菜花黄名子を曇らせたい!   作:わらしべいべー

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死の淵から生還したので初投稿です。


【前回までのあらすじ!】
・マスドラ「くっコロ!」
・情報求ム!探してます!お名前『マント・ルーン』。この顔にピンときたらお電話を!
・ジェノサイダーニケちゃん






せいせん

 

 

 

 

 

「時空嵐を利用しての因果律の操作。それがSARUたちの目的よ」

 

 明日に迫ったフェーダとの決戦。それに向けての作戦会議の早々に話されたニケの言葉に全員が唖然とした。

 意味をよく理解していない者、理解して愕然としている者、あまり興味のない者。反応は各々だが全員がそれを不味いことだと何となく認識していた。

 天馬がおずおずとニケに話しかける。

 

「えっ…と、つまり、どういうこと?」

 

「…奴らは世界の法則を変えようとしているのだ」

 

 その疑問に答えたのはトウドウだった。表情は非常に険しく、切羽詰まった様子だ。

 

「時空嵐は元々様々な時空の齟齬によって生み出される時空破壊現象。即ち、時空に干渉できる力を持っている」

 

「ま、待って!そもそも時空嵐はどこから出てきたの!?それにそんなのどこに…」

 

「……USAGIの作ったパラレルワールド」

 

「えっ」

 

「その通りだベータよ。奴はただ戦う舞台のためだけにあの不安定なパラレルワールドを作った訳ではない。最初からそれを土台として時空嵐を起こすために作っていたのだ」

 

「…そしてその時空嵐は今この真上にあるってことですか。最悪ですね」

 

「え、ええっ!?」

 

 数人が窓から外の景色を見る。うっすらと極彩色に入り取られた雲が見える。

 てっきりこの未来独特のものだと思っていた空は、なんと今まで話にあがっていた時空嵐そのものだったのだ。そしてそれは空のはるか向こうまで続いている。果てしない規模だ。

 

「…だがこの時空嵐をどうするつもりだ?前に話を聞いた限りではただ破壊を振り撒く代物に過ぎないようだが」

 

「無論それ単体では時空が破損する結果になるだけだ。しかしあれが真に効力を発揮するのが…」

 

「USAGIの力という訳じゃな」

 

 そう言葉を挟んできたのはアルノ博士だ。彼はどうやら大方の話を把握したのか、目元に皺を寄せながら冷や汗を流している。

 

「USAGI…?」

 

「お主らも知っておると思うが、USAGIには時空に干渉できる能力がある。それを使って時空嵐から時空の因果律に干渉して世界のルールを変えようとしておるのじゃ」

 

「……ルールってのは、一体何を」

 

「無論、寿命じゃろう。セカンドステージ・チルドレンは短命じゃ。どう延命したとて20歳までには細胞の機能が停止してしまう。その結末を覆すために時空嵐を利用しようとしておるのじゃろう」

 

「……」

 

 全員が絶句する。敵は自分たちの想像を絶するほどに規模の大きなことをしようと企んでいた。

 手に追えない。そんな卑屈な考えが数人の頭に過ぎる。

 

「…それって、もしかしなくても危ないんじゃ」

 

「その通りだ。USAGIの不手際による暴発、因果律を操作する際に起こる余波…、考えられる可能性は幾多もあるが、いずれにせよあまりに危険な試みだ」

 

「じゃ、じゃあなんで僕たちは無事なの?その話だと存在するだけで不味いって話みたいだけど…」

 

「恐らくUSAGIが隔絶した空間に時空嵐を飛ばしているから影響が出てないだけじゃろう。因果を弄るまではあっても邪魔なだけじゃからのう」

 

「…その因果律ってのを改変した後も時空嵐は残るんだろ?それはどうするんだよ」

 

「…そこまでは聞いてないわ。因果律を操作して打ち消せるのか、この時代ごと消し去って新たな時代に飛んでいくのか…、まぁ、いずれにせよこの時代はタダじゃ済まないわね」

 

「………」

 

 ニケの言葉に全員が黙る。

 一歩間違えれば全ての時空が崩壊するレベルの危険な代物。それを扱ってまで彼らは長寿を目指そうとしている。恐ろしいと感じると同時に彼らの並々ならぬ覚悟を感じ取れる。

 

「…止めなきゃ」

 

 しかしそれでも天馬たちは止まれない。いやこうして知ったからこそ止めなければならない。天馬たちはトウドウを見る。

 

「教えてください。どうしたらあの時空嵐を止められるんですか」

 

「……正直に言うと私も確信ある方法を見出せては無い。時空嵐が発生したケースは今回が初めてだからだからな。しかし可能性のある手段ならばある」

 

「…USAGIを倒すこと」

 

 黄名子がそう言葉をこぼす。それに答えたのはアルノ博士だった。

 

「その通りじゃよ。実はの、さっきはああ言ったが、まだ時空嵐自体は完成しておらん。言うならば素材の状態で放置されておる」

 

「素材…?」

 

