【完結】天に輝く二ツ星   作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル

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72.逆・ナンパ

 初回放送から主にフリルがアクセル全開でぶっとばしたが、その結果としてアクアフリルルビーの三人トリオ・アクフリルビは世間的に受け入れられつつあった。まず、アクアが料理男子という点が好印象に受け取られ女性層に人気が出る。そして、ルビーもアイドルという肩書きからは想像できないほど手際の良さで料理上手を感じ取られ、男性層から人気が出た。

 フリルは元々国民的な人気があったが、現在の評価は概ね「今までの清楚フリルがよかった」層と「今の天然ボケフリルが好き」な層に分かれている。しかし、別に不知火フリルの美貌が損なわれた訳でもないため、概ね好意的に受け止められていた。

 

 そんな一躍時の人(2回目、1回目はサイリウム)となったアクアとおでかけデートする権利をもぎ取ったみなみは、うきうきでデートの準備をしていた。もうバチバチに気合いの入った服装で……一応エッチな勝負下着も装備して準備万端で出撃していった。彼女の両親は男の話がなかった彼女にも良い男が出来たのかな、と呑気に思っていた。残念ながらその男は現在四股(全員同意済み)である。

 

 そんなアクアとの待ち合わせ場所に向かうと……珍しいモノを見た。

 

「かっこいいねキミ。今、待ち合わせかな?」

「まってる間でいいからさぁ、お姉さんと遊ばない?」

 

 如何にも遊んでそうな金髪に染め上げた年上の女性二人組に話しかけられていた。アクアは困ったように「人をまってるから」とやんわりと断ろうとしているが、相手がぐいぐい来ているし、強く断るにも周囲の目が……と悩んでいた。

 

(ぎ、逆ナンされとるー!! うちが助けないと……!)

 

 アクア……と声掛けをしようとしてはっと気づく。アクアは今やフリルの知名度に乗せられて全国区に発信されてもう一週間以上だ。第二回の放送「焼きそば」も人気だった。SNSでアクアの話題を見ない日はなく、それに釣られる形でB小町やあかねも持ち上げられているのをよく見る。もちろん話題になるということは罵詈雑言も増えるということなのだが、アクア達の事務所はネットに強いので、告訴攻撃により撃退している。

 

(ここでうちがアクア君なんていったら大騒ぎになる! ど、どないすれば……あ! マリン! マリンがあるやん!)

 

 みなみは、自分で自分を褒め称えた。星野アクアという芸名は皆知っているが、本名が星野愛久愛海(アクアマリン)と知っているのはクラスメートをはじめとした数少ない人物だけ。これしかない、と思った。

 

「ま、マリン君! ごめん遅くなった! 待った?」

「……みなみか。大丈夫、そんなに待ってない」

「この人たちは? 知り合いなん?」

 

 声をかけていた逆ナン女性達はみなみを思わず見る。女の自分達からして敗北感を感じる“爆”。ゆるふわな雰囲気から感じる自分達にはない若くて純真な感じ。これに対抗するのは無理、と即座に判断して撤退を選択した。

 

「いえいえ、少しお話していただけなのでお構い無く~」

「デート楽しんでくださいね~」

 

 そそくさと去っていった女性達が見えなくなるのをみて、アクアはようやくため息を吐いた。

 

「すまん、助かった。……ところでなんでマリン?」

「マリン君は自分が有名になっとるんを自覚した方がええよ、特に特徴的な名前なんやから」

「……そういえば、そうか」

 

 かなもそれが理由で自分をあーくんと呼び始めたのを思い出す。あの頃から自分もずいぶんと有名人になったものだ。

 

「あ、嫌なら呼び方変えよか? んー……くーくんとか」

「いや、マリンで良いよ。正直、家族でも上半分で呼ぶから。なんか新鮮で良いな」

「ほんま? やたっ」

 

(マリン君……マリン君……あはは、ええなぁこれ)

 

