「いやー、まさかあの配信でこんなにも人気が出るなんて……やはりコラボは良いですね!」
パソコンの画面を見ながら満面の笑みでそう言うめぐみん。
「おいおい、あんな配信で本当に良かったのかどうか今でも疑ってるのに……だってあの配信、お前が企画を進めようとして、変態が興奮して、俺が突っ込んでただけだったじゃねーか」
「チッチッチ、そのわちゃわちゃと盛り上がっているところがコラボのいい所なのでしょう……たぶん」
「盛り上がってた……?そう言っていいのか……?なんなら最後とか勝手に切って終了してたし」
「ま、まあ、実際結果も出てるし問題ないです。ほら、これ見てください」
「んー?どれどれ…………って50万!?あんなのが50万人に見られたのか!?」
「あんなのって……あ、それにほら、高評価もたくさんついていますよ!」
「マジじゃん……普段もこんなつく物なのか?」
「いえ、今回に限らずコラボは相手の視聴者の方も配信を見に来るのでその傾向はありましたが……今回は特別多いですよ?」
「ほーん、やはり俺の溢れ出るイケメンオーラは隠しきれないものなのか……」
「ではそんなイケメンのカズマにお願いがあるのですが……また別の人とコラボしませんか?」
「やだよ断る」
「そ、そんなに早く断らなくてもいいじゃないですか!はあ、全くしょうがないですね……それでは、今日私の同期の配信があるので一緒に見ませんか?また今度コラボするかもしれませんし」
「まあそれくらいならいいぞ。コラボは面倒くさいからしないが」
「はいはい分かりましたよ。では……」
そう言ってパソコンをいじり始めるめぐみん。少ししてあるページを開き、俺に見せてきた。
「はい、これが今回配信する人の公式プロフィールです」
「えーっと、『天界から人間界へと舞い降りた水の女神。人々を癒す強大な力を持っており、今日も疲れたリスナーたちのために癒しの配信を行う』
……ほんとか?なんか前回の騎士(笑)があんなのだったからいまいち信用できねえ……」
「……まあ見ればわかりますよ」
「お、おう」
不安だ。
◇ ◇ ◇
「おや、そろそろ始まるみたいですよ」
めぐみんがそう言う。パソコンの画面が配信待ちの表示から切り替わり、全身水色の女神のアバターが表示された。
「は~い!アクシズ教のみんなー、今日も女神様が来たわよー!」
コメント:この配信に待機してる時点でお前もアクシズ教徒定期
コメント:ガチのアクシズ教徒はもっとやばいから……
コメント:おや、そこの貴方達!もしやまだアクシズ教に入信しておられないのですか?
コメント:ほら、また出没しやがった
コメント:本物だあ
コメント:10000円 アクシズ教へ寄付
コメント:寄付www
コメント:唐突な高額スパチャw
コメント:ほらお前ら見ろ……こいつらが本物のアクシズ教徒ってやつだ……
コメント:まあこんなとこに来てる時点でアレ
コメント:それはそう
コメント:悲しいこと言うなよ
「あ、スパチャありがとね~。ありがたくお酒代――ゲフンゲフン、シュワシュワ代に使わせてもらうわ!
ってちょっとそこのコメント!こんなとこってなによ!今日もこの女神である私がアクシズ教のみんなに癒しを届けに来てあげたのよ!」
コメント:酒代www
コメント:酒じゃないぞ、シュワシュワだぞ。そこ間違えんなよな
コメント:シュワシュワとは何ぞや定期
コメント:女神さまが召し上がられる聖なる水
コメント:尚ただの酒
コメント:アルコールは聖水の主成分だった(錯乱)?
コメント:まあいい気分になれる水ではある
コメント:シュワシュワしていい気分になれる水……?
コメント:そう聞くと怪しいものにしか聞こえねえわ
コメント:普通に酒なんだよなあ
「ちょっとあなたたち!シュワシュワはシュワシュワよ!お酒なんて言ってるんじゃないわ!そう、シュワシュワとはこの女神アクアが認めた聖なる飲み物。そんな呼び方をしないでほしいわ!
……それはそうとサ〇トリーさんいつもありがとうね」
コメント:聖水の製造会社はサ〇トリーだった…?
