【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
熱に浮かされていたとしても、一度寝て起きれば冷静になるというもの。
(やってしまったー!!!)
相手は未成年の16歳でリアル高校生、もう少しすれば高校二年生になる相手だ。しかも彼女持ち。そして自分はもう少しすればアラサーの成人であり、間違いなく淫行にあたる。冷静になればなるほど冷や汗が出てくる。
「いや法律違反ではない、ないけどぉ~!」
法律違反ではないが、各都道府県の条例において禁止され、罰則が科されている。少なくとも東京都では条例違反に当たる行為だ。ここは間違いなくアクアの泊まっている部屋であり、明らかに自分と行為をした痕跡が残っている。血痕等の後始末までアクアにささっとされてしまったが、致した証のゴミがビニール袋に一纏めにされている。なんだか手慣れている気がしないでもないが、アクアは基本的に用意周到で準備を怠らない男だし、何事にも気が利く。そもそもまだ未成年がそういう後処理に慣れているっていうのもおかしいので、MEMはなんとかアクアが単に気を利かせてくれただけと思い込むことにした。
時計を見る。午前6時……ツアーでもない限り、普段なら寝ている時間だ。事務所に顔を出す日でも、起きるのは午前8時とかだし、今日だって朝食は8時半の予定だ。アクアはすやすやと隣で寝ている。とにかくここに居るのを見られるのが不味い。ひとまず丁寧に畳まれていた服を着て、自室にこっそり戻る。そうしよう。
(いや、でも……うん。すんごいよかった)
着替えながら、あの初めての情事を思い出す。アクアのマリン砲はもう……すんごかった。
年上だからリードしようとしたつもりが、リードされてしまったし、頑張って声を抑えたつもりだったが、最後にはひんひん鳴かされた気がする。
元々ガールズバーでバイトしていただけに知識だけはものすごく豊富なMEMちょは、はじめてに理想はあったが幻想は抱いていなかった。痛いものは痛い。アクアはその理想を越えた形で叶えてくれた。まず、タフだし頑丈。こちらがあわあわしていたらリードしてくれるし、もうなんか弱点を全部ばらされた感じ。
「おはよう」
「おはよう。……あ、ごめん。起こした?」
そうして着替え終わると、ちょうどアクアが目覚めたようだ。いつもきちんとしている彼の、珍しい髪の毛が乱れた姿。寝起きで機嫌が悪いのか少し目付きが悪くて、なんだかそれもときめいてしまう。ワイルドな感じがいい。イケメンだから許されることであった。イケメン無罪。
「いや……丁度よかった。……身体の調子はどうだ?」
「むしろ調子が良いくらい!」
むん、と力こぶを作って見せる。本当に身体の調子が良い。身体の中に貯まっていた、使っていなかったエネルギーを解放したような感覚。なんだか世界がいつもよりも輝かしく感じる、晴れやかな気持ちだ。肌も二割増しでツヤツヤな気がする。
「そっか。ならよかった」
アクアはそういうと、耳元にそっと口を近づけて、囁くように。
「今日もかわいいよ、『 』」
「っひぅ……!」
MEMの、本当の名前。家族と、契約事務所以外には、誰にも教えたことのない。知り合いの中でも、『MEMちょ』だけを知っている方が多いだろう。中学や高校時代の友人とは、縁が既にほとんど切れてしまったから、MEMちょ=自分であるということを知る人物は一握りだ。
その特別を、はじめてと一緒にアクアにあげた。本名を教えた時、名前を呼んでっておねだりしたのに、いじわるなアクアはすぐには呼ばずに焦らしてきて、高まりに高まった瞬間に、ぐっと近づいて耳元でぼそりとその素敵な声で囁くのだからもう……もうなんというか最高。その瞬間、耳が孕むかと思ったくらいだ。
だから、その名前でささやくように言われると、彼女の中の女性としての本能が刺激され、スイッチが入ったかのように短く声をあげてしまう。そんな自分を、冷静な自分が分析していた。
(あ~……ダメだ、これ。たぶんアクたんに調教されちゃうやつなんだぁ……)
そのうち、アクアに耳元で名前を囁かれるだけで
すると、突然ノック音がする。それでMEMは正気に戻った。
『おにいちゃん? おきてるー?』
「あ……」
すっかり忘れていたことを思い出した。
(あ゛ーっ!! 忘れてたーっ! そうだよバレないように帰らないといけないんだった! もう無理だけどねーっ! うわーんよりにもよってルビーちゃんにバレるーっ! どうしよう!?)
