【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
筆が乗ったので連投です
ごくり、と思わず唾を飲み込むアクア。若干、冷や汗もかいている。
(いや、おちつけ……大丈夫だ)
アクアとしては元より、ゴローとしても体験したことのないそれに手を伸ばす。こんなものに頼ることになるなんて、それこそ思ってもみなかったからだ。
それは、真っ白で無機質な錠剤だった。みんなやっているらしいが、アクアは二つの人生で今まで全くの無用の長物だった。
それを手に取り、常温の水で服用する。少し待ってみるが、特に体感出来るものはない。肩透かしを食らった気分だが、自分の知識を振り返ってみれば直ぐに気がつくことが出来た。
「……まあ、そりゃ直ぐに効果が出るわけないよな」
当然の話だ。
☆
事の始まりは、アクアがとうとう六人と肉体関係を結び、下半身が多忙になってきた時の頃だ。
「お兄ちゃん、なんか……ちょっとやつれてない?」
「まあ、確かに最近だるいが」
始まりはルビーのそんな他愛もない指摘だった。仕事と勉強の両立で疲れているのか……と考え、梅干しや海老といった疲労回復に効果的な食事を意識し、快適な睡眠のために寝具もバージョンアップしたほどだ。ついでに両親と妹のものもアクアの財布から出して良いものにした。快適な寝心地ながら、清掃がしやすいのがポイントだ。アイとヒカルも、ルビーとアクアであってもちょっと
しかし、一向に疲れが取れる気配がない。むしろ、疲労感が増しているような気がしてきたのだ。
流石にこれは不味いのでは、と考えたアクアは原因を探るべく、一旦おちついて考えてみることにした。
(ここ最近、妙に疲れが抜けきらない……倦怠感と言うべきか? それのせいか下半身も妙に元気がないな……)
妙に元気がない……というのは、実に呆れた話だが夜の生活で普段よりも活力がないという話であり、全く出来ていない訳ではない。少なくとも今のところ夜の不満足はあかね達からは聞こえてこないのだ。だが、アクアは逆にそういった行為の後に疲れはててしまう事が増えてきた、ということである。
「……」
最近更に増えた夜の性活。十分な睡眠時間に健康的な食事。これらから導き出される疲労の原因はひとつだった。要するに出しすぎて「生産」が追い付いていない。即ち、亜鉛不足である。
「……マジか。そうか、亜鉛か」
これには思わずアクアも仰天。こんなこと自分のデータになかったからだ。なにせゴローの時代から結構激しく女遊びをしていた訳だが、そういった話は無縁だった。アクアになってからも、最近は出しすぎてるから意識してたんぱく質を摂ろう、とは思ったものの、性経験の中で亜鉛が欲しくなるような場面が今まで全くなかった。それ故に医者だったにも関わらず、その可能性に思い至らなかったのであった。
神ならぬアクアには分からぬ話ではあるが、そもそも一年以上結構爛れた性活をしているのに、今までアクアが深刻な亜鉛不足になっていなかったのにはきちんと理由があった。
というのも単純な話、結構な回数外食、特に焼き肉にいく機会があったからだ。そこでレバーなどの亜鉛が含まれる肉を無意識に多めに食しており、自然と補給されていたのだが、ここ最近はそういった機会が偶然にも減少していたため、亜鉛不足に陥ることとなった次第である。
そして、冒頭に戻る。亜鉛を服用し、一息ついたアクアは、ソファーにもたれかかった。
(しかし、我ながらすげぇことしてるな)
六人の女の子を侍らせてハーレム。マンガでも中々ない設定ではないだろうか、と自画自賛をしてみる。昨今では彼女100人とかいう中々にぶっ飛んだ設定のマンガもあるわけだが、100人も相手にしていたら一人一日デートしても一年の四分の一以上吹き飛ぶことになるわけで、夜の性活も大変そうである。マンガならではの不思議な力や都合の良い薬品がある訳じゃない。
そこまで考えて、ふといやなことを思い出した。
(不思議な現象はあったな……)
ひとつは、アクアが実際に対面した不思議現象の擬人化みたいなヤツ。あのツクヨミを自称するちんちくりんである。本当はツクヨミじゃなくて、神の使いなのだろう事は容易に想像できる。そんな簡単にぽんぽん神が降りてきたら、大問題だ。あの蛇の怪物みたいなのがうじゃうじゃいるような日本になって、もはやジャンルが変わってしまう……なんてとりとめのないことを考える。
もうひとつは、アクアとルビーの転生の話なのだが。アクアは一旦棚上げした。
ツクヨミとはあれから顔も合わせていない。当然と言えば当然だが、会う機会もないし、何処にいるかも不明だ。会いたくもないが、そもそもふっと現れては、突然消えていくような存在だ。あかねにも見えていたことから、実体はあるのだろうが。
(……今度は腰痛とかヘルニア……いや、考えるのはよそう。気を使ってやればいいだけだからな、うん)
こんな風に一人でなにもしない時間があるのも、久々である。アクアは基本的に誰かと一緒に居ることの方が多いため、偶然か、もしくは意図的に時間を作らなければこういうことにはなりにくい。今回は後者である。流石に亜鉛を飲んでいる所を見られたら、無理していると思われてしまう。それはアクアの望むところではない。単なる男の見栄でしかないが、アクアにとっては大切なものだ。男はいつだって好きな人には格好つけたいのである。
こうして、無事にアクアは数日後には復調することが出来た。これで夜の性活もひと安心といったところである。アロンダイトに魔力が充填されたのだった。
後日、たまたま早朝に起きた日に渋い顔をしたヒカルが亜鉛に手を出しているシーンをアクアは見かけてしまった。なんだか父親に対する生ぬるい同情を感じた。
疲労がポンと取れるアレ、略して亜鉛とクエン酸
ちなみにアクアが夜やたら強いのはヒカルじゃなくてアイの方の遺伝です。ヒカル要素はアロンダイト♂の方ですね。形状的な。
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