青春が壊れた俺に現れた天使   作:あきこま

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知っている人はこんにちは、知らない人は…こんばんは(おい)あきこまです。

劇場版アンサンブルを見る前にユーフォニアムを一気見して尚且つ聖地巡礼にも行ってきた結果、普通にユーフォ好きになりました。


そんな人間による付け焼き刃の駄作にお付き合い下さい。


1話

 

 

「あなたのやり方……嫌いだわ」

 

「人の気持ち……考えてよ……どうして色んなことがわかるのにそれが分からないの?!」

 

 

 

 

 

 この場にまだ人が少し居た時に俺が二人の女の子に言われた言葉である。

 

 ついでに言えば、「すまない、君はこういうやり方しかできないとわかってたのに」

 なんて言葉もイケメンクラスメイトに言われていたか。

 

 

 やり方を任せると言われた奴にはそのやり方嫌いと言われ、そもそもの依頼をノリで引き受けた奴には人の気持ちを考えろと言われ、自分でどうしようもできなくなって最終的には自分に相談された事を板挟みになりどうにも出来ず遠回しにこっちに根回しした奴には何故か謝られ。

 

 

 

「何やってんだろうな、俺」

 

 

 告白の成功、告白の阻止、その二つの間でどちらの相談もされていたと。

 葉山の立場には同情できる、しないけど。

 

 それら全てが奉仕部に降ってきた結果がコレ。

 

 

 俺が雪ノ下と由比ヶ浜に言いたい事は色々あるが、今更だし言い始めたら詮無き事。

 

 

 

 何となく宿に帰る気にもならず、公園のベンチでコーヒーを飲む。

 

 

 

 

 飲み始めて半分くらい減っただろうか、たまにあった足音の1つが俺の近くで止まる。

 

 

「わ、すごい。目が死んでるってこういう事を言うんだ」

 

 

「……もしかしなくても俺の事言ってます?」

 

「あ、ごめんね? 口に出しちゃってた」

 

 

 喧嘩売っとんのかと顔を上げたところにいたのはショートカットがとても似合い涙ボクロがどうにも目を引く女性、と言うより天使がいた。

 

「エンジェルがおったか……」

 

「……優子ちゃんの友達? と言うより言葉遣い変わりすぎじゃない?」

 

 優子ちゃんとやらを存じ上げないが言い出しっぺがとても嬉しそうに笑っていた。

 

「君の名前は?」

「……比企谷八幡」

 

「比企谷……八幡……変わった名前だね? 覚えやすいよ」

「覚えられた事あまりないですけどね……」

 

「そう? 私は覚えられたよ? 比企谷くん?」

 

 あぁ、俺はやるべき事をやった様だ。天界からの迎えが来たんだ。

 

「ごめん、自己紹介してなかった! 私は中世古香織。東京の大学に通う一年生で今日は秋休みを使って実家に「多い多い多い」 そうかな?」

 

「多いよ、名前しか言ってないよ俺、教えられる情報に釣り合いが取れてないって。と言うよりすみません、先輩でしたか」

 

「ううん、それは特に気にしてないからタメ口でいいよ? ちょっと新鮮」

 

「いや、そういう訳には……」

「ダメ?」

「ダメ」

 

「ぶぅー」

 

 

 明らかに私不機嫌ですよー感を出しまくってるこの女の人、中世古先輩はめちゃくちゃ頬を膨らましてた。

 

 

「まぁそれは後々、君はどうしてこんなところに居るのかな? 灯籠のライトアップを見に来た訳じゃ無さそうだね?」

 

 

 

 

 この人になら、話してもいいか。身内でも無く、知り合いでもない。今日知り合っただけの他人のこの人になら。

 

 

「……長くなりますよ」

 

 

 

「気になるから、いいよ。聞かせて?」

 

 

 

 

 告白をして成功をしたい、遠回しにその告白を阻止して欲しい、そして自分の居る空間を守りたい、それが故に自分が取った手段等全部を話した。自分の中に溜めていたものを全て話した。

 

 

 

「……そっか」

 

 

「面白くもなくてすみませんね、こんな事がありました」

 

 

 

「ううん、私が気になって聞いた事だし……恋愛か」

 

 

「中世古先輩はモテそうですね、エンジェルだし」

 

「私が天使っていう設定から一旦離れてよぉ…… 私の周りは女の子が多かったから色恋沙汰とかはあまりよく分からないんだけどさ」

 

 

 

 

 

 ふと、俺の頭に柔らかい感触がする。中世古先輩の手だ。

 

 

 

 

 

 

「君はよく頑張ったよ、誰にもできないしやろうともしないだろう方法だけど」

 

 中世古先輩が手を左右に動かす。俺の頭を撫でてくれているのだろうか。

 

 

 自慢じゃないが親から撫でられた事など数える程しかない。小町が産まれてからは自分が撫でる側になったから尚更だ。

 

 

 

 

 

 涙が出始めた、自分がやった事が認められた気がして。しかし、初対面の人の前でみっともない姿を見せる訳にもいかない……必死に流さずに溜める。

 

 

 

 

 

 

「比企谷くん」

 

 

 

「……なんですか」

 

 

 

 

「お疲れ様、頑張ったね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!!」

 

 

 労いだった。自分からやったことに関してそれをアイツらに求めるのは違うと思っていた。だが心のどこかで求めてしまったのかも知れない。

 

 

 溜めていた分を含めて、涙が止まらなかった。雪崩のように1度崩れてしまったダムを治す事など不可能に近く、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう……そんなに泣く事無いのに。私のハンカチじゃ足りなくなるよ?」

 

 

 お疲れ様、たったそれだけの言葉で高校2年生の男がみっともなく涙を流しまくった。そしてその涙を初対面の女の人に拭かれてるなんて言うエピソードは墓まで持っていく他無い。

 

 

 

 

「落ち着いた?」

「お陰様で……すみませんハンカチ……洗って返します」

 

「え? いいよ気にしないで」

「そういう訳にも……でも返す方が難しいのか」

 

 

 

「あ」

 

 急に何かを思い出したかのように中世古先輩は立ち上がる。

 

「ごめん、そろそろ友達と約束の時間だ」

 

「あ、すみません時間取らせてしまって」

「それはいいよ、私が気になって聞いたんだから。可愛い君が見れたしね」

 

「初対面の年下の男の可愛い姿見てどうすんだ……しかもこんな目の」

「私は君の目好きだよ?」

 

「へ」

 

「今度こそ行くね、それとコレあげる」

 

 じゃあねー! と、走っていた中世古先輩。余程時間を取らせてしまったか。

 

 

 渡されたのは先程のハンカチと1枚の紙。

 

 紙に書かれた文は

 

「私の電話番号です、今日は難しいけど明日の夜ぐらいなら出れるから電話してね! 絶対だよ?! …… ホントにしてよ?!  香織」

 

 俺が電話しないで済まそうとするのが目に見えてるのかめちゃくちゃ念を押されてる……。

 

 

 

 

 

 

 居場所を失った俺が初対面の女に洗いざらい話したら友好的になったんだが? 

 

 何それ、どこのラノベ? ス○ーカー文庫辺りにありそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






読んで頂きありがとうございました!次回も宜しくお願いします。
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