黒龍なにがしさんの感想から、ありがたいアイディアをいただきました。
お待たせしました。13話目になります。
拙い駄文ですが、お楽しみいただければ幸いです。
〜〜〜いっつぁっ!!
あ、こんばんは。ドラキュリアです。
後の3代目継承者・ブルースにザックリ首を斬られました。いってぇ。
普段の状態だったら鉈の方が砕けるんだけど、今の姿だと全ステータスが大幅にダウンするから避けきれず斬られたんだ。まあ、弱体化しても生命力は飛び抜けてるから、首が飛んでも死なないんだけどね。
それに、普段の修行でたまーに斬り落とされるから慣れている。だけど、反射的に魔力で首の骨をガードしちゃったから、中途半端に斬れて頭がグラグラするし、鉈が首に食い込んで魚の骨が引っかかったような異物感がする。
「初めまして。僕は与一。あなたがドラキュリアかな?」
いや、挨拶より先に謝れよ。というかこいつ、あいつから俺のこと聞いたんだな。それでこの程度で俺が死なないとわかっているのか。
「いかにも」
ちょっとムカついたから脅かしてやろう。
(俺の血、集合〜)
号令をかけると、あちこちに飛び散った俺の血が磁石に引き寄せられる砂鉄のように傷口へ集まる集まる。絨毯やカーテンに染み込んだ血も、シミすら残さず綺麗に戻ってくる。
ヴァンパイアと言えば「血液」。作品によっては眷属を作ったり、凝固させて武器に変えたり、毒液に変えるのはよくある話。まだ生まれていないが、俺の血液操作はブラドキングの『操血』とは比べ物にならないレベルだと自負してる。
おお。継承者たちが目をひん剥いてビビってら。ウケる。
よーし、おかえり俺の血。後はこのぶっ刺さった鉈を、フンッ!!…………いってぇ〜っ!!
前世の俺ならひっくり返ってるとこだけど、『魔王ドラキュラ』が似合わない行動をしないよう制限をかけてくれるから助かる。
「受け取れ」
投げつけたりせず、余裕な態度でブルースに柄から差し出す。ここで傷口が再生するグロいところを見せつけると、顔が引き攣った。ザマァ。さてと。
「そなたら、私に対して言うことはないか?」
とっとと謝れバカヤロウ共。
「武器を持って人様の家に勝手に上がり込み、帰ってきた家主に銃を向け、殴りかかり、壺をぶつけて、締めに刃物で切りつける。私だからよかったものの、普通の人間なら死んでいる。そなたらの行いは殺人強盗と変わらんぞ」
どうだ、言い返せないだろ。おい、こっちの目を見ろ。
「驚かせた私にも問題がないとは言わん。だが、そなたらが私にした行為は短慮が過ぎる。何故、あんなことをした?」
まあ、追われて警戒心ビンビンな時にいきなりパッと出てきたら、ビックリして襲ってくるよな。マップ移動せずに徒歩でこいつらのとこに来ればよかった。
「それは……」
「当ててやろうか?あの男に追われているのであろう?オール・フォー・ワンにな」
わかりやすい反応。案の定、逃げてきたのか。
「この城から最も近い街の公園に、やつの手の者らがいた。死柄木与一。そなたを探そうとこの山に入ろうとしていたぞ」
殺した連中は30人くらいいたけど、全体のほんの1部にすぎないだろう。オール・フォー・ワン1人でも厄介なのに面倒だ。
「案ずるな。全員、始末しておいた。尋問してみたところ、あの男に連絡を入れる前だった」
後はこいつらからも話を聞き出さないとな。
「さて。それより今のそなたらに取れる選択は2つある。1つ。私への謝罪を兼ねて私の管理下に入り、服従する。2つ。今すぐ、この城から出て行くか。好きな方を選べ」
どっちみち逃す気はないんだけどな。
「「……進むも地獄。退くも地獄か」」
「危害は加えぬ。そなたらの身の安全は保証しよう」
地獄っておまえ、殺す気はないっての。今のところはね。
「死柄木与一を治療してやろう。あの男に追われてるとはいえ、虚弱の身でこの季節の夜の山を歩くとはな」
とりあえず、後でポーション飲ませてやるよ。効くかわからんけど。
「さあ、選べ。私に従うか、今すぐこの城から出て行くか」
とっとと返事しろよ。
「……お前に、従う」
はい決まり!言質も取った!
「そうか」
さあ、ここで派手にいこう。
「改めて自己紹介をしよう」
ラスボスの変身の如く、姿を隠してからのフラッシュ!!普段の姿をお披露目だ。
「我が名はドラキュリア。吸血鬼にして、混沌より生まれし魔王である」
声に魔力を乗せてさらに威圧感を出すと、崩れ落ちたり、震えたり、固まったり、三者三様でいいリアクションを見せてくれた。
「ようこそ、我が悪魔城へ。歓迎しよう」
……よし!決まった!!