MEMちょはやっと正気に戻った。アクアに突然朝から囁かれてふにゃふにゃになってしまい、誰かがこの部屋に訪れるという最悪のパターンを忘れていた。
「今開けるぞ」
「えっ」
なんか当たり前のように鍵を開けてルビーを招き入れるアクア。当然、守ってくれないアクアに固まるMEMちょ。思考もエラーを吐いて停止した。
扉を施錠すると、ルビーが当たり前のようにアクアの胸に飛び込み、アクアはそれを受け止める。そのまま、ルビーはアクアの胸に顔を埋める。
「おはよー! いえーい!」
「おっと、あぶないぞ」
「んふー、おにいちゃんが受け止めてくれるからいいもーん」
「仕方ないヤツだな……」
愛おしそうにルビーを受け止め抱き締めるアクア。一見すると単に美しい兄妹愛といったところだが、この二人は兄妹愛に留まらなかった。
「朝イチのおにいちゃんのちゅー。んー」
「ん」
「えっ」
さらに固まるMEMちょ。ルビーがアクアに、当たり前のように人の前でキスした。それを当たり前のようにアクアが受け止めていた。なんだかもうアクアが何を考えているのかよくわからなかったが、とにかくMEMちょは混乱した。
「あー、MEMちょおはよー!」
「おはよう……???」
「ここに居るってことは……おにいちゃんとえっちしたの?」
火の玉ストレートに、MEMちょの意識は緊急再起動した。何とか取り繕おうと考えたが、なんかもう何を取り繕っても証拠しかない。具体的に言うと、机の上に無造作に置かれた開封済みのコンドームの箱(24枚入り)とか。
「えっと、そのぉ……はい……アイドル失格です……」
「そっかあ。大丈夫! 私と姉妹になっただけだから!」
「はい???」
「私の方が先だから……MEMちょは竿姉妹の妹だね! ちなみに四女だよ。あ、でも
「アクたん????」
MEMちょは心の中で叫んだつもりだった。完全に声に出てた。この男、あかねだけでは飽きたらずにB小町全員ペロリとおいしくいただいていやがったのである。アイドル育成ゲームどころか青年誌の主人公も震えて逃げ出すような男だった。アクアにMEMが追及すると、アクアは真剣な表情で返す。
「誓って浮気はやってません」
「アクたんそれ無理筋じゃない?」
「だよなぁ……」
アクアはがっくりと肩を落としながら、真剣な瞳でMEMの目を見つめながらいう。そこに、いつもなら瞬いている星のような輝きを感じず、ただ真剣さがあるだけだった。
「嘘っぽく聞こえるかもしれないが、全員きちんと責任は取るし、愛している。少なくとも、中途半端な気持ちでお前を抱いた訳じゃないことだけは信じてくれ」
「わかったよ、アクたんの事を信じる。でも、経緯は全部教えてよ? 主にルビーちゃんとか……」
「時間も微妙だし、かいつまんで説明するが、後でルビーたちに詳しく聞いてほしい」
アクアはそういうと、本当に手短に説明した。
「全員同意の上で全員と付き合っているんだ、これでも一応な。あかねとかなはまあ予想できるだろうから割愛する。ルビーともこうなってしまったのは……理由は色々あったが、原因の一端は幼少期にふたりきりの時間が多かったからだな」
「かなりかいつまんだね」
「長居するとMEMがここにいるのがバレて面倒だろ、色々と。ノロケを延々と話す趣味もない」
「そりゃそうだけど……」
まあ、言われてみればルビーとの関係ががおかしいだけで、元々幼馴染みのかなと、今ガチで関係を持ったあかねと関係を持つというのは自然な話だし、半分勢いとはいえ夢を叶えてくれたアクアにすっかり虜になってしまった自分、と考えれば……倫理観はともかく理解は出来る話だ。
「それで、アクたんとルビーちゃんが二人きりが多かったっていうのは?」
「ヒカルさんとアイが両親だからな、二人とも家に居ない時間の方が多かったし、ミヤコさんに面倒を見てもらってたとはいえ、小学生になる頃には自宅で留守番をすることも多かったからな。二人きりで過ごしている内にお互いの距離が近づいて、気がつけばこうなっていたってことだ」
「ふーん……まって???」
この男、さらっととんでもない爆弾発言をしなかっただろうか。両親がアイとヒカルと確かに言った。聞き間違いではなさそうだ。MEMはまたしても混乱した。
もちろん、アクアの言っている二人きりがどうのこうのというのは半分くらいは嘘である。二人きりが多かったのは事実ではあるが、それは基本的に前世の話である。小学生当時は両親が自宅に戻るのが遅くなるのがわかっている時は、社宅か五反田監督の家で遊んでいたので、特別何かあるわけではなかった。
「あ、もちろん誰にも言うなよ」
「言えるわけないよぉ……!」
当たり前の話だがそれが暴露されたとすると、アイが16の頃に生んだ子供がアクアとルビーということになる。こんなものを暴露した日には自分は間違いなく干されるし、苺プロは跡形もなく消し飛ぶだろうことは容易に理解できた。
「……えーっと、自室で整理してきて良い? 私のかわいくてちっちゃな脳みそが理解を拒んでる」
「分かった。周囲には気を付けてな。誰か見てるかもしれない」
「わかってるよぉ……」
MEMはとぼとぼとアクアの部屋から退室した。
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