【完結】天に輝く二ツ星   作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル

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幕間6.お嫁さん同盟から見た今ガチ

「今ガチもそろそろ後半だし、作戦会議するわよ!」

「了解しました、かな将軍!」

 

 おどけたように敬礼するルビーを尻目に、かなは自作の今ガチ関係表ノートを手に、作戦会議を始めた。二人ともパジャマ姿で、傍らにはごぼうチップスが置いてある。二人は、特に理由がなくとも遊ぶ仲にまでなっていたが、今回は理由ある集合だ。なんとかなの家でおとまり会をする程度には仲良くなっていた。二人とも友人が少なかった影響もあり、こうした友達らしい遊びというのにやや憧れがあるようで、たまの休みにはこうした友達らしいことをしている。

 

「まず、アクアの今ガチでの女関係について整理するわよ」

「はいっ将軍!」

「今ガチに出演しているメスは三人、MEM、ゆき、あかねね」

 

 白紙部分にあかね、MEM、ゆき、と縦に並べて書く。

 

「この三人の仲は良い、同性同士で居ても異性同士で居ても特にギスったりする気配はなし。まあお互いの獲物が違うから当然よね」

「そうだね。MEMちょは自分の番組をみてほしい視聴者、あかねちゃんはおにいちゃん、ゆきちゃんはケンゴくんとノブユキくん……だけど本当は出番。おにいちゃん情報だけど」

 

 名前の横に目的をそれぞれ、アクア、登録者、出番、と書く。

 

「一方のオスどもは、ノブユキだけが恋愛目的で、他は特別これといったものは見えてこない。恋愛演技がどうたらってアクアは屁理屈言ってたけど、あんなのは方便」

「確かに表向きとは言ってたけど」

「当たり前でしょそんなの。私とルビーが居るのに恋愛経験も演技表現も何もないわよ。だって私たちで十分経験値積めるじゃない。その上天然スケコマシ三太夫よアイツ。要するに恋愛の仕事も出来ますよーって言うアピールでしかないのよ、こんなの」

「確かに」

 

 かなからしたら、アクアは十分恋愛演技は可能だと判断している。大体自分だけでなくいつの間にか妹までコマしていたような男がよくもぬけぬけと、という話だ。そもそもかなは出演する本当の理由は聞いている。

 

「それで、アクアの女関係ね。まずは、ゆき。この子は画面に出たいだけだから、アクアと本格的な恋愛に発展させるつもりはない。最初の方のアプローチでアクアの反応が鈍かったから、そこからは普通に会話する程度に方向転換して、ノブユキとケンゴをからかう小悪魔キャラでやってる」

「どっちを選ぶのか気になるよね!」

「私がゆきなら、そうね……二人とも振って、裏でどっちかの本命と付き合うことにするわね」

「えー?」

「だって番組で付き合うってなったら、別れたときにいちいち燃えるじゃない? だったら隠れて付き合う方がトクよ。今ガチメンバーで告白を断った相手となら、万が一ばれてもリスク低いし」

「なんていうか……夢がないね!」

 あんまりにあんまりなかなの判断に、甘いわねとかな。

「仕方ないでしょ、今の時代はそういうネットリスクを考えて行動しなきゃなのよ。これも一種のリスクヘッジ、私たちが一生アクアとの関係をばらせないのと同じよ」

「そっかあ……まあおにいちゃん、あかねちゃん含めて三人だもんね!」

「今後も増えると思うわよ。アクアの甲斐性的に考えると……まあ5……ううん、6人くらいならいけるんじゃない? ……腹立つわね」

「うわぁ、日替わり彼女だぁ。腎虚になりそう」

「日曜は定休日ね」

 

 アクアの隣に毎日違う女の子が居る……何が嫌だって、それがありありと想像できてしまうのが嫌だった。

 