 ()()()()()()()()()。マリン君。そう思うと凄く素敵に思えて仕方ない。

 

「それじゃあ、買い物だろ? 悪いな、男避けが女に捕まってて」

「ええって、むしろあれだけモテモテなら実力はバッチリってことだよ」

「そう思うことにするよ」

 

 名目は確かに男避けという話だが、実質的にはデートである。だが、男避けも別に嘘ではない。確かに男の視線を感じて……隣に居るアクアを見て、諦めてどこかに消えていくのだ。いちいち外に出る度に声をかけられて足を止めざるを得ない状態になるのは、非常に面倒な話だ。それに視線を見れば分かる、自分の身体目当てなことぐらいは。だから面倒で億劫だった買い物が、冷やかしでも楽しい。アクセサリー、小物、軽食、服。色々とアクアを引きずり回して見て回り、思った以上に良い買い物が出来た。

 

「ほんま悪いなぁ、荷物までマリン君に持ってもらって……」

「別に良いだろ。俺が勝手にやってるだけだ、気にするな。次はどうする?」

「せやなぁ……」

 

 みなみは思う、あんな風に逆ナンされているのを見ると、アクアを外に連れ出すのも中々大変なのではないかと。デート一回一回を大切にして、ドンドンアピールして進展しなければならない。

 

「ランジェリーとかお願いしてええかな? やっぱ男の人の意見って貴重やん?」

「…………………………わかった」

 

 大分長い沈黙があったが、アクアは諦めてついていくことにした。凄くいやだったが。

 そうしてたどり着いたランジェリーショップ。アクアとしてはもう目のやりどころに困っていた。

 

「こんにちは、お探しですか?」

「はい。最近胸がキツうなってきて……」

「なるほど……まずは計測しますね。ご一緒の彼氏さんはこちらでお掛けになってお待ちください」

 

 専門店だからなのか、あるいは男連れも前提とした店だからなのか。もしくは最近流行りのジェンダーフリーなのか。男性が来ることを想定してあり、周囲が壁のようなかたちになり外からは見えない個室のような場所に椅子と荷物置き場が置いてある。その向かいには更衣室がある。アクアは彼氏というのも特に否定せずに、促されるままに設置されていた椅子に腰かけた。なんというかここにたどり着くだけでメンタルが削れた気がした。

 

(周りがピンク色過ぎる……)

 

 その更衣室の中で、胸を測られながら内緒話をしているみなみと店員。

 

「以前のサイズはどのくらいですか?」

「前はG80で入ってたんやけど、またきつくて……」

「なるほど……もしかしたらHカップになってるかもですね。ところで、今日はどのような感じにしますか?」

「あの……えっちで可愛い感じで……おすすめでお願いしたいかなぁ」

「やっぱり彼氏さんには良く見せたいですよね。お気持ち、わかりますよ」

「そんな彼氏だなんて、えへへ……まだ、まだなんやけどね。もうちょっと攻めていこかなぁ思うて」

「なるほど、かしこまりました。必ず気に入るものをお持ちいたしますよ……計測出ましたよ。109の80。やっぱりHカップですよ」

「エッチカップかぁ……えへへ、ええなぁ。替えんとなぁ」

 

 そんな会話を交わしながらも、店員がいくつかもって来たおすすめ品を見繕う。

 

「やっぱ大きいのになると可愛いの少ないし、可愛いのは高いんよね……でもでも、これは買いやな。フロントホックなのも楽でええね」

「着付けは大丈夫ですか?」

「大丈夫。慣れてるで」

 

 オーソドックスながらピンク色で、レースの着いた可愛らしい下着。それに加えてセクシーな黒と、淡い青のもの。上下1セットで万単位の値段がする。学生でなくても痛い出費だが、仕方なしと受け入れ、とりあえず3種類購入を決意した。

 

「お着替えが終わりましたので、何かありましたらお呼びください」

 

 店員が更衣室から出てきて、ニヤニヤしながらそそくさと去っていく。なんとも下世話な女性だと思ったが、努めて気にしないことにした。

 

