やあ、みんな俺だよ!カズマだよ!
今日は、なんかめぐみんが
「えぇい、あの社長、許せません!この私にグッズ販売など重要なことを伝えないなんて……!今日は直接会社の方に乗り込んでやりますからねぇ!じぃっくり話を聞こうじゃありませんかぁ!あ、もう連絡は取ってあるので大丈夫ですよ。ん?何言ってるんですか?もちろんカズマも一緒に、ですよ?いやだってカズマこのまま放っておくと一日中家でゴロゴロするじゃないですか、ほら、いい運動だと思って、一緒に行ーきーまーすーよ!」
とか言ってたので一緒に会社に行くことになった。
それと会社の名前は「ウィズ株式会社」とか言うらしい。昔の社長のあだ名から取っただのなんだのめぐみんが言ってた。
そういえばあだ名がウィズなら社長の本名はなんだ?ってめぐみんに聞いたら
「あれ、そういえばいつも社長、かウィズさん、で呼んでいるので、私本名知らないですね」
とか言いやがった。一応事務所に所属してる人間が社長の名前どころか苗字も知らないってどういうことだよ。大丈夫かその会社。
いやまあめぐみんが特別…………よく考えたら他の奴もダメだったわ。変態騎士に駄女神。
……とまあ、めぐみんとその会社に行くことになって、今は電車の中だ。家からは割と近いらしく、電車で30分ほどすれば到着するんだとか。
「ふふふ、あの社長……もうすぐ会いに行きますから、覚悟しておいてくださいね……!」
「いやお前そんなどっかの呪いみたいなこと……」
「何を言いますか!私のように責任感とやる気に満ち溢れた者に情報を伝えないなど、あってはならないことです!」
「いやまあやる気はあるよね。あと責任感はあってもやらかしたら意味ねえよ。どうせお前、今までに何回もやらかしてきたから教えられなかったんだろ?」
「やらかし……ま、まあ誰にしろ一度や二度や三度や四度くらいのやらかしはあると思うのです」
「いや多いよ馬鹿だろ」
「にゃ、にゃにおう!?誰がウマシカですって!?」
「お前だよお前」
「うるさいです!」
いやこいつ電車内で叫ぶなよ。うるさすぎだろ。
ていうか周りの人の迷惑だからやめなさい。
「うるさいのはお前だよ、ちょっと静かにしろ」
「ふう、まあ言いたいことは言えたので良しとしましょうか」
「全く……ほら、あそこの女の人もこっちを睨んできてるぞ」
「おや、本当ですね。流石に少しうるさくしすぎましたかね」
「自覚あるんならマジで静かにしてろ……ってかあの人めちゃくちゃこっち見てくるじゃん」
「本当に……あ、もしかしてカズマの知り合いだったりします?」
「いやいや、ずっと引きこもりだった俺にリアルの知り合い、ましてや女の人なんているわけないだろ?冗談はよしこちゃん、だぜ?」
「え、キモ…あ、いやよく考えたら確かにそうですね。ヒキニートに知り合いなんているはずがなかったです」
「なんだお前喧嘩売ってんのか」
「まあそれは置いておくとして。……あの女の人、まだこっちのこと見てますよ。いい加減話しかけるなりした方がよいのでは?」
「置いておくかは俺が決めるからな?にしても、あの人…こっちに近づいて来てないか?」
言った通り、少しずつこちらに近づいて来ている。
……よく見たらこの人、胸大きいな。
うむ、眼福眼福。
「くうっ、初対面の女の胸を凝視するなど……たまりゃん!」
「いやお前ダクネスだろ」
「しょ、初対面なのになぜ分かった!?」
「こんな変態が日本に何人もいてたまるか」
「こ、言葉責め……それも悪くない」
成る程、ダクネスだったのかお前。
ん?でもお前も俺の顔は知らなくないか?
何でこっちのこと見てきたんだ?
