【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
そういえばかなちゃん「高学年で事務所お払い箱で」って言ってましたね……まあアクアのお陰で子役としての寿命が少しだけ伸びたってことでひとつ。
……つまり中学生になるときには既に一家離散してる事に変わりはないよねかなちゃん……地獄か?
幸せの沼に沈めてあげなきゃ……
四月。ついに晴れて高校生となった二人。ルビーはアクアと腕を組みながら登校してきた。兄はシスコンなので特に気にしていなかった。
好きな人と腕を組みながら通学路を歩き、学校の教室に向かう……なんと心地よい体験だっただろうか。町を歩く一般人たちの羨望と嫉妬の入り交じった視線を受けながら、自慢するかのように見せつけて。かつての小さな夢がひとつ叶った気分だった。
ルビーはえもいわれぬ快感と満足感を得て、教室に入った。
(やばぁ、みんな顔が良い~)
流石芸能科なだけはあるなぁ、と呑気なことを考えるルビー。右をみても左をみてもイケメン美少女だらけ。
(でも、流石にママやかな先輩レベルの人は居ないね……)
ルビーが軽く教室を見渡した理由は二つ。普通に顔面偏差値を確認して眼福とするため。もうひとつは己の将来のライバル探しである。
なにせアクアは、冗談みたいにモテる。双子のブラコン妹ルビー、真の幼馴染有馬かなという二枚の強固な女避けバリアーを踏まえた上で寄ってくる女が多いこと多いこと。せんせの頃に女遊びをして居たらしいことは把握していたのだが、思っている以上にモテる。遊ぶなら私とか先輩で十分じゃん! とも考えていた。
だが、それでもすり寄ってくる女は絶えない。ならば自分のお眼鏡に叶う娘を一次セーフラインとしてある程度の距離まで寄せておいて、新たな防壁にしてしまおうとそういう算段であった。
(取り敢えずパッと見で気になるのはいないなぁ。おにいちゃんの隣の席かぁ……)
実のところ、今のアクアは役者仕事が楽しくて仕方がない状態で女遊びはそんなにするつもりはない。とはいえ、据え膳を食わぬほど臆病でもないので、結果的にルビーの判断は間違っていないのだが。
(……おっっっっ!! デッッッッ!! すごい娘おる!!)
隣の席の娘がすごかった。寿みなみ……キャノンファイア所属のグラビアアイドル。ルビーの周囲には、良くいえば完成された、悪くいえば平均的な体型のTHEアイドルみたいなアイとか、トランジスタグラマーと言えるが、ちっこいなぁという印象が強いロリ先輩とか。変わり種でいえばぴえヨンくらいなもので。なんというかルビーの周囲では見ないタイプの女の子だった。主に胸囲が。あんまりにすごいものをお持ちなのでじろじろと見てしまうルビー。しかし、相手からの視線にも気づいて、はたと顔を上げると視線があった。
「あっ、すんませんジロジロ見て。めっちゃ美人おるな~思て」
「いやいやこちらこそすごいものを! えと……モデルさん?」
「せやねん、一応。うち、寿みなみ言います、よろしゅう」
「私は星野ルビー。えーっと……あー」
この関西弁娘にどう言ったものか。B小町復活プロジェクトは極秘プロジェクト、現在社外秘である。
「芸能人候補生……みたいな? あ、一応写真モデルとかはやったことあるよ! パーツモデルとか、服とかのやつ」
「それなら十分
ポチポチとスマホを目の前で操作し、目の前に表示されたのは……。
『ばぶばぶばぶばぶ!!』
「この赤い目の娘だったり?」
控えめに言って恥ずかしいヤツだった。
「あの、そのー……あー、そうです……」
「やっぱり! はー有名人さんやね」
感心するみなみに仕返ししてやろうと、目の前で同じように調べたらグラドルだった。
「はえーグラドルやってるんだ。ふーん……G!? Gなの!? えちえちだぁ」
画面には中々際どい水着を着て、惜しげもなくその豊かな胸を強調されて撮られているみなみの画像があった。
「うぅ、目の前で調べたんはおあいこだから強く言えんわぁ」
「そういえばリアルで関西弁の人初めて見た! 大阪とかのひと?」
「ううん、生まれも育ちも神奈川。関西弁はなんていうか……ノリ?」
「エセだった!?」
そんなこんなで話しながら、チラリと兄の席を覗き見てみる。兄の席のとなりは……空席だった。はて、初日から休みなのだろうか?