「うむ、時空嵐は現時点で測れる数値を見てもあまりに強大。その作戦を実行に移すまでUSAGIが制御して放置しとるんじゃろう。仮に完成しておったらワシらはとっくに時空のチリじゃよ」

 

「ひえぇ…」

 

「じゃ、じゃあつまりUSAGIを倒せば…!」

 

「ウム、そのまま素材となるエネルギーは霧散し、時空嵐は完成しない!…とまぁ、飽くまで憶測じゃが、今はこれに賭けるしか無い」

 

 つまりSARUとの試合に勝利しつつ、時空嵐完成前にUSAGIを倒す。それがこの時代を救う唯一の道筋ということだ。字に書いてもあまりに難題だ。しかしやるしか無い。

 自分たちは時空の命運を握った時空最強イレブンなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

 

 

 

「その程度かい、君たちの力は」

 

「グッ…!」

 

 試合が始まって間もない頃、天馬たちは苦戦を強いられていた。

 相手はフェーダ最強のチームだ。一筋縄で行かないことは理解していたが、実際に試合をして理解できる。その恐ろしいまでの差を。

 必殺技、化身、ミキシマックス。どれを使い倒してもまるで通用しない。特にキャプテンであるSARUはただでさえ強いザ・ラグーンの面々の軽く倍は強い。すでに一点を取られているこの状況。非常にまずいと言えた。

 

「どうだい?これが本当の新人類の力さ。今まで君たちが戦ってきたメンバーは尖兵でしか無いんだよ」

 

 まぁUSAGIは例外だけど。と付け足して、真正面から向かってくる天馬をSARUは迎え撃つ。

 

「風穴ドライブ!!」

 

「無駄さ!」

 

「ッ!?うあぁッ!!」

 

 その脚の一薙で暴風の渦は霧散し、天馬は空高くに吹き飛ばされる。そのままの勢いでSARUはぐんぐんと敵陣前に上がっていく。DFも悉く抜かれ、一瞬でゴール前に辿り着かれてしまう。

 宙に軽くあげたボール。それを司るように六角形型のエネルギープレートが現れる。まるで砲台の如くセットされたそれはSARUのシュートと共にエネルギーを充填、複数の砲台から同時に発射される。

 

「シェルビット・バースト」

 

 放たれた七つの弾丸は信助の大国謳歌を打ち破り、ゴールにその威光を示した。ザ・ラグーンはあっという間に2点目を獲得する。

 派手に吹き飛ばされた信助を心配して霧野が駆け寄ってくる。

 

「大丈夫か信助!」

 

「ッ、ごめん、ゴール守れなかった…」

 

「いい。きっと天馬たちが取り返してくれる。次を考えよう」

 

「…うん、ありがとう。それにしても凄いシュートだった。あれがSARU…」

 

 信助の手には未だあのシュートを受け止めた感覚が残っている。今まで受けてきたどんなシュートよりも強烈だった。まるでビルのような巨大な建造物がぶつかってきたかのような凄まじい重量感。あんなものを人間が止められるのかと疑ってしまうほどだ。実際それは霧野も感じていた。完全に自分たちとは隔絶した生物。その親玉と言える存在に畏怖の感情を持つことは仕方ないと言えた。

 

「2人とも!」

 

「天馬…」

 

「大丈夫だよ!俺たちはこの時空の旅でそんなことは何回もあった!無理だって思ったこともたくさんあった!でも乗り越えてきた!なら、今回もきっとなんとかなるさ!」

 

 なんとかなるさ。

 天馬が口癖のように語るそれは、ただ適当に馬の流れに任せ乗じるものでは断じてない。今できる精一杯をしてなるとかなることを掴み取る。そんな強い意志が現れた言葉。

 その言葉と共に幾多もの困難を乗り越えてきた雷門。天馬に発破をかけられた2人は勝負をする者の顔つきに戻る。まだまだ勝負はこれからだ。

 

「弱者の傷の舐め合い…とは違うんだろうね」

 

「SARU…!」

 

「君たちはそうやって何度も危機を乗り越えてきた。まぁ僕には正直さっぱりだけどそれが君たちの原動力となることには違いない。USAGIにもうるさいくらい言われてたからね」

 

「USAGIに…?」

 

「彼どうやら君たちのファンみたいでね。何かと君たちのことを気にかけてたんだぜ?今日の試合も楽しみにしてたみたいだし」

 

「……」

 

「まぁ今なら彼の気持ちも少しはわかる。実際あのデュプリたちとの決戦は見事だったよ。地力では明らかにデュプリたちの方が優っていたというのに、君たちはそれを覆して勝利を手にしてみせた。うん、見事という他ない」

 

 舐めプしたらマジで負けるぽよ〜。などと口酸っぱく言っていたUSAGIの姿が頭によぎる。

 

「だから、ここからは遠慮も油断もなく行くよ。これは遊びじゃあない、聖戦だ。君たち旧人類と僕ら新人類。どちらが未来を掴み取るかのね」

 

 そう言ってSARUたちは懐からアンプルのようなものを取り出す。そうしてそれをベルトの中心部分に挿入。するとどうしたことが、全員がそのオーラの出力を上げた。

 先程の比にならないそれに天馬たちは圧倒される。まだ、彼らは強くなるのかと。

 

「さて。何が変わったか、分かるよね」

 

 冷たく天馬たちを貫くその視線にはすでに嘲りの感情は無かった。

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 で、出たー!!ラスボス特有の謎ドーピングぅ!!

