【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
かくして不安な状態で始まった「フリルの七色キッチン」。
「フリルの七色キッチンー!」
フリルのタイトルコールと共に収録が始まる。あまりに狂ったDだったが、いざ本番ともなるとアクアも流石に彼がどういう人物かわかってきた。わかった上で嫌いになったが、付き合いを切るほどでもない人物という立ち位置になった。
(地上波だからか、スタッフの質は最上級といって良い。創作に関わらない部分は几帳面なのか、舘山寺のスタッフメンバーは隅々まで教育がしっかり行き届いている……そこは流石にキー局のスタッフなだけはあるか)
スタッフ一人一人がレベルが高いのもそうだが、年下のアクアやルビーに対して、全く侮ったような態度や推し量るような態度の者がいないのだ。その代わりにまるで勇者でもみるかのようにキラキラした視線でこちらを見てくる気がする。気のせいだと信じたい。
サポート体制は万全、フリルによると、あんな無茶をこちらに言うだけあってアドリブにかなり強いため、生放送で助っ人として呼ばれていることもあるほどだそう。
(言い訳がつかないほどの万全のサポートをした上での、限界ギリギリを求める無茶振り)
お前たちならここまでなら出来るだろう、転んでもサポートしてやる。そういうことだった。ここまでやられて失敗しましたはタレントとして恥ずかしいことこの上ない。少し青い顔をして緊張しているルビーの手を握ってやる。いまはフリルが初回の冒頭解説をしている、ここから出番だ。やってやろうじゃないかとアクアは気炎を燃やした。ルビーは、兄の心遣いを頼もしく思い、軽く頬を赤く染める。
「おにいちゃん……」
「大丈夫だルビー。俺に任せろ」
だが妹をビビらせたのは腹立つのでやっぱりあのDは嫌いである。メガネ割ってやりたい。
☆
「ということで、サポーターをお呼びしています。星野アクアさんと、星野ルビーさんです。どうぞ」
「キャー! アクアー! ルビー!」
生放送でもないのにテレビの前でアクアとルビーの名前を叫ぶ少女と呼んで差し支えない女性がいた。星野アイであった。そのとなりにはヒカルがいて、双子の活躍を楽しそうに見つめていた。
「サポーターの俳優、星野アクアと」「アイドルグループB小町の星野ルビーです! よろしくおねがいします!」「よろしくおねがいします」
「はい、ルビーとアクア、よろしくね」
「よろしく! テレビでは初めてだね! あ、私達、実は同級生なんですよ! だからはじめましてじゃないんです! 番組の話に戻るけど、フリルちゃんは料理の経験は殆ど無いって話だけど……」
「うん。ルビー達なら知ってると思うけど、一度もないよ。学生やりながら芸能界にいると、そういうヒマもあんまりなくて」
「フリルちゃんは引っ張りだこだもんね!」
まずはルビーが話を引き出し、女子同士の会話に華を咲かせていく。そこにアクアが現実的で鋭いツッコミを入れる。
「フリル、それはいいんだが。包丁を握ったことは?」
「あるよ? ドラマで。こう突き刺す感じで使った」
「それ殺人ドラマだろうが。聞き方が悪かったな、料理用のものだ」
「あるよ? 刺すと引っ込むタイプ」
「殺人ドラマに使われるギミックナイフだろ、もう包丁ですら無くなったが」
「ごめんごめん、無いよ。まさに刺す方の包丁の持ち方しか知らないレベル。こう、肋骨に対して水平にすると殺意が増している感が……」
「やめろやめろ、ゴールデンの料理番組だぞ、殺人ドラマから離れろ」
「うっかりうっかり。まあそのくらい調理包丁には縁がないです」
見事な三段落ち。少なくともアイにはウケた……というか初めて握った包丁が殺人ドラマのナイフという部分に共感したらしく、頷きながら無言で爆笑していた。
