ドラキュラ?いいえ、ドラキュリアです   作:花の右人

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2話目を投稿して次の日、赤いバーが付いていたのを見た時は宇宙猫になりました。お気に入りが200を超えたのを見てまた宇宙猫。
ここまで評価してもらって大変恐縮です。ありがとうごさいました。
長々とお待たせしました。3話目になります。
拙い駄文ですが、お楽しみいただければ幸いです。


3. 擬人化するならかわいい女の子がいいよね

 ?????????

 はっ!?

 こんばんは。ドラキュリアです。

 宇宙猫になりかけていました。

 

 原因はこの死神(デス)を名乗る、赤いツインテールのかわいい巨乳女だ。

 とりあえずここで、死神(デス)について軽く説明しよう。

 

 死神(デス)

 悪魔城ドラキュラシリーズに登場する敵キャラの1人。

 ほとんどの作品に登場し、終盤のステージで戦うことが多いボスキャラだ。

 ドラキュラに絶対的な忠誠を誓う永遠の腹心で、ドラキュラと共に倒されても主より先に復活し、主を復活させるためなら苦労も惜しまず奔走する忠臣の鑑だ。

 従来の「死神」のイメージ通り、大鎌を持ったローブ姿の骸骨の姿をしてるが、ドラキュラ同様作品によってデザインは異なる。

 

 そして、時には人間に化けることもある。俺の記憶が正しければ、死神(デス)は男で女じゃない。

『闇の呪印』や『Grimoire of Souls』などの作品で人間の男に化けた姿で登場する死神(デス)だが、その姿は骸骨に肉と皮をくっつけたような、どこか人間離れした怪しい姿だ。

 

 女の姿をもう1度じっくり見る。

 癖のある赤いツインテールの髪。赤い瞳のパッチリした大きな目。スッと高い鼻。ふっくらした健康そうなピンクの唇。張りと艶のある肌。そしてグラビア顔負けのすごく大きなおっぱい。

 アイドルになってもおかしくない、幼さを残したかわいらしい顔立ちの女だ。

 

「どうしたんですかドラキュリア様。そんな黙って見つめられたら照れますよぉ」

 

 少し恥ずかしそうに、にへらと笑う死神(デス)。うーん、かわいい。でも、俺が知る変身した死神(デス)とは似ても似つかないぞ。

 

「そなたが死神(デス)だと?ならば、その証拠を出して見せよ」

 

 今のこいつと死神(デス)の共通点は、身に纏ってる黒いローブ以外何もない。

 

「もう、疑り深いですね。まあ、あんな目に遭わされたら仕方ないですよね」

 

 死神(デス)と名乗る女は片手を前に伸ばした。すると、虚空から女の身の丈を越えるほどの巨大な鎌が現れて、その手のひらの上に落ちた。

 

死神(デス)と言えばコレですよね」

 

 巨大な鎌をバトンのように軽々と片手で高速回転させると、ポンと肩に担いで見せる。

 

「だけど、これだけじゃ物足りないですよね」

 

 指をパチンと鳴らした。今度は周囲からいくつもの小さな鎌がくるくる回りながら現れた。これは死神(デス)の得意技だ。

 

「そして最後はコレ!」

 

 もう1度指を鳴らすと、空中を飛び回っていた無数の鎌はフッと消えた。

 女は軽く膝を曲げ、真上に飛び上がった。空中でゆっくり制止すると、その身体は黒い靄に包まれた。靄はどんどん大きく膨らみ、そして一気に縮んで弾けた。

 

 そこにはさっきの女の姿はなく、魔道士を彷彿とさせる黒いローブに包んだ大きな骸骨が浮かんでいた。

 

「いかがでしょうか?これで、私があなた様の僕であると信じていただけたでしょうか?」

 

 その声は幼さが残るかわいらしい声ではなく、地の底に響くようなしわがれた低い声だった。

 ここまで見たら間違いない。圧倒的存在感を放つ目の前のこいつは正真正銘、ドラキュラの永遠の腹心・死神(デス)だ。

 

