そんなことよりゲームしようぜ! 作:ミカサ
まずい。
まずいまずいまずい。どんどん追っ手が増えてくる。
しかも覆面黒づくめの刃物野郎だ。悪魔の気配はないが、不可思議な術を使ってくる。
「葛葉! 最大出力! 俺はお前のお友達!『追わないで……。見逃して……!』」
追っ手が揺れる。良っし掛かった! これで好感度が一番高い奴と同じに見えて追跡がとま……らない!?
「誰であろうと、抹殺する!」
抹殺されちゃう!? くっそ友人にも刃を向けるとか、こいつら機械かサディストかよ!
一体何で追われている!?
「ナルト! サスケ! お前達、実は大富豪の子供とかか!?」
「知らないってば」
「うちわの長の子供だったけど、一族皆殺しにあったから今は違う」
「じゃあ、お前らの才能を狙った奴か? なんでジャストナウ? お前ら、ずっと孤児だったんだろ?」
「そうだけど」
「そうだってば」
ナルトとサスケを捕まえて、少し本気で空を飛ぶ。
げっ 子供がいるのに刃物投げてきた!
ひゃ、百鬼夜行の祓い様と互角以上に戦うだと!?
「俺の足についてくるなんてあり得ない! 韋駄天様の欠片を使っているんだぞ!? こいつら、人間じゃない!? 」
「ナルト! サスケ! 大丈夫か!?」
「「イルカ先生!」」
「誰だ!?」
「学校の先生だってばよ!」
「学校の先生……」
俺は、一端ナルトとサスケを下ろして人の良さそうな男を観察した。
「こいつが学校の先生? 随分妙な服装だけど……不審者と同じような」
「普通だってば」
「そもそも不審者じゃなくて暗部だしな」
「忍者みたいな服装が普通なわけないだろ? 暗部ってなんだ、暗部って。凄く怪しい響きがする」
「怪しくないってばよ」
じりじり。じりじり。
ナルトとサスケを庇ってじりじりする。
「ナルト、サスケ! 心配したんだぞ! 知らない人について行っちゃ駄目だろ!」
「言っていることは真面……」
本当に先生が探しに来たんだろうか?
「抜け忍は処分なんだぞ!?」
「じゃなかった!? 子供に何言ってんだこの人! つーか忍びってなんだよ! ここは隠れ里か何かか!?」
「木の葉隠れの里だってばよ」
「は? マジで? マジで忍者?」
沈黙が落ちる。
「……お前ら、ひょっとしてちゃんと保護者いるの?」
「いや?」
「こっちの常識じゃもう大人とか?」
「そうじゃないってばよ」
「……?」
「あんた、悪い人じゃないって言うなら、里の子供達を返してくれ。その子達は大切な俺の生徒だ。血縁上の親はいなくても、里の者は皆、家族だ」
「……でも、それにしたってこんな子供が一人暮らしとか……。でも、確かに俺はこっちの常識知らないし……」
ぼふっと音を立てて黒羽がサスケから分離する。
九尾も封印の奥に潜ったらしく、ナルトを覆う金色の毛が消えていく。
『ここは退け。どう考えたって筋通してないお前が悪い。引き取りたいなら、里長に連絡すべきだったな』
「……すみませんでした」
俺は悪魔合体を解き、深々と頭を下げ、イルカという先生に甘んじてぶん殴られた。
追いかけてきた怪しい人々に、がんじがらめに縛られる。
どうやら、この人達は不審者ではなく警察だったらしい。
迷い込んでそうそう、児童誘拐で前科一犯かよ……。
ナルトの勧誘したら、ナルト連れて隙を突いて逃げよ。
まあ、厳重注意ぐらいだろうけど。
「イビキ―! 人柱力を浚おうとした奴だ! 頼む!」
「襲い来る嫌な予感!」
あまあまな俺の予想を裏切られたのはすぐだった。