 本当いつからついたんだろうねこの悪しき文化!いや別にサリューたちが使ってるのはアンプル型のオーラだから超ギリギリルールには抵触しないんだけどさ、それでもドーピングはどうなのよ!

 でもこれがないと正直ラスボス感薄れるっていうか、こういう狡い手を使ってこそラスボスなところもあるから、うーん、悩ましい…。

 

 え、お前頭撃ち抜かれて死んだんじゃないかって?

 アホ抜かすなや、儂が頭の爆発如きで死ぬと思っているのか?そもそもニケちゃんたちが超能力を阻害する電波を使ってくることくらい想定内だし、っていうかワタクシが作ったやつだし。対策ぐらい当然ナノーネ。

 

「グッ…、何だこれは…!」

 

「動けねぇ…」

 

「体が重いぃ…」

 

 そんな訳で現在雷門の皆さんには超重力ダンジョンの刑に処しております。シクシク、ごめんね。できればサッカーで相手したかったんだけど今デュプリの皆んな出払っちゃってるし、1人サッカーとかやるだけ虚しいだけだから可哀想な目に遭ってもらってるよ。じゃけん浮遊の超覚醒獲得して出直してきてくださいねー。

 

「はあぁぁッ!!」

 

 はいくるりんぱ。

 

「ぐあッ!?」

 

 あ、親方!こんなところにいい感じの椅子が!おお、腰が痛かったんじゃよ、有難いわい。という訳で着席!

 

「うぐっ!?」

 

 はーい、フェーダのヒーローの椅子になった気分はどうですかニケちゃん!

 

「ぐぅっ…、クソッ…!」

 

 女の子がクソとか使っちゃいけませんよっ!めっ!(重力攻撃)

 

「あがッ…!?」

 

 ほら大人しくして一緒に試合見ようぜー。電撃対猿!これは見ものな対決ですよ!

 

「ハァッ、ハァッ…!USAGI…、ころす、殺す…!殺す!!」

 

 ヒェッ、ニケちゃん怖杉。もう顔芸がデフォルトになりつつあるよ。一発芸としては受けそう。新年会でやってみたら?

 ま、復讐できなくてごめんね!別に死んであげてもいいんだけど今はダメ。散り様は最推しの前と決めてるからね!真のラスボスは死に場所を選べるのだよ。

 

 っていうか、そんなにフェイくんを取り戻したいの?ぶっちゃけフェイくんの1人や2人いなかったところでこの先の世界的に何にも変わんないでしょー?

 

「…貴方には理解できないでしょうね。私がどれだけフェイを想っているのか!」

 

 知らないし知りたくないかな。

 

「フェイは私の全てだった…!私の世界だった…!他のメンバーには無口でも私にだけは笑顔で語りかけてくれた…!!」

 

 単純にサリュー以外のメンバーと仲悪すぎたので知り合いだったフェーダのメンバーとパイプ繋ぎたかっただけです。

 

「心から信頼できる相手だった!未来だって誓い合った!!新しくできる新人類の世界で一緒に暮らすって!!」

 

 えぇ…、何それ知らん。怖…。

 

「そんなフェイをお前は奪った…。それもあんな、あんな無惨な殺し方で…!!許さない許さない!!」

 

 でもそのおかげで黄名子ちゃんは芸術になったでしょ?ニケちゃんもなんかそれっぽいことになってるけど、まぁどうでもいいかな。

 

「お前を殺せばフェイが死んだインタラプトは消滅する。だから何が何でもお前を殺す!!」

 

 デデンッ

 いやー怖い。完全にジェノサイドルート入ってますねこれ。正直相手したくねー。

 ぶっちゃけ我の作戦のノイズでしかないんだけど、原作キャラな以上無碍にも扱えない。仕方ない、多少彼女を尊重して少しお話ししよう。

 

 

 

 

 ー

 

 

 

 

「──正直言うとね、僕様今回の作戦のことは割とどうでもいいと思ってるんだよね」

 

「…?」

 

「永遠の命とか、恒久的な繁栄とか、お猿さんキングダムとかさ、ぶっちゃけどうでもいいワケ」

 

 突然の告白にニケは目を丸くするが、別に驚愕するべき事実という訳でもない。そもそも今まで嫌というほど雷門に入れ込んでいた彼がこの一世一代の勝負を放棄してまで、このフェーダの作戦に大人しく従っていること自体に違和感を感じていた。誰よりも自由人な彼がどうしてこんな窮屈な策を取ったのかと。

 

「そも、君が殺そうとしなくても俺様は死ぬよ」

 

「…なんですって?」

 