「……ああ。そなたが死神(デス)だと理解できた」

 

 少し、呆気に取られながら何とか返事した。

 死神(デス)はどこか満足そうに頷き、空中でクルンと回転するとあっという間に女の姿に戻って着地した。

 

「ね?言ったでしょう?」

 

 死神(デス)はニッと笑った。うん、死神(デス)とわかっててもやっぱかわいい。

 

死神(デス)よ。そなたについて、まだ解せないことが4つもある。それに答えよ」

 

 気を取り直して質問を再開した。

 

「そなたはいったい、どこにいたのだ?」

 

 俺の質問に、死神(デス)の顔から笑顔が消えた。ひどく真剣で険しい表情になった。

 

「……ドラキュリア様が殺される前に目を覚ましてから、ずっとそばにいました」

 

 死神(デス)は俺の右手を指差した。

 

「ずっとその中にいました」

 

 いや、違う。右手ではなく人差し指にはめた、楕円形の深紅の宝石が付いた指輪だ。

 

「なるほど、この指輪は「深紅の石」だったのか」

 

 ここでまた軽く説明しよう。

 

 深紅の石

 ドラキュラとその宿敵ベルモンド一族と、彼らが振るう聖なる鞭ヴァンパイアキラーのオリジンを描いた作品、『キャッスルヴァニア』に登場する重要アイテムだ。

 ヴァンパイアの魂を生贄にすることで人間をヴァンパイアに変え、その力と呪いを引き継がせることができる。

 さらに、深紅の石には死神(デス)が宿っていて、主と認められれば死神(デス)を従えられる。永遠の夜の王を目指す野心を持つ者にとってこの上ない、ヴァンパイアの至宝だ。

 ドラキュラは深紅の石の持ち主で、死神(デス)に主と認められた後にヴァンパイアの魂を生贄にして、真祖のヴァンパイアになったというわけだ。

 

 俺は魔王ドラキュラの力を“個性”という形で持ってる。悪魔城だけじゃなく、死神(デス)もその一部だとしたら、分身のようなものだとしたら納得がいく。

 とりあえず、今は深紅の石と死神(デス)は置いといて、質問を続ける。

 

「2つ目の質問だ。何故、私がオール・フォー・ワンと戦っている時に姿を現さず、今になって出てきた?」

 

 死神(デス)はドラキュラの忠臣。敵を前にしたらすぐに飛び出してくるはずだが、こいつも全く同じとは限らないけどな。

 2つ目の質問に、死神(デス)の顔はより険しくなった。

 

「……あの時、私はまだ眠っていました。ドラキュリア様が命を落とす直前に、私を強く求められた声で初めて意識が芽生え、ドラキュリア様の肉体が滅んだ後に具現化しました」

 

 日光に当たって燃えていた時か。確かにあの時、俺を呼ぶような声が微かに聞こえた。

 あの時は目覚めて間もないのもあって、死神(デス)を呼び出せると思いもしなかった。復活して力が増したから、眠っている間でも 死神(デス)を呼び出せたと言うことか。

 

「あの声はそなただったのか」

 

「ええ。あの時、何もできなくて本当にすみませんでした」

 

 死神(デス)はその場で座り、俺に向かって土下座してきた。

 

「よい!!面を上げよ!!」

 

 思わず大きな声が出た。死神(デス)の身体が微かに震えた。

 死神(デス)は何も悪くない。悪いのはオール・フォー・ワン。そして、弱いのに感情任せに無策で挑んだ俺だ。

 

「でも、私があの時すぐに出ていればドラキュリア様はあんな目に遭わなかったかも知れないです」

 

 死神(デス)はゆっくりと頭を上げた。その顔は今にも泣きそうだった。

 ヤバい。また胸が苦しくなってきた。ムカムカする。

 

死神(デス)よ、すまなかった。そなたに非はない。やつを前にして、あの場はどうすることもできなかった。私も短慮で力不足だった。それにもう、過ぎたことだ。そなたが気に病むことはない。だから立て。そして質問の続きを答えるのだ」

 

 本当ごめんよ。無神経に責めるような質問をしてしまった。おまえは何も悪くないんだよ。だから自分を責めないで欲しい。

 

 死神(デス)は少し迷いながら、弱々しく「はい」と返事をして立ち上がった。

 

「さて、3つ目の質問だ。そなたは私の一部、分身なのか?」

 

 死神(デス)はこの質問にさっきより険しくなくなったけど、難しい顔になった。

 

「多分、そうです」

 

 多分?どういうことだ?

