【完結】天に輝く二ツ星   作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル

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54.家族会議

「えー、朝帰りしたおにいちゃんが持って帰ってきた爆弾情報について今から家族会議をします」

 

 翌日の午前中、星野家にて。斎藤夫妻、星野一家、そして姫川と金田一もが雁首を揃えてリビングに座っていた。一番冷静で中立的なルビーが進行をするらしかった。空気はずっしりと重くなっている。

 

「まず事実関係……であってるよね? それをおさらいしまーす。証人のおにいちゃん供述をどうぞ」

「まず、姫川大輝は父親探しをしていた。そのため、ほぼ同年代の俺を始めとした様々な男性の遺伝子を集めて検査していたとのことだ。そこで、俺と姫川大輝の遺伝子情報から確実に異母兄弟であるということが判明した」

「大輝お兄ちゃん、間違いないですか?」

「ルビーお前もか、お兄ちゃんやめろ。……ああ、間違いない。証拠品としてここに私的DNA検査結果がある。疑うなら改めて俺とそっちの兄弟どちらかか……あるいは俺とヒカルさんの検査をしてくれればいい」

 

 そういう姫川も若干目が死んでいる。自分より上の芸能人を抱くことで自尊心を保っていたらしい父親も大概だったが、信じていた母親もまさか小学生と性的関係をもっていて、それがララライの先輩にあたるヒカルなのだから。世間は狭いなぁと現実逃避していた。

 

「……一応確認するがヒカル、お前他に心当たりはあるか?」

 

 壱護がひねり出すようにそういうと、あっけらかんとした風にヒカルが言う。

 

「無いよ。アイと出会うまで、そういうことちょっとトラウマになってたんだから」

「斎藤社長! 先に言っとくけど、私もないからね!」

「最初で最後の男がヒカルだからな、そこは信頼してるわ。それで子供までこさえやがってこのクソアイドルめ……」

「えへへ、それほどでも」

「誉めてねぇよ!」

 

 アイは元々警戒心が強く人を信用できるタイプではなかった。そのため、男の影については心配していなかったところに、突然現れたのがヒカルだった。その難攻不落をヒカルがどう落としたのか、詳しい話は壱護もミヤコも知らない。というか聞きたくなかった。

 

「はぁ……取り敢えず、大事な所から決めるぞ。ララライと苺プロの共通見解として、この双子と姫川の血縁関係、ならびアイとヒカルの事実婚状態については黙認、無視、隠蔽する。それでいいか?」

「それしかねぇだろ……ワークショップでとんでもないもん連れてきやがって」

「それはこっちの台詞だ、クソアイドルはあれでも男はつかないだろうと信用して送り出したんだぞ……くそ、念のため念書とか用意するか?」

「やめとけ、その念書が流出すんのがオチだ。一蓮托生だろ」

「仕方ねえか……」

 

 仕方の無い話ではあるが、この地雷たちが爆発すれば苺プロもララライも連鎖爆発するのは目に見えている。ヒカルやアイが現役から引退して、年月がある程度経過してから暴露本とかを出すのならともかく、二人とも現在もバリバリの現役だ。現状維持こそが最善手であった。

 がっくりとうなだれるおじさん二人をみて、姫川は苦労してるおっさんっていう絵がもうおもしれえな、と思っていた。元々割り切りは早い方だったし、それなりに芸能界にいただけあって結構ないい性格をしていた。

 

「それで、一応確認したいんだけど、ヒカルはほぼ騙されてレイプされた感じでその……なんだっけ、大輝くん。パイルさん?」

「あー、愛梨です」

「そうそう、その()()()さん」

 

 どうやらアイは姫川愛梨の名前を覚える気がさらさらないらしいことはすぐにわかった。自分の愛しい夫に手を出したことに相当ご立腹のようだ。アイと知り合う前だろうと、腹が立つものは腹が立つということなのだろう。

 

「その人とヒカルが関係を持っちゃった感じってことになるんだよね」

「まあそうだね。もう20年以上も前の話になるんだけど……あんまり生々しい話はしたくないなぁ」

「つまり浮気ってことだよね? ね?」

 

 にこおっ、とアイが見たこともない壮絶な笑みを浮かべた。ルビーはぴぃ! と悲鳴を上げた。姫川はこりゃ面白いことが起きるぞと二人を観察し始めた。

 

「困った、アイと付き合う前の女の子も浮気相手認定されるのか」

「そりゃそうだよ?」

「そっかあ……何か埋め合わせしてあげるから許してくれないかな? ごめんね、アイと会う前に他の娘とそういう関係になっちゃって」

「つーん、言葉だけじゃゆるしませーん」

「ほら、アイス買ってあげるから」

「つんつーん」

「だめかぁ……」

 

 なんとか不機嫌なアイのご機嫌取りをしようとする申し訳なさそうなヒカル。普段なら高級アイスで機嫌がとれるあたり甘々なのだろうというのが見てとれる。これは高度な惚気を見せられているのでは、と大輝は首をかしげた。

 

「まあ、とりあえずアイのご機嫌取りは後でしておくから大丈夫です。二人きりできちんと話せば分かってくれますよ」

 

 訂正、こいつやっぱ自分の父親だわ、と確信する。女性経験がほとんど無い割に、アイの扱いが抜群に上手い……というよりは、本来なら分散して向けられていたであろう恋愛感情を、アイ一人に向けて溢れんばかりに注いでいるのが今のヒカルなのだろう。アイとの出会いがなければ、あるいは違った出会いならば間違いなく自分の兄弟姉妹が増えていたであろうことは容易に想像できた。