「ほら、わっち他の人たちより強いじゃん。スーパーパワー的なの持ってるじゃん。そのせいか知らないけど、他のセカンドステージ・チルドレンと比べても吾輩はさらに寿命が短い。正直何もしなくてもあと数日で死ぬ」

 

「…………」

 

 そんな状態で時空嵐という膨大すぎるエネルギーを操作などすればあっという間に命の残り香は消え去ってしまうだろう。それこそが、この作戦におけるUSAGIの犠牲の真実だった。

 

「……ハッ、ザマァないわね。それで?最後はフェーダの為にその命を散らして名誉勲章でもいただく気?」

 

「プッw ニケちゃん話聞いてたぁ?頭弱弱♡もう少し未来と可能性を見据えて考えなきゃ」

 

「……ふん、どの道この勝負で全てが決まるわ。雷門が勝てばそのくだらない野望も終わる」

 

 ニケは目の前に映る雷門たちの姿を見る。SARUたちはオーラアンプルを使い更に雷門たちに追い込みをかけている。たった今3点目を奪われた。正直苦しい勝負と言わざるを得ないが、それでも彼らの目は諦めていなかった。

 

「へぇ!雷門応援してるんだ!奇遇だね俺ちゃんもだよ!雷門の皆んなは壁が高ければ高いほど良質な物を見せてくれるからね!」

 

 チッ、とニケは心底嫌そうに舌打ちをする。この何を考えているかわからない得体の知れない態度が本当に嫌いなのだ。仮に考えが見えたとしてもコイツの頭の中を覗くなどごめんだが。

 

「それに、未来は変わらないよ。勝とうが負けようが、この先に訪れる結末は絶対に不変だ。その為の僕なんだからね。えっへん」

 

「………」

 

 無視だ。狂人の宣うことなど考えるだけ無駄なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

「はあぁっ!!」

 

「ふっ!」

 

 天馬とSARUがぶつかり合う。力は拮抗している。しかしSARUは普段通りなのに対し、天馬は化身アームドをしている。それで尚互角。

 しかしそれでもSARUにとっては驚くべき事実だったようで感嘆の声を漏らす。

 

「…驚いたよ。正直もう着いてこれないと思っていたんだけど、これも逆境から来る力ってことか。やっぱり君たちは侮れないなぁ」

 

「…ッ、うわっ!?」

 

「ならこちらはそれ以上の力で追い越すだけだよ」

 

 一瞬の隙を突いて天馬を突破し、再び敵陣へと上がるSARU。しかしそう何度も彼にシュートを許すわけにはいかない。SARUの行手を阻む為にミキシマックスをしたトーブ、神童、霧野が前に出る。

 

「ふっ」

 

「!」

 

 SARUはボールを踵で背後に蹴った。それを確保したのはメイアだ。反対側にギリスも上がってきている。

 

「しまった!」

 

 完全にSARUに意識を割かれていた3人は2人の突破を許してしまう。そうして2人は互いに息を合わせるように呼びかける。

 

「行くよメイア」

 

「ええギリス」

 

 瞬間、2人は互いを愛おしそうに手を組み体を密着させる。それと同時に背後から黒のエネルギーと共に化身が現れた。

 互いが対象的な姿を持ちながら、同じ名を持つ特殊な化身。

 

「「情熱のラヴァーズ!!」」

 

「「アームド!!」」

 

 2人の化身はその身に収まり、形と成る。そしてすかさずシュートの体勢へと入った。

 蹴り上げたボールにメイアが両の手をかざす。ボールを中心に巨大な花弁を模したエネルギーが集まり、そして散ると同時に青白いエネルギーが中心のボールに集う。それを満を持したと言わんばかりにギリスが盛大に蹴り飛ばす2人の必殺技。

 

「「デッドフューチャー!!」」

 

 彗星の如く流れ撃たれたそれはゴールへと一直線に突き進む。

 

「ヴァルキリーフラッグ!!」

「もちもち黄粉餅!!」

 

 シュートを止めんと霧野と黄名子がブロックに徹するが、健闘虚しく突破される。向かうシュートに信助はまみえる。

 

「大国謳歌 改!!」

 

 大地のエネルギーを詰め込んだ渾身の一撃がシュートを遮る。しかし、

 

「ぐ、ぐぐぐぅ…!!」

 

 ザ・ラグーンの上澄メンバーの化身アームドを纏った2人技。今にも手が破裂しそうなほどの力に襲われる。一瞬でも気を抜けばこのボールは無惨にゴールを揺らすことになるだろう。

 しかし既に3点差。ここで点を譲るわけには絶対に行かない。自分が止めることで、皆を安心させなければいけないのだから。

 

 苦痛の中で浮かんだのはフェイの顔だった。今はいないが、確かに心の中にいてくれる仲間。共にキーパーの特訓をした一幕が脳裏に浮かぶ。

 

「…ッ、うおぉ!!アームド!!」

 

 信助はシュートを止めている最中に化身アームドを実行。急激かつ爆発的に上がったパワーで見事シュートを押さえ込むことに成功した。

 