「というかめぐみん!お前は私の顔を知っているはずだろう!なぜ無視をする!」
「え?ああ……確かによく見るとダクネスですね。リアルでは久しぶりですね」
「い、一応は同僚だろう!?顔を忘れるなんて失礼過ぎないか!?」
「今思い出したのでセーフです」
「おいめぐみん、流石の私でも少し傷つくぞ!?」
いやめぐみんお前……。
やっぱお前の責任感なんかあっても変わんねえよ。
あったところで責任なんか取れやしないぞ。
「そんなことより、どうしてダクネスもこの電車に?これに乗っているということは、ダクネスも会社に向かっているんですよね?」
「ああ、そうだ。実は会社から私宛にメールが届いてな。今日この時間に会社に来いとのことだった」
「へぇ、実は私たちは、グッズ販売のことを知らされていなかった件について社長に問いただしに行くところなんですが……」
「え!?…あ、ああ、そうなのか……そそそそそれで、ど、どうしたというんだ?」
「ダクネスあなた……グッズ販売のことを知っておきながら、私に黙っていましたよねぇ!?」
「あぅ…そ、それは…」
「ははは、やはりそうですか!では社長をシメる前に、まずはあなたからですよ!ダクネス!」
「うるさいぞ、少し黙れ。……というかダクネスをシメてもご褒美にしかならないと思うぞ」
「痛ったぁ!?あ、頭を叩かないでください!」
「なるほど、シメられる……?それも悪くないな……よしめぐみん、思う存分やってくれ!」
「あー、やっぱり遠慮しておきますね」
「なぜだめぐみん!?さっきまではあんなにノリノリだったではないか!?」
「そういうところですよ」
「本当、そういうところだぞダクネス」
「くうっ、二人から向けられる冷たい視線……!こ、これはこれで……!」
「手遅れみたいだな」
「ですね」
どうやらこの変態の矯正はもうできないようだ。
話してると目的の駅に着いたので、三人で降りた。
「いやぁ、この場所に来るのも久々ですね。確か前に来たのは問題を起こして呼ばれた時だから……三か月ぶりくらいでしょうか」
「私は最後に来たのはつい一週間前だな。グッズ販売のことで……」
「グ ッ ズ 販 売 !」
「おいめぐみんうるさいぞ」
「そうです、グッズ販売です!よし、早く社長を!シメに!行きましょう!」
「いやうるせえしテンションも高けえ……」
「さあ!早く!」
「はいはい……」
会社の事務所はいわゆる普通のオフィス、といった感じで、ビルの中に入っていた。
「おおー、なんか普通の事務所だな」
「そりゃあ、別に普通の会社ですからね。おかしなところなんてないですよ?」
「いやだって所属してるメンバーがおかしいところしかないから……もしかすると会社の方もおかしかったりするんじゃねえかなー、と」
「あー、まあ確かにダクネスにしろアクアにしろちょっと問題がありますからね……」
「何言ってんだなんならお前が一番おかしいわ」
「なんですと!?私が一番まともです!」
「ほら二人とも、少し静かにしないか……ああ、それと私はお、おかしくなんて…にゃいぞ!?」
「やっぱりこの変態の方がおかしいかもしれん」
「ですね」
「なっ、なんだと!?」
「フハハハハハ!煩い、煩すぎるぞ貴様ら!少しは静かにしろ!」
「あっ、ほぼこの会社の社長のバニルさんじゃないですか。お久しぶりです」
「うむ……って何故爆裂娘とその兄のヒキニートがいるのだ?吾輩が呼んだのはそこの変態ドM騎士だけの筈……」
「え?社長の方にはアポを取りましたよ?」
「あ、あの貧乏社長……!また吾輩に伝えずに勝手に……!この程度の報連相くらいその辺の新入社員でもできるわ!」
「ええ……じゃあ俺たちが同じ時間に来たのってたまたま……?」
うーん、ネットでの初対面だとクソうざかったが……もしかすると苦労人かもしれない。
やっぱりインターネットだけで人を判断するのは良くないな。
まあ俺はヒキニートではなくただの引きこもりだが。
断じてニートではない。
「ふう、まあいいだろう。それで、貴様ら兄妹は貧乏社長に会いに来たのだな?」
「ええ、グッズ販売の件で少々」
「やはりか……どうやら吾輩たちと同じ要件のようだな。ふむ、ついてこい。案内してやろう」