【完結】天に輝く二ツ星   作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル

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63.参拝

 アクアのお嫁さん同盟に、無事? MEMちょが加入し、翌日の午前中。天細女命(アメノウズメノミコト)の奉られている荒立神社での参拝を終えたところであった。

 

「よし、アメノウズメノミコト様にお参りもしたし、これで宮崎でやれることはやった感じだね!」

「ルビー、(ミコト)の時点で尊称になっているぞ。アメノウズメノミコト様だとアメノウズメ様々だ」

「へー」

 

 ちなみに荒立神社には天細女命(アメノウズメノミコト)と共に、夫である猿田彦命(サルタヒコノミコト)も奉られている。猿田彦命(サルタヒコノミコト)は現在の天皇の祖先に当たる瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が地上にやってきた時の道案内をしたとされる男神であり、それ故か良い方向へと導く「みちひらき」の神と信じられている。また、天細女命(アメノウズメノミコト)とあわせて夫婦神でもあるので安産や良縁等の御利益がある。神話ゆかりの地ということもあり、芸能人だけでなくカップルや夫婦、良縁を求めた若年層、歴史をたどってやってきた外国人など、様々な人々が集まってくる場所でもある。尤も、午前中の早朝ということもあってか、人混みは疎らだ。もう少しすれば、観光客が御利益や霊的パワーを求めて、わんさかとやってくるだろう。有名人であるアクア達はその前に退散する必要があった。

 

「もう人が集まり出したわね……。そろそろお守りコーナーで少しだけ買ってから帰りましょう」

「「「「はーい」」」」

 

 ミヤコの号令通り、全員でお守りコーナーに向かう。みんなで、「健康祈願」と「芸道守」のお守りを購入した。

 

 そしてあかねは、これ見よがしに安産祈願のお守りをアクアハーレムの人数分……と、予備を二つくらい購入した。子供を産む覚悟までしている事を察したMEMは胃がキリキリと痛んだので、とっさに漢方薬を服用した。一方のアクアは、それを知ってか知らずか別の窓口で巫女さんに話しかけている。

 

「すいません、ここで御朱印って貰えますか?」

「大丈夫ですよ」

 

 アクアの蒐集癖の中には、神社の御朱印もあった。遠方のロケ地に赴く度に御朱印帳に御朱印を押してもらっていて、今回もそういう時と同様に、押してもらったのだった。

 その販売店の横で、おみくじがあったのでせっかくだからということで、全員で引いてみることに。もちろん気になるのは基本的運勢と、恋愛運。結果は以下の通りになった。

 

 ミヤコとルビー:今の人が最上、迷うな(大吉)

 あかね:愛を捧げよ、(しあわ)せあり(中吉)

 かな:慌てず心を掴め(大吉)

 MEM:一途な想いが愛を深める、行動で示せ(吉)

 アクア:誠意を尽くせ(末吉)

 

「凶がなくて良かったわね……恋愛運は……今の人が最上? ……あの人が?」

「斎藤社長、いい人だと思うよ?」

「行動で示せかぁ、あはは、耳が痛い」

「『慌てず心を掴め』……焦りは禁物ってことね」

 

 くじの結果に一喜一憂している女性陣とは裏腹に、アクアは微妙な表情だ。なんとも耳の痛い話である。まるで見透かされたかのようなおみくじの忠告を胸に刻んだ。しかも末吉だった。

 

「言われなくてもやるさ……」

 

 なんだか、あのツクヨミと名乗る子供におちょくられた気がした。

 

 かくして、二泊三日の宮崎旅行は終了。B小町の面々は、疲れからなのか、あるいは約二名の()()()()()のせいなのか、帰りのバスや旅客機の中で、爆睡していた。唯一起きていたのは、『よくわかるサカバンバスピス』と書かれた図鑑のような本を黙読しているアクアだけだった。

 

 ☆

 

 一方、そんな風にアクア達が最後のギリギリまで宮崎旅行を楽しんでいた頃。鏑木プロデューサーと不知火フリルが企画書片手に話し合っている。

 

「いいのか? こんな番組じゃあ、清楚売りは難しくなるぞ」

 

 鏑木は丸めた企画書で手遊びしながらフリルに言う。企画書には『フリルの七色キッチン』とシンプルな文字が並んでいる。端的に言えば、各地の特色のある素材を料理に使ったり、あるいは育てるところから携わってみたり、時にはレトルトやインスタント、果ては冷凍食品までをも駆使した様々な料理に不知火フリルが挑戦する……という番組企画である。

 もちろん、不知火フリルに調理経験は皆無だ。素人もいいところだろう。そこでフォロー役として星野アクアとルビーがサポートを行う。ついでにゲスト枠もひとつ用意されていて、全員で調理とかを行うという、週に一回放送する番組の予定だ。無論、アクアとルビーの実力は未知数だがアクアは手料理くらいは出来ることは学校でのやり取りで知っている。

 

「大丈夫。この程度で離れていくようなファンならどのみち流行りが過ぎれば消えていくタイプ。それに、清楚売りは良いけど、演技幅も狭くなるからね。言わばこれはふるい落しの番組と思ってる」

「そうか……で、料理経験は?」

「ほぼないけど? 調理実習でカッテージチーズを作ったくらい。だから私にこんな企画が来たんでしょ」

 

 そう言ってどや顔を披露する不知火フリル。鏑木は、なるほど確かに映像上では単なる清楚系でしかないフリルが、実は料理が苦手で番組を通じて成長する。なるほど、相方が星野アクアとルビーであることをさっ引いても、数字は間違いなく取れるだろう。

 

「まあそりゃそうだろうが……おまえの所はともかく、苺プロからOK出るかどうか……」

「出るでしょ」

 

 渋る鏑木に対して、言外に「貸しがたくさんあるんだからやれるよね?」と圧をかけていくフリル。

 結局、鏑木は折れた。

 

「わかったわかった、掛け合うだけ掛け合ってみる。アクアとルビーが嫌がったらおしまい、それでいいか?」

「上等。貸し一つ消化していいよ」

 

 フリルはそういうと、踵を返し、手を振りながらその場を去る。鏑木プロデューサーとしてはなんというか、面倒事を押し付けられた感がすごかった。

 

「……だがまてよ?」

ガチ濡れ場(R18)って需要ある?

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