【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
【雑談枠】重大発表! 私がアイドルに!? 【MEMちょの部屋】
「MEMberのみんなーこんめむ~! MEMちょだよー!」
きちゃ!
待ってた
こんめむー
こんめむ
こん!
アイドルになるって本当ですか!?
B小町復活について詳しく
YouTuberやめないで
苺プロの公式チャンネルに投稿された新生B小町のメンバー、トップバッターはMEMが務める形となった。動画においてはMEMのアイドルとしてのキャラクターと背景の紹介程度の内容しかない。他メンバーも似たような状況の中、情報に飢えた者たちは、誘蛾灯に引き寄せられるように彼女のチャンネルに呼び込まれて、結果コメント欄は混沌としていた。普段の1.5倍以上の速さで流れるコメントをMEMは眺めながら、絶妙に間を置いて話し始める。
「うんうん、みんなもそれが気になると思うけど、ひとまず知らない人のためにも……ででん! 重大発表~! なんとあの“B小町”が復活! そのメンバーの一人として……私ことMEMちょがスカウトされちゃいました~! 詳しくは動画概要欄にはっつけてあるURLから公式サイトに飛べるから確認してね~」
手元のSEをすかさず操作して、ドンドンパフパフ! と太鼓とラッパの音を鳴らしておめでたい雰囲気を作り出す。まずはネガティブな情報の打消しから始める。
「まず始めに、TikTokもYouTubeも止めるわけじゃないよ~。苺プロからアイドル案件を貰った感じだね。頻度はちょっと下がっちゃうかもだけど、動画投稿はこれからも続けていくよぉ。ちゃんとSNSでスケジュール表は出すから確認してね~」
あ、やめるわけじゃないんだ
三足のわらじとは大変だ
無理しないようにね
よかった
あれ、FARMから移籍ってわけでもない?
業務委託形式でMEMちょは自分で自由に仕事とってきて良い
アイドル業務委託か
なるほど。YouTuberがテレビに出るみたいな話か
なる
理解
MEMber*1達の間で情報補完がなされ、安堵の声が大きくなる。動画配信者を推している者達にとって、最も不安要素となるのは動画配信サイトから離れていってしまう事だ。まずは不安を取り除かなければ、話が入ってこないというものだ。そうしてから、次に有用な情報を与える。
「それで、B小町のデビュー時期は、今はまだ秘密! 私含めて三人だよ! 他メンバーの委細は紹介動画を確認してねー」
まあしゃーない
非公開情報はな
残念
すげーメンツだなこれ……かなちゃんにルビーちゃん
というかなぜアイドルに……?
そういや今ガチで言ってたな
「スパチャありがとー。そうそう、今ガチでも話したんだけど。昔はアイドルが将来の夢だったんだよ。まさにB小町なんて憧れの中の憧れってかんじでね。スカウトされたのもその今ガチのお陰なんだ~。まさかアクたん……あ、星野アクア君ね。彼にスカウトされるとはねぇ」
まさか自分が、といった風に思い返す。我ながらなんともロマンチックな感じだった気がする。
星野アクア!?
確かに共演してたけど「アイドルになったら推せる」ってそういう?
さすがサイリウムベイビーズの片割れ
あーサイリウムベイビーかアクア
アイドルになったら推せるのでアイドルにしたってこと?
力業過ぎて草
驚愕するコメント欄。さて、ここからが大事だ。どうやってスカウトされたのかは、言葉を選ばなければならない。だがそこは歴戦の配信者、事前に言葉を用意してある。事実を元にしつつ、強調しなければならない。
「アクたんに、夢を叶えたいなら躊躇うな、夢を諦めてないならB小町に来ないか、って言われてさ。そんな風に後押ししてくれたのが大きいかなー。まさかYouTuberになった後に、アイドルになれるなんて思ってもみなかったけど、やっぱり……夢は叶えてみたいよねぇ。それが憧れのB小町なら尚更だよね」
まあ確かに
アクア良い奴やん
諦めた夢を叶えてくれたんやな
お前らと違って彼女持ちは言うことが違うな
今なんで刺した?
ぐふっ
そういえばアクかなはやっぱりあの距離感なのか知りたい
ここだ。アクかなの話題が少しでた今のタイミングでルビーの事も交えて話を膨らませていく。あまり嘘は言わずに、しかし誇張を交えて、配信映えするように、茶化すように。
「そうそう、かなちゃんとルビーちゃんも会ったけど、やっぱアクたんとの距離感エグいわ。あれガチだよガチ。アクたんも平気でその状態で本とか読んでるから、デフォルトがあれなんだよね。あと割とシスコン。新生B小町の結成って、ルビーちゃんがアイドルになりたいって宣言がスタートみたいでさぁ。まぁあんなかわいい妹がいたら猫可愛がりするよねぇ」
フェイクじゃないってことか
まあ可愛いもんねルビーちゃん
サイリウムを振った仲だもんね
唯一の血を分けた妹だもんね
動画見てきたけどバチクソ美少女じゃんルビーちゃん
妹の為にメンバー集めした男
行動力の化身か?
「あとルビーちゃんも距離感エグい。初対面なのにメンバー認定した途端にハグされたし。アクたんの膝の上のかなちゃんにも「距離近くない?」って聞いたらキョトン顔で「親友なんだし普通の距離感じゃない?」って返されちゃうし。距離感バグだよねー。聞けば本当に小さい頃からの仲良しみたいだし、その頃の距離感のまま高校生になっちゃった感ある」
アクかなエピソードを交えつつ、ルビーの話題にすり替えていく。あとはここからB小町の話題や生アイについての話に変えていけば良いだろう。そうすれば新生B小町と、自分のチャンネル登録者数の上昇に繋がる。
「そうそう、B小町といえば生でアイさんに会ったんだけど──」
☆
おつめむー
おつめむ
楽しかった
見に行こうかな
MEMちょがアイドルかぁ
ライブ行こうかな
チャンネル登録した
「やっぱ見応えのある内容だったな」
「そうだね」
一方アクアとあかねは、事務所の休憩室で、MEMの配信を並んで見ていた。信頼はしているが、一応確認しないことには、アクアも不安だったというのはある。
「なんていうのかな……ファンとの距離が近いっていうのは特殊な環境だね、動画の生配信って」
「ああ、その上で……50万に増えたのか。登録者数をこれだけ抱えているのは上澄みなんだろうな」
アクア、かな、あかねのようなテレビ越し、舞台越しと違ってそのまま配信者とコメント越しに直接触れ合えるというのは、アクア達からすると新鮮な世界だ。
「ある意味、アイドルに近いものなんだろうなYouTuberも。だからMEMはYouTuberをやってる」
「言われてみれば、確かに」
ファンとの触れ合い、ある程度のルックス、時には歌や躍りも披露する彼らはなるほど、アイドルと言って差し支えない存在でもあるだろう。敷居の低さからそう呼ばれることはないだろうし、どこまで行ってもYouTuberとしか呼ばれないだろうが、ファンに推されるという一点に限り動画配信者は一種のアイドルなのだとアクアは感じた。
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