「…や、やった…!」

 

「やったよ信助!!」

 

「よくやった!!」

 

 先ほどのシュートは紛れもなくギリスとメイア、2人の最高のコンディションで放たれたシュートだった。

 それを止められた。2人にとって認め難い事実だった。

 

「有り得ない…!」

 

「私たちのシュートが…!」

 

「……」

 

 屈辱に顔を歪める2人を横目にSARUは思考に耽る。

 現在は 0-3でこちらが圧倒的に有利。しかし流れでこのまま逆転される可能性も決してゼロではない。いや、今までの流れを鑑みてもそうなる可能性の方が高いだろう。能力では圧倒的にこちらが勝っているのにだ。

 仮に自分たちが個々として最強ならば、あちらはチーム全員で最強と言ったところだ。それこそかつてフェイが言っていた通りに。このままではじわじわと追い詰められるだろう。

 

 そしてその予想は的中した。

 先程までの劣勢が嘘のようにザ・ラグーンの面々と競り合っていく雷門たち。ミキシマックスありきとは言え、オーラアンプルを接種した自分たちにここまで迫るその力。脅威そのものだ。

 

(想いと仲間の力…か。まいったな、もっとフェイの話を真面目に聞いておくんだった。真に受けるわけじゃないけど、これは馬鹿に出来ない)

 

 勢いを得て攻め上がる雷門たち。そして天馬、剣城、黄名子の3人がディフェンス陣に衝突する。

 

「行かせるかよ旧人類共が!!」

 

「いや、押し通させてもらう!」

 

 3人のバックに控えていた神童が導く神のタクトが、ボールを敵陣へと連れていく。翻弄されているディフェンス人の合間を縫うように3人は一気に前に出た。

 

「2人とも行くやんね!」

 

「「おう!!」」

 

 3人は同時に化身をアームド。そのまま空中に跳び上がり、必殺のシュートを打ち込む。

 

「「「ファイアトルネードTC!!」」」

 

 化身アームドでの合体技。逆転の目を突いた渾身の一撃だ。その信念は人工芝生を焼き払いながらゴールに一直線に伸びていく。

 

「この程度、歯牙にも掛けん…」

 

 ザ・ラグーンが誇るGK、ホス。人類の超越種としての優越感。それに内心を満たしている彼にとっては目の前のシュートなど取るに足らないもの。

 悠然とした態度を崩さず、迫り来るボールに手を翳す。

 

「リバースワールド!」

 

 瞬間、世界が反転する。

 これぞホスが誇る絶対の必殺技、リバースワールド。文字通り世界を反転させ、己が支配した世界の中確実にボールを獲得する彼自身のプライドの現れ。

 正道とは言い難い手段でこのザ・ラグーンのGKに成り上がった彼だが、この技が破られたことだけは一度たりとも無かった。

 

「…?」

 

 無かったはずだ。

 グローブ越しに感じる違和感。リバースワールドの世界では一時的に全ての動きが停止する。それはシュートも例外ではなく、そのボールに籠められた力は完全に止まったはずだ。

 しかし目の前のボールから感じるそれは明らかな熱さ。巻き戻した世界が強引に戻される。

 

「あ、熱い…!ぐぉあぁ!?」

 

 シュートはホスの支配した世界を貫き破り、一直線にゴールに突き刺さる。前半戦終了間近にして雷門はついにザ・ラグーンから一点をもぎ取ったのだ。

 

「やったやんねーっ!」

 

「…ッ!!」

 

 

 

 

 ー

 

 

 

 試合の再開と同時に前半終了のホイッスルが鳴る。

 

 旧人類相手に点を取られた。その事実はザ・ラグーンの面々に少なくない衝撃を与えていた。

 明らかに自分たちより性能の劣っている存在の牙が今にも首元に迫っている。認め難いその事実に彼らの1人は固く拳を握りしめる。そんな彼らとは対照的に雷門の面々は根性でもぎ取った一点を大いに喜んでいる。それがより一層怒りに拍車を立てる。

 

「アイツら…!たかが一点で調子に乗りやがって…!!」

 

「調子に乗れるのも今のうちよ…!」

 

(うーんダメだ。事の深刻さをまるで理解してない)

 

 支配欲に取り憑かれた彼らの視野は恐ろしく狭い。その強大な力ゆえに相手を侮り嘲る。そして足を掬われる。ある意味セカンドステージ・チルドレンの欠陥と言えるだろう。脅威を脅威として見れていない。SARUは困ったように嘆息する。

 ふと、天馬と黄名子がSARUの近くを横切る。

 

「…成る程ね。それが君たちの言う絆の力ってやつか。実際体験するとじゃあ天と地の差だ」

 

「SARU…」

 

 天馬はSARUの正面に立つ。同じ顔の持ち主はお互い静かに敵を見据える。

 

「…俺たちがここまで重ねてきたことは無駄じゃない。お前たちにとってはくだらないことでも、必ず身を結ぶ。お前たちを倒せるほどに大きく!」

 

