後悔はしていません。
私は、とある娘と会う為に生まれてきたんです。
両親からは可愛がられ、愛情たっぷりに育てられたのはとても嬉しかったです!
その時は、両親から引越しをすると告げられていて…
家財道具が運び出され、たった数年という歳月であれど、少し寂しさを感じながら、空っぽになった、お世話になった家から出ていき…新天地へ向かいました。
「おかーさん!おともだちできるかなっ!」
「できるわよ!かわいいかわいいクラだもの!」
そんな他愛もない会話をしながら、少しの不安を消し飛ばして、新しい家へワクワクが止まらなかったです。
まだまだ子供の私は何も手伝うことなく、せっせと運ばれていく家財道具を見つめて…
それが終わる頃には日が真っ直ぐに、そろそろ昼間と言えるような時間になった時です。
隣の人へ、少しうるさかったことの謝罪と…挨拶をしに行ったときです。
その時にこちらを覗いていた、ピンク髪のウマ娘ちゃん。
私はビビっと、その娘を見た瞬間に、ものすごく…なんというのでしょうか、運命というのを感じたんです。
まだ名前も知らなかったのに、お母さんの傍から離れて、その娘の所まで行きました。
その娘は、少しおどおどしていましたが、嫌がる素振りもなく、私が近づいてくるのを見てくれていました。
その時、その娘のお母さんから声をかけられました。
「お友達になりたいのかな?」
「うん!」
「じゃあ、ご挨拶しようか、デジちゃん、できる?」
「ぁ、ぇ…と……ぁ、あぐねす…でじたる…です」
「クラーラヒメル!クラって呼んで?」
「は、はいっ…く、くら…ちゃん」
「ありがとう!デジちゃん!」
なんというか、私が押し切ったような感じですね。
えへへ…でも、後悔はしてないです。
それが私と、デジちゃんの出会いですからねっ!
幼少期のお話…ですか?
うーん……それは、私たちを知ってから、です!
───
今日はトレセン学園に入学する日です!
昨日は、色んな思い出に浸って…寝るのが遅くなっちゃいましたけど、しっかりと起きれたので、大丈夫ですっ!
今日はデジちゃんと一緒に行くから…もっと楽しみです!
そうして、私は家族に一時の別れの言葉を告げて、デジちゃんの家に向かいました!
お母さんとお父さんが、すっごく悲しんでたり、心配してたけど…大丈夫っ、と言ってきたので、大丈夫ですっ。
私にはデジちゃんが居るんですもん!
ここも暫く見れないと思うと、自然と身が引き締まり、しっかりと景色を目に焼き付けながら…三桁じゃあ足りないくらい、遊びに来た家の前に立ちます。
扉の向こうから、わたわたとした声が聞こえてきました、そろそろです。
扉が開き、そこには…私の大好きな、デジちゃんが出てきました!
飛びつきたい気持ちを抑えて、一緒に出てきたデジちゃんの両親さんに、デジちゃんと一緒に一時の別れの挨拶をして…駅まで歩き始めました。
「クラちゃん、楽しみだですねぇ…」
「だよね!デジちゃん!」
「あ、あそこにウマ娘ちゃん発見です!私達と同じ…トレセン学園に向かうのでしょうか…!!制服を身に纏うウマ娘ちゃん達が毎日見れるとは…眼福です〜!!」
「あ、ほんとだ!確かに、私たちは可愛いウマ娘ちゃん達を見れるんだよね…三女神さまに感謝…!!」
私達と同じ電車に乗る、綺麗な制服を身に纏うウマ娘ちゃん達を、デジちゃんと一緒に興奮しながら見てます!
あ、でもすぐに電車が来てしまいました…でも!学園に行けばもっとすごいウマ娘ちゃん達が…!!
と、デジちゃんが尊死しかけたのを、何とか抑えつつ…私達は目的の駅に着きました!
すぐに降りて、遅刻ではないのですが…ダッシュで!トレセン学園に向かいます!
早く色んなウマ娘ちゃんを見たいですからね!
あっという間にトレセン学園の玄関に着いて、しっかりと門から中に入り、一度教室へ向かいます!
校舎玄関の前に貼ってあった割り当てを見つめて、私とデジちゃんが同じ教室であることを一緒に喜びました!
そこからはあんまり記憶が無いですが…何せ、キラキラしてるウマ娘ちゃんをデジちゃんとアイコンタクトで語っていましたし…何より、入学式で生徒会組の人達が劇をしてくれて…そこでのハプニングが起きた時、座って気絶しちゃいましたから…
でも、バレることはありませんでした!
「クラちゃんも、気絶しちゃったんですねぇ…」
「あはは〜…でも、副会長さんが会長さんに受け止められた時の顔、尊みヤバかったよね…!」
「えぇ!エアグルーヴさんが足を滑らせ、転びそうになっていたところをシンボリルドルフさんがサッと手を取り、怪我はないかと問いかけていたシーンなんかは血涙流して見ていましたし…!!」
「うんうん!…と、私達の部屋はここかな?」
他愛もない雑談を広げながら、寮でも相部屋の私達は一緒に部屋に行くことにしたんです!
扉を開けると、プライベートな空間はあんまりありませんけど、しっかり二人分の色々なものが用意されているのには二人揃って感嘆の声を上げちゃいました!
すぐに荷物を置いて、ある程度の片付けが終わった時、私は
「…デジちゃん、そろそろ…大丈夫?」
「勿論っ、何時でも準備はできてます!」
「じゃあ…失礼します!」
と、言って、私はデジちゃんを抱きしめる。
昔昔、すっごく怖い悪夢を見てから…一日一回、こうしないとダメな体になっちゃいまして…
「ん〜…今日も抱き心地は変わらない…と」
「このデジたん、しっかりと体重管理は完璧なのです!」
「ふふ〜、いつだったかな…私が手作りの料理を出した時、際限なく食べてぷにった娘は…」
「な、にゃにをう……」
「可愛い〜」
「か、からかわないでください!」
「ふふーん、私相手に敵うと思うんじゃないよ〜」
「ふぐぐ…全く…クラちゃんじゃなければ怒ってますよ」
「えへへ〜…あ、そういえば…っと」
「?…なんです?」
デジちゃんの存在を、しっかり確かめながら…スカートのポケットを漁って、あるものを取り出して。
「んしょ、と…ほら、約束してたもの」
「……?…あ、あー!アレですか!」
「そうそう、と…ほら、右手出して?」
「はいっ!」
差し出された、とても綺麗な右手を優しく握って、銀色の指輪を薬指に嵌めます。
決して安い指輪じゃなかったですが、まぁ…大丈夫ですっ!
「おー……綺麗…」
キラキラと輝く指輪を眺めるデジちゃんは、とても美しくて。
「えへへ…頑張ったよ…!」
自分にも、同じ指輪を嵌めげ、同じように眺めて。
「…クラ、ちゃん……その、本当にあたしなんかで…?」
「勿論!約束したでしょ?あの時、だから…これは、確実なものに変えるためのもの!」
「…はいっ!大切にします!」
「そういって貰えてとっても嬉しい…!」
デジちゃんへの愛おしさが限界突破した私は、我慢することができずにデジちゃんにキスをしちゃいました
何度も何度も重ねたって、柔らかさも、あたたかさも変わらないし、重ねる度にもっと長く重ねたくなる。
「…も、もーっ!クラちゃん!…そ、そういうのは言ってください…!」
「えへへ…ごめんね、デジちゃん」
満更でもなさそうにニヤけた顔に、耳としっぽが振れていることには触れずに置いてあげましょう!
なんか下手くそになってる気もしますが気のせいです気の所為