【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
とうとう番組収録打ち合わせの日、いかにも真面目そうな風貌の番組ディレクター、舘山寺はアクアたちにとんでもない一言を初手でぶっぱなしてきた。
「えー、まず。この番組では台本がある場合とない場合があります」
フリルはやっぱり、という顔をして、アクアとルビーは固まった。こんな事を言うディレクターは初めてだったからだ。だが彼には何か算段があるようで、話を続ける。
「質問は最後にお願いしますね。えー、台本は具体的には三種類ですね。一つ目が、完全に台本があって、おおむねその通りに料理を作ってもらう場合。二つ目が、こちら側がお題だけを用意して、自由に進めてもらう場合。最後に、ゲストとしてお呼びするタレントさんの注文通りのものを作ってもらう場合の三つとなります」
物腰が柔らかそうで、黒縁眼鏡をかけてスーツ姿のいかにも真面目そうなディレクターの姿からは想像できないほどの狂った方針だった。普通料理番組では、概ね段取りというものが決まっている。それを自由にやれと言われるのは流石のアクアも困惑してしまう。だがこのディレクターはそれで行けると判断したようだ。
「なぜこんな事にしたのか、もちろん気になると思いますが、これまでの皆さんの活動はきちんと拝見させていただきました。その上で申し上げますが、あなた方三人はアドリブで何かをこなす方がテレビの演出として面白い絵が撮れる、と踏んだからです。
ハタチにもなっていないガキ三人相手に、実力を評価しているから自由にやれ、と宣うこのディレクターは間違いなく狂っているとアクアは認識した。だが同時に、こういう狂った人間でありながらディレクターとして生き残り、休日のゴールデンタイムの帯番組という大仕事を任されている以上、間違いなく実績もあるタイプなのだとも認識した。
「とはいえ、番組内容はフリルさんを主軸にして、言われたお題の料理をお話ししながらするだけです。失敗をフォローするもよし、ツッコミするもよしです。主なコンセプトはフリルさんの成長ですから。昔からの伝統的な、芸能人をメインに据えた料理バラエティー番組と何の大差もありません。そう難しいことはないですよ」
それは、言うは易く行うは難しだろう。料理行程にツッコミしろ、まではいい。それ以外の待ち時間などをフリートークで繋げという話なのだろうが、流石のアクアとてそんな自信はなかったからこそ、調理技術を磨いてきたのだ。
「ああ、もしかしたら視聴者からこれを作ってほしいみたいなファンメールが来たら、それに対応する事があるかもしれません。ああ、先に申し上げておきますが。特殊調理免許等を必要とするフグ等のあまりにも特殊な食材を用意したり、放送帯的に不快感の強い食材や料理……たとえばキビヤックとかですかね、ああいう特殊だったり異様なものは取り扱いませんから。簡単な番組説明は以上です。質疑応答に移りますね」
一番警戒していたヤバいものはなさそうで、普通の料理番組にはなりそうなので、そこは安心した。アクアは早速質問をする。
「台本がない場合はどの程度の頻度なんですか?」
「番組がどの程度続くかによりますが、放送が既に確定している12週間分のうち、先ほど説明した一つ目が6、二つ目が3、三つ目が3ですね。ここからは視聴者の反応を見ながらパターンを組んでいく予定です」
流石にほとんど全部がアドリブ等ではなくて安心した。それと同時に、何となくこの番組の目的が見えてくる。フリルが料理に挑戦する。アクアはそれのフォロー。ルビーは簡単な手伝いをしつつ司会進行や実況。たまに入れ替わったり、ルビーやアクアがメインで調理するパターンもあるだろうが、基本的にはフリルが様々な調理方法に挑戦していく。無茶振りとしても、おそらくは食材を採りに行くところから、位で屠殺をやれとかまでは流石に言わないだろう。
アクアの警戒は異様だが、ネットテレビではそういう地上波では必ず配慮されるものがされていない場合があったからだ。地上波では出来ないことを、といえば聞こえがいいが要するに配慮を一切してないのと同意義だ。ちなみに子役時代はほとんど役者としての経験しかないため、余計に地上波のバラエティ枠に対して異常なまでの警戒を強めていた。
その警戒を感じ取ったのか、舘山寺はフォローをするように追加で言葉を続ける。
「流石に初回からアドリブをしろとは言いません。ある程度こなれてきたら……といった感じで段階を踏みますし、こちら側で編集もしますからキチンと見れるものになるとは思いますよ。尺は意識して貰うかもしれませんが、CMでいくらでも引き延ばせるのでそんなに意識しなくても良いですよ」
言っていることはわかりやすいし、理解できる。だが単純に経験の浅いアクアとルビーに振るものか? と思わなくもない。しかし実力を評価していると言外に言われたようなものなのでアクアはこれ以上なにも言えなかった。
一方で嫌そうな顔をしていたのはフリルである。フリルが新人時代の頃にお世話になったディレクターではあるのだ。フリルが国民的美少女なんて呼ばれて、一気にスターダムを駆け上がらせてくれた人物で、恩人ではあるのだ。だが、この男は兎に角無駄なことを省いてしまう。例えるならゲームの
あまりに次々とギリギリなことを振ってきて、それが出来るとじゃあこれも出来るよねとドンドンハードルを上げてくるのだ。しかもそのギリギリと無理を見極める力が優れている。なので彼に関わると、売れる売れないはともかく、芸能人としてバカみたいな経験値を流し込まれるのだ。
その頃のフリルはフォアグラを作るカモにでもなった気分だったが、確かにスキルアップにはなり、結果として弱冠16歳にして国民的タレントに化けたのだから、このクソメガネに感謝はしているのだ、絶対に言わないが。故に、チャンスでもあるのだ。
もうなんか緊張と重責で死にそうな顔をしているルビーと、心なしかいつもよりも渋い無表情のアクアには申し訳ないが、キャリアアップとB小町の知名度向上の生贄としてがんばって貰おう。フリルは心の中で合掌した。
6回程度で段階を踏むとか言うんじゃない
もちろんですがフリルを育てたとかその辺はオリジナル設定です。もし原作との設定の齟齬が出たら修正されます
舘山寺D:完全にオリジナルキャラクター。
作劇上の理由としてはアクアとB小町の知名度を加速させるためのキャラクター。立ち位置としては漆原Dに似ている。
地上波バラエティ初心者二人に「アドリブよろしく」と宣う狂人。ガバらないRTA走者みたいなノリで芸能人を爆速で育て上げるか、それに耐えられずに逃げられる(結果、次の犠牲者が選ばれる)かの二択のピンパータイプのD。社会人としてはしっかりしているのに、創作者としてはぶっ壊れているのでタレントの限界ギリギリを攻めてくる。
でも不知火フリルなら出来たぞ? とか思っている。
嫌われている人物からのアダ名はクソメガネ。
作る作品は人気になるため、有能なDとして局は扱うので首になってない、ワンチャンのDとはまた違った意味でのやべーD。局の上からは「若いのを預けると勝手に人気キャラに仕立て上げるやつ」と思われている。
実は鏑木Pに昔世話になったために頭が上がらない。そのため、万一があれば鏑木への貸し1と胃を代償になんとかしてくれる。
キャラクターモチーフは元は某燃えゲのクソメガネ。あれ程おかしくはなってないしホモではない。ちゃんと妻子持ち
ガチ濡れ場(R18)って需要ある?
-
みたい
-
いらない
-
結果だけ見る