【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
数回の放送が終わる頃には、はっちゃけたフリルの評価は「新しいフリルちゃん良いよね」で概ね纏まっていた。アクアが思っていたよりも早く、新しいキャラのフリルは殆ど受け入れられた形となる。
そんなアクアが今なにをやっているかというと、フリルとルビーと三人での打ち合わせである。アクア行きつけのいくつかある、信頼できる個室カフェのひとつで、高校生が雁首揃えて真剣な表情でアドリブの打ち合わせをしていた。アクアが持ち込んだタブレットには、SNSに吹き出した感想ワードを、ビッグデータとして収集しワードマイニングされたものが表示されている。某表計算アプリを用いて作成されたものだ。
「アクア、こんなのも出来たんだ。器用だね」
「別にプログラミングしたわけじゃない、今時VBA関数のソースコードなんてネットにいくらでも転がっている。個人利用の範疇ならSNSからデータ抽出するのも無料で出来る。そういう時代だ。いちいち全部確認してる時間なんか無いからな」
「中々ネット利用が板についてきたね」
「SNSを重視しろって言い出したのはお前だろうが」
「そうでした」
「私にはさっぱりわかんない世界だぁ……VBAってなに?」
「まあ簡単に言うとこのアプリ内部限定で動かせる専用の命令文みたいなもんだ。別に
「プログラム言語とどう違うの……?」
「このアプリでしか動かないんだよ」
アクアの解説に目を回すルビー。フリルは理解しているようだ。もっとも、VBA関数はアクアが手直しし使いやすくしたものである。医学生時代に、様々なデータ分別や分析を手計算やいちいち表計算関数を1セル毎に入力するのが面倒で手を出した経緯があるため、いわゆる昔取った杵柄であった。
「まあぶいびーえー? はいいや。それで、これがテキストマイニングかぁ。結果を見ると、視覚的にわかりやすくなってるね」
「第一回で主に話題になってるのはアクフリ……つまり俺とフリルの組み合わせの是非だな」
料理、調理、アクフリ、アクア、ルビー、不知火フリル、殺人ドラマ、包丁、野菜炒め……と、わかりやすくワードが集中していることがしっかりとまとめられている。
「「殺人ドラマ」も多いね。ああ、あのやり取りがよかったのかな」
「少なくとも放送を見てたアイは爆笑してたらしい」
「まあ、若い頃から芸能界に居る人のあるあるではあるんだよね。料理番組か、そういう企画か、殺人ドラマで初めて包丁握るっていうの」
「フリルちゃんもそうなの?」
ルビーの純粋な疑問に、フリルはまさかと真顔で否定する。
「そんなわけない。別に子役をやってたわけじゃないし、小学生の頃には調理実習で握ってたよ」
「え、そうなの?」
「うん。まぁ中学から忙しすぎてほぼやってなかったから、料理のやり方なんてほぼ忘れてるけど。初心者なのは事実ってことだね」
「そこはそうなんだ」
つまりこの女、技術が素人なのは確かだが、しれっと嘘を吐いて、その上で意図的にボケていたということになる。だがアクアはこの技法に理解を示した。
「まあ、それなら分からんでもないな。テレビに映るのは結果だけだ。過程や経緯を気にする者もいるだろうが、それは極一部の重箱の隅をつつくような奴らだ」
「どういうこと?」
「ルビー、アクアが仮にサイリウムベイビーとしてデビューする前からサイリウム振ってたとして、それを「ここで初めてやった」と言っても視聴者にはわからないし、それで納得する。仮にばれても子供の頃だから記憶違い、で終わるでしょ?」
「あー、誇張表現とか言葉のあやってやつだ! 今ガチでやってたやつ!」
事実としてフリルは料理素人であり包丁の握り方も怪しかった。だが、その経緯が“小学校で習ったが忘れた”であろうと“ドラマで握った方が早かった”であろうと、視聴者にはどちらでもいいのだ。であればテレビ映えするものを選び、誇張して表現する。小学校で習わなかったのか? という疑問を持たれるリスクより、アクアとのやり取りの面白さというリターンをとったということになる。
「台本のあるうちでのアドリブはまだいいけど、ここからが本番みたいなもんだよ。どうする?」
「どうせ俺たちが慣れてないなら、逆にアドリブを逆手に取るか」
「ああ“ところで私達何も聞かされてないんですけど”ね」
実際に聞かされていない場合もあるが、この台詞が出てくる場合はそれを言えと台本で決められている場合も多い。本当に何もしらない場合もあるが。
そんな如何にも芸能人な……というよりは、もはや演出家として会話をしている二人をしげしげと観察するルビー。ルビーには専門用語がまだまだわからないので、二人の会話の半分も理解できていない。兄に任せておけば大丈夫だと思う反面、自分でもある程度は覚えないとな、とも思っている。
(アイドルなら勉強がショートカット出来ると思ったんだけどなぁ……)
アイドルとしての道筋を最短距離でぶち抜くように突き進んできてしまったために、業界に居れば自然と覚える用語を把握できないまま地上波までやってきてしまったルビー。アクアのように子役時代から長々と浸かっているわけでもなく、その辺は全部マネージャーやミヤコ任せだった。それゆえに今、要らぬ苦労をしている。
(……にしてもフリルちゃんさぁ、気合い入ってるよね?)
