ベルに連れられて逃走をしたアルフィアは、合流してきたマリーと少し話した後にその手で鮮やかに気絶させられた。
そうして、目覚めた場所では…
「全員が、この
廃教会の中にザルドとエレボスとアルフィアら3人は拘束されて転がされていた。ご丁寧にオリハルコン製の枷だ。
レベル7の2人とて力で壊すのは無理だ。
「アルフィア…ザルドとも話したが
「レベル13と自称していたが恐らくハッタリじゃないぞ…」
「マリーは、未来人で妹の子供で私の
「なんでお前が自慢気なんだよ…『計画』はどうすんだ?あんな連中いたら何も出来ないだろ、10以上が複数とか何やっても成功する未来が視えんぞ」
「『それ』に関しては心配いらない。『この街の連中は真っ当なやり方で自分達が面倒見る』だと。それと『本当に無理そうなら責任取って自分達が黒竜狩りにいく』とも…ザルドお前身体の毒は治っているんじゃないのか?私の方も一瞬で治療された」
「は?医神達でもどうしようもなかったベヒーモスの毒とお前の病気が、か?」
「凡そ人間が想像することは全て可能な地上で唯
「…”それ”を名乗れる…いや名付けられた子供が存在するとは…な。確かに計画の遂行は最早無意味だな、お前らが再起不能にした冒険者達も都市中を巨大な
俺の方は急に現れた光の枷に拘束されて奴らの1人に回収されてこのザマだ。『連続送還』も…最初の方の標的を碌でもない神々で固めていたんだが三柱を送還した直後にすぐ拘束された、こちらがやろうとしていたことも最初から詳細に筒抜けだったとしか思えん」
実力で勝っている連中がこちらの情報を握り尽くしているのだ。勝負にもならないだろう。
「幸い私とザルドだけは身内と見なされている…このまま手を引けば何もされんだろう…だがエレボス…お前は滅茶苦茶嫌われているようだ…まあ頑張れ」
「ちょっとォ!?少しはオレのことも庇って!」
「ごちゃごちゃ男がみっともないですね私の【
その女が唐突に正面口を開けて現れた。
「ッッ!?その気配は…」
「おっとちょっと
下っ端共も牢屋が足りなくなりそうだから適当に間引いてから拘束済みです」
「まあお2人の直接の被害者たちは全員私が治したんで幸いいくらでも誤魔化し効くんで未遂止まりになります。なんで大人しく従えば都市側に口添えしておきますよ」
「一先ず拘束は解いておきます。トイレ行きたくなったら大変なことになりますからねただこの建物からあまり離れすぎないように…逃亡図ったらまたぶちのめして拘束しますので」
「地下室の方は住めなくもないんで一応掃除はしておきましたし、暫くそちらの方で過ごしてください。食べ物も運ばせるんで」
「エレボスの沙汰は都市側に任せますが…お2人には誰であろうと絶対手出しさせませんのでもう余計なことはしないでくださいね?」
「そちらの私はもう私を狙ってこないのか?」
「ええ…仲間達やベルや私と争ってまでは殺そうとはしないですよ、ああ見えて私とベルだけでなく今の仲間達のことも気に入ってますからね、せいぜい貴女が『
まあ理由があれば我慢出来る程度の殺意ですよ、ベルが連れ出しても追ってこなかったでしょう?」
「俺からも質問だ、君の主神は?」
「
「は?ハハッハハハハッ」
「何が可笑しいんですか言っておきますけど慕い敬う神は数多くあれど私が忠誠を捧げるのはあの方ただ
「ヒェッ…君の言葉の真偽は一応判るから何1つ嘘がないのも判る…あのヘスティアに忠誠を捧げているというのなら…悪に傾倒するようなこともまず無さそうだね」
「
その言葉を最後にしてマリーの姿が消える。
「「消えた!?」」
「透明化!?いや気配も完全にない…」
「転移か…完全に
「【
「ぶっ!?」
「私の
「悪かったよもう言わない…しかし全部見透かされている風だったな…あれほどなら『黒竜を始末する』となんてことのないように言えるわけだな…お前らの眼から見てどうだった?」
エレボスは2人に問いかけるがアルフィアの眼を気にしてザルドは言葉を選ぶ。
「率直に言って…間違いなくベヒーモス以上の存在だな。黒竜とは対峙したことはないがアレ以上とも思えん、アイツの娘がどうやったらあんな風になるのか皆目見当もつかん」
「”そいつ”の子供の話を少し前にしていたらまさかこんな形で現れるとはな…」
「”娘”だけじゃないぞ…”息子”もいる、【ベル】というのがそれだ、双子で弟だそうだ…」
「「何ィッ!?」」
「安心しろ…男の子の方…ベルは女の子のマリーほど無茶苦茶な存在じゃない向こうの私と同じくらい強そうだったがな…」
「向こうのお前って…それお前より圧倒的に強そうだったって奴だろ?」
「やっぱヤベー奴じゃん」
「奴らはファミリアとして動いている…ベルと向こうの私と黒髪のエルフが恐らく12レベル相当…13レベルのマリーの次に強いのがこいつらだ。それに黒髪のダークエルフの女と金髪赤目のエルフ女…
それに金髪金眼のダンジョンの子…栗毛の
一番弱そうな奴で極東風の黒髪赤目の女…こいつが恐らくレベル9…ベル以外は全員女で容姿も良かったから判り易いだろうそれ以外にもどこかに居るのかもしれないが見かけた奴はそれくらいだったな」
「…以前までの最高位が9だったよな?連中で一番弱そうなのでそれか?」
「ああ」
「そうだな」
「よく理解ったよ。たしかにもう余計なことはしない方が良い。後は流れに任せるしかないってことがな」
───
「緊急会議って何話すんだろ?
