【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
アクア達の楽しそうな様子を、窓越しに木の上から眺めている、烏を引き連れた少女。
ツクヨミがいた。無表情というか、神妙な表情で彼らの様子を眺めている。
「ここまで、かな。星の海に還る筈だった星野アイは愛を見つけて運命を乗り越えた。その血を受け継いだ生まれ変わりの双子は、復讐に囚われることなく自分達の愛を手に入れた」
どこかつまらなさそうに、上の空で一人呟いている。誰に話すわけでもないのに、確認するかのように。
「有馬かなは輝きを失わず、友情も失わない。黒川あかねは捨てられることもなく、利用されることもなかった」
「星野ルビーは本懐を成し遂げて、MEMは……まあ、彼女はあんまり差はないかな。でも元の流れよりはいいんじゃない?」
「星野アクアは……うん。ちょっと予想外なくらいに欲張りになっちゃったけど、復讐に囚われるよりは、良いんじゃないかな? なんか幸せそうだし」
烏が騒がしく羽ばたいている。夜空の星を塗りつぶすような黒い翼を広げている。
「みなみ、フリルは運命を破壊して、脇役から、主役に」
「そしてなにより、カミキヒカルも。本当の命の重みを知り、比較的真人間になれた。……まあ、こんなもんじゃない?」
本当につまらなさそうに、吐き捨てるように言う。
「物語としては三流も良いところ。アイが死んだ方が『劇的』だった。双子の転生者の過去やしがらみがなければ、転生の意味がない。父への復讐がないのなら映画にも意味はない。黒川あかねや有馬かなの挫折と復活も、もっと激しくしておくべきだし、みなみとフリルはでしゃばりすぎ」
はぁ、とため息をつくツクヨミ。その視線の先では、楽しそうに机を囲んで、夕食を楽しんでいる7人がいる。それを見て、彼女の頬が少し緩む。
「でもまぁ……これで、良かったんじゃない? 物語としては三流以下だけど、人生としては一流でしょ。ま、これから先何が起こるかなんて、私には分からないけどね?」
ツクヨミは夜空を見上げる。幼い少女は手を広げ、その星空をまるで抱えるように手を伸ばす。烏達もそれに倣ってか、翼を畳んで空を見上げる。
「それでも、きっと彼らはそれでいいんだろうね。とってもつまらなくて、くだらないけれど、とっても幸せな物語。それがきっと人生ってものなんだろうね。私には無縁の話かなぁ」
夜空には無数の星が輝いている。それひとつひとつがまるで宝石のようだ。
どうか、その輝きがいつまでも続きますように。そんな淡い願いを抱いて。
それは、天に輝く二ツ星。二つの一番星から生まれた双子の星は、一番星に負けないくらい輝いている。
これは、宝石のような星たちの物語。
☆あとがき
これにて、拙作“天に輝く二ツ星”は完結となります。
掲示板の反応とか、X年後とか、共演編とか、色々案はあったのですが、ダラダラと続けるとダメになりそう……というか、二次創作としては蛇足なので、ここまでです。続きを求めている読者には申し訳ないのですが、作者の力不足でもあります。
それというのも、本当にこれ以上やることが無いというか、ハッピーエンドを目指す二次創作として語るべき所はギリギリがここまでなんですね。
他の【推しの子】ハッピーエンド二次創作がよく『星野アイの死を回避した』ところで更新停止してしまっている、あるいはそこから続いても気がつけば話が途切れている、もしくはアイの死の回避地点が終着点となっている作品が多い最大の理由がそれでしょう。アイを殺さずに生かしたとして、二次創作者からすると、ここからどうしよう? となってしまうわけです。物語の指針となる復讐が無くなってしまうわけですから。本作ではそれを“アクアを含む家族の幸せ”を指針としてなんとか無理矢理に進めてきたわけですが。
そこから大幅にシナリオを変更するとなると、殆んどスターシステムを用いたオリジナル作品を書いているようなものですから、二次創作に慣れ親しんだ書き手ほどこれはきついでしょう。
そうなると、IFというにはあまりにもかけはなれてしまうので、本作品においては、どれだけ引き伸ばしても原作の最終章の直前までが、なんとかやっていけるギリギリだと思います。本作品においてはそもそもアイは15年の嘘を撮るつもりがないですからね。
それ以上を描くとなると、本作の不知火フリル編のような、完全に推しの子から外れてしまう状態になってしまいます。まだ不知火フリルを攻略している内はいいんですが、攻略し終えたらそこからは未知の領域です。
フリルの七色キッチンのようなオリジナル番組、紅白出演、若手主演男優賞受賞とか、世間にハーレムがばれるとか、アイデア自体はいくらでもあるのですが、そこまでに至るまでの物語のプロットが出てこない以上、やはりここまでです。
本作のコンセプトは“もしもカミキヒカルが良い子だったら?”の他に『星野アクアは復讐を抜きにしたら、どんな人物なのか?』という裏テーマがありました。その結果として、作者が出力したのが彼女公認六股ハーレム男なのは我ながらどうなんだ? とは思いますが、アクアにはそのくらいの魅力はあると思います。本編でもハーレムエンド期待してます。
ともあれ、ひとまずの完結までこれたのも、読者の皆様の応援のお陰です。この場にて、改めてお礼を言いたいと思います。
ご視聴、応援、評価、感想、ありがとうございました。
それでは、本作はここまでとなります。
改めて、ご視聴ありがとうございました。
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