ルビーからすれば、今回のおでかけはデートでもなんでもない、単なる打ち合わせだ。もちろん、異性と出掛けるともなればそれなりの格好というものがあり、ルビーもアクアも、デートの時ほどではないがそこそこのお洒落をしている。だが不知火フリルはそれ以上に気合が入った格好をしているように見える。
特に、ナチュラルカラーとはいえ口紅まで付けているのは、流石に気合い入りすぎではないだろうかとルビーは思うが、今のところそれ以外にはアクアへの態度は一貫して普段と同じか、むしろ真剣な感じに見えた。フリルの思惑が見えない。
ルビーから見て、フリルはハーレムの一員として許容できる人物である。可愛いし、芸能界……特にテレビ業界に詳しく、現在進行形で情報通である点もふまえて、味方にいると嬉しい枠である。だが、今までの他のアクアの女になった子たちやみなみと比べると、本当にアクアを狙っているのかわかりにくいため、どうすればいいのか迷っていた。
一方その不知火フリルとしても、アクアへの探りを行っている段階であるため、この程度にとどまっていた。
(アクアのまわりは女の子が多い……そのせいか、アクアのタイプもよくわからない)
あかね、かな、ルビー、みなみ、ついでにMEMに、アイ。アイドルみたいな可愛らしくて清楚系が好きなのかな? と思わなくもないが、だとすると割と窶れてて芸能界にどっぷり染まったかながノイズとなる。逆に有馬かなを基準にすると、性格的にも肉体的にも真逆の存在のあかねがノイズとなる。
(少なくともおっぱいは大きめの子が好きっぽい……かな。B小町がアクアの好みとするとショートヘアも好きなのか……いや、アイドルはショートヘアの方がいいみたいな感じ? でもルビーは髪を伸ばしてるし。やっぱりわからない。いや、むしろこれはストライクゾーンが広いのかな)
残念ながら(あるいは有り難いことに)、フリルにはあかねのような分析力もないし、MEMほどネットに強いわけでもなく、ルビーやかなのような目も眩むような輝かんばかりのカリスマがあるわけでもない。みなみのように包容力やおっぱいが特徴的でもない。特別演技が得意かといわれるとそうでもない。唯一の強みは強いて言うならば他人とは違う価値観ゆえに滲み出る外連味くらいなものだ。
国民的美少女というのはつまり、大多数にとって好みといわれる顔つきと体つきである、という点である。逆に言えば身体的特徴は平均的なのだ。総合力はあるが強みがない、という面でいえば演技面と肉体面という差異があるとはいえ、アクアと類似する点であった。だがアクアが足りない刃を連ね重ねたモザイクアートのようなものならば、フリルのそれは一つ一つが便利な十徳ナイフのようなものである。機能美と言い換えていいだろう。
故に、不知火フリルは焦らない。みなみのように一気に捕食しにかかるのではなく、機を窺うように、油断せず情報収集を続けアクアを観察するその姿は、まるで蛇のようであった。
実は“黒髪”“ロングヘア”“清楚系”“話すと面白い”“割りと毒舌”“アイドル級美人”と、要素を抜き出すと原作のアクアにもドツボもドツボだったり。
でなければ仮にもクラスメートとはいえ、初手で妹を紹介するとかやらないと思います、原作でもひねくれ過保護兄貴なので。
これは作者の推測なんですけど
ゴローとしての好みは、割と原作でもアイとさりなちゃんの要素があると高得点になりがちなんじゃないかなと思うんですよね。そんなアクアの好みにかな要素を追加させたかなちゃんは本当に特別な存在。
まぁ原作だとアイの死のせいでアイドルが地雷になってるんで、かながB小町抜けるのって、アクア争奪レースとしては最適解なんですね。
ところで話は全然変わるんですけど、スサノオって妻が三人居るらしくて、誓約上の妻が「
ガチ濡れ場(R18)って需要ある?
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