【完結】天に輝く二ツ星   作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル

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間接的な性的描写があります。ご注意ください


40.初めて

 翌日。アクアは休日にしては普段よりも早く目が覚めた。顔を洗い、歯を磨く。既に収録で出掛けたであろう母が用意した朝食をペロリと平らげ、やや物足りなかったので食パンを一枚追加して食べた。既に今日はかなの家に遊びに行く予定になっている。ようやく起きてきた妹に、今から出掛ける事を伝える。

 

「おはよおにいちゃん」

「おはよう。俺はそろそろ、かなの家に行く。昼飯は大丈夫か?」

「んぅ~……大丈夫……昨日のごはんのあまりをチンして食べるから……」

「わかった。行ってきます」

「いってらっしゃーい」

 

 身支度をして、ルビーに送り出される。かなの家に向かう前に薬局に寄り、()()()()買うものを買ってから向かう。まだ午前中ながら、閑静な住宅街の一軒家にある、かなの家の敷地に入っていく。そのままかなに電話をかける。

 

「かな、着いたぞ」

「ん、今開けるから待ってて」

 

 インターホンは押さない。それがかなの家に遊びに行くときのルールだ。いくら変装しているとはいえ、それでもリスク管理を出来る部分はしなければならない。やがて、がちゃりと鍵の開く音がしたので、扉を開け、アクアはするりと滑り込むように中に入っていく。鍵を閉め、かなと改めて対面する。

 

「んー……おかえり、あーくん」

 

 かなに抱き締められ、それをアクアは受け止めるように抱き返した。

 

「ただいま……なんか、バカップルみたいな呼び方だな、それ」

「いいでしょー別にー? 最近外でアクアの名前出すと街中でも聞き耳立てられるし」

「まあな」

 

 今ガチ放送後、アクアの注目度は、あかね、かなと合わせて加速度的に上昇し、アクアの名前が非常に特徴的なこともあって下手に名前を呼べないという状態になっていた。

 

「だからあだ名を考えてみたの。あーくん、なら呼びやすいでしょ?」

「なるほどな。まあ、好きにやってくれ」

「言質とったわよー? あ、でも今日は“アクア”で。家なのに気ぃ張ってたら、疲れてしおしおのピーマンのおひたしになっちゃうから」

 

 ぶり大根といい、独特なワードセンスをしているかなの言い回しに苦笑しつつ、かなとくっついたまま部屋の中へ向かう。部屋に入ると、アクアはソファーに腰掛け、その膝の上に当たり前のようにかなが乗る。

 

「お昼はどうする? 一応冷蔵庫に何かしらは入ってるけど」

「良ければ俺が作ろうか?」

「ほんと? アクアの手料理好きなのよね」

「男料理だけどな」

 

 二人して、示し合わせたようにいつもの会話をする。ゲームをしたり、漫画を読んだり、動画を見たりしながら。

 

「晩御飯宅配でいいー?」

「いいけど……じゃあこれにしとくわ。うな丼弁当」

「おこちゃま舌ね~」

「男なんていつまでもそんなもんだ」

 

 そんな会話をしながらも、アクアもわかっているのだ。普段から家で遊んでいるのに、わざわざおうちデート等と銘打って二人きりにした理由も。かなが、部屋着にしては気合いの入ったものを着ているのも、うっすらとだが化粧をしているのも。普段は使っていない、オイルアロマによって部屋中が甘ったるい香りに包まれているのも。かな自身からも、アロマに負けないほどうんと甘ったるい匂いがするのも。アクアはそれらを理解した上で、あえて日中は無視していた。そうしたおかげか、夕食を終える頃にはお互いがぐずぐずに蕩けるような熱を帯びていた。そして、どちらともなく唇を貪るように交わす。

 

「ん、んっ、んむ……はふ……ん……あくあぁ」

 

 その情景は接吻というよりも捕食に近い有り様で、お互いがお互いを喰らうよう。

 

「かな」

「ん……」

 

 真っ赤に染まった頬に、潤んだ瞳でこちらをみるかな。アクアは、その言外の訴えに応えるように真剣な顔をして言葉を返す。

 

「かな……愛してる。お前の初めてを俺にくれ」

「うん……私の初めて、全部アクアにあげる……ぜーんぶアクアが初めて、一番最初。だからアクアの初めてもちょうだい」

「わかった。でもな」

 

 耳朶を軽く甘噛みする。小さく悲鳴を上げるかな。

 

「っ、ひゃ……」

「お前を誰かに渡す気もねーからな」

「──っ♡ うんっ♡」

 

 己でも驚くほどに甘ったるい……男を求める女の声が出た。この瞬間、アクアはかなだけを見てくれている。他の娘じゃなくて、かなだけを見ている。醜い独占欲までさらけ出してくれている。それがたまらなく嬉しかったから。

 

 であれば、自分もそれ相応のお返しをしなければならない。かなはアクアへの秘密兵器を取り出すことにした。

 

「アクア……ちょっとまってて」

 

 かながそういうと、クローゼットから、きらびやかな衣装を取り出した。アクアには、それについてつい最近見覚えがあったものだ。

 

「これは……JIFの?」

「ね、いいでしょ? 無理言って、自分用を作って貰ったのよ」

 

 ()()は、赤を基調とした、JIFで身に着けていたあのアイドル衣装だった。

 

「初めては特別がいいから……これを着る度に思い出せるようにして?」

 

 そんないじらしくかわいらしいおねだりを前に、アクアの理性がぷつんと切れる音がした。目の前にいるアイドルをひょいとお姫様だっこすると、寝室へと消えていった。

 

 

 時間は流れ、更に翌日の夜。かなもその日は仕事は休みだったが、普通に学校があったので登校し、普通に一日を過ごした。

 

「で、かな先輩、どうだった?」

「そりゃもうバッチリよ……見ればわかるでしょ」

 

 パジャマ姿で、かなとルビーがテレビ通話で話していた。もちろん前日の夜の()()を聞くためだ。かなは明らかにグロッキーになっており、疲れはてた様子だった。

 

「おにいちゃんとのえっち、そんなにすごいの?」

「すごいなんてもんじゃないわ。身体の相性は良かったんだけどね……純粋にヤバイ。私、初めてだったのにヤバイくらいよがっちゃってさぁ。AV女優ばりにひんひん声出させられてね……ちょっと喉が嗄れたし……」

「うわ、うわぁ……そんなすごいんだ……」

「もう、最後の方なんか息も絶え絶えになっちゃって、気持ちよさでわけわかんなくなってたし……あ、もしかしたらつぶれた蛙みたいになってたかも……かなり恥ずかしいわねコレ」

 

 なんともアイドル同士の会話にあるまじき下ネタトークだが、やはり次は己の身ともなれば気になるものだ。先だって攻略情報を集めておかないと、とは思ったものの。女遊びをしていた歴戦の経験のあるアクアにどれだけ通用するのかは、ルビーとて正直未知数だった。

 

「……男目線で見たらけっこうえっちなんじゃないその体勢? あの有馬かながそうなってるってことでしょ? えろえろじゃん」

「そ、そう? って、そこはいいわよ。アクアの話に戻るけど、アクアの一番ヤバイのは体力よ体力。あいつ、持ってきてたスキン全部使いきって、その上で余裕綽々って感じだったわ」

「ごくり……」

 

 当のアクアは若い体の体力サイコー、位にしか思っていないが、アクアのお嫁さん同盟の中で一番体力のあるかなですらへとへとにされたという事実に、ルビーは恐怖と歓喜の入り交じった感情に襲われ、ふるりと体を震わせ生唾を飲んだ。

 




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