彼らからレベル8以上が出たら改めて戦ってみてもいいが…多分私の頭の中の草案を全てアウトプット出来ればレベル10にもなれるが…
本当はそのうちまたやって来る【学区】所属の【ナイト・オブ・ナイト】さんを【ロキ・フレイヤ連合】に加えて戦いたかったのだが…リヴァイアサン戦の件でおばさまとも顔見知りらしいし。
基礎アビリティの上がりが鈍化するまで成長したおばさまに「ランクアップ待って」なんて言えるわけがない。私も上げちゃったし。もしやるなら私達3人は出場制限を設けるのが現実的なところか。
レベル7は紛れもない世界的強者だが、
レベル9自体は過去にも居たんだし10ならともかく9はそこまで大袈裟に驚くものでもないと思うんだけどねえ。まあ3人は多すぎか。
私達のランクアップに加えレヴィスの本当のレベルも露わにしたことにより、派閥ランクは新たに設けられたSSランクになってしまった。まあ税はSランクの時と変わらないらしいので構わない。
「【フレイヤ】が傘下にいるだろ」と言われたら確かにSランクのままというのも不味いか…実際に実力でも上なの示しちゃったし。
アステリオスはオッタルのことを薄っすらと憶えているらしく、「恩を返せるというのなら」と割と乗り気だ。
バベルの【ヘファイストス】のテナント付近にだ。まだせいぜい第二等級武装までだが。第一等級は仲間たちにしか渡していないが、【フレイヤ】と【ロキ】にもそのうち渡すつもりだ。
【ガネーシャ】あたりも希望するなら…あそこはせめてレベル6以上が出てからがいいか。ヴェルフの新たな魔剣の「自身の
私のものはそこから更に改良し、大気中の魔力を集める仕掛けを作った。少し時間をかけて集める仕組みなので初撃以外は連発しようとすると自身の魔力を使用する仕組みとした。
私は既に自身のスキルと同一の性質を武器そのものに付与することには成功している。そして椿さんはベートさんの魔法【ハティ】を劣化した性能とはいえ、付与した武装【フロスヴィルト】を作れている。
なら既に椿さんと鍛冶の腕でほぼ同等、
そしてリリに与えた
モンスターのものも覗けるのでこれまで数値化出来なかったモンスター達の数値化した情報を纏めてギルドに提出したら絶賛された。
レベル9の私が使うとあらゆる冒険者の情報が丸裸になるわけだ。スキルや魔法使用中に解析すると、より詳しく理解るので使い手本人すら知り得ない情報が読み取れることもある。
一応有名な冒険者の情報は集め尽くしたが、最早人間の敵対勢力はほぼ皆無なので、ほぼ
新たに開発した【
従来の純粋な剣という武器としてはなまくらな魔剣はともかくヴェルフの新たな魔剣は純粋な剣としての性能もしっかり確保出来ている。私の作った
あらゆる武器を「繰り返し使える魔剣」と同一の物にすることにも成功した。要するに魔剣だけでなく【魔槍】とかも作れるということだ。
従来の魔剣なら形状などなんでも良かったが純粋な武器としての性能が保証されているのなら形状は重要だろう。というかリリには既に持たせている。特定の動作で性質が変わるようになっている。
普通に振るっている時は【
私が作った荷台はこの魔法の効果を利用して、【反重力】を擬似的に再現し、軽量化と、アスフィ先輩のサンダル技術も利用して一時的に浮かべるようにもしたのだ。
階段の昇り降りもダンジョン内で可能だ。これらを模倣するのは
そしてレフィーヤの【アルクス・レイ】を元にして作った【
基本的には
起動式として【アルクス・レイ】と唱えれば
通常弾はともかく誘導弾の方は考えなしに使い込むとそれなりに魔力が鍛えられていない者だとあっという間に
使えば使うほど魔力のアビリティが上がり、空きスロットがあれば魔法に目覚め易くもなる。【弓矢】という武器は、儲け重視の大半の冒険者達からは敬遠されがちである。
矢が使い捨て前提だからどうしても「勿体ない」という想いが先行するのだろう。だが「魔法しか飛び道具がないのは、流石に問題がある」ということで大手には何人か
【ロキ】所属のエルフ数人とラウルさんとかもだ。誰でも簡単に炎や雷を
これらは【
エルフは弓の扱いに優れた者が多いので、擬似的に魔法を再現したこれらの武器は物凄く人気が出た。
レフィーヤの魔法を元にしているので、【ロキ】には安く卸す契約を結んでしまった。更にリヴェリアさんも実は弓の腕前は高いらしく、高性能の物を依頼された。
近接用武器ならまだしも貴女ほどの魔道士に飛び道具はこれ以上要んないでしょーがと思ったが、リヴェリアさんの魔法は大味なものが多いから
まあそれなりの
今では
そして
だから外には試験的にヘファイストス様とゴブニュ様に少量流しただけなので話題には挙がらない。
「神」の文字を勝手に入れたのは後から不味いと気付いたのだが、ヘファイストス様が認めてくれたので気にしていない。おばさまの剣と打ち合って一方的にアイズの【デスペレート】はボロボロにされたので彼女には結構聞かれたが。
ちなみにウチの
完成品はレベル6以上の者にしか渡すつもりはない。
そんなこんなでマリーの活動もあり、オラリオは今日も熱気に包まれているのだが───そんな中でのある日の豊穣の女主人では…
