【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
アイのストーカー騒ぎは苺プロが実害を受けたため被害届の提出ということがまず始めに世間に出た。
その次には、アイとヒカルの過去暴露本……子供達と結婚、四人の真の関係については絶妙に伏せられ、親戚の子としてアイとヒカルの心を癒した存在としてむしろ立役者のように語られた「真実のアイ」が出版。
初版で売上200万部を突破。しばらくは書店の店頭におかれることとなるだろう。そのおかげで炎上は数日で鎮火、燃やそうとするアンチを信者達が盛大に燃やし尽くしていたので燃える火種が燃やし尽くされた形だ。
そのあと、ストーカー事件の詳細について大手雑誌で対談が組まれた。その内容は、ルビーの言ったように早朝にアイの部屋に双子を連れて遊びに来ていたとか、アイがドアチェーンの存在意義を知らなかったとかそういった話だ。ネットでも当然話題になり、掲示板やSNSなどそこかしこで「B小町のアイさん、ドアチェーンを知らなかったwwww」「#防犯しっかりしろアイ」と好き放題言われたが、その程度だった。それ以上に暴露本……主にアイとヒカルのあまりにもえぐいネグレクトの実情についての暴露により同情や憐憫が寄せられる結果となった。
そこから、ようやくアイとヒカルの同居疑惑がネットニュースとなったが、前述の記事と本のお陰で一日も立たずに注目されなくなった。
それから、当然の話だがセキュリティの高いマンションに引っ越した。
「無事、事件を乗り越えたことと、引っ越し祝い、あとアイのドーム成功を祝って乾杯!」
「かんぱーい! わー、これ獺祭? 一本三万くらいするやつ!」
双子とヒカルはまださすがにジュースだったが、社長はアイと酒を酌み交わしていた。珍しく、ミヤコも一緒に盃を傾けていた。
「俺ぁよ、お前とこうして二十歳の酒を一緒に飲んでみたかったんだよ」
「へー、変なの。斉藤社長ってば、お父さんみたい」
「身元引受人だから親みてえなもんだろ。少なくとも、俺はそう思ってたよ……」
顔を真っ赤にしながらそんなことを溢す斉藤社長。それをきいて、にまっと悪い笑みを浮かべるアイ。
「壱護おとーさん?」
「っぐ、げほげほ!」
「うわーもったいない、高いお酒で噎せて溢してる~」
「この……!」
わーおこったー、きゃーたすけてミヤコママー、とか適当なことを言ってミヤコに抱きつきにいくアイ。
「ママよ」
ミヤコも大概酔っぱらっていた。アイをぎゅっとだきしめて捕まえてしまう。
「あー、ミヤコさんずるーい! 私もー!」
ぎゅー! とか言いながらアイに抱きつくルビー。それをなんとも愛おしそうに見るアクアとヒカル。
「なんとか、平和に終わって良かった」
「アクア、ずっと心配してくれてたもんね。ありがとうアクア、ぎゅー」
「父さん酔ってる?」
「場酔いはしてるかも」
そんな呑気してアクアを抱き締めているヒカルを見て、斉藤社長が睨み付ける。
「そうだお前ヒカルぅ! お前、世間にも心配かけたんだから罰ゲームとかしろぉ!」
「ああ、そういえばあのストーカー。やっぱりナイフ持ってたんでしたっけ」
ナイフを持ったストーカーを撃退し、アイドルを守った俳優として、カミキヒカルの知名度は良い方向にぐんと上がっていた。
「そういえば前にサインはBの動画上げてましたし。じゃあ女装配信とかどうです?」
「それだぁ!」
そういうことになった。
☆
【生配信】反省&罰ゲームで女装配信【苺プロダクション/カミキヒカル】
『はい、みなさんこんばんわ。カミキヒカルです。今回は告知した通り罰ゲーム配信です。まあいわゆるしがらみ案件ですね。社長がね、世間様に心配かけたのと、前の動画で無断で双子を出しちゃったので、反省して罰ゲームでもしろと』
有馬かなは、唯一見ているYouTuberであるカミキヒカルが妙なことを言い出したのを胡乱な視線で眺めていた。見ている理由は、単にカミキヒカルがたまにやる演技談義が結構ためになるからだ。
『まあ最初は断るつもりだったんですが、出来ないのか? と煽られてしまったので役者魂に引火してしまったので』
本当に大丈夫なんですか?
そういえば前の動画、告知無かったのに双子いたなあ
心身ともに無事そうで安心した
女装で役者魂の時点で無事じゃなさそうなんですが?
確かに
無事代wwww
赤スパで草
「なにをどうやったらそうなるのよ……?」
『赤スパありがとう。ケガひとつしてませんのでご安心を。まあ、これは視聴者の中に役者とか俳優の経験がある人なら分かるかもしれませんが、「こんな演技も出来ないんですか?」って遠回しでも直接でも煽られると役者とか俳優って生き物は「やってやらぁ!」ってなるんですよ。基本的に負けず嫌いな生き物なので、役者って』
はえーそうなんだ
まあ確かに俳優って自信に満ち溢れてる感じするけど
視聴者にそうそう役者なんておらんやろ
おるで。そしてそうなる
↑役者ニキ!? 稽古に戻ろう!