コメント:聖水の製造会社(?)
コメント:聖水って工場で作られてたのか(困惑)
コメント:※宣伝ではありません
コメント:女神さまはサ〇トリー推し
コメント:駄女神だぞ
コメント:かわいそう……?
コメント:そうでもない
コメント:まあ本当だし
「あーっ!今駄女神って言った!駄女神って言った!取り消してよ!今の言葉取り消してよ!私は女神なのよ!?みんなひどいじゃない!私のことをもっと崇めてよ!讃えてよぉ!」
コメント:女神(笑)がなんか言ってら
コメント:5000円 元気出せよ駄女神
コメント:1000円 頑張れ駄女神
コメント:30000円 アクア様!こんな不届き者たちの言葉は無視してください!我々がいます!
コメント:アクシズ教の方だ……
コメント:3000円 酒代なんやで
コメント:スパチャw
コメント:10000円 駄女神代
コメント:駄女神代とは
コメント:(哲学)
コメント:草
「あ、あなたたち!駄女神呼びは良くないけど……その、ま、まあ今回は大目に見て許してあげるわ!それじゃ、今日もマシュマロを読んでいくわよー!」
コメント:切り替えが早い自称女神
コメント:1000円 今日こそ俺のマシュマロをアクア様に……!
コメント:アクシズ教おる
コメント:アクシズ教のマロはほぼ毎回怪文書だからなあ……
コメント:一瞬で見分けられてしまうアクシズ教のクソマロ達
コメント:あんなの書けるのアクシズ教徒くらいだぜ……
コメント:まあ面白いからオッケーです
コメント:盛り上がればそれでよし
「よーし、まずは一つ目ね!どれどれ…………」
『こんにちはアクア様。
僕は今大学生なのですが、明日で20歳になります。
そして明日初めてのお酒を飲もうと思うのですが、おすすめのお酒などありましたら教えていただけると幸いです。』
「な、なんてまともな文章なの……!うちのマシュマロにこんなにもちゃんとした物があるなんて……。でもごめんなさいね。私はお酒なんて飲んだことないから良く分からないわ。
……でも、なんとなく…いや本当になんとなくなんだけどね!?サ〇トリーさんのほろ〇いがおすすめだわ。なんとなくだけどね?」
コメント:文章として成立してるだけでレア
コメント:飲んだことない(笑)
コメント:なんとなくのくせに商品名も会社名も出してて草
コメント:サ〇トリー好きやなー
コメント:アクア様ありがとうございます!そうしてみます!
コメント:本人いて草
コメント:明日楽しむんやで
コメント:頑張れよ
コメント:コメント欄優しくて草
「じゃあ次の行くわよー!」
『 酒酒 酒 酒酒
酒酒 酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒
酒 酒酒 酒酒 酒酒
酒酒 酒酒
酒酒 酒酒 酒酒 酒酒
酒酒 酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒
酒酒 酒酒 酒酒 酒酒 酒酒酒
酒酒 酒酒 酒酒 酒酒
酒酒 酒 酒酒酒酒酒酒酒
酒 酒酒酒酒酒酒 酒酒
酒 酒酒 酒酒
酒酒 酒酒 酒酒
酒酒酒 酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒
酒酒 酒酒 酒酒
酒 酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒酒
酒酒 酒 』
「……うん。知ってたわ。こういうのがいつものだって」
コメント:www
コメント:何かを悟るアクア様w
コメント:聖水のことだろ?お前ら何言ってんだ?
コメント:(洗脳済み)
コメント:酒で酒を描く猛者
コメント:しょうもないwww
コメント:マシュマロって文章じゃなかったのか……
コメント:いつもの
コメント:実家のような安心感
「……よし。こういうマシュマロたちに対抗するために……聖水を、解禁するわよ。」
コメント:今日もこの時が……
コメント:遂に来てしまうのか
コメント:あの時が……
コメント:ただの飲酒タイムだろ
コメント:言うな
コメント:そういうことにしとこうぜ
コメント:10000円 飲酒代
コメント:飲酒代w
コメント:酒……ゲフンゲフン聖水を飲むだけで金が貰える女神
コメント:神やん
コメント:女神だぞ
コメント:草