ホント、『魔王ドラキュラ』様々だよ。カッコよく威厳あるラスボスムーブができるのって気持ちいい。
なんて思っていると、応接間に
もう仕事を終わらせたか。魔力も普段の半分くらい小さくなってるし、メチャクチャ頑張ったんだな。
魔力は部屋の前で止まると、3回ノックが聞こえてきた。わざわざやらなくてもそのまま入ればいいのに。
ドアが開かれた。
(…………は?)
入ってきたのは高校生くらいの、ピンクがかった赤いツインテールのメイド服姿の可愛い女の子だ。左右に2つ、計4つに分かれた独特なツインテール、大胆に開けた胸元に黒いリボン、鎖が付いた赤黒く光る結晶の首輪が特徴的だ。
それに、俺が前世で見たことがある姿だ。まさか──
女の子は俺の前に来ると、ニコリと微笑んでスカートの端をつまんで軽く持ち上げて優雅にお辞儀をした。
「初めましてドラキュリア様。
そっちの
──────────────────────
遡ること数十分前。悪魔城地下牢獄。
よう!あたいは
ドラキュリア様の命令通り、ヴィランから血を搾り取ったところだよ。
あたいの目の前に大きなドラム缶が5つ、中にそれぞれ200ℓくらいの血でいっぱいいっぱい。これだけありゃ、ドラキュリア様もよろこぶねぇ。
だけど、本命はこれじゃない。
見ておくれこの大量の人魂!300人は余裕で超える!こいつらはあたいのへそくり。ドラキュリア様に飲ませる分とは別のヴィランたちの魂さ。あ、血の方はドラキュリア様に回したよ。時間もないし、魂の方が効率いいからね。
今からこいつらを食って暗黒魔力に変換する!え?公園で30人も食ったのにまだ食うのかって?逆に聞くけど、う◯い棒3本で満腹になるのかい?あたいにとっちゃ、腹1分にもなりゃしない量さ。
それじゃあ早速口を大きく開けて、かの有名なピンクの悪魔のように吸い込む〜。本当は1つ1つ味わって食べたいけど、時間がないから飲み込んでいくよ。
腹の中は阿鼻叫喚になってるけど気にしない気にしない。よろこびなヴィラン共。あんたらは死後、可愛い爆乳死神(自画自賛)の血となり肉となり、あたいとなるんだ。最高の終わりを与えたあたいに感謝しな。
はい、吸い込み終わり!踊り食いしたから腹の中で暴れてるね。すぐ消化して暗黒魔力に変換!あたいは魂が本体のエネルギー生命体みたいなもんだから、これくらいすぐにできるのさ。
あたいが何のためにこんなことしているのかって?ドラキュリア様のように、あたいも魔物を用意するためだよ。
ドラキュリア様は最近、ステージボス級の魔物を召喚できるようになった。けど、最序盤に出てくる弱い部類のやつだけだ。オール・フォー・ワンがいつこっちに気づいてやってくるかわからない今、有象無象を蹴散らす程度の魔物じゃ戦力として心許ない。
だから、あたいはドラキュリア様に代わって強力な魔物を用意するんだ。
あたいはドラキュリア様より1年長く生きてる分、魔術の知識は深く技量は高い。より強力な魔物を召喚できる。だけど、今1番必要なのはただ強いだけの魔物じゃない。
小さな蝙蝠から魔物に、魔物から眷属のヴァンパイアになった令裡のように、強大な魔の力と人間レベルの知性を併せ持った高等な魔物が必要だ。
そこで、召喚するんじゃなくて1から創り出すのさ。「悪魔精錬術」を使ってね!!
説明しよう!悪魔精錬術とは、悪魔城ドラキュラ・闇の呪印の主人公、ヘクターが使う秘術で、イノセントデビルと呼ばれる悪魔を「創造」する禁術さ。
創るには強大な魔力だけじゃなく芸術的なイメージ力も必要で、作中でも悪魔を象った石像を媒体に創られてる。でも大丈夫!あたいはドラキュリア様の分身のようなもの。ドラキュリア様が前世で見てきたいろんなアニメやマンガやゲームのキャラのことが頭に入ってる。え?媒体はどうするかって?それも大丈夫!あたいの魂の1部を核に使うのさ。
まずは、あたいの魂の約5%を分割する。フンッ!!
ブチブチッ!!!
ぎぃっ!!いった〜〜〜っ!!
たかが5%と思って舐めてた!予想よりめっちゃ痛い!