「それだけで僕たちを倒せるのかは別問題だよ。それに僕はまだ力の本領を少しも使ってない。君たちの力は十分見せてもらった。後半戦は唯の蹂躙になるだろうね」

 

「ウチらは負けない!絶対に貴方たちに勝ってサッカーを、フェイを取り戻してみせる!」

 

「…全く、親という生き物はよくわからないね。身内こそが真の他人だと言うのに。そこまで熱を当てられる理由が理解できないよ。ましてや君は過去の存在。ただ起こり得る可能性を見ただけ。今のフェイとは他人に違いないのに」

 

「そんなことない。まだ生まれてないとか関係ないやんね。どれだけ時代が離れててもウチはフェイのお母さん!あの時、フェイとそう誓ったんだから!」

 

「……」

 

 いっそここまで来ると同情の念が先行してしまう。こんなにも健気に我が子のことを想っているというのに当の本人がアレなのだから。

 

「……試合前にも言ったけど僕はフェイとそれなりの交流があってね。君のこととか、本音とか、いろいろ聞いたことがある」

 

「…何が言いたいの」

 

「君たちは何も知らないんだよ。フェイのことをね」

 

「なんだと…!」

 

 激昂する天馬を黄名子が制する。SARUは薄ら笑いを浮かべながら言葉を続ける。

 

「君たちと話して表に出していたのは彼のほんの一面さ。少なくとも僕は君たちよりもはるかにフェイのことを理解しているつもりだけど」

 

「…あの子はウチらのことを信じてくれた」

 

「どうだか。言ったでしょ?フェーダにいるメンバーの大半は親、もとい大人という生き物を嫌っている。君への態度は嘘だったかもよ?」

 

「そんなわけない!…あの子は誰よりも優しくて、仲間想いな子!貴方たちのことだって助けようと考えてたんだよ!?」

 

「そうだね、僕らだけを助けようと考えていたかもね。フェイも僕らの大切な仲間なんだから」

 

「ッ!!フェイを…フェイを手に掛けておいて何言ってるやんねッ!!!仲間って言うなら何であんな簡単に殺せるの!?」

 

「アレはUSAGIの独断行動だよ。それにフェイは僕らを裏切った。妥当な処理だと思うけど?」

 

「──ッ!!!このッ…!!」

 

 ミキシトランスをした上で見たこともない怒りの形相で前に出る黄名子。瞠目した天馬は慌てて抑える。

 

「黄名子落ち着いて!」

 

「あはは、怖い怖い。その猛獣はしっかり抑えておいてねキャプテンさん」

 

「SARU…!」

 

「ふふ、そう睨まないでよ。君たちがフェイを理解していないのは事実だし、殺した判断も間違いじゃない。むしろ彼のことだから今頃喜んでるんじゃないかな?」

 

「そんなわけないでしょ!!!ふざけないで!!」

 

「真面目さ。言ったでしょ、君たちは何も知らないって。フェイは君たちが思っているような人間なんかじゃない」

 

 その言葉に反応した天馬が口を開く。

 

「……SARUはフェイの何を知ってるの?」

 

「全部さ。君たちが知り得ないこと全て」

 

 まるでひけらかす様にSARUは言葉を投げる。腹が立つ態度だが彼が嘘をついている様にも天馬は見えなかった。

 つまり本当にフェイは自分たちに何かしらを隠していたということだろうか。だとすればその隠し事とは一体。天馬の中に疑問だけが溢れ出る。

 

「…教えるつもりはないんだな」

 

「敵だよ?僕たち」

 

「……」

 

 流れるしばしの沈黙。

 フェイを巡ったこの状況。互いに譲る気が微塵もない空気が続く。それに辟易したのかSARUはため息をつく。

 

「まぁ、君たちが僕らに勝てれば教えてあげないこともないさ。無理な話だろうけど」

 

「……勝つよ、俺たちは」

 

「どうだか。後半戦は僕らも本気で君らを叩き潰す。そうやって勝ちを確信できるのもあと少しだよ」

 

 天馬は内心で冷や汗を流す。

 SARUの言うことは何も間違ったことではない。事実SARUはここまで化身やミキシマックスを一切使っていない。実際に使えるかはともかく、まだ大きな手札を複数抱えていることは容易に想像できた。

 

「だから後半戦はこの時代の命運を賭けるに足るフィールドにしよう」

 

 響くフィンガースナップの直後、突如地面が大きく揺れ始めた。雷門の面々に動揺が走る中、スタジアム全体に異変が起きていく。

 

「うわぁ!?なになに!?」

 

「これは…!」

 

 観客席が縦に割れ、次々と奥に下がる。そしてフィールドの外にある外周が割れ、まるでくりぬいたかの様にフィールドだけが残された。そのまま独立したフィールドは開いた天井を高速で上昇を始める。

 

「さ、僕たちセカンドステージ・チルドレンの勝利に相応しい場所に行こうじゃないか」

 

 

 

 

 

 

 ●●●

 

 

 

 

 

 

「……行ったか?」

 

「みたいだね…」

 

「はぁ〜、もうダメかと思った…」

 