「アホーニャは元気でやっているかニャア…」
「気になったなら見てくればいいじゃん闘技場の方、マリーが気遣ってくれて
「でもレベル9が3人なんてバケモノファミリア恐すぎなのニャア…」
「もうフツーに【ロキ・フレイヤ】越えて一強状態って言われてるからねえ…【ゼウス・ヘラ】越えて史上最強とも…
冒険者として振る舞っていて他の仲間もいる時にあのアホみたいな態度取るのは止めときなよ?あのレベル6や7のエルフ達から睨まれたら生きた心地しないんだからね…?リューもどこまで庇ってくれるか判んないし…」
マリーは不定期だが相も変わらず豊穣の女主人で働いていた。シルやヘディンらに懇願されたからだ。
「『鍛え直したいのなら皆さんもいつでもどうぞ』とか言っていたからヘタに顔出すと捕まってしまいそうなのニャア…」
「それでもしアーニャがレベル5以上になって戻ってきたらどうすんの?リューは謙虚だから6になっても殆ど態度変わんなかったけどさ」
「あのアホだと調子乗りそうだニャア!へんっどうせ無理なのニャ第一級なんて…」
「シルの話だとめきめき強くなっているみたいだからねえ、それにマリーは無理なこと押し付けたり口にするような
ルノアのマリーへの好感度はかなり高かった。ファミリアがかなり助けられたとデメテルが絶賛していたからだ。
「マリーもすっかりビッグになったもんニャア…」
「あの娘ウチで働き出した時からレベル8とかだったから最初からビッグだったと思うけど?」
「揚げ足取るニャア!本当に最初の最初、店に来た時はレベル1だったニャ!目立つ見た目だから覚えてるニャア…少年のケツを狙うのも大分難しくなったニャ…」
「”それ”絶対止めてよねマリーと【静寂】同時に怒らせたらリューも『庇いきれない』って言ってたしさ」
「【公開訓練】…1回見てみたけどアレはヤバかったのニャ…」
闘技場での訓練は【公開訓練】と称して連合所属の人間にだけ見れるようにしている時がある。その場合は奥の手の類は皆封印するが…大抵はレベル2以下の人間をマリーらが教導している。
偶に第一級同士の模擬戦になると非常に見応えのある戦いになるので、盛り上がる。マリーの教導のノウハウを学べないかと熱心に鑑賞する者も居るが、大抵は真似できないという結論に落ち着く。
「最近は【ガネーシャ】や【フレイヤ】の連中まで結構入り浸っているみたいだしね」
「あの【
対人で格上と戦うことが皆無になって久しいオッタルはほぼ一方的にボコられるような状況でも楽しいらしい。
「【ヘスティア】が強すぎただけで別に【フレイヤ】が弱くなったわけじゃないからねえ…」
マリーは一応それとなく気にはかけてはいるようなのだが、【静寂】は「
まあレベル9と5の4レベル差というのはレベル5から1と同じくらいの差だ。そこまでいけば第一級成り立ての5程度も取るに足りない雑魚になるのかもしれないが…ちなみにこのあたりの話はマリーから直接聞いている。
機密になるようなこと以外は結構ポンポン話してくれるので、直接会ったことのない団員まで結構、人とナリを把握してしまっている。
今や押しも押されぬトップファミリアの裏事情は聞いていて面白い。
豊穣の女主人の別室ではアーニャがフレイヤにステイタスの更新をされていた。フレイヤは主神として久方ぶりにアーニャとも話すようになっていた。
「アーニャ…【ヘスティア】の子達とは…上手くやれている?」
「まあ訓練は厳しいけどマリーの教え方無茶苦茶上手いし…正直『かつてやっていたことはニャんだったんだ』って気分になりますニャ…」
「ごめんなさいね…あの子達が勝手に始めたこととはいえ…マリーにもリュディ達にも”アレ”ボロクソに言われたし…『回復魔法と食べ物で取り繕っているだけで
「今の状況が凄い恵まれているのは理解ってますニャ…マリーの作るメシ、ヘタすればかーちゃんの以上に美味いし…マリー達は『兄様のオマケ』じゃなく酒場の皆と同じようにちゃんと1人の人間としてミャーを見てくれますんで…」
【フレイヤ・ファミリア】のやり方は『性欲全開の男共はともかく繊細な女の子にまであんなやり方押し付けるとは何事ですか!』とか散々な言われようだった。
ちなみにもし
直接戦っていない
尚アレンが【ヘスティア】を「イカレ共」と称する理由は主にリリルカの異常なランクアップにあったりする。
「あのレベルの冒険者がほぼマンツーマンでミャーに指導してくれるなんて【
アビリティもガンガン上がり、アレンやフィン、タケミカヅチの技を組み合わせた槍術は今まで見たどの冒険者よりも優れたものだった。それらを伝えられたアーニャの実力は目に見えて成長し、
リューもついレベル5くらいのつもりで可愛がりをしてしまい、ガクブルされたりしていた。
ベル君のアルフィアの呼び方
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おばさん
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お義母さん