「次にあかね。あかねは、まあ……わかりやすくアクア狙いね。今のまま行けば、ラストに告白はすると思う」

「初々しい感じだよね」

「私は途中から、蛇みたいな陰湿さを感じたけどね。恋愛初心者なのは本当でしょうけど」

「そうかなぁ……?」

 

 あかねに対しての感想が違う二人。そもそもが仕事上の敵として見てきたかなと、今ガチと兄からの情報しか無いルビーでは見えてくるものが違う。二人の意見の相違は当然であった。

 

「まあ、それはいいのよ。問題なのは、本気でアクアを狙ってるって点なのよ」

「あー、そういえば事務所のあれそれの話もあったもんね」

「気がついたら自分が死地に送り出されていて、事務所もマネも契約違反状態で信頼も信用もできない。助けを求めようにも中々勇気もでないし、ひとりぼっちで不安、そういう状況だった」

 

 私が当事者なら、事務所訴えてぶっ潰すけどね、と言いつつも、続けるかな。

 

「そんな突然現れた窮地を、アクアがいつものお節介を発揮して、さらっと人生と未来の不安と不信をまるごと救ってくれたのよ。こんなの惚れる以外無いわよ」

「まさにヒーロー……流石おにいちゃん! 惚れるのも無理無いか~」

「もうそこは良いのよ、問題は次よ!」

 

 その言葉に、はっとルビーが気づく。

 

「そうか、私達の関係!」

「そうよ。アクアとあかねが付き合うのは良いのよ、本当は良くないけど」

「嫉妬が滲み出てる~! まあ、確かに良くないけど、あれじゃあ堕ちても仕方ないもんね」

「そりゃ滲むわよ。それで、私達とアクアとの関係も、あかねに認識させて納得させなきゃいけないっていう問題もあるでしょ」

「うーん……」

 

 何か良い方法はないかと悩む二人。ふと、ルビーが何かに気づいた。

 

「あ、じゃああかねちゃんにかな先輩がお願いすれば大丈夫だと思う!」

「そんなんで受け入れられる訳がないでしょうが! 大学芋よりも甘い考えね!?」

 

 一見、とんでもない案に見える。だが、なにもルビーは考えなしに意見を述べたわけではない。

 

「ちっちっち、甘いね先輩。ファン(奴隷)はいつだって推し(ご主人様)が一番なんだよ? 推しが幸せならOKっていうオタクはたくさん居るからね!」

「アンタ私を舐めてんじゃ無いわよ。些細な事がきっかけで、人間の気持ちなんて……本当にあっという間に変わるものよ」

「それは……確かにそうだね」

 

 ルビーとしても、それは違うとは口が裂けても言えなかった。だが、あかねは違うと彼女のオタクが否定した。

 

「でも、あかねちゃんなら案外呑み込んでくれるかもだよ? かなちゃんの身を滅ぼすようなことは少なくともしないと思う! 見ての通りかな先輩の事大好きだし!」

「う……確かにアイツ、私の事キモい位好きよね。私に憧れて芸能界入ったみたいだしい? まっ、悪い気は確かにしないけど~? あ、事務所とかでアイツが本読んでたら『あっ、あかねちゃん! 何読んでるの~? 見せて見せて~』とか言って、後ろから覆い被さってからかってやろうかしら」

「オタクのツボを刺激しちゃうからやめた方がいい。あかねちゃんから反撃食らうだけだと思う」

「現役のドルオタは言うことが違うわね、説得力あるわ~」

 

 なにを~! とかなの頬をたぷたぷむにむにと遊ぶルビー。それにされるがままになりながら、かなは話を続ける。

 

「まあ、そこは後で考えましょ。もうひとつ、あかねはアクアをかっさらいそうなほど危険ってこと。私達の周りにはあんまり居なかったでしょ、あのタイプの女」

「あー……まあ確かに」

 

 本来なら比較すべき容姿は、かなもルビーも極上なのでスルーされ、それ以外を比較しているというなんとも贅沢な状況だが、事実その点が大切であった。

 

