おはようございます。あきこまです。
私の過去作知ってる人とかならびっくりすると思いますこの更新速度。
なんせ本人が1番驚いてますからね?ええ。
では5話です。今日も元気に行ってらっしゃいませ。
顔の真っ赤具合を何とか誤魔化せる程になって外に出る。
しかし今直面するとまた思い出しそうな気がしてベンチに座る。
秋とは言え夜になると気温は冬に近づくし、それが山の中となれば効果は更に増す。
しかしながら、私比企谷八幡という男はさっきからずっと顔から体から火照りっぱなしなのである。
風を浴びて涼しくなったと思いきや中世古先輩の手の感触や抱き寄せた時の……あ、ダメだこれ無限ループだわ。
そんな時だった、首元にとてつもない冷たさを感じたのは。
ピト。
「ヒィヤァ!」
自分でもなんて声を出してるんだと思う、だがこれは仕方ない事だ。
折角火照りがなくなりかけた所に追い討ちの冷たさをもたらしたのは雪ノ下陽乃その人である。
「少しは落ち着いたかね少年♪」
「……もうちょいなんか方法なかったんすか」
「これが最適だと思ったんだけどなぁ……ベンチで一人悶々としてうわ言の様に悶えてる人間が知り合いなら「わかった! わかりましたみなまで言わないで下さい!」……まだ最後まで言えてないのにー」
「だから途中で止めさせてんでしょうが!」
幸い、中世古先輩は御手洗らしく、この場には居ない。
「と言うか……何時から見てたんです?」
「? 御手洗出てくる時からだよ?」
「いや全部じゃん……もはやベンチ座る前からじゃん……」
「君と中世古ちゃんほぼ入れ違いだったからねー」
よいしょっと、と言いながら隣に腰かける雪ノ下さん。コーヒー片手にこちらに向き直す姿はやはり様になっている。
「それにしても珍しいね、自意識の化け物がここまで女の子一人に揺らされてるなんて」
「それあなたが俺に付けた名前でしょうに……なんでしょうね、多少なりとも恩義があるからなのか、先輩の人の良さですかね」
「あんな出来事があった後でも信用しようと思ったんだ?」
「本音を言えば信用も何も自分で勝手に期待して自滅しただけなんでそこはあまり関係ないんですがね……女性にそんなにいい思い出あった試しが今まで無かったので」
「ふーん、そっか」
納得したような顔をした雪ノ下さんは正面を向き、再び珈琲缶を傾け飲み干していた。
「うん! やっぱり今自由になれて良かったかも!」
「なんですか急に」
「今まで生きてきた20年の中で今が1番楽しいなって」
「そりゃ、念願の自由を手に入れ「違うよ」……?」
「
「なっ!」
小っ恥ずかしい事をマリーンズ17番の直球の如く俺に投げてくるこの人は本当にあの雪ノ下さんなのか、未だに信じられない自分がいる。
「どう? 私のストレート。受け止めてくれた?」
「……あいにく俺の背番号は27じゃなければ2番でもないんでね、なんとも言えないです」
「ありゃ、これまた手厳しい」
まぁいっか、なんて言いながら立ち上がった雪ノ下さん。
「行こっか! みんな揃ったし」
「へ?」
ピトッ!
