【完結】天に輝く二ツ星 作:アクアハーレム最後の刺客不知火フリル
「みなみ!? あなたどんな魔法を使ったのよ!? 突然テレビ出演依頼がいくつか打診されて来たんだけど!?」
ある日、事務所に顔を出すとマネージャーが慌てたようにそんなことを言ってきた。慌てるのも当然の状態だからだ。
みなみは確かにグラドルとしては上位に位置するレベルで売れているし、二冊目の写真集の発売も決定、同じく売り上げ良好とのことだ。最近は武器である胸も形が崩れることなく成長し、柔らかさも増しているのか、押し潰すと非常に受けが良い。
だが、まだまだテレビに出る程ではない……というか、映像系でもう少し経験を積んでからとマネージャーは踏んでいたのだが、ある日突然キー局から「うちの
もちろんみなみには心当たりしかない。いつか冗談めかしてテレビに出してほしい、といったことをみなみは覚えていた。
(アクア君、流石やなぁ……有言実行やん)
とはいえ未来の六股男に色目を使って頼みました(誇張表現)とは言えない。なので真実と嘘を適当に混ぜて誤魔化すことにした。元々嘘はそんなに得意ではなかったが、芸能界に居る内に自然と使えるようになっていった。
「えへへ……そうやねぇ、心当たりはあるにはあるんよ。うちのクラスメートに星野アクア君が居るんは知ってるよね?」
「あなたに自慢されたからね。それで?」
「アクア君、意外と顔が広くてなぁ……ちょっと前にテレビ出たいなーって漏らしたら、考えてみるって言われちゃって……優しいよね~、クラスメートなのに気い利かしてくれたんかなぁ」
そんなわけないだろ、とみなみのマネージャーは思った。みなみに自慢されたので、もしや男か? と人伝を使って星野アクアのことを調べたことがあるのだ。
人となりは一様にみんな良い人、気配りの達人、と言う。実際に会話する機会のあったという某ネット局にスタッフとして勤める知り合い曰く。
“少しでも落ち込んでるのを察すると、サッと気遣いをしてくれたり、なんなら自分の気がついてない不調まで見抜かれてさぁ……ヤバい。あれは女を狂わす男だよ”
話を聞く限りでは「気配りが出来る天然たらし男」という印象を受けるが、役者としての実力も高く、鏑木Pのお気に入りという話もある。
では女性関係を見てみると、天才役者・黒川あかねの彼氏。元天才子役、今では「演技の天才」と呼ばれることも多い有馬かなの幼馴染。直接スカウトしたというアイドル兼YouTuberMEMちょ。同じ事務所の伝説のアイドル・アイ。不知火フリルの冠番組にお呼ばれ。双子の妹に星野ルビーもいるが、考慮しなくて良いだろう。実妹だし。
みなみも含めて、端から見れば選び抜かれた美少女たちを揃えてみたと言わんばかりだが、案外彼は彼女はあかねとしており、そこからブレた発言はしていない。かなとの仲は少し怪しい位近いが、基本的に妹のルビーと三人で居ることを見るに本当に幼馴染み以上ではないのか、実は二股とか浮気とかしているのか、判断に困った。
まさかアイを除いた妹も含めて彼女たちがどっぷり肩までぬちょぬちょのドロドロの真っ白なかよしな
だがアクアが優しい人間というのと同時に、一定以上のラインを踏み越えてこない男でもあるとマネージャーは推測している。彼が本当の意味で誰彼優しい八方美人なのであれば、とっくの昔にみなみみたいなことを、周囲から山ほどお願いされているような状態になっているはず。
だが、みなみの態度からしてそういう訳でもなさそうだ。ということは、みなみはアクアにとって少なくともディレクターにみなみの話を流す程度には心を許しているということになる。
(ははぁん……?)