ああぁぁぁ、いってぇ〜!でも、これはちゃんと、使える。千切った1部は一旦置いといて、ヴィラン共の魂から抽出した暗黒魔力で骨組みを作ってその上から肉付けして人型を作る。女の子のマネキンのような形だ。
そして仕上げに、あたいの魂の1部にドラキュリア様の前世で見たことのあるキャラのイメージを乗せ、人型の首に埋め込む。さらに魔力を流し込みながら唱える。
魔の力よ、ここに集束せよ。
理無き魂のしらべ、我が命により奏でん。
人の世にあらざる者、無垢なる魂。
ここに生まれ出でよ。
冥土へ誘うもの、アイリ!!
あれ?何か、吸われる!!あたいの魔力がめっちゃ吸われてる!!これは、ってうわっ!眩しっ!?
何とか目を開けると、赤黒い光の中で人型の輪郭が変形している。よし!あたいの初めてのイノセントデビルのできあがりでい!!
光が消えると、そこにはメイド服を着た美少女が立っていた。あたいより長い、特徴的なツインテールがチャームポイントの女の子、『クイーンズブレイド』に登場するキャラクター、アイリその人だ。
唯一違いがあるとすれば、その首輪だ。ぶら下がった鎖の先にある首輪は赤黒い光を放つ魔力の結晶になってる。これはイノセントデビルの証だ。
アイリはゆっくりと目を開けてあたいの顔を見ると、
「初めまして、ご主人様。私、アイリと申しますわ!」
鈴を鳴らしたような声で、花が咲いたような笑顔を見せた。うん、可愛い。
「おう、あたいがおまえさんを創ったご主人様だよ。体に何か変なところはないかい?」
「はい!どこもおかしくありません!」
アイリはその場で華麗にクルリと回って見せた。
あ〜、可愛い。……はっ!?いけないいけない。平常心平常心っと。あたいはドラキュリア様みたいにポーカーフェイスが得意じゃないけど、頑張って隠さないと。
「とりあえず、自己紹介からしようか。あたいの名前は「
「それとも、「小町」様と呼んだ方がよろしいですか?」
アイリはイタズラっぽく、クスクス笑った。可愛い。じゃなくて、令裡と同じパターンだねこれは。
令裡はドラキュリア様の血を通して、「嘉村令裡」というキャラ、ヒロアカの原作知識、そしてドラキュリア様の前世の記憶を知った。対するアイリは、分割したあたいの魂をベースに創られた存在、いわばあたいの分身。どこまで共有してるかわからないけど、あたいの知識や記憶を持っていてもおかしくないね。
「あー、どっちでもいいよ。おまえさんの好きな方で構わないよ」
「それでしたら、小町様とお呼びいたしますわ」
アイリはペコリと一礼した。メイドらしく、上品でキッチリした立ち振る舞いだ。
悪魔城の使用人はスケルトン・ボーイたちがいるんだけど、華がないからメイドが欲しいと思ってたところだよ。イノセントデビル兼
「よし、それじゃあアイリ。早速だけど、仕事を頼めるかな?」
「はい。何なりとお申し付けくださいませ、小町様」
「小町様」ね。このなりと同じ名前で呼ばれるのもいいかも。ドラキュリア様と令裡にも呼んでもらおうかねぇ?
「ドラキュリア様の下へ挨拶に行っておくれ。あたいはまだここでやることがあるから手が離せないんだ。ドラキュリア様の命令に従うように」
「ドラキュリア様……小町様のご主人様ですね。承知いたしました」
アイリはペコリと頭を下げると、「マップ・オープン」と唱える。するとアイリの目の前に半透明の大きな地図がフッと浮かび上がった
「では、行って参ります」
地図の横からひょっこり顔を出すと、パタパタ手を振ってその場から消えた。可愛い。
「……ドラキュリア様とあたいが使う魔術まで使えるのかい」
何て呟いていると、力が抜けてその場でバタッと倒れちまった。ご主人様として威厳を保つために何とか立ってたけどもう限界だ。名前を呼んだ途端、魔力をごっそり半分も持って行かれちまった。
生まれて間もないのに意思疎通ができ、さらに魔術まで使える。想像以上の出来栄えだ。こつこつ集めたヴィランを300人も生贄にして創った甲斐があったよ。
「ここから成長したらどうなるんだろうねぇ?」
ドラキュリアの下へ向かう道中・・・
アイリ(小町様、ずっと顔が蕩けていましたわ)
・アイリ
小町の娘かクローンと言える存在で、アイリ本人から見るとドラキュリアは叔母、令裡は従姉妹のようなもの。
原作のイノセントデビルのように成長性がある。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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それではまたお会いしましょう。