【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
「ここは、しゅぱぱーっとやらないとダメ」
「母さん。もう少し細かく……」
「えー? ルビーはこれで伝わったけどなぁ……こう、素早く! その方が見映えがいいからね!」
「アクアは理論派だもんね」
両親と息子が料理をしているなんとも、微笑ましい光景。ルビーはレッスンで家におらず、珍しくアクアとアイとヒカル、という日であった。番組収録の開始まであと一ヶ月ほど、アクアも知識の詰め込みは終わらせ、『テレビ映え』する動きを教えてもらっていた。アイもヒカルも、主演として調理するシーンがある場合があり、その時に『如何にも料理上手いですアピール』や、『下手くそだけど頑張ってますアピール』が必要である。今後アクアも同じ演技をするときの参考にもなるので、どうやれば上手く、あるいは下手に見えるのか、雑に、丁寧に見えるのかを、昼食作りも兼ねて教えてもらっていた。
「アクアの普段のやり方は、丁寧で上手なタイプだからね。元々几帳面だからかな?」
「逆にルビーの方が適当だもんねー。あ、ヒカル。ほっぺにソースついてる」
教えてもらっている身なので強くいえないのだが、息子の目の前で自然にひょいパクとかやめてほしかった。せっかくだからと気合を入れて手こねハンバーグを作っているのだが、味見の時に跳ねたソースとか肉かすをお互いに指で拭って口に運ぶのだ、当たり前のように。もうなんか
先程までやっていたのはツナギとなる玉ねぎのみじん切り。アクアも手慣れたもので、サッとみじん切りにすると炒めていく。このとき無塩バターで炒めると、味の調整がしやすい。
(軽く飴色になるまで炒めたら、冷ましておく……)
次は挽き肉を捏ねる。今回は合挽き肉だ。塩コショウで下味をつけてから、よく捏ねる。卵とパン粉を混ぜ、その後に玉ねぎを混ぜ込み、形を整えて、タネを作り、空気を抜く。中々の重労働だ。形成したタネに軽く片栗粉をふりかけてから、中火でしっかりと火を通す。竹串を刺して肉汁が溢れるのを確認してから、盛り付ける。余熱で中までしっかり熱が通るように置いておきながら、そのハンバーグを焼いたフライパンでソースとケチャップ、調理用ワインを少々使ったなんちゃってデミグラスソースを作り、ふりかける。つけあわせに適当なゆで野菜を添えて完成だ。副菜に菜サラダと、インスタントのコーンスープ。そして白米で完成だ。
「うん、美味しいよアクア!」
「良くできてるよ、頑張ったね」
そんなことをいいながら、頭を撫でてくる二人。いつまでも子供扱いだが、アクアはそれが心地よくて受け入れてしまう。両親に甘やかされるなんて経験を、
「口に合うなら良かったよ。ルビーの分もとっておいて正解かな」
「そうだねー、私だってずるーいってなっちゃうし!」
「それは僕の料理でも言ってない?」
「大事な家族の料理だもん、みんなずるい! 星野アイは欲張りだからね!」
なんでもない家族の日常が、どうしようもなく愛おしかった。食事をしながら会話をする。家族と料理をする。仕事の話をしたり、学校の話をする。アクアはどれも体験したことのないもので、今ではもう、これがないと寂しくなってしまうほどだ。それはヒカルやアイも同じである。
「料理番組のフリルちゃんとはどう?」
「仲は悪くないと思う。相性も悪くないかな。かなを相手にするくらいには気楽かも……」
「アクアがそういうなんて、結構やるね。不知火フリルさん」
「父さん?」
ヒカルがからかうように言うので、それをとがめようとするが、ヒカルは結構真剣な感じだ。
「いや、ほんと。たぶんフリルさんもアクアを狙ってると思うよ。食べちゃえば?」
「食事中にやめてくれよ……」
「そう? ヒカルと私は結構食べながらでもやるけど」
「訂正する、母さんの前ではやめてほしい」
「ママ権限で却下しまーす。息子の恋愛事情ほど楽しいものはないからね!」
何せ自分は恋愛禁止だったし、そもそも人間不信だったために、他人の恋愛事情に興味の欠片もなかったのだが、愛を手に入れてからはむしろ興味津々だ。しかも一般からは外れに外れて爛れまくっている息子の恋愛事情は見てて面白いし、将来の義娘たちになるかもしれないのだ、話を聞かないわけには行かない。家族計画はしっかりしてほしいが。
アクアは観念して、ならば恋愛相談もしてしまえということにした。恋愛経験はお互い一人だけだが、他人の意見を聞きたかったし、聞けるのはそれこそ第三者的な立場である両親くらいだからだ。
「わかったよ……実は、寿みなみって子もなんか最近ぐいぐい来てる」
「寿みなみ? ああ、ミドジャンの表紙で何回も見たことあるね。おっぱいおっきい子」
「は? 私以外のおっぱいなんか気にしないで。今夜ベッド来て、私が一番ってわからせてあげる」
「心配しなくてもアイのおっぱいが一番だよ。アイは息子の六人目のいい人にも嫉妬するの? かわいいね」
「うん♡」
自分を
「そう、今でも多いのに6人は……あれ? MEMのこと言ったっけ……?」
「言われてないけど見聞きすればわかるよ。私の嘘センサーは今でも敏感だからね」
「流石だね」
なんだかもう両親には永遠に勝てそうもない気がしてきたが、なんとか同じ舞台に立ちたいし、一度は演技で勝ちたいので敗北感は心のダストシュートに放棄した。
「まあそういうわけで、僕はどうすればいいんだろうなって……」
「アクアはちゃんと全員の責任を取るつもりなんだよね?」
「当たり前だ。全員愛してるし、好きには好きで返したい……」
こんな恋愛がダメダメな自分を、それでも好きと言ってくれる子たちには、ちゃんと好きで返したい。
「じゃあ、やっぱり私たちの答えはひとつだよっ!」
「そうだね」
アイとヒカルは顔を見合わせると、うんうんと、頷いて笑う。アクアは結局その結論になるのか、と項垂れた。
「「愛があれば大丈夫! 孫6人がんばって!」」
両親が近親と重婚勧めてくんのマジでキツイ。アクアはそう思いながらも、そうしなければならない状態にした自分の責任を取らなければならないのだ、と思った。女の子に囲まれる生活も悪くないか……いや、やはりダメなのでは。少なくとも責任は取るつもりだった。
「フリルちゃんはなんとなくわかるけど、みなみちゃんのどこが好きなの? やっぱりおっぱい?」
「母さんがそれ言うのか……おっとりしてて純粋で……優しいところだよ。胸は……まあ多少は含まれてる」
「やっぱりおっぱいなんだ! おっぱいおっきいもんね」
「母さん。まだ昼間」
「午後だから実質夜だよ、セーフセーフ。そもそも芸能人に昼夜なんて関係ないぞっ☆」
「あ、家族計画はしっかりね。父さんたちみたいに早とちりしないように。特に父さんのように知らない間に出来ないように気をつけてね。せめて卒業してからにしてほしいなぁ子供は。子育ては手伝うからさ」
「勘弁してくれ……」
お構いナシにおっぱいおっぱい連呼する母親とあまりにも生々しい体験談を交えた忠告をする父親を見て、やっぱりほんの少しだけ後悔した。ほんの少しだけ。
「そういうわけで」
「アクアどこか出掛ける用事ある?」
「……五反田監督のところにでも行くよ」
「ありがとアクア、愛してる☆」
……やっぱりかなり後悔したかもしれない。
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