「分かってたけどすごい数だったね。ニケがいなかったらどうなってたことか…」

 

 三国たちとは別のルートに逃げた影山たち。ニケの足止めもあってどうにか追っ手を躱し、適当な部屋に駆け込むことに成功した。

 

「アルノ博士から渡されたマスターキーがこんな所で役に立つなんて…」

 

「それにしても何処なんだろうここ」

 

「誰かの部屋?とんでもなく散らかってるど…」

 

「YES。フェーダの組員の個室のようだ。最近の生活跡がある」

 

 アルファは周りを見渡した後、置かれている幾つかのぬいぐるみを手に取る。デバイスで部屋全体を確認したところ、カメラの類はない様だ。

 ゴミ箱にあるジュースや菓子の空箱が見える。部屋の主は相当な菓子好きらしい。足元に散らかった玩具やデジタル道具を鬱陶しそうに避ける。

 

「にしても、これからどうするか…」

 

 車田が困った様子で呟く。外には未だにフェーダの面々が走り回っている。そのうち虱潰しに探し始めるだろう。そうなればここに隠れているのが見つかるのも時間の問題だ。

 何か手はないかと無駄骨覚悟で部屋を散策する。すると徐に机に置かれている冊子に目が止まった。

 どこの店でも売られていそうな大学ノート。デジタル記帳が主流の今どき珍しい、とアルファは呟く。ノートの表紙には『フェイ・ルーン』とでかでかと書かれている。

 

「も、もしかしてここフェイの部屋か!?」

 

「ノートの持ち主がこの部屋の主人と考えるならばそうなるな」

 

「ちょ、ちょっと意外だね。フェイって整ってたイメージがあったから…」

 

 影山の言葉に雷門全員が内心で頷く。部屋全体は少し…いやかなり散らかっている。玩具、ゲーム、サッカーボール。机には本や色鉛筆が散乱している。

 とてもではないがあのフェイが使っていた部屋とは思えなかった。

 

「…取り敢えずこれからどうする?正直八方塞がりだが…」

 

「私室のある階には電力の管制室がある。管制室を取れば圧倒的に動きやすくなる。そこを制圧して屋上と合流がベストだろう」

 

「そうだね…。ニケや三国先輩たちも心配だし」

 

「ちょうど外の奴らも通り過ぎたみたいだし…あれ?」

 

 影山の目に偶然止まったのは本棚に陳列されている冊子の一つ。クロッキー帳のようなそれは、他の本と比べても明らかに使い込まれており、妙な存在感を放っている。

 

「どうした」

 

「いや、ちょっと変な本が──」

 

 その瞬間、立っている地面が大きく揺れる。棚に並べられていた本や人形が次々と落下し、部屋にいる全員が混乱に陥っていく。

 まるで部屋全体が動いているかの様な奇妙な揺れ。アルファは事態が大きく動いたことを察し、スタジアムにいるトウドウの身を案じた。

 

 

 

 

 

 ●●●

 

 

 

 

 

「いたた…、黄名子大丈夫?」

 

「な、何とか…」

 

 起き上がった2人はメンバーの無事を確認する。全員怪我はない様だ。ふと強く吹く風を感じ、上を見上げる。そこには極彩色に鈍く光る空が。どうやらスタジアムごと屋上に押し上げられたらしい。

 

「2人とも怪我はない?」

 

「うん、大丈夫…」

 

 瞬間、感じる違和感。

 反射的に返事をしてしまったが、今の声はチームの誰でもない。チームの誰でもないが、最も知っている声。今そこにいるはずのない声。黄名子は即座に振り返る。

 

「フェイッ…!」

 

「やっほ」

 

「ッ!!!?」

 

 眼前に映ったのはデフォルメされた兎の顔面。狂人USAGIがまさに黄名子の目の前にいた。

 

 

 

 

 

 

 ー

 

 

 

 

 

 突然屋上が開いたと思ったらフィールドが丸ごと迫り上がってきた件。

 な、何を言ってるかわからねーと思うが俺も自分が何を言ってるか(ry

 

 はへー、エルドラド産のフィールドってこんなヘンテコ機能あったんだ。本編だと最終戦の前にサリューたちに速攻クラッシュ&リペアされてたから全然知らなかったわ〜。大人って本当変なところに金かけるよねー。

 ま、それよりも!

 

「USAGI…!!」

 

 この黄名子ちゃんの貴重なマジギレシーンを一瞬でも多く脳内フレームに保存しなければなぁ!!

 はぁー、ステキだよ黄名子ちゃん。いつもはまるっとしてモチっとしてきゅるんってしてるのに子の仇に子の真似されてうちに秘める獣性が丸出しになっちゃうその様!最高にぷりちーだよぉ。キャーッ、視線だけで殺されそうー!!ギャップ萌え最高だじぇー!!!

 

「ふふ、そんな怖い顔しないでよおかーさん」

 

 むふふ、どうどう?フェイくんの真似似てるでしょ!いや似てるもなにも本人なんだけどね!