「おにいちゃんとのコントもいいけど番組進めるね! えーと、今日のメニューは……これ! 野菜炒め!」
「まあ簡単な部類だな。初心者向けじゃないか?」
アクアがいかにも料理できます、といった空気を醸し出している。フリルが並べられた野菜を見ながら、キョロキョロと周囲を確認し出す。
「どうした、なにか足りないのか?」
「そうだよ。カット野菜」
「さっき散々包丁の話をしただろ。お前が切るんだよ」
「あっしまった、そうだった」
まあ兎に角、清楚系の三文字をかなぐり捨てた……あるいは捨て去ったフリルがボケにボケまくるのでアクアはツッコミしっぱなしだ。なにより二人とも真顔なので、天然のやり取りに見えるのが良い。唯一コロコロ表情が変わって焦ったりほっとしたりしているルビーが癒しだ。そんなルビーが進行をするらしい。二人のコントに困惑しながら、なんとか進行しようとしている。
「えーと、まずは野菜の……キャベツをザク切りにしてください!」
「アクア。ざく切りって?」
「適度な食べやすいサイズに青野菜や葉野菜を、ざっくりと切っていくからざく切りだ。おおよそ3~4センチ幅といわれているが、目測で充分だ」
フリルが疑問を持ち、アクアがそれに答える。やり方をアクアが教えて、フリルが実践する。ルビーはその間に他の道具などを準備している。早速包丁を水平に握りしめるフリル。
「なるほど、よーし」
「包丁の持ち方から教えるぞ、あと手を洗って、野菜も水洗いからだ。洗剤を野菜に使うなよ。出来るか?」
「アクア。流石にそれくらいは出来る。もしかして私のこと、初めて調理に挑む子供レベルだと思ってる? だとしたら心外」
「いいや? ハサミを初めて持つ幼稚園児だと思ってる。心外、みたいな顔すんな。あ、視聴者のみなさんは、フリルのように包丁を雑に扱わないようにしてください」
「アクア。まだ包丁握っただけ……わかった、まずは手と野菜ね」
アクアとフリル、あとルビーが手洗いをするシーンが流れ、テロップに「衛生管理に充分に配慮するアクア」と流れる。ようやくフリルが初めて包丁を握るところに至る。
「正しい姿勢とかもあるが、まずは包丁そのものの握り方だ。峰に人差し指を、親指は添えるように……そうそう、その通り」
「おお……確かにみんなこんな持ち方してる。なんだか料理が出来る人になった気がしてきた」
「一歩前進だな。で、野菜を固定する手は切らないようにするために、軽い握りこぶしの形にする。いわゆる猫の手だ、わかるか?」
「にゃんにゃん。こう?」
アクアの指導に、包丁を握っていない左手で顔の近くで猫の手のようにし、真顔で招き猫のようにしながらにゃんにゃんとか言い出す渾身のボケをアクアはスルーして、アクアは続ける。
「そうそう。それを野菜に乗せれば完璧だな」
「こうかな」
「よし、形は完璧だな」
「おにいちゃん、野菜を切るだけで五分くらいかけてるの初めてみたんだけど」
「俺は怪我をさせたくない。わかるな?」
「出たおにいちゃんの過保護」
本当に30分番組で調理が出来るのか心配だったが、そこからはアクアとフリルも真剣に行っていき、サクサクと工程が進んでいく。
「包丁は叩きつけるんじゃなくて、当てて引くように切るんだ」
「引くように……ざく。お、綺麗に切れた。このくらいのサイズを作っていくのがざく切りね、覚えた。ざく、ざく」
「フリルちゃん、口で言わなくても大丈夫だと思うけど……?」
「慣れたらいけると思う。包丁がまだちょっと怖いから」
「こればかりは慣れだな。よし、キャベツは出来たな。モヤシは既に処理済みのモノが用意されている。次は玉ねぎをくし切りだ。玉ねぎを上手に扱えると、料理のランクを一段上に出来るんだ」
「なるほど。皮剥きからやるんだ?」
「実際の料理スキルを上げるのが目的だからな、フリルが下処理を出来るようになるまでやる」