初めはアクアに枕でも仕掛けたのか? とも思ったが、よくよく考えるとこの初心娘プリティボインからそんな大胆なことはよっぽどじゃないと仕掛けられないことは知っているし、アクアは枕営業はしていなさそうだと思ったので考え直した。そもそも学生だし。
となると……アクアからのアプローチなのだとマネージャーは考えた。要するに便宜を図ることで好印象を与えたいのだと。
マネージャーの予想はこうだ。元々アクアはみなみに惹かれていた。あの容姿と胸だ、一目惚れだってあり得る話だ。そんなアクアだが、公式に彼女となるあかねが出来たし、あかねとも悪い仲ではない。
真面目な彼はみなみを諦めていたが、やはりどこか諦めきれず、思わずみなみの有利になるような……といったところではないか、と。自分から事を起こすのではなく、みなみに迫られたなら
「まあ、いいんじゃない? あ、でも避妊はしなさいよ」
「今の間に何故その結論に至ったんです……!?」
「別にいいんじゃないの、浮気。高校生なんて恋愛してなんぼでしょ」
「何か勘違いしてません……? ええと、それで仕事はどないすれば……?」
困ったように眉を曲げるみなみをみて、そういえばみなみの仕事の話だったと思い返した。
「そうね……」
来た仕事はいくつかあるが、その中でも目を引くのはやはりフリルの七色キッチンへのゲスト。だが知名度として劣るみなみをいきなり出すのは無い。幸い但し書きで“経験を積んでからでも構いません”とディレクターからの配慮がされているため、他の仕事でいいだろう。来ているのはドッキリ系と旅ロケ系、それから大食い系だ。どこから情報を仕入れたのかみなみが学生にしても中々に食べる方だと向こうも掴んでいるらしい。普段は体型維持のために控えているが、
みなみに求められるのはトーク力とかではなく純粋に色気と意外性だろう。となると、これまでの経験上一番の安牌は大食い系か旅ロケ系。特に大食い番組はここ数年結構な人気と知名度を誇っており、著名な大食いタレントや胃袋自慢の元アスリート、無理をして意地でも売れたい芸人等、胃袋自慢やテレビに一度でも出たい者たちがこぞって手を挙げる番組だ。そこに一回分とはいえ席を確保してある……とのこと。うまくいけば一気にブレイクできる。番組名は……。
「『山盛りフード登頂録』。2キロとか3キロを超えるような大盛りグルメを制限時間内に食べきる……みたいな、ああいう大盛りグルメの紹介番組ね。そこに実食時間30分制限で総重量3.4kgのカツ丼完食。いけそう?」
「カツ丼! 仕事でそんなたくさん食べさせて貰ってええんですか?」
「いや、食べきれそうなの?」
マネージャーの不安を他所に、んー、と可愛らしく考え込みながら、みなみは答える。
「流石に3キロも一気に食べたことはないからわからへんなぁ……でも残すのは勿体無いなぁって思ってますよ」
柔らかく笑うみなみに、マネージャーは不思議と行けると思えた。
☆
アクアの知名度はうなぎ登りに上昇中だが、斎藤社長はそれを逆手にとってあえてアクアの出演番組を厳選していた。昔の苺プロには出来なかったことだが、今では事務所がビルとなっているほどの大型事務所と言って差し支えなく、アイやヒカルと仕事をしたいという目的で苺プロのオーディションや求人にやって来る人も居る位には大手事務所へと成長していた。結成当時から苺プロに所属している古参スタッフなんかは新事務所のことをたまに「B小町タワー」と呼んでいたりする。
だがファンからすれば、与えられてはいるが量を制限され焦らされた状態。そうなればアクアを求める心理が働くというもの。それゆえに好奇の視線は登校中、かつてよりも更に増えていた。教室につく頃には流石のアクアとルビーも少し気疲れしていた。
「皆見てくるじゃん……疲れたぁ」
「面倒だな……追っかけが出てくる前に登校にハイヤーでも使うか?」
「あー……社長に相談してみよっか」
「だな」
そうしていると、アクアのスマホが通知で震える。
「誰から?」
「みなみ。ああ、出演決まったのか」
「へー……」
ルビーはアクアの画面を眺めながら思う。アクアは近いうちに食われ……そして恐らく返り討ちにしてしまうのだろうと。
(おめでとうみなみちゃん!)
ルビーはみなみを内心で祝福したが、それはあまりにも淫蕩で常識外れな、だが純粋な祝福であった。
| マリン君、うちテレビ出演が決まったんよ! |
| そうか、おめでとう |
| マリン君のお陰やで |
| 俺だけの力じゃない、お前にもそれだけのポテンシャルがあっただけだ |
| どの番組に出るのか聞いてもいいか? |
| んー、確認とったから、大丈夫 |
| 山盛りフード登頂録いう番組なんよ |
| 地上波デビューがその番組か。俺も知ってるやつだ。頑張れよ |
| うん、もちろんがんばるで~。あ、そうだ |
駆け込み下車をご遠慮してたら置いていかれる、攻めろみなみ
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