 

「『悪魔城ドラキュラ』」

 

 死神(デス)が俺しか知らないタイトルを口にした。

 

「……ッ!何故それを知ってる?」

 

 何とか落ち着きを払って質問する。

 

「やっぱり、これはドラキュリア様の物だったのですね」

 

 死神(デス)は何かを納得して続ける。

 

「生まれて間もない私には知らない記憶や知識がありました。その中には『悪魔城ドラキュラ』と言うゲームがあり、そのゲームに『死神(デス)』と呼ばれるキャラクターがいました。これはドラキュリア様の記憶と知識で、私はそれを素にドラキュリア様に生み出された存在なのではないかと思っています」

 

 まるで、SF物に出てくる創造主と同じ知識を持った人工知能みたいだな。

 “個性”のあるヒロアカの世界なら、死神(デス)は常闇踏影の「黒影(ダークシャドウ)」と似たようなものなのか?

 

「だから、ドラキュリア様が知らないことはわたしも知らず、今は情報不足なのです」

 

 質問に答え切った死神(デス)の顔は何とも言えない困惑した表情だ。

 死神(デス)も俺と同じで、知識はあっても自分のことを十全にわかっていないんだ。

 それに、今は超常黎明期。俺以外に頼れる人間もいない。俺が復活するのを待ちながら、1人孤独に過ごしていたんだ。それなのに俺は、こいつをオール・フォー・ワンの手先なのかと疑った。

 ヤバい。今度は腹痛がぶり返してきた。さっきより酷くなりそうだ。

 

「最後の質問だ。そなたは何故、ゼアドやセワードのように男の姿ではない?何故、本来の姿ではなく女なのだ?」

 

 腹痛と吐き気を堪えながら最後の質問を出す。

 ずっとこれが気になっていた。死神(デス)の姿はギャップが強くて戸惑っていた。かわいいからいいんたけどね。

 

「え?」

 

 俺の質問に死神(デス)はキョトンとした。

 

「ドラキュリア様はこの姿は嫌なのですか?それでしたらさっきの姿に──」

 

「戻るな。今のままでいい」

 

 サッと手で制する。何が悲しくてあのおっそろしい姿をまた拝まなきゃならん。

 

「えーと、ドラキュリア様は前世から巨乳のツインテールがお好みなんですよね?18禁の同人誌とかの」

 

 死神(デス)は頬をポリポリ掻きながらサラッととんでもないことを言った。

 落ち着いて最初の雰囲気に戻ってきてるからうれしい。だけど、性癖まで知られているのかよ!!めっちゃくちゃ恥ずかしい!!

 

「命を落とす前に内心で言ってましたよね?「お迎えに骸骨の死神は嫌だ。かわいいツインテールの巨乳の女の子のお迎えがいい」って」

 

 言った!!確かに言いました!!死ぬ間際に自分の性癖を垂れ流しました!!

 つーか、お迎えにやってくる死神は死ぬ人の好みの異性の姿でやってくるって話が、違う形で実現するなんて思いもしねーよ!!

 

 あ、ヤバい。今度は頭が痛い。目の前がグルグル回る。また立ちくら──

 

「あれ?ドラキュリア様?ドラキュリア様!?」

 

 死神(デス)の心配する声を最後に、痛みと気持ち悪さの中で俺の意識は沈んだ。

 





皆様からいただく評価と感想には大変励まされております。
改めて、最後まで読んでいただき本当にありがとうごさいます。
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