「ああ、それはそうなるわね」
有馬かなはすぐさま掌を返した。自覚がありまくるからだった。
『というわけでね、まずメイクからやっていこうと思います。そうですね、せっかく女装するからってことで色々用意してもらいました。今回はきちんと許可をとったので大丈夫です。かわいいお手伝いさんふたりです』
「あ、アクアとルビー」
アクアとルビーが運んできたのは、メイク道具の山と、アイドル衣装だった。ウイッグまである。
『せっかくやるなら本格的にってことらしくてですね。ほんと年末のクリスマスになにやってるんだって話ですけど』
本当になにやってるんだよwwww
これアイの衣装と寸法が見た感じ違う、作ったの?
キッショ、なんで分かるんだよ
肩幅がおかしいだろ
なるほど言われてみれば
でもそこに気づくの気持ち悪いよ
きしょいのは変わらなくて草
『はい、じゃあやっていきますね』
そうして始まった女装配信。ヒカルの意外な才能に視聴者たちは圧倒されていた。
「うわ、うわ。ヒカルさんの元が良いからだけど……メイクの技術もすごいわ」
有馬かなはメイクを何度も直すようなこともあるからこそ、自分で多少はメイクが出来る。だからこそヒカルの技術がよく理解できた。
『舞台やってると、どうしても自分の演技に合わせて化粧したくなるんですよね。それで学んでたら案外面白くて』
いやいやいやいや
どんどん別人の顔になってくんだけど
あれ、これアイじゃね?
あ、ほんとだ。なんで分かるんだ……?
こわい
“化”粧とはよく言ったもんだわ
双子も引いてて草
ほんとじゃん
いやこれは引く
どんどんヒカルの髪型のアイに変貌していくのに、恐怖を覚える視聴者たち。そして……化粧が完成した。
『えーと、これで最後にウイッグと衣装を着て……はい、完成。どーです? 中々のもんでしょ』
『見た目は85点』
『声が一緒じゃないので0点かな!』
アイ強火オタクくんちゃんさぁ
サイリウムベイビーズさぁ
もうすぐサイリウムキッズだぞ
まあでも見た目は完璧にアイだよね
見た目だけな
「そりゃ見た目だけ完璧でも十分でしょ」
有馬はあきれたが、画面の向こうの偽アイはもっととんでもないことをやりだした。
『これで完成じゃ面白くないでしょ。僕役者ですよ? ここからアイの演技をして見せますよ。ぁ、あー……あ~』
『みんなー☆ B小町のアイだよ☆ ぶい!』
『ふたりともどう!?』
『完璧。100点』
『文句無し。100点』
無駄に高クオリティな声真似まではじめだした。
は?????
!?!?!?!?!?
アイだ!?
なにこれ?????
さっきまで見ていたカミキヒカルの女装は???
なん……何!?!?
「すっごい……これがカミキヒカルの本気! ……まぁ、すごいくだらないことやってるけど。でもすごいわねこれ……振る舞い、手や目の動きまで完コピしてる。これがララライの天才俳優」
『ん~……好きなものはにんじんしりしり! 嫌いなものは……白米? 嫌いと言うか苦手かな。最近の興味は~SF! びよよーんてビームでるやつ』
いつからここはB小町ちゃんねるになったんです?
びよよーんとか確かに言いそう
でもSF絶対見ないでしょ
それはそう
そうだね。アイは白米苦手だもんね……
よく苦手で済んでるよ
双子のお陰や
画面の向こうで普段アイが滅多に言ったりやったりしなさそうなことをしているのに、アイの演技がぶれていないのがすごい。有馬かなは憧れの視線を向けようとして……やめた。いまいち今のカミキヒカルは尊敬しきれなかった。いわゆる無駄に洗練された無駄の無い無駄な演技であった。結果ジト目になっていた。
『それじゃあ聞いてください! サインはB! あ、ぽちっとな~』
えっ
歌えるの!? 声真似の状態で!?
もうお前ものまね芸人になれ
天才役者なんだよなぁ
ライブ用音源(本家)とは贅沢だぁ
えっこれアーカイブ残るんですか!? 神じゃん
カミキだけに?
何か寒いですね
視聴者もかなも、なんなら双子もここまでは正直舐めていた。似ているけど本物のあれは無理でしょ、と。だが、瞳の輝きが強くなるのを画面越しにかなは感じた。
(あ、これヤバイやつ)
『あ・な・た・の・アイドル~サインはB~……Chu♡』
『『うりゃおい! うりゃおい!』』
うりゃおい!
うっま
サイリウムベイビーズ立ち上がったー!
性癖歪みそう
完コピ!?
その日、カミキヒカルと双子は伝説となった。
ガチ濡れ場(R18)って需要ある?
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みたい
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いらない
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