ユルシテ……
数日後。
「ねえカズマカズマ!」
「はいはいカズマさんですよ~
どうしたんだ?」
「なんと今回カズマの立ち絵を作ってもらったので、配信しましょう配信!」
「え、やだ~めんどくさい~
俺はいまゲームで忙しいの!」
「……この前カズマの部屋で見つけたピンクと人肌が多いゲーム、母さんに」
「よしやろう絶対やろう今すぐやろう!」
「す、すごい勢いですね、まあいいでしょう。じゃあ早速準備してきますねー」
◇ ◇ ◇
全くなんて恐ろしいことをしようとしやがる。
親にそんな物を見られるとか男の子の沽券に関わるっつーの。
そんなことやられたら終わりだって。
……今度は見つからないようにしよう。
「はい、これがカズマの立ち絵ですよ」
そう言って表示されたのは、何とも言えない冴えない雰囲気を醸し出している少年の絵だった。
髪は茶髪で、顔もイケメンというほどでもないが不細工というわけでもなく普通。眼の色は緑色だが、それ以外はこれといった特徴もない絵だった。
「……なんか普通だな
ほら、俺ってもっとイケメンじゃない?」
「いや、私的にはまさにこれこそカズマ! といった感じで完璧だと思うのですが」
「なんだそれは。それだとまるで俺がさえない雰囲気の男だって言ってるみたいなものじゃねーか」
「まーまー、落ち着いてくださいよカズマ。折角ママが描いてくれたものなんですからもっと感謝してくださいよ?」
「それもそうだな。
……って冴えないことは否定しないのね?」
「まあ事実ですし」
……こいつ後で剥いでやろうか。
「じゃあそろそろ始めますよー」
◇ ◇ ◇
「フッフッフ、待たせましたね皆さん! 我が名はめぐみん!
紅魔族一の才能を持つVtuberにして、いずれVtuberの頂点に立つ者!」
「どうもカズマです。
……なあめぐみん、最初のそれ長くないか? しかもうるさいし。毎回やってんの?」
「なっ……! うるさいとは失礼ですね! カッコイイでしょう?」
コメント:こんばく
コメント:やっぱこの挨拶聞くと爆裂娘って感じがする
コメント:辛辣で草
コメント:突っ込まないで上げて……
コメント:500円 爆裂代
コメント:定期
コメント:い つ も の
コメント:まだ爆裂してない定期
コメント:挨拶の声量が爆裂してるからセーフ
コメント:声量が爆裂=うるさい
コメント:まあ事実
「今回はサムネにもある通り、我が兄の立ち絵をご紹介していきたいと思います!
……それでは出でよ!」
コメント:う、嘘だろ
コメント:普通
コメント:言うなw
コメント:ていうかイメージ通り過ぎてワロタ
コメント:それな
コメント:これぞザ・カズマ……いやザ・クズマって感じ
コメント:解釈一致
コメント:似合ってるぞー
「……分かってたけど、やっぱこの絵冴えないよね?
俺には合わないと思うんだよね」
「何言ってるんですか、コメント欄も似合ってるって言ってくれてますよ?」
「この場合の似合ってるは誉め言葉じゃねえよ」
「でも私は現実の雰囲気ともかなり似てると思うんですよねー」
「リアルの見た目も冴えないって言ってるようなもんじゃねえか」
コメント:リアルもこんな感じなのかー
コメント:俺は嫌いじゃないぜ
コメント:5000円 クズマさんから見た爆裂娘はどんな感じか聞きたく……
コメント:お?
コメント:気になる気になる
「んー、俺から見ためぐみんかー
……うるさくて厨二病な妹。あと胸が小さい。どれくらいかというと、このアバターより小さい。ほぼ絶壁だな、まさにまな板だ、うん」
「はぁっ!? うるさいですよ!? 流石にデリカシーという物が無さすぎですよこの男!
そ、そもそも私まだ成長期ですし? 私は最強のVtuberになって巨乳にもなります!」
「落ち着けって。俺は別に好きじゃないが、小さいのが好きな奴だって日本にはいっぱいいるぞ?」
「何もうれしくありませんよそんなフォロー!」
コメント:助かる
コメント:3000円 情報提供代
コメント:ありがとう──あなたに最大の感謝を
コメント:5000円 俺は好きだぜ?
コメント:ひでえw
コメント:安定のクズマ でも助かる
コメント:10000円 解釈一致あざす
コメント:もはや放送事故
コメント:50000円 クズマ様と呼ばせていただきます
コメント:クズマなんかい
コメント:草
コメント:これは流石にクズマ
「ほら、コメントも暖かい声で溢れかえってるぞー
スパチャもこんなに――」
「はいっ!うるさいですっ!
……そういえばカズマ、あなた昨日ピンクと人肌が多いゲームを深夜に……」
「あっ!?お、お前それは言わないって約束だったろ!それを言ったら戦争だぞ!
……そうだな、お前その小さな小さなあるかわからないような胸を必死に大きくしようと、バストアップ運動とかマッサージとかコッソリ部屋でやってんの知ってんだかんな!」
「なっ!?の、覗きですか!最低ですね!」
「はあ?ふざけんなお前そんな無いに等しい胸なんて誰が」
「あーもういいです、うるさいです。
……こうなったらあのことを言うしかありませんね。
実はカズマは、昔片栗粉Xを冷蔵庫に入れていたところ、親に見つk」
「なっ!?ちょ、ちょっとそれは流石にやめろ!」
コメント:片栗粉Xwww
コメント:これはwww
コメント:と、とんでもねえ黒歴史だぜ……
コメント:片栗粉Xってなんぞ?
コメント:調べてみ?えぐいぞ
コメント:共感性羞恥心で死ねるレベル、ていうか想像して死んだ
コメント:10000円 強く生きろ
コメント:た、ただの料理だと思われた可能性は……ないよね……
コメント:5000円 情報提供代
コメント:情報提供代ニキこんな情報何に使うの……
コメント:安定の放送事故草
コメント:4545円
コメント:無言スパチャ(意味深)
コメント:草
コメント:お、俺は応援してるからな!死ぬなよ!
「ほら、コメントも暖かい声で溢れかえってますよー
スパチャもいくつか――」
「うるっせえ!はい、今日の配信は終わりだ!終了!じゃあな!」
「ちょっとカズマー……行ってしまいました。
まあカズマも帰ってしまいましたし、少し早いですが今日はこの辺で終わりにしましょう
……それでは皆さん、またお会いしましょう!さらば!」
コメント:じゃねー
コメント:さらば!
コメント:1000円 爆裂代
コメント:まだ爆裂してない定期
コメント:というか爆裂とは
コメント:今更
コメント:いつもの
後日、片栗粉Xがトレンドに上がった。さすがに俺は関係ないと信じたい。