 

「ッ!フェイを侮辱しないで!!次そんなふざけたことしたら本気で怒るよ!!」

 

 アッヤッバイ。尊みがエクスプロージョンしてこのままではうっかり手が滑ってしまいそうだ。

 はぁ〜、今すぐ抱きついてぎゅーぎゅーした後心の中のフェイくん像を完膚なきまでに破壊からの存在意義否定で心壊して〜。想像しただけで心がぴょんぴょんするんじゃ〜。

 

「USAGI、今彼らの対戦相手は僕らなんだ。あまり横槍を入れないでくれ」

 

 おや、雑食系霊長類のテングザル殿ではありませぬか。今朝のご飯はバナナ入りのフルーツポンチだったかな?健康的で何よりじゃ。

 

「誰が胃袋が四つある猿だよ。…というかどうして君が僕の朝食を知ってるんだい?」

 

 そんなことよりさ!時空嵐はもう完成間近だぜ!いつでもミックスしてクラッシュしちゃえるよ!

 

「!!」

 

「そうかい、なら後は僕らが勝利を飾るだけってわけだ」

 

「そうはさせない…!!絶対に俺たちが勝つ!!それで時空嵐も止めてみせる!!」

 

 おぉ、さすが天馬くん。理想論極まってるねぇ。でも実際現実にしちゃうから主人公なんだよなー。ズルいなー。ステキだなー。

 

 さて、いよいよ後半戦も始まる寸前だしフィールドから離れてとこっと。

 っと、おやおや先ほどからこちらを射抜くように向けられる視線が一つ。いや正確には雷門のみんなから睨まれちゃってるんだけど、一際強いのがね。

 ほらほら、君のことだぜベータ氏。オルカちゃんとの御涙頂戴の寸劇試合実に感涙に至った次第ですぞ!

 

「…覚悟しろよ。SARUを倒した後はテメェだ。オルカの分までその中身ぐしゃぐしゃにしてやる…!」

 

 怖いね!正直ぶるっちまうぜ!主人公側が発して良い言葉じゃないよぉ。

 ま、ここは適当に煽って逃げおおせますかね。敵討ガンバ☆

 

「待て」

 

「?」

 

 あらザナーク様。もう試合始まっちゃいますよ?こんなとこで道芝食ってて良いのかにゃー?

 

「ふん、そう言うお前こそご自慢の家族兵隊どもはどうした?テメェらにとって大事な時に使わないとは、ついに愛想でも尽かされたかぁ?」

 

 そんなんじゃないですー!ワタクシとデュプリちゃん達は永遠の絆で結ばれてるんですー!ちょっとお仕事で席外してるだけですー!

 それで?何用で?できるだけ手短にね。

 

「何、試合が勝った後は約束をきっちり守ってもらおうと思ってな」

 

 約束………。ああ、仲間返してサシで喧嘩するしないみたいなやつか。確かに前に試合は曖昧になっちゃったからね。いーよいーよ、サリューくんとの試合に勝ったらねー。

 

「はっ、そう言うと思っていたぜ!」

 

 にっこり笑顔のザナーク様。獲物を見つけた肉食獣だね!雷門入りしてもブレねーよねこの人。仲間になってもずっと強かったし。そう言うところが人気の秘訣なんかなぁ。原作はフェイくんも見習うべきだったでしょコレ。

 さてさて、そんなわけで今度こそフィールドから下がろうかな!ちょうどお菓子切らしてたし、なんか買ってこよっと!ポップコーンとメロンジュースが良いかにゃ。

 

「…?おい、なんか落ちてるぞ」

 

 それにしてもいよいよここまできたって感じがするよね!天馬きゅんたちが最高に輝ける瞬間に立ち会えるなんてファンとしては感無量だぜ!あっそうだ!録画機材持ってこなきゃ!この名試合は是非とも永久保存版にしておかなければな!

 

「無視かよ…ったく」

 

 いやぁ、見れるかな最強イレブン波動!こうしてゆっくり観戦できるのも最期だからね。しっかりと脳内に焼き付けておかなければ!

 そしてぇ!!…むふふ、我が今生最大の野望も成就まであと一歩だぜ。ちゃーんと用意をしておかにゃいとなー。今日という日のためにたっっっくさん準備してきたんだから!!ここまできたら失敗は許されないね!!

 

(…んだこりゃ、血痕?)

 

 えへへ。僕頑張って沢山用意したから、がんばって乗り越えてね、おかーさん★

 

 

 

 

 

 








【今日の格言!】
・無視だ。狂人の宣うことなど考えるだけ無駄なのだから。

【フェイのコメント】
・挙動不審の人間でもたまーには話はまともに聞くべきだと俺ちゃん思うワケ。うっかり超重要情報を聞き逃しちゃうかもしれないからねぇ?ちゅーかそもそもワタクシが狂人呼ばわりされていること自体が不満満点だよ!ジブンはただ愛してるだけなのに!世界を楽しんでるだけなのに!純情を曲解する真似をするなんて!なんて酷いんだ!名誉毀損だ!!



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