フレイヤの
「ただ、どうしようもないほど───運がなかった」
「ええ、そちらがですね、アルフリッグ様?」
「は?」
気が付くとアルフリッグの身体に
「げはっ!?」
アルフリッグが気絶しながらふっ飛ばされる。
「この時間軸は初めてでしたが…マリー様の居ない世界線はこうなるんですね」
この世界線のベルは未だレベル4だ。以前に飛んだ世界で聞いた話だとこの後もギリギリ乗り切れるらしいが、それはそれとして
マリーもアルフィアも4人のエルフ達も居ない彼らには荷が重いだろう。いやリューは居るが未だ4レベルだし更新しても5レベルだろう。戦力には数えられるが、ひっくり返せるほどではない。
なら本来居ないはずの自分達が少しくらい肩入れしてもいいはずだ。そう判断したからこそマリーの指示でこの時代の
残りの兄弟達も、【
自分達の時代では考えられないことだ。「【ヘスティア・ファミリア】の一番槍」と呼ばれレベル11まで至り最強の
そのままアルフリッグから奪った槍を振るい瞬く間に叩きのめす。共に居たヴェルフと春姫も呆然としている。
「ガッ…」「ごぁっ…」「げぅっ…」
「誰だテメェッ…グガッ…」
「リリスケ!?これはどういうことだ!?」
「見ての通りですよ、神フレイヤがしびれを切らして貴方達を潰そうとしてきたのでしょう。狙いは貴方達の団長のベル、そのあたりは後で話します」
「いや、話には聞いていたけど本当にメチャクチャつええんだな、こっちのリリスケもお前みたいになるのか?」
「マリー様が手を貸せば多分…それと私の名前は『リリカ・アーデ』で基本通しているので『リリカ』とお呼びください。【ヘルメス・ファミリア】が視ているのでこいつらの武器だけ回収して速やかにホームに帰還しましょう。」
フレイヤの
「何故だっ…!?」
「つくづく度し難いな…あの女神は…我らの愛し子に手を出そうとは…」
「クハハハッ7年ぶりといったところか猪小僧…」
「何故貴様ら死人がここにいるっ!?【暴喰】のザルドと…【静寂】のアルフィアッ!」
「さあな。お前らの起こす馬鹿騒ぎが煩くて墓から起こされたのかもしれんぞ?」
「後は剣で語れ。しかし未だレベル7程度とは…これ以上失望させるなよ?」
(本物のはずがないっ魔道具か魔法による変身か…だが気のせいじゃなきゃこいつら
ベルは怒涛の展開に呆然としていた。数日前に会ったばかりの並行世界の未来からの来訪者、この世界では既に故人、もしくは存在していないという者達。
「ザルド」と呼ばれた方の巨漢の正体は”彼女”だろう。自分の姉であり、あらゆる魔法を使いこなせるという彼らの世界での最強の存在。
「ザルド」がベルの方をチラ見したかと思うと人差し指を立てて口元に寄せていた。余計なことは言うなということだろう。
自分では理解できない次元の者達だが「ザルド」がオッタルの剣を自身の剣で叩き折ると、そのまま剣の腹で殴り飛ばして瞬く間に制圧してしまった。
「マリー…”その姿”は止めろと言ったはずだ」
「ぶーぶー少しくらい良いじゃないですか、この時代の人間相手だと反応が面白いんですよ、おじさまの姿」
そう言いながらあっさり姿を戻す。やはり姉だったようだ。
「おばさまも散々暴れたらしいから2人なら『絶対悪()ごっこ』出来ますねっ」
「他の私の話をするな」
「お疲れ様です、圧倒的でしたね、あの【
「私らのとこのリューさんもレベル11ですよ」
物陰に潜んでいたこの時代のリューが話しかけてくる。
「はい、それは思い知らされました…」
リュー同士の相性は良くなく衝突し当然のように未来のリューが勝った。更新すればすぐに6になれるが今の彼女はレベル4だ。【静寂】には複雑な想いはあるが「よく似た別人」ということで納得させられた。というより「ベルの叔母」という事実に仰天した。
──────
ヘスティアは突然現れたフレイヤに困惑しつつも受け入れていた、”彼女”から忠告されていたからだ。
「私の
「はあ…”彼女”の言う通りになったか…フレイヤ、君もつくづく運がない」
「仕方ありませんよヘスティア様、彼女はそういう星の下に生きているのでしょう」
丁度追いついてきたマリーが繋ぐ。
「だれ?あなた…」
「貴女の自慢の眷属たちは私の仲間達が全部返り討ちにしましたよ、私達も紛れもないヘスティア眷属ですからね。オッタルの方も私が、ほらこれ」
折られたオッタルの大剣を無造作にマリーが投げ捨てる。リリとヴェルフに回収させた残りの連中の武器も仲間達が投げ捨てる。
──────
「さて、ベルとリューさんがフレイヤと何やら話した結果、
魅了対策は徹底しているので【ヘスティア・ファミリア】には効かない。
「ぶっちゃけ”それ”に無理に付き合う必要もありません。私達が介入すればどうにでもなります。一番簡単な手段として、私が【フレイヤ】の団員に変身して【ロキ】を襲撃します。それで抗争状態に陥れば多大な損害を与えられるでしょう」
みんな「うわぁ」という顔をしている。勿論本気で実行するつもりはないが、それはそれとして面白そうだから、取り敢えず言ってみただけである。
「私と
使い手がリヴェリアさんとレフィーヤだけだからやはり【ロキ】と潰し合えさせられますね」
エルフ達の眼が険しくなる。ちょっとしたジョークだっていうのに。
「あれ、そういえばフィルヴィスさん居ないけどどうしました?」
「『こっちのレフィーヤに見つかって泣きつかれて今日は帰れない』だそうです」
「そうでしたか───」
皆の顔が曇る。こちらのフィルヴィスは死んでしまったのだろう。自分で言うのも何だが、私が居なければ彼女は詰んでいただろうから…
「まあ一連の私の発言はジョークなんで気にせず、但し本番は念の為、私達の中から何人か保険として送り込みます。くれぐれも私達の手を煩わせないように頑張ってください」
「最初から参戦してくれないのかいっ!?」
「ヘスティア様、私達は大半がレベル10越えのこの時代には過剰過ぎる特級冒険者達なんですよ?大人が子供の喧嘩に参戦するようなものです。そんな盤外からの反則技にやられてはフレイヤも納得しないでしょう」
「特級冒険者」…マリーが最初にレベル10になったのを皮切りに続々と【ヘスティア・ファミリア】から輩出され、流石にレベル5の第一級と同じ扱いには出来ないだろうと新たに設けられた位階である。
「2ヶ月あればベルをレベル6まで持っていけます。リューさんはアストレア様に更新と出来たら
その後はなんとかレベル6を3人揃えてヘディンの裏切りもあり辛勝することが出来てフレイヤとの問題も解決しましたとさ。
奪った武器はアルフリッグの槍だけこちらのリリルカの武器にして残りは売り払いました。墓から云々はアルフィアの発言なので実は結構ノリノリ。
ベルの第三魔法
絶望の中で希望を求める者の
ベルが使うと
研究して法則を掴み、望む世界に飛べるようになった。当初はマリーでも
ベル君のアルフィアの呼び方
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おばさん
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お義母さん