アクアの豆知識や実践的テクニックを交え、時おりアクアがルビーに話題を振る。
「そういえば、何故タマネギを切ると涙が出るのか知ってるか?」
「なんか涙を流す物質が出るから!」
「まあ……うん……正解」
「妹に甘くない?」
「正しいは正しいんだよ。正確にはタマネギの細胞を潰してしまうと、化学反応で硫化アリルが発生するからだな。水に溶けやすく、冷やすと揮発しにくくなるから、水で洗い流すか冷蔵庫で保管しておけば涙が出にくくなる。ちなみにこれが血液をサラサラにする成分の正体で、犬や猫が食べてはいけない理由でもあるな」
「へー。切るときはどうすれば細胞を潰さずにすむかな」
「タマネギには縦筋があるだろ、その繊維に沿うように切ると潰れにくい。あとは、切れ味の良い包丁は細胞を傷つけにくい」
「冷やすだけじゃなくて道具や切り方でも対策できるってことだね!」
ルビーの絶妙なアホかわいさを出しながら、対策も教えておくアクア。そうしているうちについにフライパンの登場だ。
「えー、まずはフライパンに油を適量引きます」
「適量。出たねよくわからない量」
「野菜炒めならそこまで大量に必要じゃない。感覚になるが、フライパンの表面をうっすらとコーティングするような感じだ」
「たくさんは必要ないんだ」
「ああ。今回は焦げ付きにくいコーティングされたフライパンだから、多少なら失敗しても大丈夫だ」
「よっ……こんなくらい?」
「そんなもんじゃないか。弱火でフライパンを温めながらフライで薄く延ばして……良い感じだ」
「おお、なんか既にセンスを感じる!」
そんなやり取りもありながらも、特に失敗もなく野菜炒めが完成。
「完成~! フリルちゃんの手作り野菜炒め~!」
「なんだか料理をした感がすごい」
「その達成感が料理を上達させるんだ。ドンドン誇っていけ」
「えっへん」
実際に実食もするようだ。
「料理作っておしまいじゃなくて、食べて後片付けまでがこの番組だ」
「後片付け……大変そう」
「最近は性能の良い食洗機もあるから、大丈夫だよ! いただきまーす! ……うん、シャキシャキでおいしい!」
「レシピ通りだからな」
「アクア。私は初心者。レシピ通り作れたことを誉めるべき」
「そういやそうだ。すごいぞフリル」
「わーい」
「おにいちゃんがいつになく適当に誉めてる……」
そう、アクアの懸念するところはそこなのだ。今回はレシピ通りだから良いが、フリースタイルになったら自分が主導で何かしなければならない。はたして画面映えするのだろうか? という懸念だ。ヒカルからみると、初回のアクアとフリル、ルビーのやり取りで震えるくらい笑っていたし、自分の息子と娘だから大丈夫、という信頼もあってか、決して心配はしていなかった。
はーい、よーいスタート(棒読み)本日は推しの子RTAアクルビスターダムルートをやっていきます。まず不知火フリルとアクアの好感度を……あれ、高いですね。ああ、ランダムイベントでアイが死亡回避するパターンですね、アクルビのステ底上げされるので。なぜかカミキも善良化していますがタイムにはプラス要素ですね、アクルビのステ底上げされるので。
アクアのステ確認して……おお、こいつはすげぇ!アクアとルビーは双子なので、アクアが大丈夫なら99%ルビーも大丈夫です。ならば攻めチャー発動!アクルビを地上波バラエティに誘拐します。ジャンルは適当で、指示はアドリブで大丈夫です。この状態だと成功率が50%程度、ワンチャンルビーが逃げる可能性がありますが、テレビの視聴率は10%が高いって言われる世界だからヘーキヘーキ!いけーっアイの息子と娘ーっ!(豪運チャート)
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