その疑問は朝礼の最中に解決された。
「すみません、番宣で朝の生放送があって遅れました」
不知火フリルが、兄の席のとなりだったのだ。ルビーちゃんチェックの中で一気に要注目人物になった。純粋に今の推しなので。顔が良いし歌って踊れて演技も出来る月9ヒロインのマルチタレント。「国民的美少女」である。無論最推しはアイだが、流行度的にはフリルは結構イチオシだった。ちなみに世間でのアイはもう少女とかそういう枠を超えて、何かそういう生き物として見られている。20歳のころから殆ど変わってない恐怖の生き物だとか妖怪とか天使とか。ちなみにヒカルも見た目が老けないのでその手の類いの怪物とか妖怪と揶揄されている。
時間は過ぎて放課後。不知火フリル、寿みなみを含めた四人で話している。
「ねえ、あなたたち双子ってサイリウムベイビーズ? あと、カミキさんのチャンネルに出てるよね」
「不知火さんはよく知ってるな。今日あまも知ってたし」
「普通にフリルで良いよ。姉と被るから。あれは業界でも話題だったから。アクア、滅茶苦茶やったって。あと私、半分くらいは「アクかな」を見て芸能界目指したようなものだから」
「わかった、フリル。それは……嬉しいやら恥ずかしいやらだな。まあ確かにあれのお陰でまた、かなと仕事してるけど」
「アクかな期待して良いんだ?」
「まだ企画段階だけどな」
「アクかな予告助かる」
(うそー!? 不知火フリルから認知されてる~~!? しかもよりにもよってアレを!?)
サイリウムベイビーズは、想定以上に知名度があった。なにせ、未だにテレビで引っ張り出されては引き合いに出させられるのだから相当である。赤ちゃんコンテンツ自体が定期的にバズるものであるということは、兄の薫陶もあって理解していたが。
「アクかな電撃復活ってことで界隈でも話題になったからね。かなちゃんのSNSはアクアも出てきて、目の保養になるから助かる」
「目の保養って」
「知らないの? 美男美女を観察すると視力が上がった気分になる。なんなら今視力が0.5くらい上がった」
「マサイ族かよ」
「なんというか、フリルさんに見られるのもめっちゃ恥ずかしいんやけど……」
それ以上に気になるのは、軽妙な会話を続けるアクアとフリルだ。馬が合うのかなんなのか、距離が近い気がする。
「じゃあこういうのどう?」
「おい、急にくっつくな」
ルビーが甘えるように左側からアクアに飛び付いて首に手を回している。牽制である。
「二人とも絵になるねえ」
「美男美女双子カップル。いいね、撮って良い?」
「事務所に掛け合ってOK出たらな」
「マネージャーに聞いてもらおう。ダメなら個人的に欲しい」
「おい」
「あ、ならうちも貰ってええです?」
「今更か……好きにしてくれ」
アクアは呆れながら、話題に出た今日あま……「今日は甘口で」のドラマ化作品について思い返していた。
面倒で問題だらけな現場だったが、アクアにとっては実りのある現場でもあった。そして……トレンドワード入りした“アクかな復活”と“今日あま最終回”。アクかなコンビとしては久々の仕事であり……何より。久々のメインキャラの演技だった。鏑木Pから仕事を振られたのも助かっている。かなは今日あまの涙の演技と、最後のあの表情が最高だと評価された。今日あまとアクかなの導線を持ってきて次の作品……「今からガチ恋♡始めます」を成功させれば……元子役としてのレッテルから脱して、俳優・星野アクアとして成長できると確信をしていた。
己の今抱える、大問題を無視して。
なお不知火フリルは許可をもぎ取り「あの星野兄妹と同じクラス」とかいって先程の写真を投稿。おまけに#サイリウムベイビーズとかつけて。最新の双子と、そのビジュアルのよさと距離の近さにバズった。アクアは頭を抱えた。
寿みなみはデカいかもしれない……
※ややわかりづらいですが、メインキャラ=ストーカーです。一話だけのキャラですが、他のサブキャラ達よりは目立つ立ち位置なのでアクアはそう判断しているというだけです。
9/25 指摘があったので、陶酔を薫陶に置き換えました。
ガチ濡れ場(R18)って需要ある?
-
みたい
-
いらない
-
結果だけ見る