おっちゃんと一緒   作:んごのすけ

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第4話

夜の里を歩く男の姿が一人。

任務を終え帰宅しているマダラだ。

夜はかなり更けており、どこも人通りはなかった。

 

下忍となり一から忍の実績を積み上げていくことになったマダラだが、嫌々ながらもDランク任務をこなし、今では里の中に知り合いも増えてきていた。

腰を痛めた団子屋の店主の依頼で買い出しや売子やらを任された日には、いつもは通り過ぎていただけだった店の団子をまかないで馳走になりあまりの旨さにハマり、時々ナルトへの土産に買って帰るようになったくらいには里の生活を楽しんでいる。

ちなみにヒルゼンから貰った額当てだが、きちんとつける時もあれば腕に適当に巻いている時もありまばらだ。

任務が終わればすぐに外してしまうことが多い。

 

普段なら日暮れまでには任務を終え帰宅しているが、今日は少しばかり込み入った事情があり帰りが遅くなっていた。

今日の依頼は火影からであった。

依頼というより、呼び出されたが正しいか。

理由は一つ、ナルトがマダラのことを知りたがり始めたからだ。

教本にマダラの名前が載っていたことにやっと気付いたナルトは、マダラに色々と昔の話を聞きたがった。

初めは適当に話を逸らすなりしていたのだが、何日も聞かれ続ければ流石にマダラも頭痛がし、話すことにした。

なんでおっちゃん達喧嘩しちまったんだってばよと聞かれても、知らんとマダラはため息をついて答えに悩んだものだ。

今のマダラにとっては里抜けも里への襲撃もやっていないことであり、全くその考えがないかと聞かれると否定もできない辺り自分でも信用がないのだが、生憎現時点でナルトにあげられる答えというものを持ち合わせていなかった。

だから当たり障りのない程度に、自身の身の上話をした。

ついでに柱間の話もした。

名乗っているタジマの名は父親の名前であること、昔は兄弟もいて弟から大事なものを預かっていること、柱間の昔の髪型が短いおかっぱヘアだったことを話した。

弟が二代目火影になった千手扉間に負わされた怪我が原因で死んでいることは、黙っておいた。

ナルトは真剣にマダラの話を聞いていた。

柱間に似てると言ったら、ナルトは俺おかっぱじゃないってばよ!と否定した。おかっぱは嫌らしい。かなりの嫌がり様だった。

二年も共に暮らしていれば、もう他人ではない。

ナルトにとってのマダラは家族も同然だった。

だからだろう、ナルトは話を聞いた次の日の朝、アカデミーではなくヒルゼンの元に走って行ったのだ。

ヒルゼンを見つけるなりナルトは「じいちゃん! おっちゃんほんとは平和を願ってて!おっちゃんは!」と大声でいい、おっちゃんというワードにハッとしたヒルゼンが慌ててナルトの口を押さえ、急いで人払いを済ませると詳しく話を聞いたのだった。

直接本人からも聞きたいと思い、ナルトに話したことを共有してもらおうと、急遽マダラを呼びつけたのだった。

マダラとて、ヒルゼンに完全に心を開いている状態ではない。

軽口は叩くが、常にどこか一線は引いている。

どうしてもあの扉間の弟子であるというのがチラついてしまっていた。

 

長話に疲れたマダラは軽く伸びをしながら、道の角を曲がった。

もう少しでナルトのいる家に着く。

見慣れたアパートの前まで辿り着くと、ゆっくりと階段を上がり、部屋を目指す。

玄関の扉を開けると、足元に金色の塊が見えた。

ナルトが壁にもたれながら床で寝ている。

一度は布団に入ったのだろうか、寝巻き姿だ。

マダラはナルトを見下ろして言った。

 

「なんでこんなとこで寝てんだ」

「……んん、おっちゃん?」

「ベッドで寝ろ、風邪ひくぞ」

「……おっちゃん、帰ってこないかと思った」

「悪いな、火影との話が長引いちまった」

 

珍しくナルトの様子が静かである。

マダラは眠たげなナルトを抱えると、布団の捲れたベッドの上に優しく降ろした。

ナルトは布団を少し深めに被ると、ボソリと言葉をこぼす。

 

「俺がじいちゃんに言ったから、おっちゃん、もう一緒にいられないかと思った。おっちゃんと初めて会った時から、名前、聞いてたのに」

「いずれは話さなきゃなんねぇことだ。それよりも卒業試験のことを考えてろ。今度こそ合格するんだろうが」

「うん。絶対合格する」

「じゃあ、寝ろ」

「……うん」

 

ナルトが目を閉じたのを確認すると、マダラはそっと離れた。

マダラはぼんやりと見える壁にかけられたカレンダーに目をやると、テーブルの上に放置されていたペンを取り日付の箇所の一つにバツ印をつけた。

いつもはナルトが起きて早々その日の日付に印を付けていたが、今回は忘れていたらしい。

今付けたバツ印から、赤丸が付けられた日まで空欄はそう残っていない。

卒業試験の日は着々と近づいていた。

 

 




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