 

「それで……戸籍とか家とかは、どうしたい?」

「いや……実の父親が知りたいってだけで。もう自立してますし、今のままで大丈夫ですよ」

 

 姫川はあくまで自分の本当の父を知りたかっただけで、どうこうするつもりはなかった。見つけた父親がクラスター爆弾もかくやの地雷家族だっただけで。

 

「そっか……でも、甘えたい時に甘えても良いし、頼りたい時に頼っても良いからね。間違いなく僕の血を引いた息子なんだから」

「あ、ずるい! 私も頼って良いよー? なんならママって呼ぶ?」

 

 ほんの12歳くらいしか違わないのに、アイとヒカルを両親と呼ぶのは……すこし、結構、いやかなりキツかった。キツかったが、それと同時に嬉しさもあった。自分にはもう無縁な存在だと思っていたから。でもそれ以上にキツかった。小学生が高校生を相手にパパママと呼ぶよりキツかった。

 

「呼び方は今まで通りで……流石にちょっと今すぐは無理そうです」

「そっかあ。でも、大輝君はもう私にとっても、息子だからね! ハグしたげよっか!」

「止めてください。マジで」

「うん、やめようねアイ」

「ちぇー。はーい」

 

(あっぶねぇー!! ヒカルさんナイス!! 義理の母親に欲情する羽目になるところだった!!!)

 

 姫川大輝20歳、まだまだ性欲盛りなお年頃である。30代くらいなら全然ストライクゾーンだし、アイ自身との直接的な血の繋がりはない。

 一旦姫川大輝の一件が落ち着いた所で、アクアが口を開く。

 

「あと、そうだ。折角の機会ですし、俺の話になるんですが……良いですか?」

「ああ、もう好きにしてくれ……」

 

 こんどはアクアか、と壱護はうなだれる。ミヤコはもう何も聞きたくないのかアイに抱きついて中空を眺めていた。

 

「俺と交流の深い子達には、両親について話しておいた方がいいですよね?」

「有馬や黒川の事か……まあ、あいつらなら信頼できるか。お前の好きにしろ。ただし絶対に漏らさせるなよ」

「わかってる」

「うん、大丈夫だとおもうよ。あとMEMちょも」

 

 なぜMEMちょの名前をルビーが出したのか、壱護はなんとなく察してしまった。交流の深い子とぼかして言ったが、要するに手を出してる女のことだろうとあたりをつけた。実際には手を出されたので据え膳を食べただけ、と言う方が正しいのだが、知らぬが仏である。もちろんMEMちょにはまだ手を出してはいないのだが、ルビーからしてみれば時間の問題であった。そこらのアイドルよりもよっぽど女を狂わせるタイプの男であるという真実を知るのは、まだ先の話であった。この中でもっとも真実を正確に把握しているのがそのアクア狂いになったルビーとは夢にもおもっていない。

 金田一はもうなんか帰りたそうにそわそわしていたが、壱護は何も言わなかった。無言でお前も道連れだと言っているような気がした。

 

「わかった……他にはないか? 無いよな?」

「家族会議で話す議題としては無い。慰安旅行はもう決まってるだろ」

「おわったのね……」

 

 懇願するような壱護の声と、疲れきったようなミヤコ。それにアクアがもう終わりだ、と返して解散と言うことになった。

 

「じゃ、解散で。ハイヤーを呼ぶね。そうだ、アクア達もどこか遊びに行く予定とかある?」

 

 ヒカルがそういうので、アクアは何となく察してルビーを連れてかなの家に逃げるように向かった。金田一達も社長夫婦も帰宅し、二人きりになる。

 

「さ、皆行ったよ、わがままなお姫様」

 

 ヒカルはそう告げると、不機嫌アピールをまだしていたアイをひょいとお姫様だっこで抱える。アイの頬が期待して朱に染まり、瞳が潤う。

 要するに不機嫌アピールはかまってアピールであり、さらに言えばえっちしたいアピールであった。ヒカルはそこをしっかりと把握していた。

 

「ひゃっ……」

「それじゃ、僕が君をどれだけ愛してるか体に教えてあげるからね」

「うん♡」

 

 ☆

 

「それであんたたちはうちに避難してきたってわけ。はー、まあ薄々は気づいてたけど」

「そうなの、もーパパとママ、仲良すぎだよね」

「まあ、仲が悪いよりは良いんじゃない? 確かに両親がえっちするから避難しろって言うのはどぎついけど」

「まあな。セックスレスから事実離婚に発展するパターンもあるわけだし」

「あーくんもその辺大丈夫そうよね~、種馬もドン引きの精力だし。なんというか、良血サラブレッドねぇあんたらの血筋。どこかでクロス入ってるんじゃないの~?」

「入ってたらヤバイだろうが……詳しいな競馬」

「芸能人って競馬好き多いから、知ってて損はないのよ。ああ、あかねにも教えときなさいよ」

「それは勿論」




あかね「アクア君の両親のこと? まあ気づいてたけど確証は無かったから言わなかったよ(ホームズ並感)。もちろん命に掛けても他言しないからね!」

追記:不足部分を追加で書きました

ガチ濡れ場(R18)って需要ある?

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