「さあて、でも間違いなく
「アストレア様とはちょっと前からコンタクト取っていたみたいだけど…でもヤバいこと起きそうだったのにそれを止めた人達だから味方で良い人たちなのは間違い無いわね!」
「団長さんはお気楽でいいですなあ私は
ギルドの一室に招かれたアリーゼ・ローヴェルとゴジョウノ輝夜はそこで”彼女達”と再会した。
「【アストレア・ファミリア】の皆さん少しぶりですね」
「こんにちはー姉様ー」
「前にも言ったであろう!私はお前のようなデカい妹のことなぞ知らん!」
「やあ、2人ともよく来てくれたね…今回の議題はこの2人の所属する組織についてなんだけど…」
「あれっ?今日は【
「ああ、それは…」
「私が指名したからですよアリーゼさん、あんな頭も口も悪い空気悪くするだけの奴なんて省いた方がいいでしょう。オッタルのことを一緒に『脳筋』とか罵っている割に
自分の方も
ヘディンは彼女達のことを知らないが、ある程度こちらのことを知っている素振りを見せていることを不審に思いつつも「もっと言ってやれ」とも思った。彼らが同じファミリアという事実は甚だ不思議なものである。
「…アレンを攻撃した理由は?」
直接目撃していたオッタルから質問が飛ぶ。
「私と【あの方】の話し合いに奴の存在は余計だったからです。あんなの攻撃ですらない唯の挨拶だったんですけどね、現に同じ威力だったのに【あの方】だけは立っていたでしょう」
「お前はザルドやアルフィアとどういう関係だ?」
「大切な家族です」
「つまりお前もまた【ゼウス・ヘラ】の関係者ということか」
「お好きなような解釈どうぞ」
一方彼女の力の一端を目の当たりにした者達は気が気でなかった。どう考えても自分達では「戦い」すら成立しない次元にいたからだ。オッタルもかなり緊張していた。あのザルドをあっさり捻り潰していたのだ。
その気になればこの場の者達を一瞬で皆殺しに出来る実力もあるだろう。
「あの
「ああ、【
「アレが…あんなモノが魔法だというのかっ!?」
「『冒険者なら未知を既知に変えろ』でしたっけ…リヴェリアさん…アレは『そういうモノ』として受け入れてください」
本来行われるはずだった神々の【連続送還】も彼女の魔法行使により序盤の内に強引に止められた。
【魔導】アビリティが評価規格外に達したことにより
そこから領域を広げてドーム状の結界を張り魔法を越えた【奇跡】を行使したのだ。
都市中の敵側だけを的確に射殺す光の雨…こんな
元となったのはレフィーヤの【アルクス・レイ】なのだが…別物過ぎてレフィーヤの精神も死にかけた。
結界内は彼女だけの絶対領域、詠唱すらなしで強大な魔法を即座に行使出来るようになる。
このスキルに目覚めた頃から彼女には「神」の字が含まれた二つ名が送られるようになった。
明らかに子の規格を逸脱した超越者、自分達より格下とは思えない存在、【
「ヴァレッタだけわざわざ捕らえて僕の眼の前で殺した理由は?」
「あなた方の因縁を考えると、きちんと殺す現場と死体を見せなきゃ安心出来ないと思ったからです」
「ハハ…確かにそうだ、ぐうの音も出ないよ…それで結論から言うと
唯一の例外の2人がいるけど…」
「【あのお2人】に、というか『私の身内』にちょっかいをかける輩は【ロキ】だろうが【フレイヤ】だろうが容赦なく手を下すのでお忘れなく。」
殺気を出したわけでもなく、抑えきっていた気配を一瞬晒しただけでその場の冒険者達は一瞬死を強く幻視した。
その後はザルドとアルフィアの被害者達も被害そのものが無くなったようなものなので、強引に恩赦が認められ、差し出されたエレボスは結局アストレアの手によって送還された。
そうして結局その【
ベル君のアルフィアの呼び方
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おばさん
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お義母さん