先程の感触よりも強めに、首元へ冷たさが……と思いきや。
「あっつ?!」
「あ、ごめん。手洗ったら思いのほか冷たくて……温かいもの買ったんだ!」
にっこり顔でこちらにココアを差し出してくる香織先輩に一言くらい反論してやろうと思ったけど、 笑顔が眩しくてそんな気は失せてしまった。
三人並んで車に戻り、
朝の4時頃だろうか、既に目的地の駐車場に着いてから30分は経った頃。
「よし! そろそろ動こうか」
「まぁ、さすがにここまで来ればわかりました」
「うん、私も行ってみたいと思ってたけど一人じゃ手が出せないところだったなぁ」
やってきた場所、山梨県はほったらかし温泉である。超ど早朝からやってるのも珍しくなく日の出が見れたり、なんなら併設のキャンプ場のお客さん方だけじゃなくてこうして遠いところ態々来る観光客も多い程である。
2箇所あるうちの片方は完全に陽が出てからの営業でありもう片方の浴槽に入れるらしい。
「じゃあ比企谷君、私達はこっちだから」
「うす」
「私達の入浴想像するのは良いけど程々にね?」
「するか」
「しないの?」
「す る か!」
その応酬を見て雪ノ下さんは満足したのか、足早に女湯へ去っていく。
そしてその隣で一人モジモジしながらこちらをちらっと見てまた視線を逸らす方が一名。
「……行かないんですか? 雪ノ下さん行っちゃいましたけど」
「あ、うん! 行くよ?! ……えーと、ダメだよ?! 想像したら!」
もうね、いちいち可愛いんですよこの人は。雪ノ下さんのように反応する以前の問題で……。
「ありがたや……」
「……もしかして、天使より位上げてない?」
「ミカエル様ぁ」
「大天使になってるじゃない……もう行く!」
プンプンしながら雪ノ下さんの後を追いかけて行った中世古先輩。
「……色々反則なんだよなぁ」
頭をついガシガシとかいてしまったが、とりあえずせっかくの機会なので自分も入る事に。
「うーん、温泉なんて久々! しかもこんなにゆったりできるなんて初めて?!」
「ふふ、テンション高いですね?」
「そりゃそうよー仕来りとかそういうの全くなく可愛い後輩ちゃんと温泉なんて昔じゃ考えられなかったなぁ……」
「陽乃先輩は……私達から見たらかなり難しい人生だったみたいで?」
「うーん? まぁ今思えば学べる事は多々だけどこんな自由に暮らせないしねー窮屈だったよ」
「親の敷いたレールってやつですか?」
「近いかなぁ、今年の初め頃までは「はーあつまんないこの人生」なんて思う事もあったけど6月に色々変わったね」
「それが……もしかして?」
「そう、今頃男湯で悶々としてるだろう男の子よ。あの子に会ってから色々変わったかな」
「すっごく楽しそうですよね! ちょっと羨ましいなぁって思います」
「でもー比企谷君なんて初見から私の事めちゃくちゃ警戒してたからね?」
「そうなんですか?」
「そう、私の社交場に出る時の顔を即見破ってやることなすこと全て警戒して、今まで人に助けられる経験が少なかった私の妹のサポートをほぼ完璧にこなして……ほんといい子」
「そんな妹さんと色々あったのが先日……」
「ほんとね、私が自由にならなかったら頑張って何とか雪乃ちゃんとくっつけてやろうかと思ってたけど、もうあの子に色々するのは止め! 私はもう自分の欲望に逆らわないもんね」
「私も先輩と会ってまだ数日ですけど、今の先輩は輝いてるように見えますよ?」
「ほんと? そう見える?」
「はい! 私の地元の親友にも陽乃先輩と似たようなタイプがいるんです。誰にも真意を晒さないと言うか、あまり本心を出さないけど色々完璧にこなしちゃう子なんです。私やもう一人の親友にも晒さない様な事を同じ部活の同じパートの後輩ちゃんには色々話してて……」
「……嫉妬した?」
「正直かなり……でも今はその気持ちもわかる気がします」
「それは……やっぱ?」
「はい、だと思います♪」
ハックシュン! ……湯冷め?
ただひたすらにいい湯だ。そう思えた。
だから今のくしゃみは湯冷めじゃないと思うけど気にしない、うん。
普段がそもそも銭湯なんて行かないけどこんないい所来たら近所にあるような所謂スーパー銭湯なんて霞むだろう。
今頃あの二人も楽しんでるのだろうか、この景色や風呂加減を……やめなさい。
考えるのやめなさい、煩悩退散だ、落ち着いて一句読もう。
まずいなぁ……あの二人に大分毒されてるのかもしれない。
「小町、どうしてんのかなぁ」
喧嘩してるとはいえ千葉の兄妹、心配にならない訳が無い。
「後で母ちゃんにそれとなく聞いてみるか」
ご視聴ありがとうございました!
高評価、お気に入り結構頂いています。ありがとうございます!
完全に作者の妄想垂れ流しなのが痛いですがお付き合い頂き感謝です!