「まず頭脳明晰で用意周到。ルビーはもとより、私よりも頭が良い」

「先輩も十分賢いと思うけど、偏差値70のアクアと知識で話を合わせられるのは凄いよね……あれ? ねえ先輩、遠回しにバカにした?」

「そうね。前までは、あかねのことを『演技の天才』って思ってた。事実、役への洞察力と演技のセンスは凄い。でもそうじゃなかった。今ガチを見て、アクアの解説を聞いてようやくわかったけど、アイツは基礎スペックが天才なのよ。そんな天才がたまたま、演技に全力出してるだけ」

「そうね!?」

「話を聞きなさいよバカルビー!」

「えへへ、冗談冗談。そっか、演技の天才じゃなくて、天才の演技なんだね」

 

 今ガチでの“カミキミッション”の時に見せた、あのメモ魔で話し合いのシーンは僅かながら放映された。その僅かな放映とアクアとあかねのプロファイリングの話、今までの放送内容から、かなはあかねがどういう人物なのかを何となく理解していた。

 

「そして陰キャ。人付き合いが苦手な気質がアクアに似ていて、アクアも一緒にいて過ごしやすい。知能レベルも高いから、余計に相手の事が理解しやすい。まさに似た者同士ね」

「同じタイプってことかぁ」

「お互いに技範囲も広大だけどね」

「それは……手強いなぁ」

 

 人付き合いが苦手と、人付き合いが嫌いはイコールではない。人と話すのが苦手だが好き、逆に得意だが嫌いというものは成立する。そういう面で見ても、アクアとあかねは相性が良い。良すぎると言っても過言ではない。

 

「つまり、一番まずいのは私達をさしおいて、あかねだけが本当の彼女になってかっさらっていくこと。アクアが私達を見捨てるなんて事は絶対にしないけど、心が傾くのはまずい」

「そうだね。これは対策方法とかある?」

「あるにはある。私達がもっとアタックしてアクアを揺さぶる。あとはあかねとどうにか告白前に接触する」

「なるほど……じゃあ、かな先輩任せたよ?」

「任されなさい」

 

 そこから、危機感を感じないのか、MEMちょのことはすっかりと忘れ去った二人はアクアをどうやって籠絡するかを考えていく方に発展していく。やや空気がピンク色になりつつあった。

 

「アタックといえば、やっぱりおっぱい押し付けるのは結構効果的だよね。むにってやるとあからさまにおにいちゃん、動きが固くなるもん」

「そうね……でも多用したら慣れちゃうんじゃないの? 私達のハグくらいじゃ、もう照れもしないわよ」

「うん、照れては無いんだけど……あれ、必死に耐えてるだけだと思う。私相手でもずーっと抱きつきながらおっぱい押し付けてむにむに遊んでると、ちょっと前屈みになるし、やたらトイレの回数増えるし」

「え~? それって()()()()しに行ってるってことよね? やっぱりアクアもそう言う目で私達を見てるんだ~? やだ~アクアの変態~♡」

「ねー♡ おにいちゃんの目がそのときだけ、一瞬餓えたオスみたいになってさぁ、もうギラギラできゅんってなるの♡」

「あの“喰ってやろうか”っていうつよーいオスの目……堪んないわよねぇ……あれ危険だわ、私達じゃなければ孕まされてるかもね」

「だよね、あの視線だけでよわよわ~な一般メスは想像妊娠しちゃう!」

「そうよね。その点、あかねはどうかしら。耐えられると思う?」

「ん~耐えられるか、もう既にでろでろに堕ちてるかの二択」

「まあ、あかねはそうなりそうよね……」

 

 声色がどんどん黄色……否、桃色になりながらも、恋する少女二人の夜は更けていく。止められるものは、誰もいない。




将来のアイドル二人の姿か? これが……

ガチ濡れ場(R18)って需要ある?

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