「マリン君、出てもええかな」

「ああ、いいぞ」

 

 更衣室から出てきたのは、可愛らしい下着に身を包んだみなみだ。彼女の桃色の髪に良く似合っている。

 

「どうかな?」

「似合ってるぞ」

 

 アクアはなんとか絞り出すようにそう答えたが、内心ではいっぱいいっぱいだ。散々女の子を抱いてきたくせに、こういうシチュエーションだと恥ずかしがるのだ。その上。

 

(くそ……最近は忘れていた、僕の肉体が若々しい高校生なのを)

 

 みなみの極上の肢体はアクアの目に悪い、いや良すぎるというべきか。本能が刺激され、どうしようもなく滾る。視線をそらそうにも“見て評価してほしい”と言われている以上視線をそらすのは失礼だろう。アクアは血液が下半身に流れていくのを自覚しながらも、なんとか言葉を繋いでいく。

 

「みなみは大丈夫か? 俺に見られてるわけだが」

「んー……まあ、結構平気かも。水着でならもっと布の少ないのもあったし……でも、下着はやっぱ少し恥ずかしいかなぁ」

 

 そういえばみなみはグラビアアイドルだ。確かにこれを見られるどころか撮られている。下着ではなく水着でだが……。

 

「……そうか」

 

 アクアの内心は穏やかではない。学生としてともに過ごしてきたので、実感がなかったのだ。この肢体が他人に見られていることに堪らなく不快感を覚えた。

 

「あ、でも……下着を見せるんは男の子はマリン君が初めてなんよ?」

「……」

 

 顔を真っ赤にしてそんなことをいうものだから、アクアも堪らなくなってしまう。だが付き合ってもいないし、もう少しちゃんと付き合ってから……とか色々考えてしまい、アクアは一旦下半身の思考を強制遮断した。

 

「あんまりそういうこと他人に言うなよ。男は狼なんだぞ?」

「心配せんでもマリン君以外に見せたい人なんておらんよ? 似合ってるかぁ、それなら買っちゃおうかなぁ」

 

 アクアはそのあともう二着もたっぷりと観賞させられ、ランジェリーショップを後にする頃にはアクアは少しやつれていた。

 

「ありがとね、マリン君。無理言うて」

「いい、俺が行くと判断したからな」

「でも、下着まで買ってもらって」

「いいだろ別に。俺が好きでやってるだけだ」

 

 財布は男が出すべき、というアクアの少々古くさい考え方故にアクアはみなみの下着三セットを有無を言わさずカードで支払ってしまった。みなみはその下着の入った袋をギュッと抱き締める。

 

(マリン君……そういうことでええんよね? ね?)

 

 下着を買い与えるということは、お前に着てほしい、それを見せてほしいという意思表示だとみなみは受け取った。確かにランジェリーショップへ連れてきたのはみなみだが、こんな遠回しなラブコールを受けてしまうということは、少なくともみなみの身体を魅力的に思っている証拠。

 

「そろそろお別れやね。……あ、そうだ。連絡先交換しとかへん? またこうやってお出掛けしたいんよ」

「ああ……いいぞ」

「えへへ、じゃあ交換やね」

 

 当たり前だが、みなみはグラドルだ。つまり身体に女としての魅力があるという自信がある。

 

(マリン君好みの身体ってことなんよね? ……いける? うちはいけちゃうん?)

 

 みなみは確かな手応えを感じていた。




男連れでランジェリーショップ。他の女性からすると本来ならやめてほしい行為ですが、アクアはイケメンなので許されています。イケメン無罪。

おっきいブラって需要が少なくて布面積大きくてワイヤーもホックも頑丈にしないといけないんでクッソ高いんですよね。特にブランドものだと、当たり前のように万超えしますし。学生でなくても痛い出費ですよね。下着は消耗品ですし

ガチ濡れ場(R18)って需要ある?

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